「でゃああああああああああ!!!!!!」
アームカッターで斬りつけようとするも、福音はすぐ避ける
「ふーっ……ふーっ………!!!コロス!!!貴様だけはァッ!!」
シャルロットは悠の様子の異変を察知した。
(悠何で暴走したISに殺すだなんて………もしかして人が乗ってる!?それを福音がなぜか操つられてる!!!)
しかし福音は攻撃を再び開始した。狙いは二人。
「くっ!!早い!」
シャルロットはすかさずアサルトライフルを打ち込む。
それとオメガはある船を目撃し、高速で詰め寄って着地し、水飛沫が飛ぶ
「うおぁ!!あ……アマゾン!?」
「それとIS!?」
オメガはアマゾンレイドを2人の船員に近づけて恐喝した。
「ここはISの戦闘区域だ。すぐ退去しないと……………………殺す。」
「ひぃぃぃ!!」
「わ、わかりましたあああ!!!」
「あのオレンジ色の機体の型の案内に従う様に!!」
オメガはその後シャルロットに流れを報告し、任せる。
「………分かった。でも悠はどうするの!!」
「あいつを足止めする!!早く行けっ!!」
「うん!!絶対死なないで!!」
オメガは最後に箒へと詰め寄る
「おい篠ノ之箒………」
「…………」
「自分が悪いと思ってるのかあぁそうだよ!!今から一夏君を引き上げて逃げろ!!」
「わたしが………いちかを………」
「いいから行けぇっ!!」
オメガの発破により錯乱状態だった箒はすぐさま一夏を海中から引き摺り出し、すぐさま陸へ向かう
そしてオメガは福音と向かい合う。
「……………」
『……………』
(これが福音………何やら射撃特化型の機体でオルコットさんのレーザーライフルの倍の威力だ……)
オメガは格闘戦は不向きだと考えたが、武器の扱いは自身の複合アサルトライフルしか慣れてない。
「…………やるしかない!!!」
そう言い右手をレーゲンのプラズマ手刀、左手を紅椿の雨月に、両翼を龍砲、レールカノン砲を模倣生成し、突撃する
「はあああっ!!!」
刀で突き刺そうとするが避けるのを察知し、なるべく銀の鐘の光の羽を飛ばさない様にする
「捕まえたァッ!!」
『……La』
甲高い音を響かせたと思いきや蹴り飛ばして弾幕を発射する
「そんなもん読んでんだよっ!!」
両翼のレールカノン砲と衝撃波を同時発射させ、右から左へと薙ぎ払う。
(と言うかこれ消耗えぐいな………ならこれしかない!!)
武器を全部解除したオメガは獣の様な構えを取る
「自分を信じるんだ………!!ヴォォォォォォォォォォ!!!」
即座に飛びかかり右腕のアームカッターで引き裂こうとする。
しかし福音は回避行動に移ろうとするが、左腕に切り替えてカウンターを喰らわす。
それにたらずに拳打するもSEは減らない為、アサルトライフルの至近距離射撃を行う。
「ヴォラァァァ!!」
これでもなんとか削れたはもののまだ手応えが無い為、龍砲を展開し至近距離で衝撃波を展開する。
(命中した!!)
即座に離れるも煙が晴れた瞬間銀の鐘を速射してきた。
「何……!!ってくっ!!」
オメガは弾幕の雨を高速で避けつつも被弾し、それを意に返さず《FK−3》で乱射する
「クソガァァッ!!!」
最後の最後にレーゲンの両翼にレールカノン砲を生成し、同時発射。それにより翼に穴が空いた。
『………!!』
しかし福音はオメガが神速で投擲したアマゾンレイドを掴んだ。
「強過ぎだろ……ってあ。」
身体から蒸気を発して変身が解除された。
「………通信が来た。」
それと同時に千冬から通信が来たので出る
「織斑先生!!」
『水澤、帰還命令だ。すぐ戻れ!』
「はい!!」
FK−3の弾丸をスモッグ弾に切り替えて福音に煙幕を張って撤退した。
(一夏君………)
その頃シャルロットは………
「避難が完了したら警察に突き出しますからね」
「はぁ……」
しかし例の男2人はシャルロットに興味津々だった。
(なぁあの女、男っぽいけど犯しがいありそうだな!)
(ありよりのありだぜ!)
なんと男の1人がシャルロットにセクハラを仕掛けた!
「うわぁっ!!な、何!?」
「わりぃわりぃwwwww」
「ついつい虫がいててな。」
二人はコソコソ話を再開する
「あいつ可愛いケツしてたぞ!!」
「いゃぁー声も良かったしやっちまうか!」
「やっちゃえ日産!!ってかwww」
それを聞きつけたシャルロットは武器を両方の腕に呼び出した。
「あぁん?なにしてんだ?」
「……………」
「おい何とか言えよ!」
シャルロットは死んだ笑顔をしながらこう言った。
「君たち…………僕をそんな目で見てたんだ…………」
「あぁ?」
「おお怖がらせようとしてるのか可愛いねぇ……」
しかしその男達の人生は詰んだも同然
「ねぇ……なにしてるの。おっさん。」
「あぁ?」
「………この声まさかっ!」
アマゾン変身体を解除し、普通にISを装着した水澤悠だった。
「おまえっ!!見てたのか?」
「うん。ちゃーんとみてたよ?」
「ゆ………許して」
「ごめんデュノアさん先行ってて」
「えっ……うん。」
シャルロットはアサルトライフル二丁を収納し、先に行かせた。
「ひぃぃぃ!!」
「お、お助けを!!」
「許さないよ。」
しばらくお待ちください……………
なんとか陸までついた悠は船を持ち上げており、その船にはボコボコにした2人の男性が倒れて乗っていた。
「み、水澤君!!その船はなんですか!!」
「なんとか陸に引き上げました。」
「確か……戦闘区域にいたあの密漁船?」
「はい。後は任せました。」
船を置いてISを解除した悠は一夏が担架に乗せられ、旅館に連れて行かれるところを目撃した。
「一夏君っ!!」
「水澤君………」
クラスメイトの一人、鏡ナギが僕に一夏君の様子を話した。
「鏡さんっ!!一夏君は!?」
「少ししか見れなかったけど、火傷と焦げてるところがあって……」
「皆さん下がって!運びますよー!」
救急隊員が運び出したのを追いかけようとしたが、何も言わない篠ノ之さんを横目に旅館へと向かっていった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「一夏君……………」
僕が帰投してから既に一時間、そして一夏が意識を失ってから三時間が経過。
一夏君は意識不明の重体、銀の鐘による傷はISの緊急保護プログラムでなんとか一命を取り止めるに至ったものの、今だに意識を取り戻してはいない。
銀の福音は一定距離を飛行したのち反応消失、おそらく受けた傷を癒すためにステルスモードに入ったと思われる。
今僕は制服に着替えており、一夏君の見舞いに来ている……
「君は………君は優しすぎるよ………」
恐らくだけど一夏君は区域に侵入していた船を守るために攻撃をやめてしまったのであろう。
「…………辛いのは皆一緒だ水澤。しかしお前が
「織斑先生……この作戦、束さんの推薦で篠ノ之さんがこの作戦に組み込まれたんですよね………?」
「あぁそうだ。しかし言えるのはそこまでだ。」
僕の予想だと、束は紅椿の実用性を見せる為に銀の福音を暴走させたのだと思っている。というか寧ろ思いたくは無い。
「そう言えば篠ノ之さんは?」
「まだ外らしいなそのままにしておく。何かあったら部屋に入れる様にな。」
「はい………」
千冬が退出し、残されたのは治療中の一夏と僕だけになった。
「悠、居る?」
「入るぞ。」
部屋にデュノアさんとボーデヴィッヒさんが訪れた。
「デュノアさん、ボーデヴィッヒさん……」
「一夏の様子は?」
「意識不明、いつ目覚めるか分からない。」
「そっか。それに……あの時はありがとう。」
「いいよ。流石にあれは許せなかったし。」
「馬鹿者が…嫁を1人にさせよって……」
しかしボーデヴィッヒさんは僕を見てこう言ってきた。
「悠はよくあいつと張り合えたな。しかも軍用IS相手にだ。」
「まぁ……ね。ていうかボーデヴィッヒさんは一夏君なことが好きなのに…………辛く無いの?」
表情を崩さないラウラは腕を組みながらもこう答えた。
「あぁ、もちろん好きだ。だが私がここで泣き叫んでも事態は変わらん。それに一番辛いのは肉親である教官だ。今すぐ飛び出したい気持ちをあの人はただただ抑えている、トップが揺らげば全体が揺らぐことを知っているからだ」
「そっか……ボーデヴィッヒさんは割と見てるね。」
「まぁな。」
すると僕にある疑問が浮かんできた。そう、一夏君についてだ。
「ボーデヴィッヒさんに質問だ。」
「何だ?」
「その……一夏君の判断は間違えだったのかな……君が軍隊出身だから聞いておきたいんだ。」
「へぇ……お前はそう言うの慣れてそうだが、」
「最初は慣れてなかったよ。」
駆除班に初めて来た頃、初任務でアマゾンを一歩まで追い詰めたが、人間態に戻った瞬間、僕は殺すことができなかった。
「成程な。まぁその気持ちは分かるな」
「でも作戦に優しさは要らないのは分かっている。」
「白式と紅椿の戦闘ログにいた密漁船。確かに犯罪者だが奴等は厳戒領域を突破してまで侵入した、流れ弾をくらって海の藻屑になろうとしても、それは仕方ないことだ。本来なら機密保持目的で、密漁船は沈め、乗組員も一人残らず抹殺しなければならないだろう」
「でも僕達は人を殺せない学生なんだよ……」
もう一つ、篠ノ之さんについてだ。
「篠ノ之さん………力を手に入れた事によって奴は紅椿という力を手にし、自らを強者と定め、自身に不可能などないと、立ちふさがる者はいないと信じた。
そして今までの耐えて忍んでいた一夏、自身の指標に対する思いが爆発した。だがその先にあるのはなにもない空虚だ」
「流石だね。VTシステム暴走事件の時に学んでるだけあって。」
「まぁな。」
しかし自分はこのままでいいのかと思った僕はある提案をした。
「ねぇ二人共。」
「何?」
「もう一度……あのISを倒したい……!!!」
その提案は二人を驚かせた。
「ええっ!?」
「ちょっと待て悠!!今この状況じゃ福音を倒せないぞ!」
「僕を何だと思っている?ボーデヴィッヒさんが1番分かってるんじゃ無いかな?」
「………で、どうする気だ?」
「僕のISの固有能力で零落白夜を再現……いや、それ以上の火力を持つ武器で倒す事。」
「あぁ!それが確かあったね!」
「オルコットさんと凰さんを連れて来させます」
数分後………
何とか来てくれました。
「二人共一夏君がやられて辛いよね?」
「えぇ勿論ですわ!!!」
「あんなやつをコテンパンにしてやるわ!!」
「しかしまだ必要な人がいる。」
「必要な……」
「人…………?」
「そう、篠ノ之箒さんだ。」
「でもどうしますの?箒さんはいまだに外にいらっしゃるけど…?」
「…………説得する。何としてでも。」
「じゃああたしがついていってあげる」
「頼もしい。」
僕と凰さんは部屋から出ていき篠ノ之さんを説得に行った。
「…………」
「…………」
廊下を歩いているが何故だか空気が重い、凰さんにとって一夏君は幼馴染。篠ノ之さんと比べて長く一緒にいたからね。
「ねぇ凰さん。」
「何?」
「辛いよね。こう言うの。」
「勿論辛いわよ。但し問題は箒よ箒。」
「何で?」
「それはね……………専用機持ちなのにウズウズしてるところよ!!」
「やはり私はいつもそうだ……」
誰も居ない夕日の浜辺、箒は一人で嘆いていた。
そもそも一夏との出会いは小学生の頃だ。
最初は千冬さんの弟で、剣道は私より弱かった。しかしあいつは諦めないとか言って、私に毎回挑む奴だった。
要するに諦めの悪い奴だと思っていた。
その時までは…………
「おい男女、今日は剣持たねーのかよ!」
「喋り方も男っぽいしな」
「やーい!やーい!男女www」
小学二年の頃、私は周りの女子と比べて趣味が違っていた。
周りの子は熊さんのぬいぐるみとか、お人形さんとか、たまごっちとかの可愛いのが大半だ。
しかし私は剣道一筋だ。それによって周りの女子と少しは孤立していた。
孤立していたならまだしも、周りと違うことによりいじられることがあった。私は自分は少し強いと思っており、それを無視していた。
「しかもリボンとかつけてんだぜwww」
「笑えるよなぁ!!」
我慢していたがある男子が話しかけて来た。
「お前ら何サボってんだよ。掃除の時間だから掃除しろよ。」
その男の子こそが一夏だった。最初は掃除をしてなかった奴らに注意したつもりだった。その姿は回転箒を片手持ちながらもふてぶてしい姿だ。
「なんだよ織斑、お前こいつの味方かよ」
「お前この男女が好きなのかぁ?」
「おいおいお前の夫が来たぞ〜毎回イチャイチャしてるじゃん!」
「こいつら毎朝会ってるんだぜー夫婦だ夫婦ー!」
目の前の三人組が口々にはやし立てる。
イチャイチャ? 剣道で打ち合って朝練をしてるだけなのだがな。それだけで夫婦か、それはなんとも平和なことだ。
私は無理矢理頭の中で冷静に処理しようとする。
「そいや篠ノ之。このまえリボンなんて女の子みたいなのつけたことあったよな」
「織斑が剣道やり初めてから時じゃね?」
「もしかして本当に夫婦か? そんなのつけたって全然可愛くねえよ! むしろ笑っちまうよな!」
私は必死に耐えていた。このリボンは姉さんが買ってくれたやつで嬉しかったからだ。手を出そうとした瞬間、一夏が思いっきりぶん殴った。
「いってぇ!!何すんだよ!!」
「……まれよ!!」
「あぁ!?!?」
「篠ノ之が可愛いのをつけて何が悪いってんだ!!
俺はそう言う悪口言ったりいじったりする奴が大嫌いなんだよ!!!
こいつが男女じゃなくて女の子だろうが!なんとか言えよ!!あぁ!?」
「てめぇ!!先生に言いつけるからな!!」
「やってみろよ!まずは篠ノ之に謝れよ!!」
「んだとー!!!」
「やっちまえ!!」
あの後、両親を呼ぶぐらい大事になり、当時中学生の千冬さんが一夏と頭を下げて来たのを覚えている
一夏が「なんで謝るんだよ!悪いのはそっちの方なのに!!」って言った時は千冬さんはあぁでもしないといじめっ子みたいに騒ぐ親もいるからなと諭していた。
私は、一夏のその姿勢に救われていたかもしれない。
「お前は馬鹿だ。」
「なんだよ急に。馬鹿じゃねぇよ馬鹿。」
「馬鹿だ。いや、大馬鹿者だ。」
「馬鹿馬鹿言うなよ、馬鹿って言った奴が馬鹿なんだぜ」
「じゃあお前も馬鹿だ。馬鹿って言ったぞ。」
「なっ……!!」
数日後、珍しく私から彼に話しかけた。その時何で話しかけたのか、よく覚えていない。ただ朝の鍛練で顔を洗っているあいつを見て自然と足が動いたのだ。
「お前はそんな事をしたら後で面倒臭いことになるのを知っていたのか?」
「あぁ、でも俺は篠ノ之がいじめられていたから許せなかっただけだ。」
「お前のその正義感は何なのだまったく。」
「それによ……お前のリボン、似合ってるぞ。」
「………!!」
初めての褒め言葉……それにより私の心は跳ね上がった。
今まで感じたことの無い感情……私は、一夏に惚れたのかもしれない……
「べ……別にだ。私は私の道を行くからな。」
「んだよ可愛げのない奴」
「あぁ?」
「ごめんなさい」
普通なら褒められたら喜ぶものだが、私は照れ笑いはできなかった。
本当に一夏の言う通りだと思う。
「じゃあ帰るわ。またな篠ノ之」
「……箒だ」
「うん?」
「私の名前は箒だ。いい加減覚えろ。それにこの道場には篠ノ之は他にもいる。紛らわしいだろ、だから次からは名前で呼べ、いいな」
私は何を言ってるんだ……名前なんて意味ないのに
それでも………
「じゃあ一夏な」
「な、なに?」
「だから名前だよ。織斑は二人いるから。俺のことも一夏って呼べよな。わかったか箒」
その時の彼の笑顔は満面の笑みを浮かべていた。それが眩しく輝いていた。
「いっ……い、い、一夏!!こう呼べば良いのだろう?」
「おう!宜しくな箒!!」
「うっ……うるさい!!練習の再開だ!!いっ……行くぞ!!」
「よーし!!今日こそ絶対かーつ!!!」
これこそが一夏との馴れ初め……今覚えばあの頃が私の輝かしかった時期かもしれない。
だけど…………
「自ら力を見誤ったことで一夏が…………悠やシャルロットにも当たってしまった……」
残されたのはざぁー…っ、ざぁー…って鳴り響く波の音のみ。
あの時の光景がフラッシュバックしてくる。
もし、悠の言う事をちゃんと言えばこうならなかったと思う。
あの後後方支援の悠が福音の足止めを一人でやった事に私は寝耳に水だった。
長い髪を纏めていたリボンはいつの間にか無くなっていて、ずっとうなだれている。まるで今の箒の気持ちを表しているかのようだ。
三時間前の出来事が一秒前のように思い出せる。ISの防御機能を貫通した福音の爆撃は一夏を焼いた。
ISの装甲越しでもわかった生暖かい感触。紅椿とは違う色の『赤』。
『作戦は失敗だ。以降、状況に変化があれば招集する。それまで各自、現状待機だ』
作戦から帰って箒に言われたのはただそれだけだった。
罵られることも、軽蔑されることもなく。ただただ突き放された。
なにも言われないことが何よりも箒の胸に深々と突き刺さった。
他の専用機持ちは箒を見たものの直ぐに別の作業に乗り出した。
悠には軽蔑と心配が混ざった眼差しを向けられ、去っていった。
「うっ、ふぐっうう、ぅぅぅ………」
膝から崩れ落ちて顔を拭う。涙が溢れて乾いた砂に落ちる。声が上ずるのを唇を噛み締めて堪え忍ぶ。
この涙はなんの涙なのか。
一夏に対する涙なのか。
自分の不甲斐なさに対する涙なのか。
分からない、分からなくても涙が溢れてくる。
その涙は後悔を表し、悠やシャルロットにも申し訳なくなって来た。
私はもうISには乗らない……それで大切な人が傷つくのなら…………
「まだ此処にいたんだ。」
すると後ろから悠の声が聞こえて来た。今までの優しそうで儚げな笑顔ではなく、本気で怒っていながらも、悲しげな感情をしていた。
「ったく専用機持ちなのに情けないわね。」
二人目は……鈴の声だ。
「篠ノ之さん。この作戦の失敗の原因は貴方だ。」
「………」
「だから仇を討とうよ。一夏君の。」
「………」
黙秘を貫くだけだった。それにより痺れを切らした鈴が私の肩を掴んでこっちを向かせた。
「……っなんとか言いなさいよこの馬鹿!!!アンタもあたしも悠も大好きな一夏がやられてるのよ!!」
そう、ヒロインズはシャルロット以外一夏に対して当たりが強いのだが、皆一夏の人間性と優しさが好きな人達ばかり。
ファースト幼馴染である当本人が何もしないと言うのは言語道断なのである。
振り向かせても箒は二人と目を合わせようとしない。
「わ……私は……も、もう、ISなんかに……………乗らないと決めた。」
「なんだとこの……って悠!?」
鈴の肩を掴んで跳ね除けた悠は思いっきり私に平手打ちをした。
「……………!!」
「篠ノ之さん………ふざけんなよ……」
その流れて箒のISスーツの胸ぐら部分を掴んで自分に近づかせた。
「あなたのせいで失敗したのに、今更凹んでるのかよ………!!!」
「………は、はる」
「こっちを向けぇぇっ!!!!それと………こいつもよこせ。」
「……あっ」
悠の表情は憤怒の如く怒り散らかしていた。それと同時に私の手首に着けていた紅椿の待機形態の紐を取り上げた。
「これがなんなのかわかってるはずだよ。」
「紅……椿」
悠は私の前にそれを見せつける。
「そうだ。でもこれはね守るための道具なんだよ。」
「……….」
「篠ノ之さんはこれを自分の力だと慢心していた。」
「…うるさい」
「それと、これは束さんに頼んでもらった謂わばズルしてもらった力」
「…うるさい……!」
「これがなきゃ一夏君の隣には入れないってか?」
「黙れっ……!!!」
バシンッ!!
「悠っ!!やりすぎよ!」
「笑わせるなよ篠ノ之さん……!!!!」
「……私から紅椿を奪ったら姉さんが何をするか…」
「いつも束さんの話になると不機嫌になる癖にこの時だけ使うんだな」
「違う!!」
悠は紐を握り締める。その拳には血管が浮き出てくるぐらいの握力で握っている
「待て!…….何をする気だ!!」
「僕のアマゾン細胞による模倣能力で紅椿を再現する。それと、自分や一夏君の事しか考えない君には必要ない。」
しかし、箒は紐を取り返し、悠に怒号をぶつけた。
「さっきから一夏君一夏君って!!お前こそ一夏の事しか考えてないじゃないか!!あいつのこと何も知らない癖に!!」
「そんなのわかってる!!でも……一夏君を知らないのは君の方じゃないのか?」
「何っ……」
その時、悠の声の入り方が変わった。何かを諭すかのように
「あの時見たんだ。一夏君が笑っていた訳を」
「…………」
悠はISスキャナーのカメラログから一夏が海に落ちるまでの流れを旅館からのモニタリングしており、
一夏の内面がそう言う事だと理解した。その心に、僕も、皆までもが涙を流した。
「君が無事で良かったからだからだよ。」
「!!!!!」
今更だ。何故今まで気づかなかったんだろう。付き合いの長い私が分からずに、悠が分かった訳を。
「一夏君は君が専用機持ちじゃないからって見捨てる訳ないでしょ!!」
「あっ……あぁ………!!!!」
「一夏君の優しさは1番君が理解してるはずだよ
…………………箒。」
その時、私は涙を流していたが、ハッとして顔を上げた。
「は……悠が名前を呼んだ……?」
「…………それで、箒はどうしたいの?」
「私は………討ちたい…………福音を悠と皆んなで倒して一夏の仇を討つんだ!!!!」
「それでこそ箒さんだ、さぁ行くよ。」
「あぁ!」
蚊帳の外に出されていた鈴は悠の呼び方が変わった事に気づき、感激していた
「あっ……は……悠が名前を………!!!」
悠は鈴の肩に手を置いて歩いた。
「鈴さんも。」
「あったりまえよ!!箒!悠!皆の所で作戦会議よ!!!」
あの後箒は皆に謝り、千冬の元へと向かった。
続く
これ大丈夫かよ
さて、風邪の季節となりましたが大丈夫ですか?
予防は大切ですよ!!