バカ寒いんだけどまじで。体調管理しっかりしましょう
待ちに待った学園祭。
早朝の開会式を皮切りに生徒のテンションは高まっていた。
ある生徒は自由に学園祭を堪能し、ある生徒は各々のクラスの出し物や模擬店等に忙しくも楽しい一時を過ごしている事だろう。
あーあ、僕も学園祭を楽しむぞー!って思っていた時期がありました。
僕にとっての学園祭はどんなのだったのかと言うと一つ目がこれ。
「はーい!こちら二時間待ちとなっておりまーす!」
「ええ、大丈夫です。学園祭が終わるまでは開店してますから」
「織斑君ご指名です!四番テーブルに執事にご褒美セットで!」
「ハンバーガーセット4名様入りましたー!!」
人 が 多 す ぎ る ! !
テレビで何処かの穴場飲食店を紹介された後に並ぶ行列すら凌駕する行列がご奉仕喫茶を経営している一年一組の前に並んでいる。
どうやら以前学園新聞に載った各三人での写真と僕と一夏君のダブル執事の写真と、後で撮った全員集合写真が見事学園女子のハートを撃ち抜いたらしい。
見出しが【多種多様なメイドさん達が貴方達をおもてなしをします】【世界で二人のイケメンIS操縦者が貴方を夢の時間へ連れて行きます】
というクソ長い見出しに惹かれて校内の女子が集結しているという。
ここミアレシティかよおい。
しかも二つ目が………
「水澤君オーナー入ったよ!」
「かしこまりました!」
「一番テーブルに注文入りましたー!」
「すぐ行きます!」
「織斑君と水澤君!六番テーブルに指名入りました!」
「「ダブルで!?」」
何でだろう、僕の注文が多い気がするのは気のせいか。
「織斑君と水澤君どっちがいい?」
「織斑君もいいけど水澤君も捨て難いよねー」
たのむ一夏君にのみ注文行って欲しい。このままじゃ僕は過労死する
「ドゥアァァァァァァ!!!」
スイッチが入ったので任された注文全部こなすことにした
「悠さんの本気具合がカンストしてますわーー!!!」
「五皿持って走るなんておかしすぎるだろ………」
ぶつかりそうになるがいつのまにか通り抜けるような回避を取りながらも注文に応えていった。
「シャルロットさん!!次のオーダーを……はぁ…ください!」
「悠、少し休んだら?」
「いーや、はぁ…はぁ…まだ…….いけます!!」
「もう46個のオーダーをこなしていたら助かるって」
「シャルロットさん、ここまで来たら二十四時間戦うしかないでしょ」
「悠、目がパキッてるよ、深呼吸して」
「…………はぁぁぁぁぁぁ(長いため息)」
シャルロットさんに言われた通りに深呼吸をした。
「落ち着いた?」
「うん。て言うか今抜けて大丈夫?僕目当てのお客さんもいるんでしょ?」
「そこは一夏に頑張ってもらうから。少しぐらいだったら大丈夫、その間に息整えておいて。じゃないと最後までもたないよ」
「それではありがたく休憩させてもらうよ」
正直息も絶え絶え、喉と唇も声を発しすぎてカラッカラだ。
休憩入ると受付に伝えた後、燕尾服を脱いで、各クラスの休憩室兼備品倉庫に使われている空き教室に向かう。
「あれ悠じゃないの」
「鈴さん?」
休憩室に鈴さんが現れた。なんだろう……久しぶりに感じた。
「何してんのよ」
「休憩ー」
「早くない?まだ学園祭始まって一時間しかたってないわよ?」
「仕方がないでしょ。一時間で46個のオーダーこなして来た所だから」
「バイトリーダーの仕事の仕方してるわね」
「と言うか二組は中華喫茶だったよね。忙しくないの?」
「一夏と悠のとこに客取られて暇なのよ、隣のクラスというお零れが無かったら完全に過疎状態だった。実際開店から30分ぐらいはそうだったわ。だから急遽ビラ配りして、今終わって休憩ってわけよ」
「そっか。」
うちが繁盛したお陰でやらなくてもいいことをさせてしまったのだと思うと少し申し訳なく感じる。
しかしこれは一等の金一封もかけている大勝負なので、敢えて謝らなかった。おそらく勝ち気な鈴さんもそれを望んではいないだろう。
「しかしねぇ……」
「何よ」
「露出高くない?」
「悩殺された?」
「された。一夏君だったらされない」
イラついて机の下部分蹴って痛がっていたのはさておき
鈴の服装は赤に金色の刺繍が入ったチャイナドレス、それもかなり大胆にスリット入っており、ジャンプしたら下着なんか丸見えになるであろう代物である。
あと背中がほぼ丸見えでちょっとエロいな………
そして鈴さんのトレード・マークであるツインテールはお団子ヘアーに変わっていた。
「鈴さんのお団子ヘアーすごく似合ってるね。流石中国代表候補生だけなある」
「褒めても何も出ないわよ」
「と言うかこれ生徒会よく許可したよな」
「なによ、服装なんて生徒会でも把握済でしょう?」
「いや、最終的な確認とかは全部楯無さんがやるから。まあ、似合ってるから良いけどさ」
多分面白半分に採用したんだろうなぁ。大丈夫かな、時折通る男性客がチラチラと鈴さんのチャイナドレスに目配せしているのだ。
………ん? 待てよ?
「これ綾音が着てる訳ないよね?」
「そんなに気になる?」
「気になるしかないでしょ」
あのIS学園の制服の袖部分だけ振袖にカスタマイズする猛者だけどそう言うのは苦手そうな綾音ははたして着てくれるのだろうか。
気になって夜しか眠れない
「気になるなら中華喫茶に来ることよ」
「考えときます……」
「ふふっ、じゃあねー」
そう言い残し休憩室から去っていった。多分奉仕喫茶だ。
「僕も戻るか……」
ーー♢ーー
休憩室のお菓子と持参していたハンバーガーと高タンパク質配合ゼリーを食べ終えて持ち場に戻った時だった
「戻りました」
「なにすんだよ!?」
「こっちの台詞よ!」
何があった。さっきまで話していた鈴さんとは違う鈴さんになってるて
見ると尻餅ついてる一夏君とフーフーと猫のように怒ってる鈴さんの姿が。
「なにがあったの?」
「鈴が一夏にビンタした」
何をしてんだか
「一夏君どうしたんだよ。どうかしましたかお嬢様。執事が何か失礼なことをしましたか?
「え、いやその」
「大変失礼致しました、こちらの執事には厳しく言っておきますので、どうかお納めください」
「う、うん」
謝罪したと同時に一夏君の頭を下げた後思いっきり地面に叩きつけたのはさておき
仲裁を加えられ怒っていた感情が静かにクールダウンしていく鈴さん。
あれ、思ったより手応えがないな。
「何すんだよ悠!」
「制裁⭐︎。さぁ早く立って立って」
一夏君を即座に立て直し、一夏は執事行為を再開する
「お嬢様、他にご注文は御座いますでしょうか?」
「い、いいわ、今回は帰る。中華喫茶に戻らないと」
周りの空気もあり、鈴さんはこれ以上此処には居づらかった。
「かしこまりました、またのご来店をお待ちしております」
「お、お待ちしております」
「う、うん………えと、一夏」
「な、なんでしょうか?」
「………………楽しかったから、頑張りなさいよ。後、行きなり叩いて、ごめん……ね」
「………お、おう」
「なによ」
「いや、鈴から素直に謝ってもらうとは思わなかったから」
それ今言ったらダメだよ
「どうした鈴。顔が赤いぞ」
「うっさいわね!兎に角あたしは帰るわ!それじゃ悠もきちんと怒っといてよね!」
「あぁはい……」
鈴さんは金を支払って一年二組へトンボ返りしていった
「で、何をしたの?」
「いや、叩かれるような事はしてない気がするんだがな、ただ」
「ただ?」
「ポッキー食べてる時の鈴がリスみたいで可愛いなと、言ったら首に………」
「お前さ……」
言おうとしたけど想像してしまいツボってしまった
「いくらwww何でもww言っちゃwwwダメだよ………ぶぶっ……ww」
「言いつけるぞ」
「すいませんでした。」
すると何なら鷹月さんが来た。何着ても似合うなこの人
「ん?鷹月さん、どうかした?」
「その………三番テーブルに使命入ったのよ、二人共」
「ダブルで?接客はワンテーブルに一人だろ? ちゃんと事情説明しないと」
「さっき説明したのにわかんない人居るんだ」
「そ、そうなんだけど………」
鷹月さんは、ばつの悪そうな顔で三番テーブルに視線を移す。
それにつられて俺と悠は三番テーブルを見ると………
「やっほ~♪」
そこには何故か、@クルーズのメイド服に着替えていた楯無さんの姿が。
「「………はぁ」」
同時に溜め息を吐いたのは、もはや必然だった。
「はい、あーん」
「あーん」
「んー、良い食べっぷり。はい悠君も、あーん」
「ぱくり」
「動物みたいで可愛いわね。三本おまけするわ」
「もごぉ!?」
一つのテーブルに陣どるメイドと執事二人、しかもメイドは仕切りに執事にポッキーをあげてる様は、何処か異様な雰囲気を放っていた。
そして………
『………………』
何故か鋭い視線が4本突き刺さってんだよなぁ。
一夏君狙いだけど巻き添えで辛いなぁ
「何で来たんですか?と言うか行列だったのによく中に入れましたよね」
「買収したらするりと変わってくれたわ」
「さらりと言わないでくださいそういうこと」
「一体なにを使ったんですか?」
「知りたい?」
「「いやいいです」」
どうせろくでもない物に決まっている。僕の中の僕もそう思っている。
「てか、そのメイド服どうしたんですか?………もしかして」
「やあねえ、別に盗んだ訳じゃないからね?ちょっと借りただけよ」
「買収でですか?」
「ニパッ☆」
「はぁ………」
ほんと、何を出汁に使ったんだろうか、もはや背筋が冷える。
どうせ一夏君か僕の秘蔵写真だろうな。
「しっかし、大盛況ねぇ。流石校内に二人しかいない男を独り占めしてるだけはあるわね」
「学園外からのお客様も多いんですよ」
「それはそうよ、二人は今のこの世界ではトップクラスの有名人なんだから。よ、人気者!」
「止めてくださいよ。最近、自覚はしてきてるんですけど。どうにも実感が沸かなくて」
「沸かないとダメだよ。人気に生じてテロリストが襲って来ても無理がないんだからさ。」
「悠が言うんだから確かに気を引き締めないとな」
一夏君も少し頼もしくなった。でも僕は恐怖心というのがある。
今までの敵は人を喰うだけの怪物。ただそれだけだったのに最近は軍用ISやテロリスト、そして謎の組織が動かしているとされる無人機とやらで心がいっぱいいっぱいなのだ。
只々捕食者と被食者の関係がいつの間にか変わっているという真実が一刻と迫っているのであった。
「どうもー!新聞部でーす!話題のダブル執事の取材に来ましたぁ!」
突如教室に飛び込んできたハイテンションの黛先輩の声に、恐怖心に染まっていた意識が復活した。
「あ、薫子ちゃんだ。やっほー」
「わお!たっちゃんじゃん!メイド服も似合うわねー。てか何よ、一人で執事二人を総嘗め? もう罪な女ね、たっちゃんは!」
言いながら既にシャッターを切り始めている。楯無さんに至っては「いえいっ!」とピースまでしている。僕も流れでピースサインを出してバッチリと撮影体制を取り、一夏君も遅れながらもぎこちなくピースする。
「あれ、二人ともなんか元気ない?」
「え、いや、その」
「楯無さんの無茶振りに疲弊してるところです」
「言うじゃない悠君」
「あはは、まあ今に始まったことじゃないね! さて執事の写真を撮ろうかな。でもやっぱり女の子も写らないと駄目ね」
「私写ってるわよ?」
「たっちゃんはオーラ有りすぎて駄目だよー。ということで、他の子にも来てもらおうかな。専用機持ちあたりに」
「それいいわね。その間に私がお店のお手伝いするわ」
完全に俺達の意見ガン無視なのですが、そこんとこ似てる気がする、この二年生コンビ
「はーい、専用機持ちのメイドさーん。執事と写真取るからこっち来てー」
(一夏と!?)
(悠さんと?!)
(写真!?)
(ツーショット!?)
ギランと目を光らせた一夏ヒロインズ4人は、驚くほど速やかに接客を済ませ、お客の迷惑にならない程度に、これまた驚くほど速やかに集合した。
「一夏!私と写真取るぞ!」
「いいえここはわたくしと撮ることですわ!」
「ぼ、僕も一夏とツーショット撮りたいな」
「馬鹿者、夫婦は何時でもセットというものだろう? ならば私とだ!」
「そんないっぺんに来ても無理だって、これじゃ集合写真だろ」
しかし一夏にのみ注目が行ったことにより、それが悠の心にぐさりと刺さった
「一夏君大人気ね」
「そりゃそうですよ一夏君顔が良いんだから」
「悠君も顔が良いのにねぇ」
「ううっ……」
何故だか悠の足元には大粒の水滴がポツポツと落ちており、それが地面に滴っていた
「は、悠?」
「ううっ……僕も……みんなと……一緒に写真を撮りたい……だから……忘れないで」
泣き方が鉄◯兵団のピッポさながらであった。
「泣くな悠。私も少し熱くなっていた。すまん。」
「あの時五円玉のネックレスを皆んなに渡した仲をすっかり忘れて居ましたわ」
「一夏君後でそのこと教えて頂戴」
「なんだか情けなくなって来た。ごめんね、ほらラウラも謝ろ?ね?」
「済まなかった。上官として申し訳ない」
時間をかけて一夏君と僕で写真を撮る為にグーとパーで分けた。
ラウラさんが倒れた。
一夏君がラウラさんの顔が赤いから風邪かと思っておでこをコツンとしたらボーデウィッヒ少佐のキャパがオーバーしたらしい。
やはり罪な男と再認識したよ。織斑一夏君
箒は特に問題なくツーショットを撮り終えた。
現在黛先輩に値段交渉している。
セシリアさんとシャルロットさんはウッキウキで写真を撮り終え、後でプリントアウトして二人分貰うつもり。
何でかなぁ、流した涙の対価がこれと考えたら恥ずかしくなって来た
「こっちも迷惑をかけてごめん。お客さんがいるってのに泣いちゃってすみません。」
「悠も分かってたんだな。もうこの話はやめて切り替えるぞ」
すると楯無さんがある提案をして来た。
「そうだ。一夏君、悠君。私もうしばらくお手伝いするから、校内を見てきたら?」
「え?良いんですか?」
「うん、良いわよ。おねーさんの優しさサービス」
「いや、でも。僕は達二人がいなくなると」
「売上にも影響しますし」
「大丈夫よ。人も疎らになってきたし、私からもフォローしとくわ。ぶっちゃけ、少しくらい貴方達がいなくなっても。もうここの一位独走は揺るがないわよ、さっき校内をズラッと見てきたけど、もはや貴方たちのクラスがナンバーワンよ」
ズルいわね、男の子。と会長は何時もの笑顔で言う。
「それに、折角の学園祭よ?仕事ばかりで終わるなんて勿体ないわ。だから、ここはお姉さんに任せて楽しんでらっしゃい」
まあ、楯無さんなら十分に人気もあるだろうし、お客さんも怒らないかな。美人だし
なんだかんだで老若男女の皆さんも楯無さんに注目してるし
「じゃあちょっとお願いします」
「うん。じゃあ行ってらっしゃーい」
ヒラヒラと手を振る楯無さんを最後に教室を出た。勿論燕尾服を着たままだ。
「お?」
ドンピシャのタイミングでポケットに入っていたスマホが着信が。表示すると『着いたぞ!』と学園ゲートの写真付きのメッセージが。
「ん?そいつは?」
「高校の友達。招待状だしたんだ」
「いいなぁ。僕も呼んだけど初対面だよ」
初対面の人を招待したのを驚かれたので友達が忙しいと理由をつけたら納得した。
「俺ここらへん少し片付けてから行くから先に行っててくれ」
「わかった」
ーーー◇ーーー
「さて、早く行かないとな」
階段を一段飛ばしで降りていく。執事としてはお世辞にも行儀がいいとは言えないが、今は周りに人がいないから………
「ちょっといいですか?」
「おっとと?」
と思ったら声をかけられた。それも階段の踊り場で。
声をかけてきたのはスーツ姿の長髪の女性。しっかりとノリの付いたスーツはパリッと決まっている。
「何かご用でしょうか?」
「失礼しました。私、こういうものです」
スーツの女性は手早く名刺を取り出して渡してくる。
「えっと、IS装備開発企業『みつるぎ』
「はい。織斑さんに是非わが社の装備を使って頂けないかと思いまして」
「はあ」
またこういう話しか、と一夏は内心タメ息をついた。
一夏がISを動かしてからというもの。国色問わず白式に装備提供を名乗り出てくる企業は後を絶たない。夏休みも半分以上をそういう人たちに会うのに費やしてしまったぐらいだ。
断れば良いのだが。断りきれない企業は世界でも名を馳せている大企業の数々。
会合の時は姉兼担任の千冬が同伴してくれたので、事なきを得ていたのだが。
こうもこぞって群がるのは、世界でも希少な男性IS適合者の一夏が駆る白式に装備を使ってもらうのは予想以上に広告効果が高いらしい。
特に白式の開発室である倉持技研が後付装備を開発できてないという事で各国企業は躍起になってアプローチしてくる。
これには二人目の男性IS操縦者の悠と第四世代型のISを持ち、篠ノ之束の妹である箒にも適用されるのだが。
悠の野座間製薬はアマゾン駆除の為にISの技術を欲しがってはいるが駆除に専念とIS企業を既に傘下に取り入れているので実質後ろ盾がある。
箒に至っては、『紅椿は全領域に対応できる万能型なので、余計な物はいらん!』と束さんが絡んでいる性もあって断固拒否の体勢だ。
一夏自身。断れる強い理由が欲しいものだが。
「あー、えっと。こういうのはちょっと。とりあえず学園側から許可を取ってからお願いします」
「そう言わずに!こちらの追加装甲や補助スラスターなどいかがでしょう?さらに今なら、脚部ブレードやブラスターカノンもついてきます!」
「いや、あの、結構で…」
「そこをなんとか!!」
見た目とは裏腹にぐいぐいとアグレッシブに迫ってくる巻紙さん。どうしたものかと頭の中で考えるも、良い案が思い付かない。
「一夏君待って……ってどうしたの?」
階段を踊り場すらショートカットして降りて来た悠が駆けつけ、巻紙さんの名刺を素早く取った。
「えーっと……みつるぎって僕のところにも来てたなぁ。以前丁重にお断りしたはずなんですけどね」
「あ…あなたは」
「あぁ申し訳ありません、野座間製薬国際営業戦略本部傘下IS特殊開発局のISテストパイロットの水澤悠です。」
こんなくそ長ったらしい会社の名前は橘局長に言えと言われたからです
「すみません。白式はバススロットが一つしかなく雪片二型と雪羅で頑張らせていただいているのでそこを何とか……」
「でも……バススロットを増やすようにこちらも改造を……」
悠が俺の耳を近づかせてボソボソと話した。
(ごめん一夏君、少し話を合わしてくれない?)
(話?……あぁ、分かった。)
「実は野座間製薬は白式にアマゾン細胞をナノマシンとする強化プランがありましてーそれをする為にもう既に話を済ましちゃってるんです」
「え、でもその話は……」
「そうだよね一夏君」
「ん?あ、あぁ、そうだったな。すっかり忘れてたよ」
彼女と目を合わせてカマをかけることにした。なにやら僕の感覚でこの人は巻紙礼子なのか疑問に思った事だ
「と言うかみつるぎって今忙しいんじゃないですか?ISの装備を売る時間なんて無いはずですよねぇ……?」
「で、でも……装備を…」
「大変申し訳ないですが、そういう話は今後ご遠慮下さい。行くよ一夏君」
なおも食い下がる巻紙さんをバッサリと切り捨てた悠は俺の手を取って階段を下り走った。
「お、おお!?手を引っ張るな!あぶねって!し、失礼しました!」
一夏はチラッと後ろを見やると、巻紙さんが忌々しそうにこちらを睨み付けていた。
まるで、こちらを敵として見るかのように。
「だいぶ距離が空いたよな……」
「はぁ……はぁ……」
悠はいきなり地面に座り込み,すっごくでかいため息を吐いた
「あぁーーーー怖かったぁぁぁ!!」
「お前やっぱり凄いな。アマゾンって知能も高いんだな。俺こう言うの咄嗟に思い浮かばないよ」
「シンプルに内心焦ってたもん」
すると一夏君は僕に手を差し伸べる。この光景また見たぞ
「立てるか?」
「あぁありがとう一夏君」
時計を見るとまだ余裕はあるが巻紙さんに追いつかれそうなので待ち合わせ場所に向かう事にする
「また走ろうか」
「勘弁してくれ!!」
足が速くてちょっとイラっとした一夏君であった……
次回新キャラ出ます。