インフィニット・アマゾンズ   作:らんくらニキ

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弾君視点のお話ですね




第四十一話 友達とは何か

 

五反田弾はある事を思い出していた………

 

 

それは二組へ向かう途中で一旦悠と話す事になったが、それが印象に残っていたのだ。

 

ーー♢ーー

 

「なぁなぁ悠、お前大丈夫なのかよ?」

「大丈夫って?」

「一夏だよ一夏。あいつモテるくせに気づかない鈍感なんだぜ?」

「あ、それ分かる。一夏君やばいからね?」

「詳しく教えてくれよ!」

 

俺は悠から鈴がIS学園に来た後、クラス対抗戦で謎のISが現れて一夏が重傷を負いながらも勝ったけど、鈴が一夏にしたあの時の約束というやらを思い出したらしいが、タダで飯を食わせてくれると勘違いしたらしい

 

「………鈴アホすぎるだろ!!」

「マジでそれ!!後で調べたんだけど口説き文句の一種らしくて鈴さんなりにオマージュしたことを言ったんだけどそれをタダ飯で勘違いさせられたの可哀想すぎない?」

「お前その時どんな反応したんだよ」

「水を噴き出してしまった、流石におかしいと思ったもん」

「アマゾンなのに凄く模範回答な反応したな」

 

鈴の家が中華料理店を営んでいたのはある程度知っていたが、もしストレートに言ったら行けたかもしれないという

 

「一夏のやつあんまり変わってなかったんだな……」

「でもね、一夏君は優しいんだよ。」

 

それを聞いた瞬間俺はハッとした。

 

「一夏君には色々と助けてもらったんだ。僕は人を喰わないアマゾンだけど本来アマゾンは人を喰べる化け物。」

「なんか聞いたことがあるな。」

「アマゾンでも一夏君は対等に接してくれた。僕は一度半殺しにされた時に一夏君は助けてくれたんだ。」

「一夏が……」

 

鈴がいじられていた時も一夏は庇っていたよなぁ。

 

「一夏君は時折おかしいところもあるけど正義感があってね。僕はそれに助けられたんだ」

 

あの一夏が人を助けたと考えたら涙が止まらなくなった……

 

「悠、俺からのお願いとは言わないけど聞いてくれ」

「何?」

 

言おうか迷ったけど、言うしかないなと心で決めた。

 

「一夏のこと、これからも仲良くしてやってくれ。」

「あぁ、分かったよ弾君。」

 

俺と悠は熱い握手を交わした。その後一夏に呼ばれたので行く事にした

回想終わり。

 

 

ーー♢ーー

 

 

「それにしてもIS学園って広いよな」

「やっと三分の一回れたけど結構きつい」

 

世界に一つしかないという歩いて分かるこの特別感。

各々のクラスの出し物も自分たちの学校祭と比べるにも烏滸がましいスケールで、パンフレットも普通と比べて二倍の厚みという。

一夏の接客も見ようとも思ったが、絶えず途切れない行列に萎えた。

 

けどなぁ……

 

「これ一日で回れる気がしねえぞ」

「別にいいんじゃない?学園祭は明日もあるんだし、残りは次ってこと、あ、可愛い子発見」

「マジで!?なんだ、違うじゃないか」

「いや、可愛いでしょ?」

「可愛い、けど。あの人程じゃない」

「べた惚れかよ」

「おう!一目惚れって現実にあるもんだなぁ」

「と言うか悠がその人に心当たりあった気がするんよ」

「あぁそれ言ってたなぁ………チャンス逃した!!」

「逃した鯛はでかいってか」

 

何やら廊下にて人だかりができていた。

 

「なぁ弾。人だかりできてるぞ」

「気になるなぁ……」

「とにかく行こう。」

 

ーー♢ーー

 

 

「だから、少し声かけただけだってば」

「ですが、貴女が強引に生徒を誘ったという目撃情報が多数発見されているのです。これ以上迷惑行為を繰り返すようなら、学園から退去して頂きます」

「おー怖い怖い。最近の女性は逞しい事この上ない。因みに俺はそういうの、めちゃくちゃタイプだぜ?」

「誰もそんなこと聞いていません」

 

 

 

「あー、すいません。あ、失礼しますー」

「なんなんだこの人口密度は。っうおっと!」

 

 人だかりを抜けると、輪の中心にはいかにも軽そうな二人組と………

 

「おぅ!?」

「どした?」

 

あの人がいた。何やら揉めているようだが、それなのにも関わらず俺は彼女に見惚れてしまっていた。

 

今朝門であったときと同じく。左脇にファイルを挟み、眼鏡をかけた理知的な女性。

さっき一夏に教えてもらったリボンの色から三年生だとわかった、腕には生徒会と書かれた腕章が光っている。

 

「あの人か?」

「うん、あの人。やっぱ綺麗だなぁ、あと可愛い」

「やっぱりだ。あの人悠と同じ生徒会の人らしいぞ

「まじかよ!」

 

パシンッ! 

 

喧騒の中乾いた音が廊下に響く。見二人組の片割れの金髪が腕を押さえている。

 

「気安く触らないで下さい。貴方みたいな女を女とも思ってない人、私は嫌いです。即刻この学園からお引き取りを」

「て、てめぇ」

 

汚物を見るような絶対零度の視線を前に、金髪が青筋をピクピクさせた。

 

「お、おいやめろ。こいつ沸点低いんだから!」

「暴力に訴えますか?直ぐに手を出すという行為に移るとは、女を口説く以外に頭を使えないのですか?このご時世でそのような手段をよういるというのは、ある意味勇敢ですね。勇敢は勇敢でも蛮勇の類いですが情けないですね」

「このアマ!下手に出れば調子に乗りやがって!」

「馬鹿やめろ!」

 

女性が殴られる間一髪で弾が割り込んだ。

 

 

「いってぇ」

「貴方…」

 

 呆気に取られる彼女の前で俺は自分より大柄の金髪を見上げて

 

「てめぇ!男が女に手をあげるのは男として最低の行為だって教えられなかったのかよ!」

「はあ?んだお前」

「男の腕っぷしってのは女を守るためにあんだよ!女尊男卑社会とかそんなの関係ねえ!俺の爺さんも言ってたけどよ。こんなの漢のやることじゃねえ!そういうのは最低のクズ野郎のやることだ!!俺の幼なじみやその友達の方を見習いやがれ!!」

「んなもんしらねぇよごらあっ!!」

 

再び金髪が殴りかかる瞬間、大和が弾の目の前に入り込み,拳をガードした

 

「大和!?」

「あなたは………」

「よく言った弾。後は任せろ」

 

のぞ姉から教わった体術を今使う時が来た。

 

「ぐぉぉっ!?」

 

回し蹴りで怯ませて、投げ倒して拘束した。

 

「自分より弱い奴が全て従うと思うなよクズ野郎。」

 

それにより周りに拍手が起こるがもう一人のチャラい男性が後退りする

 

「どうする………このまま女性に話しかけるか,それともここで俺に倒されるか」

 

ファイティングポーズをとり、追い詰められた相方の男が一目散に逃げ出した。

 

「待ちなさい!」

「はっ!待つと言って待つ馬鹿が何処にいるんだっつの!カッ!?」

 

と、息巻いて逃げる男が崩れ落ちた。

そこにはブラックスーツに身を包んだ学園最強の鬼教師が、出席簿を片手に仁王立ちしていた。

 

「待てと言われたら止まれ、アホが」

 

聞きなれた、そして恐ろしい記憶を掘り起こされそうな声を最後に。

目の前が真っ暗になった。

 

ーー♢ーー

 

 

「っあぁ…………」

「おい弾!しっかりしろ!!」

 

目が覚めたら白いカーテンにベッドがある部屋で寝ていたらしく、俺はハッと目が覚めた

 

「よかったぁ…………俺の名前分かるか?」

「……うーん……ヒントくれよ」

「戦艦の名前」

「ええっと武蔵?」

「なんで戦艦繋がりでそこ間違えるんだよ。大和だよ大和」

「あぁ、そっちか。ところで俺何時間ぐらい寝てたんだ?」

「ざっと一時間。お前殴られるのを庇った挙句後から来た脳震盪で倒れたからな?」

 

一時間前の出来事が鮮明に思い出してきた。つまり俺は啖呵を切って目の前に立って殴られた後、大和が格闘術で1人無効化し、千冬さんがなんとかしてくれたそうで俺は後から脳震盪が来て今に至るというところだ。

 

「お前が目立ってどうすんだよ俺めちゃくちゃ情けなくないか!?」

「涙拭きなよ。お前わざわざ前に出てまで主張したんだから頑張った方だぞ?」

「それでも恥ずかしいんだよ!!」

 

「失礼します」

 

自動ドアの音と共に誰かが入ってきた。

てか保健室まで自動ドアって、技術力のバーゲンセールだなIS学園。

テーマパークに来たみたいだ。

 

………ん?今の声って。

 

「入っていいかしら」

「どうぞー」

「っ!?」

 

脳に張り付いた聞き覚えのある凛とした声に瞬時にスタンダップした俺の眼前に見えたのは。カーテンをめくる『あの人』の姿が。

 

「あ、起きたのね、具合はどう?」

「ハ、ハヒッ!大丈夫です!」

「そう、良かったわ……」

 

ホッと胸を撫で下ろす彼女に、俺の胸の辺りはボワボワと熱くなった。

二人の様子を見た大和は、頭に電球が灯ったかのように閃いた! という顔をした。

 

「じゃあ生徒会のお姉さん、こいつお願いします!」

「はぁ!?お前どこに行くんだよ」

「取り敢えず学園全体一周してくる」

 

ほんまに言うてんの!?って思った後耳打ちしてきた

 

(後少しなんだから頑張れよ。自信を持てよ。な?)

(大和が言うならそうだよな!俺頑張るわ!!)

 

応援を送った大和は颯爽と保健室から姿を消した。残ったのは俺とこの人だけ。

 

「行っちゃったけど、良かったの?」

「え、えーと」

 

おいぃぃぃ!どうすんだこの状況!! 

もう秋なのに汗が止まらない。同時に冷や汗も出てきた。心臓なんか破裂するのではないかと鼓動を叩き込んでくる。

おおお落ち着け五反田弾!こういうときは素数を数えろ!! 

 

74 65 67 125 128 92 ってそれフラエッテ(えいえんのはな)の種族値だ!!

 

「あの」

「は、はい!?」

「ごめんなさい」

「………え?」

 

突然頭を下げられて思考が停止するが、そんな事は知らずと彼女は言葉を続けた。

 

「学園を警備する立場にいながら目の前の一般のお客様を守れないとは。本当にごめんなさい」

「え、え!?ちょっと待ってください!!貴女はなにも悪くありませんよ!俺が勝手にでしゃばって格好つけただけですから!と言うかお礼を言うなら今さっきの男に言ってください!!」

「ですが………」

「それに俺こう見えて頑丈ですから。あんなのうちの爺ちゃんの鉄拳に比べたらヘナチョコパンチっすよ。だから顔を上げてくださいよ」

 

アハハと陽気に笑うと彼女は顔を上げた。

 

「……助けてくれてありがとう。貴方、勇敢なのね」

 

慈しむような眼差しと笑みに心臓に本日中二度目の矢が突き刺さった。

いゃったああああああ!!!笑った顔可愛い、可愛すぎる!! 

その笑顔だけで俺は感無量です!!

 

「いやあそんな事ないっすよ!もう体が勝手にババッと動いただけなので、文字通り無鉄砲なだけで。ていうか全然役に立ってなかったですし。アハハハハ!」

「何かお礼できたらいいのだけれど」

「そんな滅相もないです!」

「そう?遠慮しなくてもいいのよ?」

 

見た目通り律儀な人なんだな。しかしお礼か………保健室で男女が二人で頼むことと言えば………。

 

ボゴォッ! 

 

「え、ちょっとっ?」

「すいません、自分の中の悪霊をですね!」

「は、はぁ」

 

全力で自信の頬を殴って煩悩を吹き飛ばした。

俺は何を考えてんだド畜生! 

ああもう引かれちまってるじゃねえかよぉ。

もうTame-Lie-One-Stepじゃねぇ!!こうなりゃヤケクソだぁぁぁ!! 

 

「あのっ……よよよ良ければお茶にしませんか!?」

 

場所が変わり二組の中華喫茶。二人で入ったら鈴に冷やかしを入れられたが続けて席についたものの………

 

会話が続かねえ………! 

 

どうした俺!脳内シミュレーションではハーレム主人公も真っ青な口説きトークを練習していただろうが! 

あの饒舌なトーク力は飾りか!所詮妄想の産物ってか!? 飾りは足だけにしとけっ!!

 

チラッと向かいの彼女に目を移す。

眼鏡に三編み、端正の取れた容姿は一見すると固そうに見えるが、決して刺々している感じではない。

 

なんというか、凄腕のキャリアウーマンみたいな感じ。そう、大人の魅力ってやつだ。

んんっ。やっぱり何度見ても美人さんだなぁ。こんな人俺の学校にいねえよ。

ていうか未だに俺この人の名前知らない。いやそもそも自分の名前も教えてないじゃないか。

 

「あ、あの、俺の名前は……」

「お客様、ご注文のジャスミン茶で御座います」

「あ、どうも」

 

最悪っ!なんというタイミングか! 

 

「って、あれ?あんた確か悠の」

 

そこには先程悠が褒めたせいでぶっ倒れた天条さんが。あれから結構時間たつし、持ち直したというところか。

 

「あ、貴方は一夏さんのお友達の……」

「おう。接客大丈夫か?」

「は、はい。なんとか」

「そうか、頑張ってね」

「ありがとうございます、それではごゆっくり」

 

ペコリとお辞儀した天条さんは、何かを察したのか笑顔でごゆっくりどうぞと言ったと同時に離れていった。

 

「「………」」

 

そして再び始まる沈黙空間。

なんとか打開しようと、頭に浮かんだ仮想プランの引き出しを開けた。

 

「その、ご趣味は」

「読書です」

「そ、そうですか」

「………」

「………」

 

お見合いか!だからなんで続かないんだ会話! 

鈴や天条さんとはあんなにスラスラ話せるというのに!! 

このヘタレ野郎! 

 

自分自身の心を滅多打ちにする。それほどまでに口の回らない自分を恨みたかった。

なんだか一夏と悠に尊敬の意が込められそうだ。

 

「ごめんなさいね」

「はい?」

「せっかく誘ってくれたのに、こんな会話の続かない無愛想な女で」

「いえ、そんな……」

 

取り繕うとするも彼女は悟ったように首をふった。

 

「事務的な話なら慣れているのだけれども。私、男の人と一対一でお茶をするのは初めてなの」

「そうなんですか?美人さんなのに」

「あら、お上手ね」

「いやいや、本当にそう思ってるんですよ」

「ふふ、ありがとう」

 

笑った彼女は両手でジャスミン茶を一口含む。飲む仕草も美しい。

 

どうやら生徒会の一員として生徒会長さんと学園を守ってきて。あまり女の子らしいことなんてことはせず、風紀委員でもないのにあれこれ注意して回ったり、規律を守る為に動いたりして気付けば三年生になり、一部ではお局様とか言われちゃったらしいが

 

それを言った奴出て来い。後で話し合い(殴り合い)をしようか

 

「さっきの軽薄な男みたいな誘いじゃなくて。貴方みたいに純粋にお茶を誘われたのは、正直嬉しかったわ。実際私、女の子らしくないし。誘われるなんて稀だから」

「か、買い被りすぎですよ。俺だってあわよくばお近づきになれたらとか思ってましたし、根っこは同じっすよ。それに……」

 

息を整えて言葉を口にする。予め考えていた言葉などとうに消えていたが、これだけはスラッと言えた。

 

「さっきその、女の子らしくないと言っていましたがそんな事ありません!俺から見たら貴女は十分魅力的で可愛らしい普通の女の子です!!」

 

やった!!やったぞ大和!!俺は出来たんだ!!

しかし周りに他の客が居ないせいで声は教室中に響き渡り、廊下にまで達した。

対する彼女もお茶を両手に持ったままパチクリと目を瞬いた。

周りがシーンと静まる中、俺はようやく自分の言った事に気づいた。

 

あれ?これまるっきり告白じゃないか? 

 

途端に全身が一気に沸騰したかのように熱をもった。

 

「すすすいません、唐突に変なことを熱っっ!!」

 

慌てて動いたせいでテーブルのお茶を盛大に溢し、ズボンに染みを作った。

 

「大丈夫ですかっ?」

 

ハンカチで拭おうとした時、二人の手が重なりなんだかエモい雰囲気になる

 

「「あ、あの」」

「お客様大丈夫ですか!?」

 

 またも良いタイミングで登場した天条さんの介入に俺と虚さんは自然(風を装って)離れた。

 

「大丈夫です、ちょっと引っ掻けただけなんで」

「ほら、これで拭きなさいよ」

 

俺の顔面に冷えたタオルが被さる、投げたのは勿論鈴だ。

ほんと、客にする態度じゃない気がするのは俺だけか?

 

あ、鈴ちゃんと綾音ちゃんが見つかったぁ(逃走中風)と、ついでに虚ちゃんも発見!」

 

テンション高めの水色髪の女子の登場に、鈴はあからさまに顔をしかめる。

 

「ゲッ、生徒会長」

「楯無当主?」

「綾音ちゃんその呼び名はやめて欲しいな。二人とも、今抜けれる?抜けれなくても連れていくけど」

「調度交代の時間なので抜けれますけど、私達になにか?」

「ふふん、実は生徒会の企画に参加して欲しいのよ。ということで、今から第4アリーナの更衣室に行って頂戴」

 

おぉ、なんか凄い押せ押せ系の人だな。

てか生徒会長と言ったか。つまりあの人が。

 

「企画?なんかダルそう。それ参加しなきゃ駄目?」

「一夏君関連だけど?」

「よし綾音行くわよ!!」

 

いきなり行くぞと言われて綾音は少し困惑する

 

「いや流石に怪しくありませんか?楯無様とはいえど流石に怖いと言うか……」

「悠君も出るわよ」

「なら私も出ます!!」

 

即解決し、分かった途端に鈴は天条さんを連れて更衣室へ行ったのであった

 

 

「虚ちゃん、貴女も準備しといて頂戴な」

「畏まりました、お嬢様」

「むぅ、またお嬢様って呼んだ」

「申し訳ありません、会長」

 

 彼女、虚と呼ばれた少女は濡れタオルをズボンに擦り付ける弾に目を向ける。

 

「ごめんなさい、短い時間だったけど」

「いえいえ、俺に構わず行ってくださいよ。あ、会計は俺がしときますんで」

「え?」

「男として見栄を張りたいんで」

「正直ね」

 

目を細めて笑う彼女に俺は何度目か分からない魅了の魔法にかかった。

 

「じゃあ行きましょ虚ちゃん」

「はい。では」

 

軽く会釈をした虚さんは、会長さんと共に一年二組から姿を消した。

 

 

ーー♢ーー

 

 

「って弾また一人?虚さんは?」

「名前だけ聞けて連絡先手に入れなかった……」

「まぁそこまで行ったんだし次頑張ろ?」

 

 

ピンポンパンポーン……

 

『まもなく、学園生徒会が主催する大型舞台演劇、シンデレラを開催致します。ご閲覧の方々は、第4アリーナまでお越しくださいませ。繰り返しお伝え致します』

「大型舞台演劇とは凄そうだな。行ってみようぜ」

「行くか!」

 

虚さんか、また会えるといいな……

二人は第4アリーナとやらに向けて駆け出していった。

 

 

その後の二人は………

 

「お姉ちゃんやっほー」

「あら本音ちゃん聞いてよ聞いてよー虚ちゃんねー赤髪の男の子と一緒にデートみたいなことをしてたのよ!!」

 

楯無の誤解マックスな事を言われて虚は狼狽えはじめる。ただお礼がしたくてしただけなのにそう言われるのは悪意がある。

 

「お嬢様流石にそういうわけじゃありません!!本家も信じちゃダメ……」

 

キュインキュインビビビビビ!!と耳が壊れるような音が鳴り、本音は目を見開いた

 

「確定演出!!!!お姉ちゃんとその男性のデートチャンス!!ぜってー見過ごすなよ!!」

「絶対違うからああああああ!!!!」

 

そう言いキャラが崩壊するほど全否定するけど心残りはあった。

 

(そう言えば名前……聞いてなかったな)

 

虚もまたあの男性に会えるかなと心の中で思っていた……

 

「まぁふざけるのもここまでにして準備に行くわよ!!」

「かしこまりましたお嬢様」

「ラジャー!!」

 

続く…………

 

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