インフィニット・アマゾンズ   作:らんくらニキ

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ガチ戦闘回です


第四十五話 嘲り笑う女郎蜘蛛に制裁を!!

突然白式を貰おうと思いましてと言われて一夏はキョトンとしたが、とっとと寄越せよと聞いた途端直ぐに悪寒が体を走り、本能のままその場から飛び退いた。

一夏が居た場所に足が滑る。その場にとどまっていたら今頃一夏の体はロッカーに叩きつけられていただろう。

悠と一緒にいた経験のお陰で回避能力が身についていたお陰である。

 

「この距離で私の蹴りをかわすとは。ポワポワした平和ボケしたガキと思ってたけど、なんともまあ」

 

先程の口調から一変して粗い話し方と表情に、悪寒が確かなものに変わり一夏の頭の中で弾けた。

 

目の前の女は敵だ! 

 

「何だあんたは!ただの企業の人ってわけじゃないな!?」

「へえ?なかなか頭が回る。誰かに気を付けろとでも言われたかぁ?」

「答えろ!」

「キャンキャン騒ぐなよガキが。そうだな、企業の人間になりすました謎の美女ってとこだなっ!」

 

 

女の体が光に包まれ黄色と黒の禍禍しい配色のISが現れた。

上半身が女性で下半身が蜘蛛の異形のISに一夏は身構えた。

 

「自分で美女って言うなよ!」

「おら、嬉しいか坊や?お姉さんが優しくレクチャーしてやるぜ?」

「ふざけんな!白式!!」

 

一夏が白式呼び出すと、巻上はISのバイザー越しに歪んだ笑みが覗かせた。

 

「待ってたぜぇ。そいつを使うのをよぉ!」

 

八つの装甲脚の先が割れ、そこから銃口【ルーフワープ】が顔を見せる。

 

「ちいっ!」

 

足のスラスターを思いきり床に叩きつけ、それと同時に最大噴出を行い天井に逃げた。

弾幕にさらされたロッカーがちぎれとんだ。

 

(威力マジかよっ!)

「やるじゃねーか、よっ!」

「はあぁぁっ!」

 

弾幕を回避し雪羅をクローモードで起動。そのまま相手に叩きつけた。

巻上はビームクローと雪片二型による斬撃を後ろ飛びでかわした。

 

「なんなんだよあんたは!」

「ああん?悪の組織の一人だっての」

「ふざけんな!」

「ふざけてねえっつのガキが!亡国機業(ファントム・タスク)の一人、オータム様って言えばわかるかぁ!?」

「亡国機業だと!?楯無さんが言ってたテロ組織か!!」

「知ってたのかよ。まあだからなんだって話だけどな!」

 

再び撃たれた射撃を躱し、雪片弐型を上段で斬りに行く。

 

「貰った!」

「甘ぇ!」

 

装甲脚が雪片と交わりそのまま一夏は弾き飛ばされた。

 

「ぐあっ!」

「こっちこそ貰ったぁ!」

 

巻紙……いやオータムが装甲脚を突き出して迫る

数秒で装甲脚の刃が白式に突き刺さろうとしたとき。更衣室の扉が吹き飛び壁にアマゾンスピアが刺さる。

 

「一夏君無事か!!」

「悠っ!!」

 

それはISをすでに纏っていた水澤悠の姿であった。

 

 

ーー♢ーー、

 

 

シンデレラの第三劇、フリーエントリー組乱入から数分。城内が生徒で溢れ変えるなか、本家シンデレラたちはたたらを踏んでいた。

 

「逃げ足の早い奴だなあいつは!」

「ふん、貴様が私と嫁の邪魔をするからだ。」

「邪魔をしないわけないだろう。一夏は私と住むのだ。ラウラは悠と一緒に住んだらどうだ?」

「悠は嫁ではなくて優秀な部下であり親友だ。」

「つくづく面倒くさいなお前は」

「やはり、貴様から先に仕留めておかねばならぬか」

「あれ?あんたたちも見失った口?」

 

一触即発の雰囲気を破ったのは鈴だった。軽快な走りで二人に近づく。

 

「鈴か。綾音さんはどうした?さっき一緒だったろう?」

「悠と話し合うために二手に分かれたけどあれ以降見てないのよ」

「セシリアとシャルロットもいないし……」

 

するとシャルロットが今さっき走ってきた

 

「綾音とセシリア見つけた!!今二人でそっちに向かってるって!!

「でかしたわシャルロット!!」

「あとは悠を探すのみだな。」

 

 

 

ーー♢ーー

 

 

そこから数分かけて綾音とセシリアが歩いてきたのだが、綾音は涙で顔が真っ赤になっていた

 

「どうしたのよ綾音!!」

「綾音さんが悠さんに告白したらしいのですが残念ながら振られてしまって…………」

「悠っ‥………!!!」

 

 

普通の男子だったら『はぁ!?告白を振るだなんてサイテー!さっさと消え失せろっ!!』って言うつもりだが、

悠は人間ではなくアマゾン、人を振ってしまった自責の念もあるかもしれない。

 

 

「でもね綾音、悠は別に綾音の事が嫌いじゃない筈だよ?」

「それは分かっています………それと……こんなものを見つけました」

 

綾音はそう言って王冠を見せた。それにより皆の表情が変わった。

 

「綾音、それ、ちょうだい」

「え?シャルロットさん?」

「これ、一夏のだよな?」

「いや…これは……」

 

周りの圧に押されて悠落ちていたのを拾ったなんて言い出せなかった。と言っても信じてくれるかどうかである。

セシリアもこの王冠が一夏のものだと思い、ヒロインズと同じように詰めたいぐらいだが、流石に味方に徹する事にした。

 

「綾音さん……これ……言ったらどうですの?」

「どうした?これは一夏の物の筈だ。何で綾音が持っている?」

「あわっ……あわわわわ」

「あんたねぇ……振られたからってそれはナイワ。」

「違うっ……これは……そのぉ……あうぅ……」

 

ガン詰めされた綾音は堪忍して差し出そうとしてしまった

 

「ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃ!!!これあげますので許し………」

「いや待て、この王冠には隠し視点カメラがついてあるぞ!」

 

周りが一夏の王冠らしきものを取るためにさっきまで泣いていた綾音にガン詰めしていたが、ラウラは王冠に隠された視点カメラを見つけたのでそれを取り外し、録画された映像を空中スクリーンに映し出す。

 

『死ぬってマジで!!』

 

『ヴォォアマゾンッッ!!』

 

『それじゃあ行きまーす。   

 

コトコトじっくり! (春香)特製お料理の完成です♪ どれどれ、美味しくできたかな~、なーんて!(クソ激似ボイス)

 

天海春香(味見はるか)

 

音声を聞いた途端ヒロインズの顔色が変わり、鈴とセシリアは笑うのを堪えていた。

 

「「「……………………」」」

「これって……」

「まさか………」

 

鈴の青龍刀を赤い刀身の剣で壊していったり、セシリアを投げ飛ばしたことや、シャルロットを手も足も出さずに完璧にボコボコにした行動……全部悠がした事であり、一夏と一緒に隠し部屋にいたシーンが写っているので確定だった。

 

「最初に拾ったのが綾音だから………」

「つまり……」

「同棲するのは…………!!」

 

するといきなりサイレンが鳴り響いた。学園の至るところなら赤いホロウィンドウで火災と表示される。

 

『ただいまロッカールームにて火事が発生しました。お客様はホログラムガイドに従って避難をお願いします。繰り返します………』

「火事?どっかのクラスがやらかしたの?」

「ロッカールームでか?」

「まて、怪しくないか?ロッカールームに火の元となるものなんてないぞ」

 

唖然とするなか全員の待機形態から連絡が来た。

 

『全員、聞こえてるな?』

「織斑先生?」

『時間がないから手短に伝える。今発している火災警報はダミーだ。現在第四アリーナのロッカールームで未確認ISが織斑と水澤が交戦している』

「はぁっ!?」

「織斑先生、テロリストということですか?」

『そうだ。全員即時ISを展開。状況に備えろ』

「了解!」

 

千冬の指令に各々はISを展開。綺羅びやかなシンデレラドレスは装甲を纏った姿に早替わり

 

「篠ノ之、オルコット、凰は哨戒につけ。デュノア、ボーデヴィッヒ、天条は学園内を警戒。来場客と一般生徒の避難をフォローしろ!」

「あの、一夏さん達の援護に向かわなくても宜しいのでしょうか?」

「そうです。一夏達だけで大丈夫なんですか?」

「心配するな。そっちには既に応援を向かわせている。お前達は各々の任務につけ」

「分かりました!」

「行くぞ!」

「ええ!」

 

 

ーーー♢ーーー

 

「悠どうしてここに?」

「一夏君がやばいと危機を察知したからだよ。あーあこれ服大丈夫かな?」

 

瓦礫が動く音に振り向くと敵と見られる異形のISが立ち上がった。

 

「いってぇ……誰かと思ったら例の二番目でありアマゾンか。と言うか危機を察知って一心同体かよ気持ち悪りぃな」

「キモくて悪かったね。僕はみんなを守るのが信念だから」

 

悠はISスキャナーでISを調べるがすぐに出てきた

 

「こいつ……アメリカの試作型第二世代機ISアラクネ!?つまり亡国機業か!」

「ほぉ……」

 

一発で組織名を当てられたオータムの口角がニヤリと上がる。

 

「へぇあんた物知りじゃねーか」

「おい悠、なんでそれだけで亡国機業だって分かるんだ?」

「亡国機業はISの強奪もするテロ組織だからね。あの女の人が何処出身は知らないけど彼女のものじゃないってのは僕にも分かる!!」

「流石ノザマの最高傑作と言われる所以だ。」

「どうする……大人しく降伏するか、それともここで僕達に倒されるか!!」

「それは無理な話ってんだよっ!」

 

流石に作戦を練らないとこいつは倒せないと確信した僕は急いで一夏君にプライベートチャットに接続する

 

『一夏君、話を聞いて』

『悠?』

『奴のアラクネは装甲脚に独自のPIC発生機構を有している。今までのISとは挙動が違う。それに相手は単騎で攻めてきたということは腕に自信があるはずだ』

『じゃあ、どうする?』

『お客さんの避難が終わってない以上、こいつを外に出すわけには行かない。合図したら動いてくれ。パターンは………』

 

即興で考えた作戦を伝えながら悟られないようにオータムと会話する。

 

「それで、あなたの目的は何かな?出来たら教えてくれませんか?」

「ああん?そんなのお前らに決まってんだろうが!」

 

アラクネの主腕にコールされた大型ビームキャノンが火を吹き、背後の壁が派手に爆ぜ、その瓦礫がさっき入った入り口を塞いでしまう

 

「そうくると思った!!行くよ一夏君!」

「あぁ!!」

 

『NEW・OMEGA』

「アマゾンッッ!!!」

 

電子が入ったような爆風でオータムを吹き飛ばした後、アクロバットな動きで隙を与えさせない

 

「一夏君っ!!」

「任せろっ!!」

「くらいなぁっ!!」

 

両手にマシンガンを形成、装甲脚と合わせた10門の一斉射撃がロッカールームに入り乱れた。

僕達はそれを遮蔽物とサークルロンドを利用して回避する。

 

一夏君がついてくるか不安だったが。毎日楯無さんとこなしてきた特訓が確かに実を結んでいることを確信した。

 

『BLADE LOADING』

「ハァッ!!」

 

ニューオメガソードを即座に再生し、左手にSDー4を構え銃弾を浴びせる

 

「ちょこまかしつこいんだよっ!」

 

オータムは壁を這いながらも僕達は隙をついて斬りかかるが、オータムはそれを緩やかに躱していく。

 

アラクネの装甲脚に搭載されている独立したPIC。今まで見たどのISよりもしなやかで生物的な動きをし、名前に違わず正しく蜘蛛のよう。

 

手数を増やされ、更に狙いが分散された装甲脚。一夏はガラ空きとなった左側から一気に斬り込んだ。

 

「だから甘ぇって!」

 

それを見越してオータムは装甲脚を操作、四本の装甲脚は雪片弐型を固定する。

 

「単調だなガキぃ!」

「それは」

「どうかなっ!」

 

白式の背を飛び越えて雪片二型を模倣生成して二刀流で斬りかかる

 

「これが例の模倣生成か。面白くなってきたじゃねーか!!」

「ヴェアアアアア!!」

 

『AMAZON BREAK』

 

両目の赤い複眼が発光した後ニューオメガソードと雪片二型は副腕を切り裂いた

 

「しまっ……!!」

「ハァッ!!」

 

ニューオメガが蹴りを入れ込んでアラクネから離れ、再びサークルロンドで射撃からの斬撃を繰り返していく。

 

「やるじゃねえかよ、ガキ共!このアラクネ相手にちょこまかと!」

「うるせえ!」

「ハァァッ!!」

 

撃っては斬りの攻防の中、アラクネがカタール【ルームシャトル】を展開して斬りかかるのを回避、そこからまた離れて撃ち、隙を見て斬りかかる

バギャンと重くも軽い金属音と共に装甲脚がまた一本、主から離れた。

 

『てかさ、悠!今戦っている所悪いけどさ!』

『いきなり何!?』

『これ戦い方シャルのやつだよな?』

 

偶然にもシャルロットが得意とする戦法、砂漠の呼び水(ミラージュ・デ・デザート)に似ていた。

求めるほどに遠く諦めるには近く、その青色に呼ばれた足は疲労を忘れ、緩やかなる褐色の死へと進む

 

本来なら高速切替(ラピッド・スイッチ)による近距離と遠距離の武器を変えながらの戦法だが、白式とアクセラオメガは両方近接機体なのだが、ニューオメガが撹乱させ、交互に攻撃する事で何とか再現していた

 

『そうだけど?今の状況でぴったりだと思ったから』

『悠って時々戦況把握能力高いよな』

『とにかく今持ち堪えるしかないよ!』

『そうだな了解!!』

 

再びアラクネを軸にサークルロンドを展開、オータムの意識を散らしていく。

よし、このままこいつを倒して……

 

「ハハハ!ガキ相手と侮ってたが大したもんだな。楽しませてくれた礼に良いことを教えてやるよ、織斑一夏!」

「あぁ?」

 

オータムの歪んだ笑みに何かを感じた。

 

「第二回モンド・グロッソで織斑千冬が優勝出来なかった理由は知ってるよな?」

「それがどうした」

「うちの組織なんだよ」

「なに?」

「分からねえのか? 第二回モンド・グロッソの最中にお前を拉致したのは、うちら亡国機業(ファントム・タスク)だって言ったんだよ!」

「ーー!!」

 

その言葉に一夏の頭の中が真っ白になった。

 

「お前、らが?」

「そうだ、感動の再開ってやつだな。嬉しいか?オイ、ギャハハハハ!」

 

下卑た笑い声に一夏の頭は一瞬にして沸点を越えた。

 

「一夏君だめだ!耳を貸すな!」

(こいつが!こいつらのせいで千冬姉はっ!)

 

ギュオン!!と一夏の怒りに応えんと白式・雪羅の四枚のウィングスラスターが唸り声をあげた。

既に俺の声は一夏の頭に入っていなかった。

 

「だったら!」

「一夏君!!よせっ!!!!」

「あの時の借りを返してやるっ!!」

 

僕の制止を聞かず目の前の化け蜘蛛を斬り伏せんと零落白夜の黄金色の光と共にオータムに斬りかかった。

 

「この距離は白式の距離だ!」

「ククッ、馬鹿が。こんな真っ正面から突っ込んで来やがってよぉ!!」

 

バシュっと副腕から白い何かが放出された。

 

「そんなもの!!」

 

射出された糸のような物ごとオータムを斬り伏せようとしたが、それは目の前でぱんっと弾けて巨大な網へと変化した。

 

「なにっ!?」

 

エネルギー体のワイヤーで拘束された白式はアラクネの手によって宙吊りにされる。

 

「一夏君っっっ!!」

「ハハハ! やっぱガキだなぁてめぇ。少し挑発すればこの通り。まったく楽勝だぜ」

「てめぇっ!」

「やらせるかっての!」

 

副腕から再び放たれた糸塊が雪羅に命中、粘性のあるそれは雪羅の変形機構を阻害した。

 

「なっ!?」

「危ねえ危ねえ、そのワンオフは俺のと相性悪いからな」

「一夏を離しやがれ蜘蛛野郎!」

「おぉ怖い怖い!」

 

FK-3を照準に合わせるが、一夏君を盾にするのでシンプルに撃ちづらくなる

 

「ほらどうした!撃ってみろよあははははは!!」

「ちっ……!!」

 

躊躇ってると一夏君から怒号が飛んだ

 

「俺ごと撃て悠!!今あいつを倒せるのはお前だけだ!」

「でも!!」

「これは俺のミスなんだよ!責任はお前が取れ!」

「恨み無しだよ!」

 

FK-3にバリスティックボム、ボルテックカートリッジを装着したものを銃口にセットし、構えた所だった

 

「隙ありなんだよ!!」

「何っ……ってグハァッ!!」 

 

武器を副腕で取られてそのまま撃たれたしまった。

 

「悠ぁぁぁ!!!」

 

ニューオメガは痙攣を起こしながらぶっ倒れたものの致命傷には至らなかった

 

「お前………ズルい……ぞ………」

「お前たちは良くやったぜ?このオータム様に冷や汗をかかせたんだからよ。さーて、待たせたなファーストマン。お楽しみタイムと行こうぜ」

 

もったい付けながら再び一夏の眼前に迫るオータムの手には見たことのない四本足の機械が握られていた。

大きさは40センチほど。君の悪い駆動音を響かせるそれを一夏の胸部に取り付けた。

取り付けられた装置は更に足を伸ばし、白式の装甲にまとわりついた

 

「お別れの挨拶は済んだか?」

「な、なんのだよ」

「決まってんだろうが、てめーのISとだよ!」

「なに?」

 

刹那、一夏の体に電流が流れる。

 

「がああああっ!!」

「一夏君!!!」

 

一夏が苦しんでいる間もオータムは楽しそうに哄笑していた。

それが余計に一夏の神経を逆撫でし、その怒りがなんとか意識を保てていた。

 

やがて電流は収まり、体の自由は解けた。

だがそこには先程纏っていたものはなかった。

 

「一夏君……君の…白式………は?」

「な、なんだこれ?白式!?どうしたんだよオイ!」

 

腕を見ると白式の白色の装甲どころか待機状態のブレスレットまで無くなっていた。

今の一夏の身を包むのはISスーツのみだった

 

「お前の大事なISならここにあるぜ」

「なにっ!?グアッ!!」

「一夏……君………」

 

一夏を蹴りあげたオータムが手にしているのは菱形立体のクリスタルだった。

それは紛れもなく白式のコア。第二形態に発展したそれは通常の球型コアよりも強い輝きを有していた。

 

「さっきの装置はなぁ!解離剤(リムーバー)っつうんだよ!ISを強制解除し奪い取れる画期的な秘密兵器だぜ? 生きているうちに見れて良かったなぁ!」

「なんだよそれ。そんな装置聞いたこともない」

「だから秘密兵器っつってんだろうが。安心しな、お前の分もちゃんと用意してっからよ」

「………えせよ」

「あ?」

 

二人とも倒れている為どっちが声を出しているか分からなかったが、オータムは何かを察知した

 

「一夏のISを返せぇぇぇ!!!」

 

ニューオメガは即座に立ち上がり、その表情は鬼気迫っており、オータムの反応が遅れた

 

(嘘だろあいつまだ動けたのかよ!!)

「ドゥオヴァァァァァ!!」

 

ニューオメガは瞬時加速で迫り、圧倒的な暴力とその格闘体術をオータムにぶつけ、ロッカーのあった壁に叩きつける

 

「グハァァッ!!ゴハァッ!ヘゴォゥ!!!!!?!(何だこいつ……!化け物かよ!)」

 

そこからのニューオメガの動きは止まらなかった

 

「来るなぁっ!」

「ヴォォラァァ!!」

 

ニューオメガソードでビームライフルを切断

 

「何っ……!!」

「オォラァァッ!!」

 

SDー4の速射にピストルがいきなり双天牙月でフェイスガードに傷をつけて怯ませると同時にバリスティックボムを至近距離爆発で麻痺らせる

 

「クソッ……ガキィィ!!」

「ハァァッ………ドゥラァァァァ!!!!!」

 

取っ組み合いになるもアクセラオメガの両翼に衝撃砲とレーゲンのレールカノンが同時出現しそれがオータムの体を壁に穴が出来るぐらい吹き飛ばし、一夏はドン引きした……

 

「はぁ……はぁ……」

「悠………お前………」

 

 

悠は強いと分かっていた。

 

人を喰う実験体アマゾンとの戦闘で培った戦闘経験

 

理性を捨て切った激情的なオーラ

 

力強くパワフルは闘い方とは裏腹に武器の扱いもトップクラス

 

あのシャルすらも裏回る高速切替(ラビット・スイッチ)と隙のない攻撃力とその圧倒的な制圧力!

 

 

正に鬼神!!

 

 

「一夏君………!!大丈夫!?」

「悠!!避けろ!!」

 

振り向いた瞬間ゴム弾が身体に着弾し、ニューオメガは壁に叩きつけられる

 

「嘘………だろ………」

 

 

何と言うことだ。まさかのオータムは生きていた。

蜘蛛というよりもうゴキブリだろなオータムはブチギレでリムーバーを取り付けようとした

 

「お前……ぶち殺し……てやるよ……………!!!」

 

オータムは取り付ける一歩先にて何かしらのオーラをニューオメガが感じ取り、そこにはいないはずの空間からモッズコートのフードで顔を隠した人物が迫ってくる

 

 

 

『ソレヲ奪ッタラ殺シテヤル』

 

 

しかし幻覚にも怯みもなくリムーバーを取り付けようとしたその時、なんとリムーバーが拒絶反応を起こして爆散した

 

 

「!?!?!」

「何で!?」

 

 

 

 

アクセラオメガはアマゾン型IS、コアが操縦者そのものであり、SEも操縦者の体力と同じな為エネルギー切れを起こさないが

操縦者が死ぬとISだけ待機形態のみ残る可能性があるが重傷を負っても食べて即全回復する水澤悠だから出来ることである

 

「………アマゾンは後だ!ファーストマン!貴様から殺してやるよ!」

「やめろぉぉぉ!!!」

 

その時………

 

「あら、そういうのは困るわ。一夏君と悠君、私のお気に入りだから」

「誰だ!!」

「うん。二人ともまだ生きてるわね。重畳重畳♪」

 

場に削ぐ和ぬ楽しげな声にその場にいた三人は見た。

そこに居たのはISスーツ姿の会長。

その手にいつもと変わらぬ扇子をはためかせながら。

 

「良くやったわ二人とも。お姉さんや先輩、部下として鼻が高いわ。ちょっと無鉄砲過ぎる気もするけどね?」

 

場違いな満面の笑み。

だがそれは僕達に確かな安心感を感じさせてくれた。

 

「てめえ、どこから入った?今ここは全システムをロックしてんだぞ………まあいい、見られたからにはお前から殺す!!」

「楯無さん!」

「逃げてください!」

 

身を翻し会長に襲いかかるオータム。

装甲脚の刃が迫る。だが会長は変わらぬ笑みを浮かべながら回避の素振りすら取らなかった。

 

「私はこの学園の生徒達の長。故にそのように振る舞うのよ」

「なに言ってやがんだてめぇ!」

「可愛い後輩を苛めた貴方を許さないと言ったの」

「抜かせ!!」

 

数秒後。

楯無の身体を貫く音が響き渡った

 

 

 





呪術廻戦ネタが少しありました。

死滅回遊前編で髙羽対黄櫨戦見たいなぁ!
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