音を上げろ!!生前葬だ!!!
みなさんこんにちわというかこんばんわー(ラダ風)
今僕は一夏君と共に皆んなの前に立っています。
「皆、二日間お疲れ様です!!」
「お疲れ様ー!」
「二人もお疲れ!」
最後の執事接客時間を終えてIS学園祭一年一組ご奉仕喫茶もお開きとなった。
執事二人の見せ納めということもあって一時間にも関わらず大勢の客が来てお一人様三分という制約にも関わらず大盛況。
ご奉仕喫茶はIS学園史上最高の人気度になったことだろうというのは。疑うなというほうが無理だった。
その結果。
「えー、慣れない作業で大変だったと思いますが。その努力は無駄ではありませんでした!!皆さんの働きにより純利益がとんでもないこととなっています!
「「うおおぉぉぉぉーー!!」」
『執事にご褒美セット』『執事からご褒美セット』が売り上げの大半だったが。ハンバーガーセットなどの料理の他に接客スピードと態度が良かった為、お客さんからの評価が高いのである。
しかし山分けしても大金な純利益。流石に全額は学生の領分を越えてるので半分は学園に寄付、もう半分を取得ということになった。
「これは一位頂きかな!」
「一位は学食の割引パスだよね!」
「大丈夫かな。流石に儲かり過ぎじゃない?」
儲かり過ぎ、なんとも幸せな悩みだなと苦笑すると相川さんと鷹月さんがお礼を言ってくれた。
「皆が手伝ってくれたおかげで俺と悠が倒れずに済んだ。皆んなありがとうな。」
「織斑君も水澤君も接客良かったよ!特に水澤君が大量のオーダーを捌いてくれたお陰で負担が減ったし助かった!」
「そう言ってくれると私達も報われるよ……って水澤君?」
すると悠は何か言おうとしており緊張していたらしいのだが、やっと口を開けた。
「僕ね、みんなとこういう楽しい事が出来て良かった。こんなにも楽しい事ができて成功したの嬉しい。皆んなありがとう!」
悠の激励の言葉で皆が涙腺に来ていた
皆が必死に言葉遣いを学んだり、姿勢の調整はとにかく大変だった。
どれが欠けてもここまでの業績は叩き出せなかっただろう。
「よし、一時間後に閉会式だ。着替えた後に片付け! 時間はあるようでないから手早くいくよ!」
「はーい!」
ーーー◇ーーー
「それでは更織楯無生徒会長。宜しくお願い致します」
かくして、閉会式。布仏虚さんからの始めの言葉から始まった。
体育館に集まった皆の様子は以外にも大人しめだった。
否、張り詰めてるといったほうがいいだろう。
それはこの後発表される、一夏君争奪戦の結果発表に他ならないのだから。
因みに僕は楯無さんの補助として隣に立っています(一応隣に一夏君もいる。)楯無さん曰く副会長枠はあの子にやらせたいからという理由で僕を違う役職にしたからね。
それにしてもあの子って………
「皆さんこんにちは。もうこんばんはになるかしら。一日目にハプニングは起きちゃったけど、無事に終わらせられたのは皆のお陰よ。生徒会長として礼を言わせてもらうわ」
楯無さんにしては静かなスタート。だがここから盛り上げていくのが更識楯無さんだ。
「はい、湿っぽいのは終わりよ!皆が気になる部活投票の前にクラス投票の結果を発表するわ。ためる意味もないからスパッと言うとしましょう!一位は一年一組の『ご奉仕喫茶』!おめでとう!!」
一年一組を中心に歓声が鳴り響いた。
他の皆も予想通りと思ったのかおもむろに拍手をしてくれた。
「さて二位は………はいはいわかってるわ。これ以上長引かせたら可哀想ね。それでは、織斑一夏争奪戦の結果を発表致します」
一夏争奪戦。投票一位の部活には一夏君の部活入りの権利が与えられる。
皆が固唾を飲んで見守るなか、会長は迷いのない目で結果を読み上げた。
「一位は………」
「「ゴクリ………」」
「生徒会主催、観客参加型演劇『迫撃!シンデレラVS王子様』!」
「「「………………………へ?」」」
ぽかんと全校生徒の口が開いたまま立ち尽くした。
一夏君も疑問符を浮かべ、隣に立つ僕は何処か納得したように呆れの表情。
数泊の間。宙に漂った魂が戻った全校生徒から一斉にブーイングが起きた。
「ふざけるなぁ!!」
「どういうつもりだゴラァ!!」
「なんで生徒会なの!?」
「私たちこの日の為に頑張ったのよ!? 三徹したのよっ!?」
「一体どんな手を使った更識楯無ぃぃ!!」
「ロシアの陰謀か!!荒熊が絡んでいるだろ!!!」
それどこぞのセル◯イ・スミノルフ?
正に非難囂囂のなか会長は相変わらず涼しい顔でまあまあと生徒を宥めていく。
「なにも卑怯な手は使ってないわよ。皆がこぞって参加したシンデレラの参加条件は『生徒会に投票すること』よ」
この人まじか
楯無さんがしたのは水不足で悩む砂漠の民にタンク一杯の水を差し出すということに他ならない。
この場合代金が法外すぎて詐欺一歩手前だが。
「私たち生徒会は決して参加を強制したわけではないし、CMのちっこい注意書きみたいじゃなく、ちゃんと皆に見える文字の大きさで書いたわ」
会長が指を鳴らすと背後のスクリーンに参加条件のポスターが映し出される。
「悠君ここに書いてある文字全部読んで」
「あぁ、はい!えーっと……『一般生徒参加可。参加条件は投票用紙を生徒会の投票箱に入れること』そして『王冠を手に入れた生徒は王子と同棲出来る!集え若きシンデレラ達!!』」
正直下のインパクトがでかすぎる気がするが、嘘は言っていない。
「つまり、これは立派な民意であり正攻法。不正などしていない紛れもない結果なのです!」
「あぁ……夢だよね……」
「ところがどっこい.......夢じゃありません........!現実です......!!」
無慈悲だなぁこの人。楯無さんの顔が悪役すぎるよまじで
しかし結果的にこれは正に最適手段といえるだろう。
喉から手が出るほどの男性操縦者との同棲権利。
皆が告知を見た瞬間理性を手放せるを得なかっただろう。もたもたすれば他の女子に同棲権を取られてしまう。
そんな焦りと目の前の豪華商品をチラつかせたら、大半の女子は落ちるだろう。
そして何より、部活勢の人気は全体的に下方気味だった。
その原因はご奉仕喫茶にほとんどの客を吸われたからに他ならない。
ご奉仕喫茶とシンデレラの壮絶なダブルインパクトが、生徒会の圧倒的勝利条件が揃ってしまったのだ。
しかも楯無さんの言葉は正論でなにも間違ってはいない。参加条件は満たし、投票に不正はない。
だがいつの世も、正論は必ず受けいられるとは限らない。
「そんなんで納得できるわけないでしょ!」
「つーかあんな城なんか出されて勝てるわけないじゃない!」
「予算どうなってんだコラー!!」
女子生徒からのブーイングは悪化の一途を辿り後一歩で暴動が起こりそうだ。
とりあえず一夏君を助けてくださいまし。情報量で脳がパンクする
「はい静粛に!私だって鬼ではないわ!!皆が納得できる譲歩作を用意してある!!」
「何かあるんですか?」
皆のブーイングに負けないよう高らかに宣言した会長を前に生徒一同はとりあえず鞘に納めた。
「生徒会メンバーになった織斑一夏君ですが。希望した部活にのみ、適宜派遣することを決定します!」
「え、それってつまり?」
「そう!投票のランキング関係なしに織斑一夏君を数日間に限り入部させることを。生徒会長の名において宣言します!!」
すーごいなこれ。
つまり一夏君は希望者。事実上学園のほとんどの部活に駆り出されることが決定したということだ。
ご愁傷様織斑君。って二ノ宮じゃないか
「やった!織斑くんが部活に来る!」
「私のとこ勝ち目薄すぎたし。正にひょうたんから駒ね!」
「水泳部!水泳部に来てください!!」
「ぜひ漫画部に!そしてその瑞々しい裸体を……ウヒャヒャヒャヒャヒャwwww」
直ぐ様各部活動のアピール合戦が開始された。
みんな先程のブーイングなどすっかり忘れていることだろう。
ここまでくるともう凄いな楯無さん
「更におまけとして。元から生徒会に所属していた役員の水澤悠君には希望部活のなかから抽選で織斑一夏君と一緒に貸し出す権利を与えましょう!」
「えほんまに言うてんの!?」
いきなり爆弾をぶち込まれました。忙しくなるなぁ
「けぇーーーーーーどぉーーーーーーーーみなさんひとつお忘れじゃない?」
「「「「あ!!王冠は誰がゲットしたのかの話!!」」」」
そう、皆がここで忘れていた王冠を誰がゲットしたのかまだ分かっていなかった。一夏君の王冠をゲットしたのは楯無さんだと明かした瞬間阿鼻叫喚に包まれたがまだ水澤君があると言われ僕は冷や汗が出てきており、楯無さんの隣から離れようとしたが……
「逃さんぞ」
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁ!!聞きたくない!!怖い!」
(これ保健室でもみたぞ)
皆からの視線が怖いのでもう言う事を聞くしかなかった。
「それでは!水澤悠君の王冠を手にしたのは…………」
生徒達の上にスポットライトがぐんぐん動いており誰が手にしたのか僕は固唾を飲んでいた。
スポットライトがある一人に当たった!!
「眩しい…………っ!!!!」
「水澤悠君の王冠を手にしたのは!!天条綾音ちゃんよ!!!」
まさかの逆に拍手が起き、綾音はなにやら顔を少し赤くしている
「良かったじゃん綾音!!」
「はい!」
「転校生の癖に大目玉もらっちゃってぇ!!ええい受け取れ!!」
皆が綾音に集まる中、楯無さんは僕にいきなり感想を求めてきた
「どう?悠君、君一回振ったらしいけど住める?」
「…………仲直りしたんでやめてくれませんか!それに……嫌じゃないですし……」
その発言で会場はヒートアップ。悠のツンデレっぽい台詞で爆アゲ状態である
「皆んな静かに!!悠君もいいけど一夏君に切り替えるわよ!!」
うわぁいきなり静かになるな!
「じゃあ悠君は元の場所に戻ってそれでは、織斑一夏君は生徒会長補佐及び生徒会副会長として生徒会に所属。以降は私の指示に従ってもらいます」
そういって楯無さんは一夏に向けてウィンクをした。
一夏君に至っては顔を真っ青にして僕の肩をグワングワン揺らしていた。
「悠!どういうことだ!?」
「そういうことだよ」
「俺の意思がまるで無視されてるんだが!」
「今更でしよ。因みに僕は今二つの思考が反発し合っている為なし崩しで順応している」
「お前順応力の高さ異常過ぎないか!?」
こっちの気持ちも考えて欲しいよ一夏君。
人生諦めも肝心らしいよ一夏君。
じゃないとあの人の下でなんか生きられない。
しかし生徒会長補佐及び生徒会副会長か………頑張れ一夏君。
そろそろ気持ち悪くなってきたので、引き続き肩を揺らしてくる一夏君を宥めにかかった。
ーーー◇ーーー
場所は生徒会室。
「一夏くん生徒会入りおめでとー!!」
「おめでとう、これから宜しくね」
「ど、どうも」
パパーンと盛大に鳴らされたクラッカー。
鼻にツンとする火薬の匂いと中に仕込まれたリボンと紙吹雪が一夏の上に降りかかった。
生徒会入りおめでとうと書かれたタスキをかけられた一夏は未だ状況を飲み込めないでいた。
「おめでとう!おめでとう!おめでとう!おめでとう!おめでとう!」
「なんでのほほんさんは張り付いたような笑顔で拍手してるんだ!?やめろ!なんか逃げ場無さすぎるだろう!」
「一夏君!僕は君が生徒会で一緒だからこれから頑張ろうな!」
「そ、そうだよな!と言うか言い方某崩壊かよ」
まぁ実際何されるか分かんなくて怖いのもある
「てかなんなんですか部活派遣って」
「最適案でしょ?仮に一夏君がそうね、生徒会権限で剣道部に入ったとしましょう。そしたらどうなると思う?」
「………?」
「他の部活から『うちの部活に入れて』と苦情が殺到するわ」
「え、生徒会権限なのに?」
「女は理屈じゃないのよ」
説得力抜群な言葉に一夏君は言葉を詰めざるえなかった。
「ことごとく俺の意思というものが潰されてるような」
「あら、こんな美少女三人が居るのに不満?」
「確かに皆さん可愛いし綺麗でしょうけど」
「臆面もなくそんなこと言えるのが一夏君の凄いところよね。ちょっと照れる」
これで数多の女を落としてきたんですよ。
後色んな人に可愛いを言うのは自重しろってのはこう言う事だったんだ。
「と言うか悠はどこまで知ってたんだよ」
「シンデレラするのは初耳だった。何かするとか言ってたけど」
悠の情報共有不足がもはや可哀想なレベルに達していた。
「と言うか楯無さんも悠に何にも情報を伝えずにこの出来レースを実行したんですか?」
「悠君は生徒会だけど仕掛けるターゲットだったからね!あっはっはっはっは!!」
右足をシェルカットブーツにして楯無さんの脹脛に蹴りを入れた悠であった
「でも一夏君が生徒会に入ったのはプラスでしょ?」
「ISに時間割けるからですか?」
「そう。今回で痛感したでしょ。自分の技量がどれほどなのか」
「はい」
オータムと楯無さんとのバトル。
どちらも完膚なきまで惨敗という結果を残した一夏君はその事実をすんなりと受け入れた。
「これからも一夏君のコーチを引き続き続けていくわ。悠君と三人で頑張りましょう」
「悠も一緒に?」
「閉会式の後真っ先に頭を下げに行ったわ」
「一緒に強くなろうって言ったでしょ。僕もまだまだ未熟だから」
「わかった。宜しくな悠」
「うん!」
自然に僕と一夏君は握手していた。
楯無さんが隣で我が物顔になってるのはこの際無視しといた。
「とりあえず放課後に生徒会室にくればいいんですか?」
「当面はそうしてもらって、派遣先のくじ引きを纏め次第そちらに行く形に」
「わかりました」
「僕ってどんだけ派遣されるんですか?」
「水澤君には10件担当してもらいます」
「結構あるんですね……」
「俺なんか倍だから悠の方が羨ましく見えてくるぞ。」
過労死とかありえないからねまじで
「さっ!今日は新規生徒会メンバーが揃った記念にケーキ焼いてきたから皆で食べましょ!」
「わーいケーキ~!」
「ではお茶入れてきましょう」
「お皿持ってくるね~」
一緒に連れ添っていた三人の連携プレーにより着々と準備が進められていく。
「それでは。これからの生徒会と二人の活躍に、乾杯!」
「乾杯」
「かんぱ~い!」
「「乾杯」」
こうして一夏君の生徒会入りが決まった。
生徒会室補佐及び生徒会副会長という本人には不穏しかない役職だが、これも人生経験だ。頑張ってね一夏君。
楯無さんが作ってきたショートケーキは思わず喉を鳴らすような美味しさだった。
「楯無さんにこれあげようかなと」
「これって?」
僕は五円玉ネックレスを楯無さんに渡した。
「楯無さんは僕達のことを助けてもらったし……そのー…お礼です」
「悠何照れくさくなってんだよ。これで楯無さんもチーム入りですね」
「一夏君言うなよ〜!」
あの時のネックレスの件はこう言う意味だったんだと楯無は理解した
「もう悠君たらいけず〜〜」
「うっさい!」
いじられているところに虚さんが一夏君に話しかける
「あの、織斑君。ひとつ聞きたいことが」
「なんですか?」
「学園祭で来たお友達、なんという名前なのですか?赤い髪の」
「弾のことですか? 五反田弾です。今は藍越学園に通ってます」
「歳は織斑くんと?」
「ええ。同い年で、中学からの仲なんです」
「そう、ですか………やっぱり年下………」
「弾がどうかしたんですか?」
「ううん。なんでもないの。教えてくれてありがとう」
丁寧にお辞儀した虚さんの顔は何処か赤かった。
あ。
「ねぇ一夏君。弾君って彼女いないんだよね?」
「ああ、だけど今日気になる人いたって言ってたな」
「!」
「たしか眼鏡をかけた可愛くて美人な人って言ってたよね?」
「!?」
「そういえば帰り際に虚先輩の名前叫んでたな。なんでだろ?」
「!!?」
なるほど点と点が繋がった。なんか虚さんの顔が赤く染まっていくんだけど
「あのー虚さん。僕弾君の連絡先持ってますから交換しましょうか?」
「み、水澤君………自分の手で勝ち取るわ」
「そうですか頑張ってくださいね」
(ああああ!!何やってるのよ私!!)
「虚ちゃん。扇子いる? 今日暑いわよねー」
「い、いただきます」
パタパタと顔の熱を出そうと強めに扇子を扇いだ。
だが一度生まれた熱を冷ますには扇子の冷却力では足りないように見えた。
よかったね弾君。君の未来は明るいぞ。
「悠、今日ってそんなに暑いか?むしろ寒いほう」
「そうか寒いんかならこれをあげよう」
『FLAMETHROWER LOADING』
「なんてもん出してんだよ!!」
一夏君は通常運転過ぎて逆に安心する。
ーーー◇ーーー
一夏の歓迎会を終えた楯無は学園長室に向かっていった。
「失礼します」
「どうぞ」
中から聞こえたのは初老の男性の声。
楯無はその重そうなドアを開いた。
「お疲れ様、楯無君」
「ありがとうございます」
学園長の席にはホームページに乗っている女性ではなく。先程応対した初老の男性が座っていた。
轡木十蔵。普段は『学園内の良心』と言われる用務員だが。その正体はこのIS学園のトップであり、最高責任者である。
因みに鷹山仁を雇ったのもこの人である。
普段は妻である女性が表舞台に立っている。
その理由はISを扱う学園のトップが男性では難色を示される、女尊男卑という世界に対してのカウンターだった。
「それでは報告をお願いします」
「はい。当初の予定どおり織斑一夏、水澤悠の生徒会入りは成功。織斑一夏のIS訓練は順調に進んでおります」
「彼の学習能力には目を見張るものがありますね。流石は織斑先生の弟さんということかな?」
「ええ、今まで見てきた女子と比べてもその差は歴然です」
「水澤君の方は?」
「彼はアマゾンという人喰生物にも関わらず対等に接してくれる事で学園生活において支障をきたしていません。それと類稀なる戦闘能力とアマゾン駆除により培った戦闘技術及び状況判断力が優れています」
それでも渡された資料から二人の潜在能力が如何に高いかが見て取れた。
ここから育て上げればどれほどの逸材になるのか。それは少なくとも世界の未来に大きく関わっていくことを案じていた。
「次に
「今回は、完全にしてやられましたな」
「申し訳ございません」
「いえ、楯無君だけの落ち度ではないでしょう。侵入ルートは?」
「大胆にもチケットを持って正面から。現在そのチケットの出所を調査中です」
更識の調べから『みつるぎ』に巻上礼子という名前はあれど、全くの別人だったという。
「報告は以上です」
「ありがとう。君にはいつも苦労をかける」
「轡木さんには負けますよ。また詰め寄られたんじゃないですか?」
「ええ。やれコアを渡せだの、警備体勢がなってないだの。好き放題言われておりますよ」
世界の枠を見てもコアの最高保有量を誇るIS学園。
教育機関としてこれでも足りないぐらいだというのを分かっていながら言ってくるのだから始末に終えない。
警備体勢に対しても、世界最大とも言えるセキュリティを突破され。
挙げ句の果てに送り込まれた代表候補生に本人さえ知らされていない違法システムが組み込まれていた。
逆にそちらで対処出来るもんならしてみろという言ってやりたい。
「ひとつ疑問があるけどいいですか?」
「なんだ?」
「何故鷹山仁をIS学園の用務員として採用したのですか?彼がどういう人物かわかっていらっしゃるんですよね?」
「あぁ、水澤君がIS学園に入学と決まった途端にノリで作った求人広告に彼が入ってきてねクラス対抗戦にて彼の姿を見てしまったのだよ」
織斑一夏と凰鈴音が所属不明のIS・ゴーレムと戦ってる時に現れた水澤悠とは違うアマゾンの鷹山仁。
彼は人でありながらもアマゾン細胞を自らの身体に移植した狂気の人物
「それに彼はIS学園の警護にもピッタリ………だと思っていた。」
「と言うと?」
「彼は時々水澤君と同じアマゾンズドライバーと呼ばれるベルトを持ち出した何処かへ行くのだよ。」
「職務放棄ですか?」
「いや違う………彼は狂っているかもしれない。彼の目的は……」
水澤悠及び自分自身を含めた実験体アマゾンの殲滅
「と言った感じだ。」
「残る実験体の数は更織の調べだと残りは3485匹………どうします?」
「今は放っておくとする。水澤君は鷹山より強くなっているから反撃することは可能だろう。」
アマゾンに関する問題はまだあるものの他にも問題があった。
「やはり最近活発化してますか。女性権利団体が」
「ええ、IS委員会でも発言力が増してきています。政界でも同様に」
「………」
思わず苦い表情を浮かべる楯無。
ISが生まれて10年余り。多少緩和されたとはいえ男性軽視の環境は続けている。
それはIS学園でも例外はなかった。
「学園の状況は」
「やはり水澤君が生徒会に入ったことに納得が言ってない声が。少数ながら苦情が生徒会に寄せられています」
「織斑君も入ったことから、更に勢いが増しそうですね」
学園外の驚異の対処は勿論だが。楯無と轡木の懸念は学園内の不協和音にあった。
しかし今はそれどころで無い話ではある。
「こちらも本腰を入れて対処していきます。彼らを引き入れた私の責任として」
「宜しく頼みます。
「はい、十蔵
そういってお互いにこりと微笑んだ。
先程張り詰めた息苦しい空気は今ので一気にほぐれていった。
「さてとお茶にしようか。文明堂のカステラは良いぞ」
「やったぁ!私大好きなんですよそれ!!」
まるで少女のようにはしゃぐ日本暗部の長更識楯無と、喜びをなんとか隠そうとするIS学園の影のドン。
そんな二人が年甲斐もなくはしゃぐ姿など。世界の重鎮は知るよしもなかったのである。
ーーー◇ーーー
「一夏はあたしと踊るのよ!」
「いいえわたくしですわ!」
「一番手は譲らん!」
「一夏、僕は最後でいいからね」
「私も最後を希望する。シャルロットが最後を要求するということに意味があるはずだ」
「時間あるんだから皆で踊ろうぜ………なぁ悠」
「強欲な人ほど損を見るって言うもんね」
いつもの風景いつもの光景が一夏君の周りで起きている。
なんでもキャンプファイヤーのフォークダンスで踊ったペアは永遠に幸せになれるという噂。
んなわけねぇだろ!!(某白髪碧眼)
男子入学したの今年だよ?なのにそんな青春ジンクスがIS学園にあるわけないでしょ
あれか?百合か?百合ップルか?そこまでは知らないよ!
さっそく真相を調べてみた
「あのーすいません、なんかキャンプファイヤーで踊ったペアは幸せになれるって噂で聞いたんですけど百合カップルってIS学園にいるんですか?」
「うーん該当者が二つあるわ。」
「誰ですかそれ!!」
「三年のダリル・ケイシーと二年のフォルテ・サファイア。イージスコンビって言われてるけど恋愛としてもあるらしい」
「二人目は?」
「水澤君と同じ一年だけど99人の恋人がいると言われてるロランツィーネ・ローランディフィルネィちゃんとか該当するよ」
「因みにそのローランディフィルネィさんって人は………?」
「レズカップルよ」
99人の女子生徒を恋人にしてるとかバグだろマジで
「因みに水澤君はフリーかしら?よければ一緒に」
「すみません約束してる人がいるんで」
「あら残念」
とまぁ、まんまと乗せられた一夏ヒロインズは藁にもすがる思いで一夏君とのフォークダンスペアを取り合っている。
「一夏君がモテて良いなぁ!あーあ、僕も人だかりができたらなぁ!!」
「あんたそれペア予約されてる側の態度?」
「あれ?鈴さんどうしたの?」
「悠の確認よ」
「心配しすぎだって」
すると向こうから綾音が走ってきた。
「あ、来たわよほら行ってこーい」
「行ってきマスカルポーネ」
悠を送り出した鈴はその後を見ていた
(頑張りなさいよねー)
「悠行ったらしいね」
「ミスな判断をしたら即座に攻撃開始するぞ」
「「やめとけ」」
綾音は息切れしながらもなんとか着いた。体力少ないなぁ僕が美味しいものをもっと食べさせてあげるってのに。
ロ◯ホのTボーンステーキとかモ◯とか
「はぁ……はぁ……遅れてすみません!」
「そんなに遅れてないし良いよ」
「でも…悠さんが取られてないか心配で……」
「綾音と踊るって約束したのにそんなことするわけないよ」
「ありがとうございます」
ホッと安心したように笑う綾音を見て僕は一つの推測が浮かんだ。
フォークダンスの意味を知っているのかと。
そんな考えを抱くと同時に僕は直ぐ様その推測を蹴り飛ばした。
「悠さん!火がつきましたよ!」
「おぉ……!!」
僕達の身長より詰まれた
火は段々と櫓をかけ上っていき、盛大なキャンプファイヤーが灯された。
同時に音楽が炎に負けないぐらいの大音量で流れてきた。
「踊りましょ悠さん」
「うん」
皆が櫓を囲んで踊り始めた。
ペアになって踊るもの。
ぺアなんか知らねえぜ!とばかりにダイナミックにブレイクダンスをする集団。
フォークダンスがわからずに取り敢えずその場のノリで踊り出すもの。
某ナルトダンスをする輩達
キャンプファイヤーを囲ったダンスはたちまちフォークダンスの名を借りた自由系ダンスパーティーになった。
「あーもう無茶苦茶だよ」
「無茶苦茶といえは悠さん、あれを」
「一夏君がどうし……何これwwww」
なんとも不思議空間が構築されていた。
「一夏、次はこっち!」
「いいえわたくしですわよ!!(イギリス淑女とは思えないほどのタックル)」
「さあ、夫の胸に飛び込め嫁よ!」
「ちょっとラウラ!次はあたしのとこでしょうが!」
「さあ来い一夏!私が受け止めてやる!」
「待て箒!それは受けの構えじゃ、おわー!」
なんていうか。四人が一夏の四方に立っており。一人が少し踊ったと思えば他の奴にパスされて一夏がたらい回しになってるという。
僕は見たことある。サッカーの鳥籠っていうパス練習の奴だ。作者がサッカー部出身だから分かるぞマジで
いいのかい一夏ヒロインズ達
君達はそれをダンスとして満足出来ているのか?
「綾音、これについてどうおもう?」
「どうって楽しそうですね」
「楽しい……そっか」
ならもうなにも言わないよ
一夏君が目を回してるように見えるけど、楽しんでるなら良いよね。
「それでさ綾音、話があるんだけど」
「まぁ、奇遇ですね私も話したい事があったんですよ」
一旦踊りが止まりそう言い1から2歩離れた。何か話すつもりだ。
「最初あなたに振られてしまった時私がどんな気持だったか分かりますか?」
「そりゃあ辛いし嫌われちゃったんだって思ったよね……」
「いいえ、違います。距離の詰め方を間違えました」
は?え?
「いきなり好きと言われてそれに浮かれる男子なんていません」
(一夏君がここにいなくてよかった。)
「これから同居するのにこれだけは言わしてください」
一時の沈黙を終えて綾音は口を開けた。
「私、天条綾音はアマゾンである悠さんが好きです。悠さんがIS学園に入ったから私は水澤本部長と橘局長に色々してもらって代表候補生にまで上り詰めてここに来ました」
「綾音……」
疑いようのない言葉。
真剣そのものの眼。
勘違いしようのない、綾音からの告白だった。
しかも二回目の告白。
「でも綾音」
「貴方が私をどう思っているかは分かりませんが今は言わないでください。私は悠さんにもう一度話がしたくてダンスに誘ったんですよ」
IS学園の、でっちあげのジンクス。
それにすがったのはあいつらだけじゃなかった。
「だから私は待ちます」
「待つ?」
「貴方が答えを見つけるその日まで。たとえどんな結果になろうとも。私は受け止めます。ですが」
すると儚そうな顔で伝えてきた。
「好きって、互いが好きにならないと恋人にはならないんですよ。だから最初はお友達から始めましょう。そして……互いが大好きだと認識したら恋人になるんですよ。その時が来たら私に伝えてください」
「あっ……あぁ……!!」
「私は……待っていますから!」
キャンプファイヤーの炎の灯りが照らしたような笑顔に僕は立ち尽くした状態で脳がやられてしまった。
「これから宜しくお願いします!!」
ぺこりと頭を下げた後、何処かへ去って行った。
「ううっ………あぁ………!!」
「ちょっと危ないわよ……ってどうしたの!!」
「すいませんなんでもありません…………」
気づいたら涙を流していた。それを手で拭ってその場から離れた。
「なんだ………これは?」
「なんなんだこれは?」
「って仁さん!?」
するといきなり仁さんが出てきた。いきなり出てこないでよ。
「俺、見てたぞ?お前告白されたらしいな」
「………仁さんこそなんでここに?」
「お腹すいたからキャンプファイヤーの貰い火からバーベキューステーキ作ったんだよ。食うか?」
(用務員さんがして良いことじゃ無い!!)
「……いただきます」
一旦離れてバーベキューステーキを食べた。けど喉が通らない
「それで質問に答えてもらうぞ。どうだった?キスまで行ったか?」
「聞き方が中学生すぎる!と言うかまだ行ってませんよそこまで」
「ふーん、でどうなんだよ実際」
「好きだと言われました。こう言うのどうしたら良いか」
すると仁さんはバーベキューセットを片付けて移動しようとした。
「じゃあ恋人持ちの俺がアドバイスしてやるよ。自分からガッと行くんだよ。まぁお前には無理かwww」
「しばきますよ」
「あとアマゾンが恋愛しちゃダメとか言う偏見を持つな。俺が否定される」
七羽さんがいるの忘れてたあぶねぇ。けど肩の荷が降りた気がする
そう言い残して仁さんは去って行った。
「ったく悠は何してんのよ!綾音と一緒だったのにいつのまにか居なくなってるし!」
「もう二人でやってるかもしれないな」
「ラウラ!」
「マ◯オカートを」
赤っ恥をかいたシャルロットだったが、悠を見つけた。
「悠一人で何してるの」
「あぁ、綾音と踊り終わった所」
「どうだった!?」
「楽しかった」
話題を切り替えるかのようにラウラが提案してきた
「ちょうど良い、私達とも踊ってくれるか?」
「あぁ……いいよ。」
「なんだか落ち込んでるね、何かあった?」
「別に」
気分晴らしに良いかと思い踊る事にした。
けど同居するとして何かしらの緊張が残っていたのであった……
学園祭編やっと終了です!!
次回からキャノンボール・ファスト編スタートします!!
セシリアの焦燥、悠の恋の末路!
そして綾音に移植されたアマゾン細胞の真実!
これらの謎がついに明かされます!!次回も宜しく頼むぜ