食われるんじゃないの?(第三話以来の伏線回収)
第五十四話 QUASAR QUANDARY〜新しい生活
学園祭の襲撃事件が終わったが、オータムはブチギレていた。
「てめえどういうことだエムぅっ!!」
高層マンションの最上階。
綺羅びやかで豪華な装飾のその部屋に似つかわしくない声をあげるオータムにサイレント・ゼフィルスの操縦者、コードネーム・Mが鬱陶しそう振り返る。
「なんの話だ」
「お前が寄越したあのリムーバー! とんだパチモンじゃねーか!」
「知るか。私は上層部から渡された物をそのまま渡しただけだ」
「しらばっくれんじゃねえ!」
オータムはエムの胸ぐらを掴み、そのままソファに叩き付け、ナイフを向けた。
「お前知ってたんだろ!織斑一夏に使ったら奴が遠隔コール出来ることを!」
「何を証拠に」
「その顔が何よりの証拠だろうが!アマゾン殺さなかったからって不貞腐れてんのか!あぁ?」
「やめなさいオータム」
オータムを止めたのはバスルームから出てきた金髪の女性だった。
妖艶という言葉をそのまま人の形にしたような彼女はバスローブ姿でエムが組み敷かれているソファに座った。
「スコール……」
「まず落ち着きなさい?このソファ気に入ってるんだから、血で汚れるのは嫌よ?」
「………」
オータムは苦い顔でナイフをホルスターにしまい、エムを解放した。
「良い子ね。ほら、隣に来なさい」
「おう。いやまてまて、そんなんで私を絆そうったってそうは………」
「来てくれないの?」
「………あーもう」
仕方ねえなという体で来てるが、隣に座りたいのはオータムも同じだというのは頬を見れば一目瞭然だった。
「エム、サイレント・ゼフィルスの整備をしてきなさい。まだ完全に慣れてる訳じゃないんだから。ちゃんと物にしときなさい」
「わかった。だがアマゾンだけは私が殺す。それだけは譲れない」
そう言い残してエムはドアを閉めた。
「質問あるんだけどさ……二人の新入りについて疑問があるんだが」
「身体に教えてあげようか?」
「「普通に説明しろ」」
「………そうね、これから活動するんだから紹介するわ」
一人目は椅子に座ってくつろいでいるが変身してるのか姿が見えなかった
「おいお前、なんで言えば良いんだよ?アマゾンか?」
「ふっ、俺はアマゾンのキング。アマゾンMと名乗らせてもらう」
(M………アマゾンの王?ならマグナリオでいいか)
「アマゾンMはダセェよ。マグナリオでいいか?」
「ほぉ、雑魚が俺に名前を授けるとはなまぁそれで名乗らせでもらう」
「調子乗んなよごらぁ!!」
「落ち着きなさい。」
二人目はさっき別の任務で帰ってきたばっかりの女性。ネックレスには何故かシャルロット・デュノアと同じISの待機形態である。
彼女の名前はシャルロッテ・アグニージュ。フランスの国家代表である。
「それにしてもフランスの国家代表がこんなことをするなんてねぇ。」
「私はあの子が可哀想だからこの世界を正すのよ。私の恩人の娘があんな事に……!!」
「あの子って………マグナリオ。貴方何か知らない?」
「知らんな。但し…………俺が出向いた際に俺が一撃を入れたけど生きてた奴がいた。」
「誰よそれ」
「金髪で紫色の目をした……女。」
それを聞いた瞬間シャルロッテは思いっきりマグナリオを突き飛ばした。
「貴方なんて事してくれたの!!あの子を傷つけるのは許さない!!」
「待ちなさいよアグニージュ。君にその子は関係あるの?」
「ある!!あの子は今でも男どもの操り人形にされている……!!私は!あいつが憎いのよ!」
アグニージュは女性至上主義であるがそのわけは自分が有利になる為にそれに賛成してるわけじゃないのだ
「貴方のその憎しみは誰から来てるのかしらね」
「私の目的は………………」
アグニージュは最後までスコールに振り返ることなく、目の前を見据えたまま、確固たる決意を込めて答えた。
「アルベール・デュノアをこの世から消す事よ!!!!」
ーー♢ーー
「…………マジか」
「いきなりマジかとは」
「いや悪い方のマジかじゃないんだよ」
あの後虚さんの指揮の元引っ越し作業が終わって一夏君達から激励の言葉(大半は襲うなよ?だった)もらって部屋に入ったんだけど………
部屋が和のテイストすぎる!!!なんだよここ轟焦凍の部屋かよ!!
「てかこれトイレとか大丈夫なの?」
「何式だと思ってます?」
「和式?」
「洋式です」
「ちゃんと配慮してるなぁ」
と言うかなんでそんなに魔改造されてるのかと言うと
綾音は野座間製薬の人間だからかセシリアさんに続いてのお嬢様だからか寄付率が高いからか許可を得てるらしい
「お邪魔しまーす」
「もう、ここは悠さんと私が一緒に暮らす部屋だからお邪魔もありませんよ」
「ああそっか。」
フローリング全てが和風になっていて旅館に来たのかと錯覚させる
「これ前の同居人よく許可してくれたね」
「私と同じ趣味の方でして。寧ろノリノリでした。」
「因みになんて言う名前の人?」
「
ちゃんと名前に出てるなぁ。なんだか笑顔があふれるお食事をコンセプトにしてそう。
「はっきり言うとね、魔改造しすぎだよ」
「お気にならなかったですか?」
「いや、綾音らしさが出てて良い気がするよ」
後ろ向いて小さくガッツポーズ取ってるなぁ
「じゃあ座って話をしようか。」
「取り調べ?」
「んなわけ」
同居関係となった今、大まかとはいえルールを設定しなければならない。
ここ最近知った豆知識。同棲とは婚姻関係のない恋仲の男女が一緒に住むことを言うらしい。
楯無さんが敢えて同棲と称したのは、恐らく一夏ヒロインズに対する発破かけ、もしくは面白がったということだろう。
つまり僕と綾音は同居というのが正しい。
閑話休題。
「さてと、まずはトイレの鍵は閉める事。」
「基本中の基本ですね。けど……私は悠さんに見られても構いませんよ?」
「そんな事言わないの。小さい事だけどこれはルールだからね」
そこから各々の生活スタイルについても話し合った。
同居するにあたって必要以上に互いのプライベートに干渉し過ぎないこと。
どうせ短い間の同棲期間なのだ、今後に遺恨を残さないためにもこういうのは大事だ。
自分にとって些細なことでも相手には重要なことだってあるのだから。
「まず基本はラフな格好で居ないこと。僕が来る前に一夏君と箒さんは事故ったらしい。シャルロットさんとも事故ったことがある」
「シャルロットさんの裸を見てしまったんですか!?」
「流石に焦っただけ。だけどこう言うのはあんまり無いようにしたい。綾音も僕のパンイチ姿…………いやパンイチは無いか」
「私の姿は見たいですよね?」
さっきから綾音おかしいんだけど。壊れた?
「別に。」
「こう見えて実は鈴さん以上シャルロットさん未満なんですよ」
「もうやめて。僕出ていくよ?」
「ごめんなさい出て行かないで」
「嘘」
「嘘でしたか」
なんか小さい声で見なくてよかったとか言ってたの無視しとくか
「洗濯は個人。後は料理と後片付け及び掃除は交代制」
「悠さんって料理できるんですか?」
「…………あんまりしない」
「じゃあ料理は任せてください!悠さんは掃除をお願いします!」
やけに自信あるなと思ったらこの子料理上手いんだった。またあの弁当食べたいなあ
「よし、それじゃあ短い間だけど宜しくね綾音。」
「よ、宜しくお願いします!!」
緊張してるのかぁ。可愛いなぁ
「………」
「………」
会話が続かない!!どうしたもんかマジで
「よく考えたら悠さんは料理できるんですか?」
「いやでも綾音の仕事じゃ……」
「一回だけ作ってください」
「わかった。けど僕あんまり料理しないから文句言わないでよね」
「愛する人の料理は全部受け入れます」
覚悟あるの好きだねぇ。
冷蔵庫の中には……ちゃんと揃ってるな
数分後………
「お待たせしました。白身魚のパナソテーです」
持ってきたのは白身魚の焼いて揚げたやつ。なのだが、それは綾音の予想を超えていた
「!??!?!??」
「バターの香りをまとい、こんがりカリッと焼き上げた白身魚に、塩レモンと刻みパセリ、バターを添えます。”メートルドテルバター”風のリッチな味わいが感じます」
綾音は以前鈴から悠の料理についてどうなのか聞いたのだがその答えは。
自信ないとか言ってるのに料理スキル高い
って言っていたのだがそれすらも凌駕する料理をお出しされ驚くしかなかった。
「さぁお食べ」
「い、いただきます」
ナイフで白身の一部を切り取りフォークで刺してそれを食べる。
「!!!!」
「ど、どうかな?」
「美味しい!!てかフランス料理ですよね?」
「うん。」
「シャルロットさんフランスですよね?」
「それが何か?」
綾音はフォークとナイフを置いた。え、どうかした?
「…………教えてもらったんですか?」
「そうだけど?」
「だとしたら二人ともすごい料理が上手なのですね!」
ありがとうシャルロットさん、君が教えてくれたレシピがここで役に立ちました!!
その後綾音はパナソテーを完食した。
「でもやっぱり交代制無しにしません?悠さんは皿洗いとか」
「どうして?僕も料理するの嫌じゃないのに」
「悠さん生徒会所属じゃないですか。忙しくて疎かになるかもしれないので」
「じゃあそうさせてもらうかな」
「はい!!」
あの後鈴さんから電話が来たらしいんだけど泣いて喜んでました
この人お母さん適性高いよなぁ。
「それとさ、綾音にこれを渡しておこうって」
「何かくれるんですか?」
綾音の前に五円玉ネックレスを置いた。
「これはチームの証でね。僕の友達が同じことやってたから影響を受けたんだ。」
「凄くエモいですね!家宝にします!」
早速綾音は五円玉ネックレスを首に掛けていました。
「でも目立つから制服の中に入れといた方が良いかも」
「なるほど〜!」
とまぁこんな感じで1日を過ごし、寝る事にする
「それじゃ寝るとするか」
「おやすみなさい。」
二人ともそれぞれのベッドで寝た所だった。
『おい、起きろ』
「っ…………また深層意識ってあれ?」
目が覚めるとまたあの時の水槽ってあれ?真っ白な部屋に水槽が置かれてる………まるで僕の家だ
しかし一つ疑問があった。僕の中の僕の姿が変わっており、髪型が変わった僕の姿であり、衣装も制服じゃない。
あの時の緑色の化け物の姿とは大違いである
「君は………僕の中の僕?だとしても服着てるの?」
『あの姿じゃダメだと思ってな。それと喋り方も変えた。カタカナだけだとジャ◯クかオ◯バに間違えられるからな。』
「はぁ………それで何?」
『あの少女についてだ。お前は何か忘れてるかもしれないな。自分がアマゾンだと』
「違う!!アマゾンでも人間と一緒に暮らせるはずだ!」
『全ての個体がお前と同じだと思うな。所詮人を喰い殺す化け物だ。』
少女って綾音の事だ。そう言うつもりか
『それにお前に忠告した筈だ。彼女もお前と同じ存在だと』
「同じ存在……?綾音がアマゾンだと言いたい訳?」
『そうか………まだ知らないか。』
「何がだよ
『それはな▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓』
僕の中の僕の声が無く、何言ってるのか聞き取れなかった。けど、何かがあると言うことはよくわかっていた、
『話はそれだけだ。じゃあな。』
そして空間を叩くと背景がガラスの如く割れてゆめがおわった。