それではどうぞぉ
どうも。水澤悠です。
今は放課後の時間なのですが僕は女子四人に詰め寄られています
なんでかな?セシリアさんがいない理由はおそらくフレキシブル関連だとしても一気に詰め寄られることした事ないんだけど
生徒会の仕事が終わった後に四人に屋上まで連行されて現在進行形で箒さん、鈴さん、シャルロットさん、ラウラさんに仁王立ちされていたのです。
いや、シャルロットさんだけは仁王立ちせずアハハと困った笑いを浮かべていた。
この子だけは僕の味方だと思いたい
「悠!」
「はい!」
「あんたに頼みたい事がある」
一夏君の誕プレの件か?あれで嫉妬したら泣く
「あたしたちに1日ずつコーチしなさい!」
「はい!?」
あれ、一夏君の話題じゃないだと?
こいつら本物か?
「何故僕を?」
「あんた教えるの上手いじゃない」
「下手だよ。僕どちらか言うと感覚派だし。」
あなたと一緒だからね?流石悠分かってるじゃない発言忘れたのか?
「でも箒や鈴と違って悠は言葉にできるじゃん。」
「「シャルロット後で覚えとけ?」」
「まぁ悠は実戦による教えが上手いからな」
ここで役に立つとは思いはしなかった。駆除班にいた経験が糧になり今ここで活かされていようとしてるのかぁ。
「最近一夏の成長が目覚ましいのは知ってるだろう」
「あぁ確かに」
オータム戦以降意識を改めたのか雪片二型を織り交ぜた格闘スタイルに切り替えたらしくて手と足が出なくなってきたきた。
まぁ僕にはまだ勝てませんけどね。けどちょっと怖い
「一夏自身の意識改革もあってね。貪欲に強さを吸収していくっていうか。なんていうか、言うようにもなったのよ」
「まじで?」
「………」
聞き返すと鈴はバツの悪そうな顔で頬をかいた。
「その、あたしたちってさ。一夏の特訓絡みで喧嘩することがたまにあるじゃない?」
「うん。僕が教えようとすると一致団結して僕をボコボコに仕掛ける癖に」
「それは分かってるわよ!!」
言い返さないんだ……
「この前私と鈴がどちらが一夏に教えるかと喧嘩になったことがあってだな。その時見かねた一夏がこう言ったのだ。
『すまん二人とも!時間押してるから今日と明日で一人ずつ分けないか?』とな」
一夏君が言うようになったんだなぁ。
以前なら持ち前の優しさと流され体質で仲裁するしか出来ないようになってしまうのに。
「そんな一夏を見て私は思った。これは嫁に負けてはならないと」
「いやお前の嫁じゃないだろ」
「つまり、私たちが仲違いしてる場合ではないということ」
「まあなんていうか。あたし達の都合を押し付けて一夏の練習邪魔するのは悪いなって」
「本当に鈴さんか?」
「悠でもどつくわよ!!」
なるほどねぇ。一夏君だけでなく皆が成長してると感化しますよ
「要するに。一夏も強くなろうと頑張ってるから私達も心機一転してISの練習頑張ろうって話」
「僕たちも個人的にアドバイスを貰おうって」
「悠は察しが良いし。あたしたちでも気づかない強化案があるんじゃないかって」
「ここ最近無人機や
で、僕の出番か。良いぜやってやろうじゃないか!
「成程!よし僕が教えるから皆ついて来い!それと代わりに僕にもアドバイスをくれることを条件でお願い」
「わかった。」
「よしっ!」
「じゃあ明日から一人ずつね、キャノンボール・ファストの練習をしつつやっていくということで」
「異議なし」
その後全員のスケジュールを確認し、部屋に戻った。
と言うかわざわざこんなところまで連れてく必要はなかったのではと聞いたところ。
「色々事情があるのよ」
便利な言葉である。
「ただいま」
「おかえりなさい!!」
相変わらず出迎えてくれるの嬉しいなぁ。
「綾音、僕先生になったんだけど質問ある?」
「悠さんが先生……………トラックの前に立たないでくださいよ?」
どこぞの金八やないかい
ーー♢ーー
【箒・紅椿の場合】
「はぁぁっ!!」
「動きが直進!そんなんだと」
「何っ!?」
「横がガラ空きっ!!」
「ぐはぁっ!」
意外とよくみると紅椿の展開装甲による超速移動に目を回しがちだが、良く見れば直線の動きが目立つ。
「これでもくらっとけ!」
「遅いっ!」
箒が僕の後ろに回り、雨月で切ろうとするも、即座に振り向いて真剣白刃取り
「離れろっ!」
咄嗟の判断で蹴り飛ばすもその場に留まる
(成程……龍砲の至近距離衝撃波を撃つのを察したか……)
「じゃあ君の得意でやってやるよ!」
「近接戦か!」
アマゾンブレイドを引き抜き剣戟を広げる。
(雨月かと思ったら空裂!?ならこっちはこれだ!)
(拳が来るな………って何!?)
オメガが殴ろうとした瞬間に一瞬でバリスティックボムが呼び出され刺さってしまう
(腕に刺さった………そのまま引き抜くか?)
「よそ見をせずにワンオフ・アビリティーを意識!発動すれば一気に形成が逆転する!」
「わ、わかった!」
箒はグッと身体に力を入れ、イメージを練りだした。
『VIOLENT PUNISH』
「ちょっ!待て!こっちは今集中」
「そんな簡単に敵が待つ訳ない!」
「そうだったーー!!!!」
アームカッターに箒の腕に刺さったバリスティックボムに当たり二人共も誘爆する
「「ぎゃああああ!!!」」
戦闘訓練後に反省会をかねてカフェテラス。
報酬でカツサンドを奢ってくれました。
半分ほど食べたところで、纏めたデータをテーブルに広げた。
「近接は文句無し。射撃もある程度問題なし、なおこれは高度の照準補正制度の恩恵もあって機動制御は紅椿に振り回され気味。ワンオフ・アビリティーは使えるようにしないとね」
「割と詳しくまとめられてるな。と言うか大丈夫か?アマゾンは電気が弱点なはず」
「あれは一時的な痛みだから平気」
普通に喋れてるが落ち込んでいる雰囲気は察しできる
厳しいかも知れないがこれが現実。
「やはり私は紅椿の性能に頼りきりだな」
「うん。性能を抑えれば操作しやすくなるだろうけどね。紅椿は白式とは逆の意味で玄人向けだね」
一つしか出来ない白式とは違い、紅椿は多種多様の戦い方が出来る。
ハイスペック、距離を選ばない戦い方、自立兵器装備。
選択肢が多い分咄嗟に何をすれば分からなくなるのが今の現状。
「まぁ手数が少ないと戦い方が限られるけどいざ手数が多くなると難しくなるよね」
「悠は最初は前者だったけど今は後者だな」
「それでも僕は拳で戦うで」
「21歳か」
箒さんと一緒にいた時間を思い出して少し穏やかな気持ちになった。てか安心感がある。
「アクセラオメガはシャルロットのリヴァイヴと同じなのにこうも動きが変わるんだな。どうやって動かしてる?」
「どう相手を潰せるかの格闘技を考えている。掌底、踵落とし、正拳突き………攻撃を与える瞬間をそのまま脳内に刻み込んでそれを実行する。」
「普段の動きが要になるのか………」
一夏君や箒さんは剣道を習っていたからそれが戦闘に活かせる事が出来る
「私から思うのは悠は近接格闘戦は完璧だ。後はメンタルケアが必要だと思う」
「なんで?」
「メンタルおかしかったの時にラウラと戦った時の腹部貫通、あれ背筋が凍ったからな?」
「あの時は…………すみませんでした。」
箒さんに生きてました報告した時に身体中触られました。幽霊じゃないよ
「あとはまあ、絢爛舞踏が使えたら完璧」
「やはりそこに帰結するか」
「これがある無しだと本当に雲泥の差だからな」
今の高スペックを見ても断言できる程絢爛舞踏は零落白夜以上にオーバースペック、まごうことなきチート能力と言える。
もし絢爛舞踏を自在に、なおかつ持続的に発動させれたらとしたら。紅椿は無限のエネルギーによる超火力の応酬、連続の瞬時加速、常時展開装甲全開。
相手から見て、これほどのクソゲーは他にない。
「ワンオフ・アビリティーの発動は本人とISのシンクロというのが定番説明だけど。操縦者の強い感情、想いに反応して発動する。コツを掴めば一夏君のように好きなタイミングで発動できるのが理想。僕みたいに常時発動もあり得るかもしれない」
「あの模倣生成ワンオフ・アビリティーだったのか!?」
「そだよ。」
「すごいな……」
「あと端的に聞くけど。ワンオフ・アビリティーを発動した時の心境って覚えてる?」
「も、勿論だ」
「教えてくれる?」
「なっ!?」
何故顔が赤くなるんだ?
「ほら言ってごらん。うん?」
「い、言わないと駄目か?」
「無理なら良いよ?」
「………………一夏と」
「うん?」
「一夏と一緒にいたい。一夏の力になりたい……とか」
「まじか………」
この人一夏君のこと大好きすぎでしょ!!てかよく考えたら初めて会った時恋人って言いかけたけど一夏君がただの幼馴染だよって言って足踏まれてたなぁ
「その気持ちをもう少し一夏君に対して出したら良いんじゃないか?」
「よ、余計なお世話だ!」
「そっかごめんね!」
二歳児にはこの答えはわからない。
一夏君を想う気持ちがトリガーになる。
それで発動しないなら箒さんの一夏君への想いが足りないんじゃないか
そんなわけないよな?
「でも発動条件が一夏君を思う事ならこう考えてみたら?」
「どういうのだ?」
「一夏君の周りの人を守りたいや力になりたいって思ったらどう?人は人間の細胞やアマゾン細胞みたいに人としての情報は周りの人間による印象も詰まっている。一夏君が君が無事で良かったと思うように他の人も思うかもしれない。織斑先生や僕、セシリアさん達のように」
すると箒さんは一夏君と関係のある人達を思い浮かべてみた
「すまん無理だ。
「ほんまに仲良しかぁ?」
「仲良しなのは仲良しだ!だがそれとこれは違う!」
よく言えたな…………………
「あのさ」
「な、なんだ?」
「恋をするってどんな感じ?」
「え?」
箒さんが顔を驚かせた
「恋って………今綾音との関係じゃないか?」
「いや友達から再スタート」
「え!?二回綾音に告白されたとか聞いたのだが!?」
一回目はシンデレラの時、二回目はキャンプファイヤーの時。
「だとしたら綾音メンタル鋼すぎる……一回振られた相手にもう一度行ったんだぞ……?」
「だから恋愛がなんなのか知りたい。好きになるのに理由がいるのかいらないのかはっきりしたい」
「……今の距離感を留めたいか次のステージに行きたいのか迷っているのだな」
「そう。それで箒さんはどういう経緯で一夏君に好意を抱いたのかって純粋に気になるんだ」
「よりによって私にか?」
「ワンオフ・アビリティーのきっかけが一夏君になるぐらい好きな箒さん以外に適役は居ないし」
それに、客観的に聞けば何か掴める気がする。気がする。
「無理だったら良いよ流石に。」
「いや、良いだろう」
「いいの!?
「お前のお陰で今の私がある。他ならぬお前の頼みだしな」
箒さんは紅椿の待機形態に手を当てて目をつぶった。
「一夏と初めて会ったのはまだ私が小学生に成り立ての頃だ。姉さんの紹介で千冬さんと一夏が家の道場に入門してきたんだ」
「箒さんの家道場持ってたんだ」
「ああ。篠ノ之柳韻を知っているか?私の父だ」
「初耳………後で調べとく」
調べてみたら篠ノ之柳韻さんは篠ノ之道場の師範であり、篠ノ之神社の神主だそうだ。
当時彼は剣道に置いては伝説ともされる人で「剣聖」と呼ばれる程の剛の人だったそう。
箒さんのお母さんに当たる人も剣道界では名うての人物らしい。
「当時の私は今よりも気難しい性格でな。その時の一夏とはどうにも馬が合わなかった。やけに勝負を挑んできては負かして、それでも懲りずに挑んでくる変な奴だと」
「まんま一夏君らしい」
「そうだな。それから一年たって二年生になった時だ。当時から今のような喋り方、竹刀を持つのがお似合いで可愛げのない私は周囲から『男女』と呼ばれて弄られるようになった」
男女ねぇ。
箒さん普通の女子より少し男っぽいなぁ。
「放課後の掃除だったかな、掃除そっちのけで私をいびる男子が男女の癖に女の格好をするなんて笑っちまうと嘲笑ってきてな」
「胸糞悪いなぁ。女の子はオシャレして良い権限があるのに(勿論んな訳ない。皆平等です)」
「その時一夏はどうしたと思う?」
「拳?」
「フフッ、正解だ。良くわかったな」
いつからいると思ってんだって思ったけど、一夏君は今も昔も芯の通った性格だったろう。
「男子三人相手に大立ち回りをした一夏はこう言った。「お洒落をしてる篠ノ之はただの可愛い女の子だろ」とな。
可愛いなんて家族ぐらいにしか言われたことない私はそれはもう目を見開いたさ」
「無意識だとしてもよく言ったな」
「だな。その時からだな、私があいつを好きになったのは」
箒さんは少し照れながらも嬉しそうだ。
一夏君は昔からヒーロー気質だった。
その真っ直ぐさに箒さんは救われたのか。
「それから少したって白騎士事件が起きた。ISの第一人者である姉さんとその家族は重要人物保護プログラムの影響で各地を転々とし、一夏とはそれっきり、もう会えないとさえ思った───此処に来るまでは」
一夏君が男性IS操縦者第1号としてIS学園に編入。二人は感動の再会をした。
「僕がIS学園に入ったのは一夏君が入学して四日目の時に仲良しの頃に戻ってんの凄いな」
「全然変わってなかった。鈍いところも、変に真っ直ぐなところも」
「セシリアさんと決闘するぐらいなの鋼メンタルすぎる」
「別の意味でな」
だけど一つある事を思い出した。
「あのさ、あの時なんで一夏君の腹に蹴りを入れてたの?」
「それは………はぁ、愚痴らせてもらって良いか?」
「うん。」
「一夏がゴーレム襲撃事件後に保健室にいただろう?」
「居たね。」
「お前がセシリアと学食に行った後に私は一夏にこう言ったのだ『私が優勝したら、付き合ってくれ!』とな」
あっ(察し)。
「トーナメント事態はラウラのVTシステム暴走事件で中止になり。約束も無しになり、私はさも魂のない脱け殻になった」
「うん」
「そしたら一夏がこう言ったんだ「付き合ってもいいぞ」と」
「あー………」
すると僕は頭を押さえ始めた
「私は正に寝耳に水。喜びに沸き立ち頭の中で拍手喝采をあげた。動転しながらも一夏に理由を聞いた。そしたらあいつ、何て答えたと思う?」
「続けなさい」
「『そりゃ幼馴染みの頼みだからな。付き合うさ────買い物くらい』」
どわぁぁぁ!!!
お前、お前。一夏君お前。
なにしてんだぁぁ!!
「一瞬なにが起きたか分からなくなった」
「でしょうね!!」
「それはな。あいつが鈍いのは知ってたさ。肝心なワードが抜けてたかも知れないさ。でも………これはあんまりじゃないか!?」
「そうだなあんまりだ!箒さんケーキ奢ります!」
ショートケーキを購入。
「私なりにストレートに言ったんだぞ。なにか?『私と恋人になってくれ』と言ったら通用したのか!?」
「どちらもありゆる………そんだけの話だ。」
「あの時の私は暴力に躊躇いはなかった。お前の変身時の如くボコボコにした。」
「なんだろう、箒さんの気持ちがわかった気がする」
ケーキをやけ食いする箒のまた哀愁が漂うこと。
あまりにも不憫に思った僕は当初の目的を置いといて時間が許す限り箒の愚痴に付き合った。
なんだか酒飲んだ時の三崎さんみたいでしたとさ。
ーーー◇ーーー
【鈴・甲龍の場合】
「相変わらず格闘戦うざいわね!」
「そりゃどうも!!」
アームカッターで双天牙月を受け止めるも、アマゾンサイズで突き刺そうとする
「こんのっ!」
鈴さんは龍砲を展開。チャージの時間を稼ぐ為に腕部の崩拳で牽制する。
「なら出し切ろうぜ!」
「嘘っ!?」
オメガの翼も龍砲に展開されており至近距離で衝撃波を放つ
「さぁ戦おうぜぇぇ!!」
「このバトルジャンキーめ!!」
双天牙月をしまって格闘戦に入るも悠の方が上手であり途中からのカウンタースタイルで足元を掬われる
「くらえっ!」
チャージを完了した龍砲。
だが射線予測と空間の歪みが崩拳より強い龍砲はギリギリで躱されてしまった
ISのエネルギー補給と自分自身の補給の為に小休憩を挟みながら先程のデータを見る。
楊麗々さんの指導の元、一年で代表候補生に至った彼女の素質はやはり凄い。
一見強引で無鉄砲に見える戦闘スタイルだが、それは類まれなるインファイト能力と戦闘センスに裏打ちされたもの。一手一手がまるで舞踊のように繋がる青龍刀捌きは無策で突っ込めばたちまち噛み砕かれる。
青龍刀無しの格闘戦も目に光るものもある
「流石は代表候補生だね」
「当然。遊びで甲龍与えられてる訳じゃないっての」
鈴さんはいつも自信に満ち溢れている。たまにそれが過信に繋がることもあれど、それが彼女の強さとなる
その自信の強さを分けてくれよ。
「あと龍砲の命中率が低くなってるね」
「そうなのよねー。最初は結構当てれたのに段々見切られてきてさ。最近は腕の崩拳を使うのが増えたのよね。あれって龍砲に比べて速く撃てるから」
「あれ結構危ないしびびった」
「あれをすらすら避けるあんたにビビる」
「目が良いんでね」
「良いのレベル超えてるわよ!てかあんたが龍砲使ったらノーモーションノーチャージで撃てるし命中率高いし羨ましい」
その後再開し再び変身する
「アマゾンッ!」
「ちょっと待ってそれ毎回言う訳?」
「ヒーローのの変身みたいなもんだと思って」
「ふーん」
変身しようとしたが電撃が走る
「ちょっとやってみたい事がある」
「何よ」
「変身の爆風で龍砲の衝撃を消せるかやってみたい」
オメガに変身する時とニューオメガに変身する時の爆風の威力は全然違う
以前楯無さんとやった時に先にアマゾン細胞を擬似的に出してAICを再現し水弾を受け止め、それを変身時の爆風で弾き返した事あるから一回やってみたいのだ
「フルチャージで行って。」
「痛くも文句言わない事よ?」
「分かってる」
龍砲を展開、打ち出される瞬間を予測しベルトをセットする
「今よ!」
『NEW・OMEGA』
衝撃波が来たと同時に緑の爆風がバリアの方になり打ち消されたが……
「まずい避けろ!」
「えっ…………うわぁッ!!」
後から来たニューオメガの衝撃波に鈴が直撃し吹っ飛ばされる
「ごめん大丈夫!?」
「アンタ全く……隙がなさすぎるわよ!」
ーー♢ーー
「鈴さんってさ。」
「うん。」
「あの時めちゃくちゃ惜しいと思った時があったんだ」
「いやなんの話よ」
「一夏君について」
惜しかったってなんだと思っていたが一つ分かった。
「…………あの時のか。」
「うん。あの襲撃事件の後のやつ。何故あんな事を言ったのか教えて欲しい」
「愚痴るわよ?」
「良いよ言って」
鈴さんは改めて話した。
「うちって中華料理店やっててさ。あたしそんなに料理出来なかったの。それで中学で別れる前に約束したのよ」
「はい」
「あたしの料理の腕が上達したら………毎日酢豚を食べてくれる? って」
「これって」
どっかで聞いたぞ?うーん…………
「ああ、口説き文句?」
「そう!そうなのよ!でもあいつあたしが約束のこと持ち出したら何て言ったと思う!?」
「たしか………」
「「『毎日酢豚を奢ってくれるってやつか?』」」
「だよね?」
「そう。だけど一夏はそう曲解したのよ!?酷すぎない!?」
「泣いて良いよマジで」
あれ馬鹿馬鹿しくて飲んでた水を吹き出しちゃった
「でも鈴さんにも原因あるんじゃない?」
「はぁ!?あたしが悪いって言うの!むぐっ」
「落ち着いて聞いて。ボロネーゼあげるからさ」
「もうあげてるじゃない。モグモグ」
食べ物って凄いよね
「まず鈴さんの口説き文句だけど。ああいうのって世間的には男性から女性に言う口説き文句なんだ」
「別に女が言っても良いじゃない」
「もうひとつ。味噌汁を酢豚に置き換えたところ」
「私の得意料理の予定だったし」
「最後に。一夏君の唐変木さと朴念仁は天元突破レベルだということ」
「つまり?」
「アレンジが効きすぎて一夏君が気づくのは至難の技」
「なによそれー!!」
分かる。分かるよそれは。好きな人の料理が毎日食えるとなると結婚に行き着く……………な訳ねぇよ!普通だったら?だもん!!
だが相手はあの一夏君。正攻法で言っても神回避を行う最強のフラグブレイカー。
相手が悪すぎた
「時間もたったら料理上達したからその時はあたしの料理を食べて。って一夏君の見解もまあ少しは理解できるかな。お怒りはわかるけど一夏君の鈍感相手には変化球過ぎたかな」
「だ、だってストレートに言うなんて恥ずかしいじゃない!」
「そこは自信持って言ってよ。」
ままならないなぁ、乙女心というものは。
「でもその後仲直りはしたんでしょ?誤解は解けてはないんだろうけど」
誤解解けてたらそのまんまの意味だって思うだろうし。
すると鈴さんの怒りの炎は酸素が無くなったかのように鎮火していった。
「………」
「どうした鈴さん。行きなり黙りこくって」
「その、ね」
「ん?」
「誤解は解けたのよ。もしかしたら違う意味だったのかって」
「え、マジ?」
あの一夏君が正常に意味を理解したのか。
第四話の時に後で菓子折り持って行こうかって言った際にあの後一夏君鈴さんと話に行ったのを思い出した。
「良かったじゃん。あれ、でも」
「あたしはそん時大ぺけしちゃったのよ。直前になってタダ飯であってる!って誤魔化しちゃって」
「………」
「一夏は深読みしすぎたなって………」
「………鈴さん。これだけ言わせてくれない?」
「なによ」
「何してんの?」
結構ガチ目に言った。アホ女が
「うっ………」
「なぁに前代未聞空前絶後のチャンスを自ら不意にしたの!?
一夏君が自分から気づくなんて天文学的確率!!それをおじゃんにしたってアンタガチかよ!」
「し、仕方ないじゃない!行きなり不意をつかれて動転しちゃったんだもん!」
「今からでも遅くない。訂正しに行け」
「嫌よ恥ずかしいじゃない!!」
「だぁぁぁもうなんでそこは奥手なんだよこの馬鹿ッ!」
「馬鹿って言った方が馬鹿よ馬鹿ッ!」
「三回も言いました〜〜!!兎に角これから頑張れ!!」
「ねぇ悠。」
「どうしたの?」
「さっきの話綾音と関係ある?」
…………察しがいいな。
寮で別れる時、鈴さんが訪ねてきた。
言われるだろうなと思って結局言われなかったかと思ったらこれである。
「別に隠さなくてもいいわよ。キャンプファイアーのジンクス教えたのあたしだし」
「そうなの?」
ということは。綾音っちと僕のこともほぼ知ってるということか。
「ありかなしで言ったら。あり」
「だと思った。あんた達告白したんだしもう恋人同士なんでしょ?」
「綾音から聞いて」
「聞いたわよ。あなたを待ちますとか言ってた。」
「…………」
「断ったの?別に答えたくないなら答えなくていいわよ。そこまで出歯亀するつもりないし」
鈴さんはそう言いつつも本心では知りたいのだと思った。
自分と同じく想い人を追ってIS学園に来た者として。
「実は…………友達から再スタートした」
「はぁ?なんでそこはガッて行かないの情け無いわね。」
「…………仕方がないじゃん、人間とアマゾンの種族を超えた愛。それは否定しない。」
「なんでよ?」
「ただ………………怖いんだ。僕はアマゾンだけど人は喰わないってラウラさんやみんなの前で言ったけどさ、実際お腹が空いて仕方が無いんだ。空腹を闘争本能やその他の趣味に当てはめてるだけ。アマゾンは愛着を持ったものに数倍に捕喰本能が反応する……もし僕が人を喰べてしまったらもう………後戻りできないんだ。」
「悠………」
「だから僕は逃げた。次のステージに進むことを拒んでまた友達としてやり直した。」
「残酷ね。あたしのヒーローの印象は希望を与えるってのにあんたは一人の人間の希望すら逃げた。鷹山さんが言っていた事が分かる気がする」
自身のヒーローの印象発言について少しイラっときた。
「ヒーローは完璧じゃない………変身みたいにアマゾンって叫んで皆を守ってるのに本当はISとの戦いを楽しんでいる。」
「誰にでも欠点はあるわよ」
「じゃあ鈴さんのヒーローは欠点あるの?教えてくれよ!」
すると鈴さんは言い返そうとせずに僕のいう通りに考え始めた。
『鈴をいじめるなぁ!』
『◯◯さんも鈴に対して当たりすぎだ!!』
『タダ飯って訳だろ?』
『リスみたいだな』
「………………確かにそうね」
「納得した………」
鈴さんの部屋につき、鍵を開けた。
「まあ、なんであんたがあたしに聞いたのかってのは分かった」
「うん。」
「だから恋愛の先輩として一つアドバイスしてあげるわ」
部屋の前で鈴さんは振り返った。
その顔はどこか悟ったようで、そして笑っていた。
「恋なんて理屈じゃないのよ」
「理屈じゃない………」
「そっ。じゃあね、精々苦しみなさいな」
鈴さんはそれだけ言って部屋に戻っていった。
その言葉は優しくて芯が通っていたが、僕にはそれが呪いかのように心に残った。
高羽対黄櫨折戦みれました!!
面白い!!