インフィニット・アマゾンズ   作:らんくらニキ

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アフターストーリーみたいなかんじ


第六十四話 恋心の先

 

さて、仲直りしたもののまだ疑問があった。

 

「VTシステムってマジで怖い。ラウラさんそこんところどうなの?」

 

装甲を粘土のように捏ね回して暮桜の形とする。

あの異形の姿はなんともトラウマもの、観客席から見ていたがそれほど不気味だった。

 

「私はその時教官のような強さではなく、教官になりたいと思った。VTシステムは私の願いに反応し、発動したと思われる」

 

知らない間に自分のISにVTシステムが組み込まれ、自動発動する。

そんなの無いよね?

 

「一夏に救出された時。私は一夏の意識と繋がった」

「意識が繋がる?」

相互意識干渉(クロッシング・アクセス)というものを知ってるか?」

「初耳」

「ISか搭乗者同士の波長が合う時に稀に発生する深層領域空間リンクとか言うやつだ。」

 

確か僕はアマゾンオメガに変身してたからそう言うのなかったと思う

まだ事例が少ないから科学的証明に至ってはいないが。

相手と深く繋がると同時に共鳴することから、共鳴現象(レゾナンス・エフェクト)の一種とも言われる。

 

クロッシング・アクセスには深度があり。ログに残らない会話の先に、お互いの思ってることが分かるテレパシーじみた物ことや。相手の記憶を垣間見えることもあるという。

 

「その時私は問うた。強さとはなんなのかと」

「一夏君はなんて?」

「強くなりたいから、強い。だそうだ」

「単純だね」

「ああ。一夏はその強さで、自分の全てを使って誰かを守りたいと言った。そして」

「そして?」

「私が不安に思うことを汲み取ったのかは定かではないが、一夏は私を見てこう言った。『だからお前も守ってやるよ、ラウラ・ボーデヴィッヒ』とな」

 

それを聞いて僕は改めて一夏君が凄い奴なのだと再認識した。

 

誰かを守る。

それは簡単なようで一番難しいことで、公言することもはばかれること。

 

だが織斑一夏はそれが言えるのだ。

 

「誰かを守るって言えるの尊敬するよ一夏君」

「確か悠はシンデレラの時守りたいものを守り、狩るべきものを狩るだったな。」

「やめて恥ずい」

 

まあ本人は本当に守るという意思表示をしただけで恋愛対象として言ったわけではないわけだが。

罪な男の織斑一夏君よ

 

「しかし分からないのだ」

「何が?」

「私は分かりやすくあいつにアピールをしているというのにアイツは冗談だと見てる節があってな。一夏にお前は私の嫁だと公言し、復帰してから口付けを交えたというのに。一夏はまるで気付いてくれん」

 

それはまぁ。

そういうことだろうね

 

「悠。何故だと思う」

「僕から言うのは駄目かな。箒さんや鈴さん、シャルロットさんやセシリアさんに聞け」

「聞いた。だが何故か誤魔化せられる。悠。知っていたら教えてくれ」

「うーん、僕に彼女ができたらの話」

「言ったな?覚えておくぞ!」

 

しまったやらかした

 

「あとさん付けやめたらどうだ?出会って間もないしもう呼び捨てでいいぞ?」

「えー迷うなぁ」

「綾音には呼び捨ての癖に」

「綾音から言ってきたんですー」

 

確かに呼び方変えようかなまじで

 

「そういえば。乱入した一夏君と対決したって聞いてたけど。その時結果はどうなったの?大方中断したんだろうけど」

「ああ、その時は教官が更に割って入ってくれてな」

「打鉄でも使ったの?」

「いや、生身だ」

「え?」

 

今なんて言った?

生身?ナマミって名前のISかな? 

 

「生身だ。スーツ姿で」

「マジで生身!?IS着ないで身体一本で!?」

「ああ、ブーストをかけた私のプラズマ手刀をIS用の近接ブレードで受け止めた。流石教官だと思ったな」

「なんだよそれもうそれ人じゃなくてゴリラじゃん!織斑先生ってアマゾンな訳!?」

「ほぅ、私をゴリラ呼ばわりか」

「ぎゃああああ!!」

 

後ろを振り向く我らのプリュヒルデこと織斑千冬先生が。

 

「フッ、まさかここで中学時代のあだ名の一つを聞かされるとは思わなかったな」

「申し訳ございませんでしたぁ!」

 

角度は90度!謝罪の姿勢!!

 

「ボーデヴィッヒ。さっき織斑がお前を探していたぞ」

「本当ですか!分かりました!至急向かいます!」

 

おい待て待てラウラさん、こんな状況で僕を置いていくのかよ!

 

「悠、相談に乗ってくれてありがとう。これからも宜しく頼む」

「あ、うん」

「ご指導感謝する!では!」

 

ペコリと頭を下げたラウラは走らない速度でカフェテリアから立ち去っていった。

 

「それじゃ僕も〜」

「待て水澤お前は残って少し手伝え」

 

はい詰んだえ、何に?拷問? 

 

「どうか命だけは」

「馬鹿、そんなことはしない。少し雑談に付き合って欲しいだけだ」

 

拒否権なしとみた。

 

「いいですけど。飲み物買ってきてもいいですか?喉が乾いて」

「いいぞ。奢ってやる」

「いや流石に……」

「奢ってやる」

「ありがとうございます!!」

 

皆や僕が憧れの織斑先生からジュース奢ってもらった

マジ感謝感謝

人から奢ってもらった物は普段より美味い

 

「………」

「………」

「あの」

「なんだ」

「生身でIS用近接ブレードを振るってシュヴァルツェア・レーゲンを止めたというのは本当ですか」

「あぁ、そうだ。」

「どんな筋肉してるんですか」

「水澤もできるんじゃないか?」

「多分できます」

「じゃあ後で近接ブレード50本運んでもらおうか」

「やめてください」

「冗談だ。」

 

どう見ても筋骨粒々に見えないし水着姿でも普通だったし。筋繊維密度8倍とかにでもなってるのかこの人は。

 

「ここ最近思うのだ」

「な、なんです」

「なんというか、私は生徒に好かれてないのだろうか」

「いや、それはないでしょう。出る度にキャーキャー言われてるんですから。みんな織斑先生と話すと緊張するんですよ」

 

一夏ヒロインズや僕は別の緊張だろうけど。

 

「どうすれば生徒に親しみを持たれるようになれるのか。生徒の一部は私を崇拝対象のように見てくるものもいる」

「それはもう。憧れじゃないですか?僕も憧れていますし」

「私に会うためにIS学園に入学した生徒も居る。来年はお前たちが居るから更に増えるぞ」

 

蘭ちゃん大丈夫かな

 

「てか今さっき私の事憧れているって言ったか?」

「えぇ、はい。」

「驚いたぞ。水澤はそう言うそぶりとか見せないし」

「意外ですよね。と言うか織斑先生の事を知ったのゲームなんですよ」

「ゲーム………インフィニット・ストラトス/ヴァーサス・スカイか?あれに私のデータは入っていないはずだぞ?」

「ここだけの話なんですけど隠しコマンドを打ち込んだらなんかできちゃったんですよね」

「…………後で教えろ」

「内緒ですよ?」

 

とまぁ切り替えるとして

 

「覇気を少し潜めれば良いと思います。なんていうか、平常時でも気を張ってたら疲れません?」

「平常運転なのだがな」

「あー確かに警備責任者ですものね」

「最近セキュリティを強化することに価値を見いだせないでいる」

「頑張りましょう。僕も頑張ります」

 

迫るキャノンボール・ファストのことも考えて精神的に疲弊してるんだろうなぁ。

後で一夏君に言伝てしておこう。織斑先生がブレードぶん回し案件のことも含めて。

 

「人に話すと楽になるとは本当だな」

「相手生徒ですけどね」 

「そうだが、お前はなんだか織斑に似ている」

「一夏君にですか?」

 

あの鈍感と一緒にされてるの複雑なんだけど

 

「具体的に何処がですか?」

「そうだな…………見境なしで守って敵と認識したものを倒そうとする所だな。」

「自分で決められないのなら他人に任せたほうがいいんでしょうか……」

「どちらもあらゆるかもな。」

 

でも一夏君には色んな女子から好意を持たれてる。僕だって………そう言うのあるのかも。いやあるわ。

 

「最近お前、いろんな奴に恋とは何かを聞いてるようだな?色を覚え始めたか?」

「え、いやそんな訳」

「隠さなくてもいい。私は口の固さには自信がある。生徒の悩みを聞いてやるのも教師の勤めだからな」

 

織斑先生が目で「ほら、言ってみろ」と告げてる。

面白がってるように見えるのは気のせいかな?僕の中の僕も気のせいだと言っている。

 

「分かりません。僕今まで恋を経験してことがないんです」

「だから小娘どもに聞いて回ってるのか」

「はい」

「でも恋をするのはいいんですがその先の未来を考えるのが怖くて……」

「例えば?」

「人間とアマゾンの間に生まれた子がどうなるのか怖くて………モルモットにされてしまうのか、はたまた駆除されてしまうのかが怖くて……」

「理屈的だな。」

 

今までこんなモヤモヤした事あったけど今回のは別レベルでモヤモヤしてる

 

僕に恋はできるのか?アマゾンを駆除したアマゾンである僕を受け入れてくれるのか?

 

最初綾音に告白された時、怖くて拒絶した。そして二回目のキャンプファイヤーの時に自分は待っていますと言われ、友達として再スタートした。

 

このままの関係でいいのか?次のステージに進んだらいいのか分かんないよ

 

「……………天条と同居したからとはいえ恋に発展していいのかで悩んでいる事がよく分かった。といっても私は恋などしたことがないからあまり助けになれん。偉そうに言ってこの様で悪いな」

「いえ」

 

聞いてくれただけでも良かった。

こうやって心中を吐露したかったのかもしれないし。

 

「色恋はわからん。だが一つ言えることがある」

「?」

「もしお前が恋をしたとしよう。それが篠ノ之たちに聞いた恋愛観と違っていたら、お前はそれを恋ではないと切り捨てるのか?」

「っ!!」

 

 言葉にぶった斬られた錯覚。

 今まで持っていた考えを全て木っ端微塵にされたような衝撃と共に思い出したのは鈴の言葉だった。

 

『恋は理屈じゃないのよ』

 

その通りかもしれない。理屈的に行ってたらいずれ壊れてしまう。

 

そう言う通りなら僕は…………

 

「ありがとうございました。失礼します。」

「帰るのか?」

「はい。僕が何すべきか分かりました」

「そうか。」

 

僕は織斑先生が見えないところまで行ってから走り出した。

 

廊下をならす靴音を聴きながら織斑先生はコーヒーを口に入れた。

 

「………甘い」

 

 

ーー♢ーー

 

「ただいマックスー」

「"Let's go, come on, zip zip!"」

「ブロスタ始めたん?」

「はい!」

 

相変わらず綾音はノリが良いなんでなん?

 

「今日は爆弾唐揚げと餃子定食が学食でやってるんですよ!」

「食えるかなぁ?」

「成功したらすごい事が起きますよ!」

「有◯かて」

 

身支度して学食へと向かう。

 

「てか聞きました?セシリアさんだいぶ疲れてるんですって」

「あープレキシブル難航してるらしいよ」

 

結果としてはBT適性値が数%上昇したぐらいで。曲がることはなかったらしい。

 

「と言うかセシリアさんのことどう思ってるの?」

「うーん…………負けず嫌い?」

「大体合ってる。セシリアさんは一人で抱え込んじゃうのがネックなんだよなぁ」 

 

セシリアはサイレント・ゼフィルスを取り戻すことはイギリス代表候補生であり、ティアーズ社のテストパイロットである自分の使命だと割り切っちゃってるらしい。

 

「頑張ってる姿勢は尊敬しますよね」

「頑張りの仕方を間違えたないと良いけどね………ってあ」

 

滅茶苦茶落ち込んでいるセシリアさんを発見

 

「セシリアさん………」

「もしかして………」

「またダメでしたわぁ〜〜〜!!」

「できない事ができないのって辛いなぁ」

「そう言う悠さんもプレキシブルの練習してますって一夏さんが教えてくれましたわ!そこの所はどうなのですの!」

「一夏君何バラしちゃってんの!?」

 

まぁ元気なのはよかった。

 

「あぁもうわたくしは諦めませんわっ!!ぜっったいにプレキシブルを会得しますわ!!」

 

そう言いセシリアさんは爆速で学食へと走っていった。転ばないかな

 

「私達も行きましょうか。」

「なぁ綾音。」

「はい?」

 

追いかけようとした綾音を止めた。ここで踏みとどまってどうする。

僕は次のステージに進みたい。

 

「もし良かったらさ………キャノンボール・ファスト後に遊びに行かない?」

「皆さんとですか?」

「いや、二人で」

 

それを言った瞬間綾音は輝かしい笑顔になりいきなり抱きついた

 

「その言葉待ってましたぁぁぁぁ!!!」

「どわぁ綾音落ち着いて!」

「絶対!絶対行きますからね!!」

 

そう言い僕から離れて、照れながら爆速で走っていった。あいつ体力大丈夫かな?

 

「…………これでいいんだよね?」

 

続く




お腹すいた

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