「どうよ一夏!甲龍のキャノンボール・ファスト用オートクチュール【
「おー!なんかスゲー、尖ってるな!」
「そうでしょうそうでしょう!」
元の特徴的な龍砲を取り外し、増設スラスターを四基積んだその姿は如何にも速そうと言うイメージを見せつけられる。
妨害目的で横を向いている一回り小さくなった拡散衝撃砲、全方位撃てるのに態々横に向いてるのは実はブラフではなく横に撃つ衝撃砲は前後方向より砲身形成時間が短縮されるらしい。
追加胸部装甲は大きく前面に突き出たコーン型。もしこれで体当たりされたら痛そうである。
「ふふん、この胸部装甲は見かけ倒しじゃないのよ。甲龍の空間圧能力をこの胸部装甲から出すことで空気抵抗を格段に減らすことも出来ちゃうわけよ!」
「おおっ、マジでキャノンボール・ファスト専用なんだ。でもそれ対戦相手である俺に喋って良かったのか?」
「いいのよ!私が一夏に言いたかったから!」
それだけ今日のあたしは一味違うのよ、と鈴は言いたいのだ。
(セシリアと綾音は高機動パッケージだけど。私はキャノンボール・ファスト仕様の特注品!これを使って観客席は勿論のこと一夏の視線も釘付けにしちゃうんだから!)
大会のあとは個人的メインイベントである一夏の誕生日も迫っている。
ここで一位になって一夏へのアピールに使わせてもらう。
「おーい、一夏君ー鈴さーん。」
「お!丁度いいところに悠………ってえ?」
「悠お前………アクセラオメガの形が変だぞ!?」
既にアマゾンオメガに変身していたのだが、いつものアクセラオメガと形が違っていた。
両翼が両肩のスラスターに変形しており、両腕両足にはエンジンホイールを左右1本ずつ生えていて胸部装甲は流線型のフォーミュラ車の先端部分みたいな形をしており。
極めつけはフォルムが全体的に細くなっていた。
「まぁスピードタイプだからね」
「何よまるでデオキ◯ススピードフォルムじゃないの!」
「あとバススロットに空きが出まくった事でそれを二つに絞ってその分スラスターに配分した自分なりの超高機動形態!!結構勝てる自信あるよ!」
高機動パッケージが存在しないアクセラオメガであるが、悠が考え抜いた結果自らのISの形を変えて高機動パッケージにする事だった。
もうこの時点で頭が悪そうな考え方だが、中身は一夏の白式や箒の紅椿と一緒と思ってもらったらいい。
「勝つためには妥協しないんで。鈴さんなんか叩き落とします」
「言ったわねぇ〜〜!!」
「まぁまぁ鈴さん落ち着いてくださいまし」
「ってセシリアもかよ!!」
すると現れたのは【ストライク・ガンナー】を装備したセシリア。
6基のブルー・ティアーズは射撃機能を封印し、完全にスカート状のスラスターとしてのみ運用する高機動パッケージ。
なのだが,今回は違う。
両肩に備え付けられたブースター兼大型ビットと新型ライフルのスターライトMK-Ⅵが特徴である
その姿はスカートをつけたプリンセスの姿そのもの
「セシリアのもすげぇな。」
「なんかあれに似てるよね」
「あれって何ですの?」
「メガサー◯イト」
一夏と鈴が確かにと感心する中、セシリアは即座にメガサー◯イトを検索。
めちゃくちゃ喜んでました
「てか綾音はどうしたのよ」
「確かに………っ!!」
オメガが即座に振り返ると綾音が立っていた。
「誰だ?をしようとしてましたのに」
「ごめんごめん。癖になってんだ背後を察知するの」
(((キ◯ア?)))
しかしいつもの天ノ座間パッケージとは違い鉄風パッケージに音速を叩き出すスピードを持つブラックバードの翼の形になっておりサイドスカートは左右六基のホイールエンジンがつけられておりガチで速そうなのである
フロントスカートには3基のスタビライザーが付け加えられており
その姿まるで八咫烏みたいである
「天ノ座間専用スペシャルパッケージ!!その名は
「マジか……」
「あんなお嬢様キャラがえげつないほどガチってきてるんだけど」
しかしセシリアはオメガと綾音のISを見てこう思った
「てかこれ曲がれるんですの?」
「「……………あ」」
チーン………の効果音が聞こえるかの様に二人は凹んでいた。
妨害ありきのレースにスピードに全振りしたら撃墜間違い無しである
「…………舐めた口聞いてすいませんでした」
「悠お前負けるからって敬語使うなよ!」
「みんな準備万端だね」
「シャル!」
「おいっすシャルロットさん」
増加ブースターを装備したラファールを展開しているシャルロット。
継母には会ったのだろうか。
心配そうな顔をしてしまったのか。
シャルロットさんからプライベート・チャネルが来た。
『心配しないで悠。僕は大丈夫』
『無理してない』
『うん。言いたいことは言えた。これも疾風と、一夏のおかげ』
『そっか』
そう言い去っていったが綾音にガン見されていた
「……何の話をしてたんですか?」
「だぁもう浮気を気にする奥さんみたいな事言うなよ!」
「奥さん………!!って言っても高級料理しか出しませんからね!」
「めちゃくちゃ出すじゃん」
とまぁ何とか納得してくれたでラウラさんの所に行く事にした
「ラウラさーん!」
「うぉっ悠!?」
フロート移動するラウラを捕まえると突然背後から触ってしまった兎のようにビクゥッ!ってなった。
な、なんでそんな驚くのラウラさん?
「どうしたラウラ、なんかお前らしくないぞ」
「ああすまん。実は今朝夢見が悪くてな」
「そうなのか?悪夢って人に話すと楽になるって聞くけど良かったら」
「うーむ。まあお前に関係ないとも言えんしな」
ん、それはどういうこと?
「実はな。悠にISバトルでボコボコにされる夢を見た」
「何でそうなるんだよ」
「あの時お前が突っ込んできた立場が逆転しててな私が腹部貫通する夢を見た」
ラウラさんって案外引きずるタイプだったんだ。
やっぱ似てるよね僕達
「僕がそんな事するわけないじゃん」
「分かってる。けど怖かった」
「はいはい辛かったな。上官のメンタルケアも副官の仕事なんで」
「助かる」
わりかしあり得そうな感じだからなんとも言えないグアーとした感情が涌き出てきた。
ああもう本当に怯えた兎みたいに見えるじゃないか。おーよしよし。
「一夏君のとこ行こうか。一夏君と話せば気も楽になるだろ」
「もしかしたら一夏もあの時のことまだ怒っているのでは………」
「一夏君ー!ラウラさんがお前と話がしたいってさー!!」
この子いつも無鉄砲なぐらいポジティブなのにいざネガティブになるととことん沈むタイプだ!
うわぁ知りたく無かったまじで
ーー♢ーー
「やっと始まるね………」
「あぁ。」
駆除班のメンツは相変わらずの目線で悠を見続けていた
別の客席では……
「一夏さんか悠さんどっちが勝つと思います?」
「悠一択」
「妹思いレベルマックスですね……」
とまぁこんな感じで全員が本気である
ーー♢ーー
しかしその本気は会場にも伝わっていた
『それでは皆さん、まもなく一年生専用機部門のレースがスタートします。選手は準備をお願いします』
「………ついに始まるな」
一夏は緊張していたが悠から通信が入る
「どうした悠」
『今回のレース。皆が初めてだけどね』
「うん。」
『僕は本気で行くから。負けないからな
「悠……お前」
普段君付けしてる悠がここまで勝ちに来てると感化され、一夏も力強く答える
「臨むところだぜ悠!」
「はいはい二人だけの世界に入らないの」
「「ありゃっ!?」」
鈴に指摘され悠がオープンチャットで話してることが分かってしまい顔が赤くなると言うか緑顔だけど
『間違えちゃったよ!!一夏君指摘してくれよぉ!』
「俺も気づかなかった、てかお前こそ気づけよ!」
張り詰めた緊張が途切れ悠がちょっと絶望してるところを綾音は遠くから見てふふっと微笑んだ
(悠さんらしいミスですね)
「あたしにも目を向けてないと痛い目あうんだからね」
「ああ、教官も見ているからな。こちらも全力を越えさせてもらう」
「今までの僕と同じと思わない方がいいよ。今の僕に迷いはないからね!」
「まぁ、シャルロットさんがシャルロットさんらしからぬ強気な発言を……!」
「負けられねえな。ということだ、お互い悔いの残らないレースにしようぜ!」
切り替えた一夏の言葉で締め括られ、オープン・チャネルは終了した。
『選手諸君、準備はオーケー?よしオーケーだね。じゃあ始めましょう!世界で一番エキサイトでクレイジーなレースを!』
司会の言葉で幕が上がった。
全員スタートに目を向け、自身の愛機に火を入れた。
高速機動用ハイパーセンサー、オン。
各システムオールグリーン。
「行くぞ……!!」
満員の観客、画面の外の観客がかぶりつきで見るなか、シグナルランプが点灯した。
『3!』
ラファールとレーゲンの増加スラスターが唸り声を上げる。
『2!!』
白式、紅椿、甲龍のスラスターの音が研ぎ澄まされる。
『1!!!』
ブルー・ティアーズが蒼く、打鉄・天ノ座間は黒く輝かせる
『GOォォォッ!!!』
オメガがブースターが噴射される
シグナルブルー!
白・紅・蒼・桃・橙・黒紫・翠色空色が一斉にスタートラインをぶっちぎった。
開始コンマ秒で視界が吹き飛び。
開始1秒で鮮明化され。
開始2秒で入り乱れ。
開始3秒で次のコーナーが見えた。
そして開始5秒で一夏以外の射撃兵装が俺に向いた。
この中で一番得体の知れないのが僕、何をするかわからないのが僕。そして一番警戒する相手が僕。
だから不確定要素は出来るだけ後ろに追いやる。
偶然か組んでいたかわからないが、それがみんなの共通認識。
流石にやる。ここで集中砲火を食らえば間違いなく一発は当たってバランスをくじく。出鼻を挫かれれば復帰は厳しい。
追い付くことに役割が偏り、しばらくはろくに思いどおりにならないだろう。
だけどね。
(そんなのは予測済みなんだよっ!!)
SD-3に高電圧炸裂弾を装着して放ち、視界を遮られる
「さらにっ!!」
振り返り胸部装甲が開き,そこから手のひらが出現しAICが展開される
「卑怯な!」
「このレースに卑怯もクソ無いよねっ!!」
紅椿に放った為一時停止した隙に殴り飛ばし、それがレーゲンに向く事になる
「しまっ……!」
「邪魔だどいてろ!」
ラウラがオーバーヘッドで蹴り返したが吹っ飛ぶ寸前で掴みかかる
「舐めるなぁ!!」
「クソ……ってうわああああ!!」
箒に掴み掛かったラウラは制御が効かずに拮抗したが,紅椿が勝ってそのまま追い抜く
「流石ですね………なら私も負けてませんよ!」
綾音からサイドスカートに装着した6基のホイールエンジンが一気に火を吹きそのまま皆を追い抜いた
「速すぎますわ!」
「さらにッ!」
するとホイールエンジンが切り離されそれがミサイルとなり全ISに襲いかかる
紅椿とラファールは直前で攻撃から防御にシフト、白式と甲龍は急遽スラスター出力を上げたことでミサイル圏外に逃げたことで乗り切った。
ティアーズとレーゲンにも目立ったズレがないが、やや後方に下がってしまった。
「そんなもんなぁ!!」
オメガはバトラーグリップを引き抜きアマゾンスピアを形成
(投擲で壊すつもり……)
「打ち返すっ!!!」
『VIOLENT BREAK』
「ハァッ!!」
打ち返したミサイルが綾音に直撃した
「そんなの聞いてません〜〜〜!!」
「嘘ですの!?ってきゃああああ!!」
「止めてやる!」
ラウラがAICを発動するが綾音の後ろからアマゾンスピアが飛んで来るも怖けずに構える
しかし
「ほーらよっと」
なんとミサイル化したホイールを掴んで再度投擲し、綾音に当たって爆発し、その加速でラウラ、セシリアに当たる
「「「うわあああああああ!!!」」」
(よしゃぁ!!……ってくっ!!」
そのままカーブ地帯に突入。しかし機体制御がシビアになる
(どうする……セシリアさんとラウラさんや綾音の復帰が早い……なら)
ポジトロンオメガライフルを模倣生成し、なんとか撹乱させる
ごめん山田先生。ズルします
レースが1分にして直ぐ様魔境と化した専用機部門。
前方の白式、甲龍が目の前に迫った。
「ハロー二人ともぉぉっ!!」
「うわっ!もう来た!」
「やべぇ!殺される!」
「こっちは勝つ気でいるんでねっ!!」
オメガはそう言いアマゾンサイズを引き抜いた
「脳天かち割ってやる!!」
(嘘……!バススロットを二つに絞ったのに武装が出てきた!?)
そう、鈴は忘れていた。アマゾンオメガの武装はアマゾンズドライバーの右側のグリップ、パトラーグリップから武器を生成する事ができるのだ。
「ヴォォラァァッ!!」
「チッ!」
すると鈴は即座に避けたと同時だった
「吹き飛べぇっ!!」
「何…ってぐぁっ!」
一夏諸共巻き添えを食らってしまい、先に行かれる
「ま、待てよ!っていったぁ!!」
「悪りぃ悠!」
一夏君に踏み台にされそのまま行ってしまう
「待て……って!!?」
いきなりラファールとレーゲンが通り過ぎた瞬間オメガは動けなくなり、セシリアの大型ビットが直撃する
「まさか……ラウラさんのレーゲンッ!?」
「悠のアドバイス通りにしてやったぞ!!」
てことは移動中のAIC展開をドンピシャで成功したのか!
箒さんは展開装甲を一時的に全開にして遅れを取り戻し、セシリアさんとシャルロットさんも攻めの手を緩めず下克上を淡々と狙っている。
「すみませんお先に………ってひゃああ!!」
即座に追いついて綾音の両手を掴んでメリーゴーランドしたのちに投げ飛ばした
「ひゃあああああ!!」
亜音速で回転しながらも箒さんとシャルロットさんを追い抜いてしまう
「………やばい僕最下位だ……」
ここまできて脱落者がいないのはもはや魔境
中盤組とは別のトップ二人も激しいデッドヒートを繰り広げていた。
一夏は迂闊に後続に手を出さずに白式・雪羅の速度を活かしてとにかく前だけを向いて逃げきりの姿勢、そこで狙いを一夏に変更した鈴が追いかける。
「一夏ぁ!」
「鈴か!厄介だなバラける衝撃砲!」
「あんたも荷電粒子砲使ったら!?」
「使うときに使わせて貰うぜ!」
「そうは行かないんだよねぇ!!」
「何で悠がここに!?」
アームワイヤーを速射しそのまま箒とシャルロットの足に巻きつきそれを支点にしてパチンコの弾の様に吹っ飛んできた。
「
「僕だっ!!!」
『VIOLENT STRIKE』
「はあああああっ!!!」
「グハァッ!!」
一番にいた一夏に脚部エンジンで加速した蹴りを決めそのまま吹っ飛ばす
「って一夏避けなさいよ!」
「そんなの無理だ………ってぐはぁ!!!」
甲龍の胸部装甲から衝撃波で再び吹っ飛ばされる
「………まじか」
まだ一週目、まだあと二週あるというのにもうラストラップ並みの後先考えてないんじゃないのかという程の激戦。
だが高速機動化ということで一発の被弾に相当神経を使う。
これは全員がそれだけ余裕がないということと、それだけ皆のスキルが高いということに他ならない。
学園祭の敗北が全員を強くした。その結果が今のキャノンボール・ファストだ。
もうここで胸部装甲を変形させいつもの形に戻す
そして同じく全方位防御が出来る箒が展開装甲シールドでしのぐうちに瞬時にスラスターモードに変更。
再び全身の展開装甲を咲かせた紅椿がどさくさでトップに躍り出た。
もうすぐ二週目、いやまだ二週目に差し掛かるが、観客のボルテージは天井をぶち抜くほどの勢い。
狂乱の熱気に包まれたバトルレース
もっと、もっとこのレースを見せてくれと!いま観客の心は一つとなった。
色取り取りのISが織り成す一つのストーリー。まだまだ見ごたえのある一つのレース!
「行かせないぞ箒!」
「悪いが一夏、トップは譲らん!」
「全員撃ち抜きますわ!」
「今見せるときだよリヴァイヴ!」
「まだだ、まだこれからだ!!」
「こんちくしょぉぉぉ!!」
すると綾音の翼から紫色の爆風を吹き出し僕を追い抜く
「最高速度でブチ抜きますよ!!!」
「結構攻めるなぁっ!!」
何だこのレース……………
最っっっっっっっっ高だよ皆!!!!
なら出し惜しみはしない。翼の形を福音の翼の形に変え、両腕両足のエンジンホイールから翠色の炎を吹き出し、そのまま爆速で皆に迫る
筈だった
(この感じ……上!?)
『未確認のIS反応検知』
「「!?」」
警告と同時に空から複数の光が降り注いだ。
「なっ!?」
「箒!!」
箒さんを狙ったレーザーを瞬時加速イグニッション・ブーストで割り込んだ一夏君の霞衣が打ち消した。
セシリアのレーザーではない、だが限りなく酷似したもの。
突如出現した乱入者を睨み、セシリアがその名を呼んだ。
「サイレント・ゼフィルス!!」
「フッ」
8機のISを見下ろすサイレント・ゼフィルスの操縦者は、ニヤリと歪んだ笑みを浮かべた。
マドカ邪魔すんなボケがあああああああ!!!