天条綾音がアマゾンに覚醒した数分前
『現在、国際ISアリーナ会場にてテロが発生しました。避難区画の市民は速やかに避難をお願いします。繰り返します、現在………』
アリーナ近くの民家に鳴り響くサイレン。
休日の民家から人は飛び出し、各々が車に乗り込んで避難所に赴いた。
「お母さん、何処か行くの?」
「避難するの!ほら早くいくよ!!」
親子が玄関から車に乗り込む。子供は戸惑うが、そんなことを構うほど母親に余裕はなかった。
「………?お母さん」
「なに!?」
「あれなに?」
空の向こうから二つと点。子供が不思議そうに見てるとその頭上を高速で通り抜け、遅れて音と風が鳴った。
「あれって………IS?」
「スゴーい!!」
はしゃぐ我が子に反応せず、母親はただ目を見開くばかりだった。
ーーー◇ーーー
住宅街の上を駆ける、空の青より濃い二つの蒼。
片や流線型のしなやかな蒼のIS
片や蝶を型どった蒼より藍のIS
飛び交う二機には様々な共通点があった。
実弾とレーザーを撃ち分けるハイブリットライフル。
そして自立飛行が可能な移動砲台。
それもそのはず。この二機はイギリスの最先端を担う第三世代試験ISモデルの姉妹機。
人の目から見れば、撃ち放つレーザーと同じく一瞬で過ぎ去っていくIS学園のブルー・ティアーズと
その姉妹機がこうして街中で命のやり取りをするとは、なんという神のいたずらだろうか。
(追ってきた身とはいえ。まさか市街地で躊躇なく撃ってくるとは!)
改めて目の前で飛ぶテロリストに道理は通じないことを思い知らされる。
撃たれていてはこちらも応戦しない訳にはいかず、セシリアもスターライトMK-Ⅳの引き金を引いた。
空に煌めくレーザーの応酬。
地上から見れば恐怖を忘れて魅了されてしまうほど幻想的な魅力を出していた。
「今度こそその機体を返してもらいます!このBT1号機、ブルー・ティアーズの名に懸けて!!」
セシリアはスターライトMK-Ⅳと大型ビットの引き金を引く、だがサイレント・ゼフィルスはヒラリと舞う蝶のように軽やかに回避する。
この市街地戦。両者互角というわけにはいかず、セシリアが圧倒的に不利な状況に立たされていた。
従来のストライク・ガンナーを以前の福音戦から大幅アップデートし、通常のブルー・ティアーズと同等までに引き上げられ、有線ビットにより多角攻撃もある程度行えるよう改善がなされた。
だがそれでも砲門の数は2号機の方が上、さらに。
「肩書きだけではな」
サイレント・ゼフィルスのビット射撃を躱す為に上方に移動するセシリア。
だがその六つの光線はセシリアを追うように歪曲する。それは学園祭でも見た攻撃だった。
「くっ!フレキシブル!相手にするとこうも厄介とは!」
セシリアには出来ない特異技能。
歪曲するレーザーは獲物に食らい付く肉食獣のようにセシリアとティアーズを追いかける。
これだけでも戦力に差がでるが。一番はセシリアが度々攻撃を躊躇っていることが大きかった。
それがこのフィールド。
いつもは地面になにもなく、全面がシールドに囲われた箱庭のようなフィールドで戦っていた。
学園外で
しかしここは多くの人々がひしめく市街地。勿論それを守るシールドバリアなどあるはずがない。
一歩間違えて地上にISの攻撃が向かえば、被害は計り知れないものとなる。
「フッ」
「この人また!」
更に追い討ちをかけるように、サイレント・ゼフィルスは市街地に近いギリギリの場所を飛んでいた。
サイレント・ゼフィルスはどのような高度からでもなんなく射撃することが出来るが、ブルー・ティアーズは必ず相手と同じ高度に位置取らなければならなかった。
仮にセシリアがエムより上方から射撃をし、エムが回避すればどうなるか。その射撃はたちまち眼下の街を焼き払い、夥しい犠牲者を出す。
もし彼女が
だがエムが一度高度を上げればセシリアも急いで同じ高度を取る。
何故なら、彼女がセシリアに向けて発砲し、必ずしも弾道を曲げるとは限らないからだ。
もし曲げられずそのままなら?想像しただけでセシリアは身震いする。
それがわかっているのか、エムは絶えず薄ら笑いを浮かべて何度も何度も高度を変えてセシリアを翻弄していた。
自分の裁量でセシリアの次の一手が制限される。自分がこの戦場を支配してるとでも言うように。
セシリアは攻撃と回避において同時に重荷を背負うこととなった。
「しまった!!」
飛ばしていた二基のああビットがエムのフレキシブルにより蜂の巣にされ爆散した。
これによりセシリアの射撃武装はスターライトMK-Ⅳだけとなり、射撃戦が更に厳しいものへと変わった。
先程からエムが上昇する度に攻撃を何度も中止し、それを気にするあまりビット制御に心を割ききれなかったことが原因だった。
「散漫だな?」
「くぅっ………」
バイザーの下の笑みがエムの機嫌を表していた。
相手を陥れた時の愉悦の笑み。
それに似た物を彼女はすぐ近くで見たことがあったが、彼とエムでは不快感が雲泥の差だった。
卑怯者!と声高に叫ぶこと簡単だ。だがセシリアはギュッと唇を閉じて抑えた。
しかしそんなことを言ってもエムが応じるわけもなく、逆に相手を喜ばせるだけだと理解していたからだ。
その怒りを込めてセシリアのストライク・ガンナー装備のティアーズが加速。
手には唯一の近接兵装、インターセプターが握られていた。
セシリアも自身の弱点である近接戦闘を悠の動きを参考にさせてもらった。
敵も同じティアーズタイプなら、近接戦闘が苦手な筈と読んだ選択だった。加速とともに振るインターセプターをエムはナイフで受け止める。
「フンっ」
「まだまだっ!」
先程の射撃戦とは真逆の短い得物どうしの切り合い。
セシリアも一夏や悠やラウラに比べればまだ拙い物があるがある程度戦えるぐらいに仕上がっている。
それに、この近接戦闘なら眼下の人々を気にせず戦える。
だが目の前のサイレント・ゼフィルスの操縦者のナイフ捌きはセシリアの予想を遥かに上回っていた。
セシリアの攻撃は流され、弾かれる。
だがエムからは決して切り込まない。セシリアが繰り出すインターセプターを自身のナイフで転がすようにいなしていく。
セシリアは汗が垂れる程必死に繰り出すが。エムは薄ら笑いを浮かべながら、時に右手から左手に、左手から右手に持ち替えながらインターセプターを防いでいた。
しかも、それら全てが後ろ向きに動きながら行っていたのだ。
完全に遊ばれている。セシリアは自分の目測の甘さと、相手の力量の差に愕然とした。
「次はこちらから行かせてもらう」
「なっ」
セシリアのインターセプターを押しやり、ブルー・ティアーズを斬りつけた。
セシリアはナイフの刺突をインターセプターで防御しようとするが正に焼け石に水。エムは恐怖を与えるように人体の急所をなりえる部分をシールド越しに突き刺した。
なんとか距離を離そうとするセシリア。だが微調整されたサイレント・ゼフィルスのマルチ・スラスターが付かず離れずとセシリアを斬りつけた。
「ハハッ」
エムが初めて声を出して笑った。
セシリアの顔が一瞬恐怖に歪むのを見て思わず声を出してしまったのだ。
「こん、のっ!!」
これ以上やられっぱなしでいられるかとセシリアはインターセプターを突き出した。
自らの恐怖すら込めたストレート。その一撃を風に揺られる蝶のようにエムは距離を取って高度を下げた。
また下の人を背にする気かと釣られるように目線を下げると、突如ブルー・ティアーズが衝突アラートを鳴らした。
慌てて目の前を見ると、眼前に高速道路の立体交差ポイントが視界に映った。
激突すれば高速化のブルー・ティアーズはコントロールを失い、最悪道路を走っている車と正面衝突する。
「くぅあっ!!」
またも鳴るアラート、目の前には電光板、その先には案内版が待ち構えていた。
「くっ!なん、とぉっ!!」
思考が完結するより先にセシリアの類まれなる超感覚と操縦技術で数枚の障害物をなんとか回避することが出来た。
そして思わず上昇した矢先、サイレント・ゼフィルスのビットから撃たれたレーザーを躱すが。今度はスター・ブレイカーの実弾が胸部にヒットした。
「このままだと、きゃあぁっ!」
背後から無数の衝撃。
先程撃ったレーザーがフレキシブルで反転し、セシリアの背中に直撃。みるみるとシールドエネルギーが減少していく。
完全にテロリストの掌の上で自分は踊らされている。
(遊んでいるつもりですの!?)
再度、ブレードを振り下ろすセシリア。しかし、その刃はエムの一閃によってはじき飛ばされた。
「しまっ……!!」
「お前はもう死ね」
そくっとするほど冷たい声。そして無慈悲なまでの連続射撃をセシリアは全身に浴びる。
「ぐああっ!」
シールドエネルギーが一気に削られ、左腕で支えていたライフルを破壊される。
なんとか地上に被害を出すまいと、地表ギリギリのところで急上昇するのがセシリアにはやっとだった。
「終わりだ」
ライフル先端に取り付けられた銃剣が、青い輝きを放つ。
「まだ.……ですわ。わたくしの切り札は、まだありましてよ!」
諦めずに叫んで、セシリアは心の中でトリガーを引く。
高速機動パッケージーストライク・ガンナー。そのビットをすべて推進力に回している仕様の中で、けしてやってはならないと言われている禁止動作……
「はああああああっ!!ブルー・ティアーズ・フルバースト!」
閉じられている砲口からの一斉射撃。パーツを吹き飛ばしての四門同時発射。
これを行えば最悪、機体は空中分解してしまう。しかし、偏向射撃を使えないセシリアにとっては、必殺の間合いによる最大攻撃!!
(当たって!!)
回避など出来ようはずのない。正に必殺の一撃だった。
「悪くない………だが」
エムは両肩に納められていたエネルギー・アンブレラのシールドを発動。
機体をロールし、回避しきれないレーザーをシールド・ビットで受け流した。
「なっ!?」
「無意味だ」
ザクッ!
受け入れがたい音と共にスター・ブレイカーの銃剣がセシリアの二の腕を貫通した。
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!!」
悲痛な叫びが空に響き渡った。
耐え難い痛みがセシリアの全身を支配し、そして脳髄を焼き付ける。
ズルッと抜かれた銃剣は血で滴り。傷口からも夥しい量の血が吹き出した。
(痛い痛い痛い痛い痛い!怖い、怖いっ!!)
普段の逞しく凛々しい彼女は年相応の少女のように涙をこぼした。
逃げ出したい。今すぐここから逃げ出したいと、その時のセシリアは本気で思ってしまった。
(でも………)
ここでどうするセシリア・オルコット。腕を刺されただけで何故苦しむ
腹部貫通で死にかけた悠や福音のレーザー攻撃を受けて死にかけた一夏よりかはマシなはずだ。
(わたくしは………!!)
ーー♢ーー
時は遡って4月……
「はぁ……………」
「一夏君………落ち込んでるね」
セシリアは朝から異様な光景を目にしていた。
学食で一夏は朝ご飯がトーストとコーヒー、それとジャムだけと言う洒落にならないぐらい落ち込んでいた
その前には同部屋の箒、一夏の隣には悠がいた。
「朝から何凹んでおりますの一夏さん」
「セシリア聞いてくれ、あの馬鹿一夏は寝言で私の悪口を言ったんだぞ」
「それは大変でしたわね」
「……セシリア……分けてくれよ」
「いきなり何ですの?一夏さんもとうとう乞食に……」
「あぁいや違うんだよオルコットさん」
その時の悠は今では名前呼びだが当時は苗字呼びだった
「その………一夏君が起きないから篠ノ之さんが起こそうとしたんだけど一夏君が寝言であるけど失礼なこと言っちゃってさ、それでスタートダッシュ遅れて食券が全部売り切れて食堂のおばさんに駄々捏ねてトーストとコーヒーとジャム瓶を貰ったんだ」
「はぁ………」
「しょうがないだろ一夏、さっさと食べて行くぞ」
相変わらず箒は当たりが強かった、でも言ってることは割と正しかった。
一夏は切り替えてトーストにジャムを塗ろうとした瞬間だった。
「………ってあれ!?このジャム瓶開かない!」
「寝ぼけているからこうなるのだ。貸してみろ」
一夏がジャム瓶を箒に渡し、箒は開けようとした
「ふんっぐぅぅぅ!!………………済まない悠やってくれ」
「言わせておいてそれ!?」
「わ………わかった、ふんっ……!!!って開かない!!」
あの悠ですら開かないジャム瓶を前にセシリアは自信を無くしていた
「何してるの〜」
「のほほんさん!!」
するとそこで布仏本音ことのほほんさんが現れた
「ジャム瓶が開かないんだよ」
「何とかして開けられないか?」
眠たそうな目でジャム版を見つめながら数秒後ににやけた
「任せて〜」
「いけるんですか」
きゅぽん と音が鳴りジャム瓶の蓋が開いた
「「「「ええええええええっ!?」」」」
あの非力そうなのほほんさんがジャム瓶を開けた事実に四人は驚かざるを得なかった
「ど、どうやって開けたの!?」
「3人とも力任せはダメだよ〜」
あののほほんさんに言われてガチ凹みした3人だった………
ーーー◇ーーー
「ハッ!」
セシリアは閉じていた目を見開いた。
目線の先には変わらず笑みを浮かべるサイレント・ゼフィルスの操縦者エムの姿。
一瞬意識を失っていたのか。
それともこれが死に際の走馬灯ということなのか。
「いっ!!」
右の二の腕から走る痛みに顔をしかめる。ISの操縦者保護機能により止血と痛覚緩和効果が働いてるお陰で先程よりも痛みはないが、それでも激痛が走る。
スターライトMK-Ⅳ、インターセプター、大型ビット、BTレーザービット損失。
腰のミサイルビットもスラスターとしての機能に振っているため、弾頭が装填されていない。
シールドはほぼゼロ、PICも不調で。その場で浮遊してるのがやっとだった。
まさに絶体絶命、そう呼ぶにふさわしかった。
意気揚々とサイレント・ゼフィルスを追ってこの様とは。なんとも情けないとセシリアは自らを恥じた。
「終わりだ。死ね」
バカッとゼフィルスのスターブレイカーが三股に開き、エネルギーがチャージされた。
ここで確実にセシリアを仕留めるつもりだ。
動くことなど出来はしない。
これでは下の人々の盾になることすら危ういだろう。
自分は死ぬのだろうか。
そう思った瞬間悔しさが込み上げた。
(このまま何もなし得ないで死ぬ。これでは亡き両親に顔向け出来ない。それだけは駄目。絶対に駄目ですわ)
すがる物はもはや何もない。
「お願い………ブルー・ティアーズ」
それでもセシリアまだ動く左手を空にかざした。
「わたくしに力を………貸して………」
ピチョンッ………
「!!」
セシリアの心に蒼の雫が落ち、波紋が広がった。
幻覚か、それとも死に際のイメージか。
時間が、限りなくゆっくりと流れた。
セシリアの視線はスター・ブレイカーをこちらに向けるエム………ではなく。
その先の先。遥か向こうに輝き直進する四本の光だった。
セシリアの意識の指先がその光に触れた時。セシリアは頭ではなく直感で理解した。
「フフッ………なぁんだ。こんなに単純なことでしたのね………」
「?」
ゆっくり微笑みを浮かべるセシリア。
その表情は死を前にした者にしては、あまりにも慈愛に満ち溢れたものだった。
セシリアは伸ばしていた左手を動かした。
親指を上に、人差し指を正面に、残った三つの指を握る。
そう、指鉄砲だった。
「────バーン」
軽やかな口調で発せられた発砲音。
指で作ったピストル、その指先からは勿論なにも出ない。
エムは意図を図りきれず困惑した。
死にかけで頭が可笑しくなったのか。それとももはや自暴自棄になったのか。
だが次の瞬間!
「なん!!??」
エムの、サイレント・ゼフィルスの背後を高出力レーザーが貫いた。
BTエネルギー最高稼働率時にのみ使える、ブルー・ティアーズシリーズのオーバースペック・アビリティ。
今まで一度もフレキシブルを成功させれなかったセシリアが、この土壇場の鉄火場で発現し、先程撃ったフルバーストを呼び戻したのだ
「なにも、難しいことなどではなかったのですわ………」
セシリアは今まで、必死にレーザーが曲がるように念じ、力ずくで思いどおりにしようとした。
だがそれではBTシステムの真なる力を目覚めされるには至れなかった。
(操ろうと思い過ぎるから駄目なのですわ。ブルー・ティアーズはわたくしの手足。ならば、わたくしの脳波で動くBTビットやフレキシブルも、わたくしの一部ということに他ならない。)
そう、力に任せずただ自分の手足を信じる事
余計な思考などいらない。
(ああ、バイオリンの演奏に似てますわね)
ブルー・ティアーズは楽器。
レーザーは音。
空間はコンサート、
相対する相手は観客
そして自分はこの場を彩る指揮者であり奏者。
自分はただ、奏でていけばいいのだ。
(あぁ、バイオリンを嗜んでて良かったですわ。お父様やクラスメイト達が教えてくれた事でわたくし、セシリア・オルコットはブルー・ティアーズの本筋を掴めましたわ)
今まで出来なかった事が出来たセシリアは満ち足りた表情を浮かべた。
そんな納得するセシリアとは対照的にエムは酷く狼狽していた。
自分より格下だと思っていた相手に不意打ちを食らわされた。
だがそれだけではない。驚くべきはその精度の高さ。
(馬鹿な!撃ってからどれだけたったと思っている!?)
レーザーの弾速からして、フレキシブルを行おうとした時にはもう雲の上だ。
その頃にはもうレーザー事態が減衰し、戻ってくる頃には消えていた筈だった。
だがセシリアは四本の消えかけのレーザーを一本に融合し、充分な出力のレーザーとして反転させたのだ。
そんな芸当、エムでさえ出来ないこと。つまり。
今この場に置いて、セシリアのBT適正はエムのそれを凌駕している。
「このっ、雑魚風情がぁぁぁーー!!」
激昂したエムはバヨネットを展開し直下のセシリアに突き進む。
バイザー越しに醜悪なまでに憎悪を剥き出しにするエムに対し、セシリアは何処か満足げに笑っていた。
(これまでですわね………ですが一矢報いましたわ。このデータは送信した。たとえわたくしが倒れても、
シールドもゼロ。このままエムの凶刃が突き刺さればセシリアは間違いなく死に至る。
後悔はない。このまま惨めに命乞いなど、貴族として潔くない。
かねてより悲願としていたフレキシブルを自らの手で果たすことが出来た。
後悔は…………
『僕セシリアさんがフレキシブルを取得するの応援してる!』
『やっぱりセシリアは努力家だな、でも体を壊したら元も子もないぞ』
(最後に………一夏さんや、悠さんに見ていただきたかったですわ………)
バチィン!!
聞こえてきたのは斬撃音。音だけなら愛しい一夏が来たのだと錯覚する
「ハァァッ!!」
「………あれ?」
蹴りだけでエムのバイザーにヒビが入り、後退りする
「こいつ………まさか!!」
「助けに来たよ…………………セシリアさん。」
目線があった瞬間セシリアはめちゃくちゃがっかりした表情をした
「いや待て待てなんで助けに来たのにがっかりしてんの!?」
「………………あっ!!ごめんなさい……っ!」
するとセシリアは上腕部を押さえ始める
「……………怪我してる!」
「こっ……これはそのー………」
ニューオメガはエムに目線を向けると何やら険しい雰囲気を感じ取れた
「フレキシブル…………成功したんだね」
「えっ」
「遠くから見えたよ。まるで流れ星みたいだった」
まさかのフレキシブル会得の瞬間を一夏より先に見られてしまった事によりなんだが複雑な気持ちになったセシリアだった………
S.H.Figuarts仮面ライダーアマゾンニューオメガを買いました
思っていたほど楽しいぞ(武装がニューオメガソードじゃない点以外は)