インフィニット・アマゾンズ   作:らんくらニキ

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駆除班初の対IS戦です


第七十九話 激戦!駆除班VS単色の化身(モノクローム・アバター)!!

野座間製薬から数十キロメートル離れた先にIS特殊開発局があり、裏側は実験施設となっておりそこでISのデモンストレーションが行われているのだ

 

IS特殊開発局は日に日に大きくなっており、L字型であり海沿いに立っていたがこの場に似つかわしくない、しかし妖艶な存在感を放つ露出の多い赤いドレスを身に纏う亡国機業(ファントム・タスク)実働部隊モノクローム・アバターのリーダー、スコール・ミューゼルが居た。

 

「ここが例の場所ね」

 

野座間製薬本社に向かいある程度荒らしたのだが、それからなんとか撤退して次の目標に向かったのだ

 

「野座間製薬本社は叩いたとしてこの開発局は随分と大きいわね」

『なぁスコール』

 

スコールは通信機越しに聞こえた自身の恋人であるオータムの声に耳を傾ける。

 

「何よオータム」

『スコール本人が出向いて良かったのか?流石にスコール一人じゃ』

「本来ならエムとかマグナリオとかが行くんだけどあの二人無断外出したからそのペナルティでやってるのよ」

『問題ある部下を持つのこうなるんだな』

「あら?それ貴方が言えた方かしら。」

『言ってくれるねぇ、マグナリオは暇らしいから困ったら呼べよな』

「分かったわよ」

 

通信を切ったと同時だった

後ろから一台のバンが到着しており中から出てきたのは表向きは野座間製薬傘下の害虫駆除サービス会社『ノザマペストンサービス』通称駆除班だった

 

「へぇ……渋いおじさま達が私を止めに来たと?」

「野座間のお偉いさんに言われたんでな。」

「褒められても嬉しく無いね!!」

 

元特殊部隊隊長とその元部下、元詐欺師に銃口を向けられても何も動じないスコール、実働部隊の隊長であるからか余裕の笑みを見せる

 

「行くわよ、ゴールデン・ドーン」

 

スコールはISの待機形態である金色のイヤリングを指で弾いた。

 

 

 

「行くぞ!!」

「了解ぃ!!」

 

 

 

数刻前までは平穏だった野座間製薬IS特殊開発局は警報と警告ウィンドウに埋め尽くされており、挙げ句の果てには銃声が聞こえる始末である

 

「足止めにしては随分と幼稚ね!」

 

スコールの専用機、ゴールデン・ドーン。

黄金の夜明けという名前に違わず全身が金色のカラーリングで施されている。

腕に装備された大型の鞭と巨大な尾という異形の姿は、金色のカラーと相まって正に美しき獣と呼ぶに相応しかった。

 

「くそっ……!!本社の玄関ぶち壊した挙句ここも狙うなんてな!」

「目的が何であれ今ここで仕留める!」

「出来るものならね!」

 

フルフェイスメットの中で上機嫌に笑みを浮かべるスコールは両腕の火炎機構の出力を上げ、火の粉を超圧縮させた高熱火球【ソリッド・フレア】を3人に打ちかます

 

着弾し、3人が下がった途端に振り返ると一人の男が立ち塞がっており、そいつは眼鏡をくいっと上にあげ、スコールを睨みつける

 

「貴様が侵入者か。悪いがここには例のISは無いぞ」

「嘘おっしゃい。貴方の後ろの扉から反応が出てるのよ」

「だが渡さない!アマゾンッ!!」

『ZETA』

 

水色の爆風と共に変身が完了し、ゼータはスコールに近接戦闘を仕掛ける

 

「舐めたら困るわ!」

 

プロミネンスとテイル・クロウ、アームカッターやアマゾンブレイドによる両者引けを取らない程の近接戦闘をする

 

『VIOLENT SLASH』

「ハァァッ!!」

「甘いわね!」

 

自身の防御兵装である熱線バリア【プロミネンス・コート】を展開して防御し、ゼータを吹き飛ばした

しかし、即座に地面につき、再び突撃する

 

「IS無しで良くやるわね!」

「それはどうもっ!」

 

するとバリスティックスモークボムを即座に叩き込み、目眩しでスコールはゼータを見失ってしまう

 

「どこ行った!」

 

すると何かゲートが開く音が聞こえてきたが

ゴールデン・ドーンが煙から出てきた瞬間、スコールに向かって弾丸の土砂降り(スコール)が降り注いだ。

 

「え、なに!?」

 

IS反応がないせいで反応が遅れたスコールは数発の銃弾をシールドバリアで受け止めたあと、自身の防御兵装である熱線バリア【プロミネンス・コート】を展開して防御した。

 

それでも尚、途切れることのない銃弾の雨の方に目を向けたスコールは。

 

「へぇ?」

 

自分でもわかるほど間抜けな声をあげてしまった。

目を向けた先にはバリケードの向こうから撃ち続ける複数の男性。

4Cの黒崎がいるのだが大半が作業服の男性達でその後ろに一人の男性が立っていた

 

「お前ら!撃ち方始めぇぇ!!!」

「渋谷お前やけにノリノリだな」

 

黒崎が愚痴りながらも撃ち続ける。

 

「………お前これする為に従業員にそんなことさせたの?」

「まぁな。後ろの駆除班の皆さん!新型武器渡すんで!」

「助かる!」

 

銃撃を浴びせてる間にスコールは【ソリッド・フレア】を放とうとする

 

(野座間はなんでところなのよ!)

 

ソリッド・フレアを撃たせないかのように上から反応がある……筈だった

目的のISを見つける為に周囲をサーチングする。

すると後方から猛スピードで接近する機影が………

 

「ハァァッ!!!」

「っ!」

 

真後ろから振り下ろされた大型ランスをテールユニットで弾き返した。

そのまま振り下ろされるテールユニットをISパイロットはバックステップで躱した。

 

「(フルフェイスのパイロット……それに機体色は違えどエンペラー・アルビオンの系列機!)……貴方、来栖曄では無いわね」

「………バレちゃったか。なら仕方がないわねこの機体は打鉄にエンペラー・アルビオンの予備パーツで再構築された機体、クラブ・アルビオンよ!」

 

来栖曄の義理の妹こと来栖藍來が纏っているISの名前は【クラブ・アルビオン】

皇帝(エンペラー)とは違い農民(クラブ)を意味しており、エンペラーとは違い金のところが青色になっておりヘッドギアには青色の角が特徴的だ

 

「奥に眠っている対アマゾン駆除用新型ISなんて渡さない!」

「丁度いいわ、私を倒せるものなら!」

 

藍來は大型ランス【クラブ・アーサー】でスコールに刺突攻撃を行うが軽くいなされるかだったがそれでもなお粘り続ける

 

藍來はアマゾンだがISのテストパイロットの経験があり、過酷な事をされてきたが、なんとか説得して今乗ってくれてるのだ

 

「いけぇ藍來!あんなやつ潰せ!」

「渋谷、俺達の()()()()()とは違うからな?」

「だとしてもあの藍來がISに再び乗っているんだぞ?」

「…………なら援護射撃と言う名前の応援をするか」

 

新田の指示により黒崎隊と従業員達が援護射撃を再び行う

 

「随分と慣れてるものね!」

「そう?久しぶりに動かしたから!まだ慣れてないのよ!」

 

ランス一本で異様な立ち回りを見せ、テイル・クロウを滑走しながら低空姿勢で行う

縦横無尽に駆け回るその姿は日本代表を思い出させる

 

藍來は即座にホワイトツインブラスターを呼び出し、テイル・クロウの先端部分を撃ち壊すも、ソリッド・フレアが発射されホワイトツインブラスターは融解するも、両手にドリル型のエネルギー型貫手武装【トライ・ルミナス】で近接格闘に持ち込ませる

 

(かかったわね)

 

【プロミネンス・コート】による自爆を想定はしたものの胸部装甲から耐熱用ハンドアンカー2基が発射し、固定されてしまう

 

「しまっ…!」

「ハァッ!!」

 

藍來の格闘技をスコールの五臓六腑に叩き込まそうとするも格闘戦に適応するぐらいスカールも慣れており藍來は押されかけていた

 

「さっさと離れなさいな」

(何がくるっ!)

 

藍來は何かが来ると察知し即座に離れようとしたが胸元に高圧縮した【ソリッド・フレア】を撃ち込まれシールドの大半が消失、吹き飛ばされてしまう

 

「藍來!!」

「応戦しに行くぞ!」

 

二人が向かおうとするが志藤に止められる

 

「何止めてんだ!藍來がやられかけてんだぞ?!」

「あぁ、でも駆除班にもお前達がやったように奥の手があるんだよ」  

「奥の手……?どう言う事ですか志藤班長。」

 

耳打ちしてる中、スコールに掴まれていた藍來は諦めているようにも見えた

 

「さぁ、例の新型ISを貰うわよ。もちろん貴方のISもね」

「…………それはどうかな!」

 

藍來はガンマアマゾンズレジスターのスイッチを押し込み即座に変身、ガンマブラスターとスモーク弾入りの量産型SD-3を打ち込み、スコールは手放してしまうと同時に煙に囲まれる

しかし放ったスモーク弾は対ジャミング特化でありゴールデン・ドーンのハイパーセンサーにノイズが走った。

 

「ジャミングスモーク?嘗められたものね」

 

形成していたソリッドフレアを周囲に撃ち込み、爆風でスモークを吹き飛ばした。

 

「さあ、そろそろ遊びは終わりよ」

「遊び……?まぁそうかも知れないな」

「こっちには格闘戦最強の仲間がいるもんだ!のんちゃん!!」

 

煙が吹き飛ぶのと同時にISでは聞かないキュイィィィィィという甲高いローラー音と共に煙を突き抜けて来たのは。

ISとほぼ同サイズ、そしてスリムなISとは対照的なずんぐりとした黒い物体だった。

 

「叩き潰してやるよオラァァァァ!!!」

EOS(イオス)!?」

 

出てきたのは駆除班で唯一の紅一点であり、格闘戦最強の高井望が乗ったEOSだった

 

「ハァァッ!!!」

 

ずんぐりの身体にも関わらず蹴りを入れ込もうとしたり、拳で殴ろうとしてくる

 

【EOS】

Extended Operation Seeker《エクステンデッド・オペレーション・シーカー》、略してEOS。

ISの絶対数が少ないことから急遽第一世代ISのノウハウを応用して作られた外骨格構成機動装甲。

目的は重機作業、災害救助から軍事活動まで幅広く活躍、する予定の代物だ。

 

予定というのも、このEOS。ISと違って半重力システムPICを搭載していないため酷く鈍重。

稼働時間も一つ30㎏もするバッテリーで僅か十数分しか動けない。

例えEOSが千機いたとしてもIS一機に勝つことは出来ない。というのが世間の見解だった。

 

「高井さん!!」

 

藍來が武器のロックを解除してクラブ・アーサーを投げ渡し、高井は使い方を無視した刺突やバットのように振り回した

 

「なんであんな動くんだ!?」

「EOSに何かしてるかもしれんな」

「高井さん!!ボルテックカートリッジをクラブ・アーサーにセットして!!」

「うん?………あぁ分かった!」

 

藍來の通りにクラブ・アーサーにボルテック・カートリッジを装填すると槍先が展開し、雷を纏い始めた

 

アマゾンオメガのアマゾンスピアから始まりそこから電撃武装と組み合わせたこの槍は何もかもを貫く最強の槍である!

 

「すげぇ……!」

「感心してる場合か、従業員共と隊員の一部は藍來を直ちに退避させろ」

「「了解!」」

 

隊員達が藍來に向かうのをスコールはソリッド・フレアを撃とうとする

 

「撃たせるかぁぁぁぁっ!!」

「何っ!?」

 

ぎゅいいいいんっと再び接近し電撃の槍がスコールのISに直撃した

 

『右プロミネンス・コート発生装置破損、修復予想時間まで一分』

「あぐっ!EOSでゴールデン・ドーンのプロミネンス・コートを破るなんて」

 

衝撃による本体へのダメージはないものの、右腕部のプロミネンス・コート発生機構にエラーが発生した。

 

ISを損傷させたという大戦果といえるEOS。しかしその代償は高くついた。

 

「クソッ!右腕が吹き飛びやがった!!」

「それにしてもこのEOS、大幅にチェーンしてあるのね」

「OSを書き換えたんだよ。()()()()()()()()がやってくれた」

 

 

IS特殊開発局が襲われる前に本社も襲われており、その際に令華がEOSがあるから誰かが乗ってとか言う無茶難題を高いが引き受けたのだが、AIとして転生した前原(まえはら)(じゅん)大滝(おおたき)竜介(りゅうすけ)がOSを書き換えた事により稼働時の電力配分を変えた事で稼働時間延長及び運動性能アップとか言うエグいデバフがかかっているのである 

 

「でも片腕じゃ戦えないじゃないの」

「片腕でもなぁ………」

 

高井がEOSを立ち上がると同時に武器倉庫に向かい大型コンバットナイフを左腕で持つ。

 

皆が見てんだ、マモルが入院して居ないのと、悠ばっかに頼らず、四人でなんとかするんだよ!

 

「望。」

 

淳………

 

「高井。」

 

竜介さん……

 

「高井君!」

 

マモル……

 

「高井さん。」

 

前原と大滝とマモルと悠が高井を送り届ける

 

 

 

「「「「頑張れ!!」」」」

 

 

 

 

 

「…………ノザマペストンサービス及び駆除班っっっっ!!」

 

 

 

 

「ファイヤァァァ!!!」

 

 

 

 

そのままスコールに直進で突撃して隻腕でISを上回る戦闘能力を発揮、その様子に皆が圧倒とは別の感情が芽生えていた

 

「のんちゃんあんなんだっけ……?」

「知らん。だが一つ言える。望の援護に向かうぞ!」

「「「了解!!」」」

 

そのままスコールに弾丸を浴びせまくるも足を掬い取られEOSは振り回されてしまうが遠心力を使ってコンバットナイフをスコールにぶち当ててEOSは地面に落ちる

 

「もう貴方のEOSは完全に壊れたわ。さぁ、対アマゾン駆除用ISの居場所はどこ?」

「…………そう教えるかよ!」

 

EOSのパッチを蹴り抜き電極入りナイフをスコールに投げつけると同時に

感電ワイヤーを射出させるもの必至の抵抗もあまり意味がなかった

 

「さぁ、諦めなさい」

「それが諦める理由になんのかよ……!こっちだって命賭けてんだ。」

「望逃げろ!」

「のんちゃん!!」

 

福田が狙撃準備、渋谷がアマゾンズドライバーを装着したと同時に突如、ゴールデン・ドーンにオータムからの通信が繋がった。

 

『スコール!!』

 

その声は酷く慌てていて、落ち着きの欠片もなかった。

 

「どうしたのよオータム」

『今この場に高速接近でISが迫ってきてる!日本代表の機体だ!』

「なんですって!?それってどういう」

 

詳細を聞き出そうとするスコールだったが、それは叶わなかった。

 

「よくもまぁこんなにもしてくれたわね」   

 

オープンチャネルで聞こえたのは聞き覚えのある女性の声。織斑千冬と剣をまじ合わせることが出来た歴戦の実力者でありヴァルキリーの称号を持つIS乗り。

 

スコールの豊満な身体に走ったのは強烈な虫の知らせ。本能的にEOSに突き刺そうとしていたテールユニットを離し、その場から飛び退いた。

 

その瞬間、天井が割れた。

 

「スラァァァァッシュ!!!!!」

 

豪快な音と共に天井を突き破ったそれは両手に持つ双剣をEOSの目の前、スコールが今さっき居た場所に叩きつけた。

叩きつけられた地面は陥没し、床板が跳ね上がった。

 

スコールは目の前の光景を見るのと同時に理解し、自分の判断が正しかったと判断した。

此処に来たのがエムじゃなくて私で良かった、と。

 

「待たせたわね、みんな!」  

「姉さん!!!」

 

現れたのは白を主体に金色のラインが散りばめられており、左肩につけられた青色の大型ユニットが目を光らせる日本代表のIS

 

「私が………来た!!」

 

そう言い白剣をスコールに向けて話すのは大規模改修された【シンエンペラー・アルビオン】を纏った来栖曄(くるすあきら)の姿そのものであった




黒崎さんがありえないほど出番ないのまじでこめん
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