「ふわぁ〜〜(倉◯千奈じゃないよ)」
水澤悠の朝は1人から始まる。
学食に行こうと思うがそんな時間は無い。
と言うのも前回差し入れで喉が爛れた為警戒して居たのものの食べてる物に激辛ソースぶち込まれたりと一夏君同様のいじめみたいなやつを受けて居たのだが、それを危惧して朝食は自分の部屋で済ましているのだ
「こう言う生活してたら綾音に言われちゃうな……」
隣のベッドに目を向けるとリボンを外したサラサラな黒髪ストレートヘアの綾音の欠伸した記憶が蘇る。あの時恥ずかしくて即座に口を塞いでたなぁ
「やっぱりこれだよなぁ」
一夏君の誕生日会の時に三崎さんがマモル君が普段食べてるハンバーガー
を持ってきてくれたやつを冷蔵庫から出して、それをレンジでチンして解凍。
その間に着替えを済ませてそれを電子レンジから取り出して学校へ向かう
(あっつ……ちょっと温めすぎたか)
やってる事が限界社畜なのだが、そんなのは関係ない。
一夏君にも勧めてみようか考えている
(やっぱり……寂しいな)
同居してから何かあったか?ってクラスメイトから聞かれる事もあるけど普通だし楽しいって言うと皆がいいなぁやちぇっ、ToLOVEれよとか言われた
期待させて悪かったなカスが(闇水澤悠)
「ってあれ?」
校舎玄関のところで異様な人だかりが。
「何してんだろう」
「あら?悠さんどうしましたの?」
「セシリアさんあれ見て、なんか人だかりが出来てるよ」
「あぁ何やら打鉄の新型がロールアウト予定ですってよ」
「そうなの?」
とまぁなし崩しにセシリアさんと行く事になった。
因みに一夏君と居なかったのは箒さんと鈴さんに取られたらしい。もっと頑張れよ
「あ、荷物持とうか?」
「まぁ紳士的。一夏さんも見習って欲しいですわ」
腕怪我してるからね。別に意識してるわけじゃないよ
「悠さん?」
「………なんか視線が多い」
数少ない男子だ。通りがかっただけで目線を引くのはもう慣れたものだが。今日はそれを加味しても多い。
所々ひそひそやクスクスと小さな雑音が耳に届いてくる。特にクスクス声が妙に耳に残った。
「……………嫌な予感がする」
「みんなおはよー」
「悠!!」
「おぉシャルロットさんってなんで引っ張ってる?」
前のめりになりながらも席に案内された。
「なっ!?」
思わず声を出してしまった。
僕の机の上に白い紙が一枚セロテープで貼り付けられていた。
紙には黒いマジックで『死ねっ!!』と書かれていた。
「んだよこれ……」
「悠だけじゃ無いんだよ!」
「え?」
一夏君の席の上にも『ここから出ていけ!』と書かれた紙が貼られていた。
「誰がこんなことを………」
「一番最初に私とシャルロットが教室に入ったのだが、既に貼られていた。現場維持の為に残していたが」
「…………」
「は、悠?黙り込んじゃってどうしたの!まさかやった人を捕まえてボコボコに」
「うぉぉ落ち着いてシャルロットさん。絶対しないから」
「だとしても黙り込むのは焦りますわよ!」
「悠!!」
シャルロットさんに右手でボカボカ左手でボカボカされていると後ろから一夏君と箒さんと鈴さんが一組に雪崩こんできた。
「あ、おはよう幼馴染みトリオ」
「おうおはよう。じゃなくて!玄関の掲示板見たか!?」
「見てないけど何かあった?」
「ああ!これっ!」
僕の前につき出されたのはまたも紙。それも三枚。どれも似たような言葉がマジックで書きなぐられていた。
「あそこだけじゃない。学校中に貼られているらしい」
「いつか来るかって思ってたけどさ。本当に来るなんてね」
二人とも静かに怒りを燃やしていた。他でもない一夏君と僕がこんな弊害を受けたのだ。声を荒げないだけでも立派だった
当然僕も怒りそうになるが怒っても仕方がない為冷静に考える
「どうする悠。」
「無視する。」
「そうか…………え?」
「あれ?」
僕の返答に呆気に取られたのか一夏君が間抜けな声を出して、釣られて僕も変な声が出てしまった。
「む、無視する?」
「うん。」
さも当然のように言う僕に何を言ってるのかわからないという幼馴染みトリオに思わずタメ息が出た。
「一夏君達揃いも揃って良いように踊らされてるよ」
「どういう意味だ」
「一夏君達のことだし人混み押し退けて掲示板の前に立って『なんだよこれ!?』とか言ったよね?」
「な、なんでわかった?」
やっぱり。
「突然だけどさ、放火魔って何処で火事を見てると思う?」
「え?」
「あたし知ってる。野次馬の少し後ろよね」
「鈴さん正解。何でだと思う?」
「えーと、なんだっけ?」
「火事を見てる野次馬の反応を見るため」
燃えている物。それを騒ぎ立てて写真を取ろうとしたり怖がる野次馬。そして消防が声を上げて野次馬を牽制したり、火事について調査してるのを見る。
そして放火魔はこう思うのだ。「自分が起こした事で人が騒いでる、注目している」と。
全部が全部ではないが。放火魔の思考の一つだ。これは放火魔だけでなく犯罪者の大半がそうだ。
犯人は現場に戻るという理由の一つでもある。
「野次馬が集まって注目した段階で犯人の目論みは成功。そこに当事者のお前が騒いで張り紙をかっさらって行きました。さて問題です犯人はどう思うでしょう?」
「えーと。よくも剥がしやがったな?」
「残念不正解。正解はムキになったと今頃シメシメとしてる。つまり相手を更に喜ばせました」
「え………」
ここは楯無さんと同じだ。相手が良いリアクションを取れば取るほど良い気分になり、更に増長する。
まあベクトルは全然違うけどね。
「一夏君、あんまり過剰に反応しない方がいいよ。相手を喜ばせるだけだよ。あいつらは僕達が慌てれば慌てるほど喜ぶんだから」
「お、おう」
「やけに知った風に話すのね」
「駆除班の中に福田さんって言う物知りがいてその人から教えてくれた」
「悠の知り合いって凄いんだな」
駆除班の家で福田が何か反応して居たのはさておき
「取り敢えずこれは証拠品として持っておこう。それを楯無さんに報告する」
とまぁなんか面倒くさい事に巻き込まれる事になったとさ
ーーー◇ーーー
今日のことを報告するために楯無さんの部屋、もとい一夏君の部屋に来た。
楯無さんのちょっかいから回避する為アマゾンサイズをちらつかせたらやめてくれたんで一旦安心した。
「まあ、そんなことがあったわけです」
「テンプレートねー」
「まったくですよ!」
楯無さんの前に並べた物を見て、楯無さんは頬杖をつきながら退屈そうに言った。
僕も心からの同意を述べた。
「はい烏龍茶」
「ありがとう一夏君。で、どれ程の規模なんです?」
「学園の掲示板の至るところに貼ってあった。皆には見つけ次第撤去するようにしたけど」
「ご苦労様です。犯人は例のですか?」
「多分ね。というのも監視カメラに映ってはいたんだけど。皆覆面やらお面やらつけて顔は分からなかった」
犯罪者かよ
「なぁ悠、例って?」
「通称女性至上主義の会、女尊男卑思考の女子が徒党を組んでるんだ。」
「徒党……?」
「レゾナンスでのあのムカつく女性が沢山いると思った方がいい」
「うげぇ………てかあの時悠絶対殺そうとしてたよな。」
「一時の気の迷いだよ」
あの一夏君すら嫌な顔してると言うことは印象に残ってるんでしょうね。
「それと最近だとアマゾンの存在を恐れて迫害してる。」
「でもなんで俺も?」
「おそらくだけど一夏くんは臨海合宿の件があって福音の攻撃を受けて死にかけけてそれで生きてるからアマゾンと疑われても仕方がないわ」
「そんなので!?」
「安心しなさいよ2人はギリ人間だから」
「「ギリ人間ってなんですか!!」」
「男でISを扱えてる時点で人を超えてる貴方達が言う?」
そうだったすっかり忘れてた
「生徒会や風紀委員としては、まだ動くことはないわ」
「そうなんですか?」
「まだそこまで動けるほど騒ぎが大きくないから」
「泳がせるということで?」
「ええ。こっちも出来るだけ見張ってるけど、それも限度があるし。確たる証拠が出れば直ぐにでも動くわ」
今やってるのはSNS上の誹謗中傷と対して変わらないからな。
「とりあえず俺達はスルーの方向で。しばらくは様子見と」
「貴方達には悪いけど、それでいいかしら?」
「わかりました」
「でもやられっぱなしは悠くんにとって相性悪そうだしやる時はやって良いわよ」
「わ、分かりました」
「悠絶対エグいことすんなよ?」
「心配しないで一夏君、僕はしないから」
まぁある意味心配かけられてるもんな。
「それと悠くん、野座間から新型ISについて何か聞いてないかしら?」
「え?特に何も」
「そっか」
「どうかしたんですか」
「えーと、実はね。近々ニュースになるらしいから言っても良いんだけど………」
「はい」
「野座間製薬IS特殊開発局と本社ががテロリストに襲われたのよ」
「…………えっ!?」
ガタッ!と椅子が吹き飛ぶ勢いで立ち上がって楯無さんに詰めよった。
「どう言う事ですか!詳しく聞かせてください!」
「ごめんごめん前置きをミスったわ。従業員の死者はゼロ。怪我人も軽症だって言ってたわ」
「そ、そうなんですか」
「うん。それどころか撃退して追い返したって」
「お、追い返した?」
倒した椅子を戻して落ち着くために烏龍茶を一気飲みした。
「えっと、改めて詳しく」
「えっとね………」
「どうしたんですか?」
「なんというか。報告書がなんとも奇抜でね」
「どういうことですか楯無さん」
楯無さんが端末を取り出してしばらく見通した。
「まず男3人がISと交戦した後、アマゾンゼータと交戦し、4C黒崎隊と従業員が迎撃」
「待て待てなんで従業員が?」
「有事に備えて4Cが時々戦闘訓練を行ってるらしいよ」
「日本代表のISの予備パーツで新造されたISが強襲、後に敗退。そのあとEOSが単騎で突進して敵ISを吹っ飛ばしたって」
「うん……?」
EOSってどっかで聞いたんよな
「イオス?」
「簡単に言えばコアのない外骨格アーマー。スペックで言うと千機あってもISに勝てないぐらいの性能よ」
「え、それ誰が動かしたんですか?」
「確か……………あ、あった。野座間製薬傘下害虫駆除サービス会社【ノザマペストンサービス】通称・駆除班班員『高井望』」
高井さんまじか。
「高井って……」
「誕生日の時に来てたあの女の人。」
「お前の知り合いバケモンしか居ないのかよ!」
「バケモンを倒して金を得る為にバケモンになったからね仕方がない。」
アマゾンを駆除する駆除班のことは聞いて居たが、予想外な人達だと思わされた。
すると僕のスマホから着信音が鳴り電話先は志藤さんからだった
一応スピーカーにして聴かせた。
『もしもし悠、今時間空いてるか?』
「なんですか志藤さんと言うか大丈夫なんですか?」
『あぁ問題ねぇ……と言いたいが望は入院中だ』
「はぁ………そうだマモル君!マモル君は大丈夫なんですか!?」
『マモルは今入院中だ。』
「………え?」
『その………駆除中にハンバーガーを食って倒れたらしい』
志藤さんの言葉で僕はぽっかり穴が空いた
「…………どうして!マモル君には落ちてるものは食べるなって教えたのに!」
アマゾンレストランの時にマモル君に釘刺しといたのに何故だと言う思考が頭の中で回って居た
『落ち着け悠。………って言いたいが、口にしたハンバーガーには致死量の農薬が含まれていた』
「な!あいつにそんなもん食わせたのかよ!」
『いや、食わせたと言うよりかは人から貰った物を口にしたせいでこうなったって訳だ、よって俺らは駆除活動一時休止。言いたいことはそれだけだ。』
「分かりました。」
『あと悠も気をつけるようにな』
そう言い残して志藤さんは電話を切った
「悠とマモル、もしかして同じ事してね?」
「一夏君言うな。」
黙らせるかのように一夏君の口に僕が食べる時に解凍したハンバーガーを渡してチャラにしてもらった
「それで最後に日本代表来栖曄が見事撃退して終了。日本代表のISが損壊されるがなんとか無事よ」
「日本代表が動くって野座間製薬ってなんなんだよ!」
「人望って大事なんだよ一夏君」
妙に納得がいってなかった一夏君でした。そりゃそうか
「とにかく。また亡国機業が襲ってくるとも限らないわ。二人とも自分のISを奪われたりしないように、普段からしっかり気を付けること」
「はい。二回も同じ手はくらいませんよ」
「絶対奪わせはしません」
もうあんな思いをするのは、二度とごめんだ。
「2人とも頼もしくなって嬉しいわね」
「そうですか?」
「代表候補生になってから格段にカッコよく見える」
「そんな楯無さんに褒められても金しか出しませんよ」
「悠それ絶対やめとけ」
とまぁなんとか張り詰めた空気が解けたとさ
ーーー◇ーーー
それから少したって。張り紙は段々と枚数を増やしていった。
が、そこまで気にしないと決めた僕と一夏君は黙って机に張ってある奴だけ剥がしていった。
今では剥がしたやつを工作して大型フィギュアを作り上げたところだ。因みにカラーテープの匂いが強くて写真撮って捨てました、
そんなこんなで犯人も業を煮やしたのか嫌がらせのバリエーションを増やしていった。
「酷すぎますわ!」
「ええい悠!待ち伏せして奴らを叩き潰すぞ!」
案の定セシリアさんとラウラさんは激怒しており怒るのは無理はないだろう。
いつもと同じ張り紙を剥がすと、そのしたにマジックで直接机に書かれてるのだ。
「そんな怒るなセシリアさん、ラウラさん騒ぐと奴らが喜ぶ」
「ですがこれでは授業になりませんわよ」
「そういう時は窓に座って華麗なる授業を…………は出来ないので一夏君。例のものを」
「任せろ。」
一夏君が鞄から取り出したのはアルコールスプレーと布巾。
布巾にふきかけ、軽く力を入れて擦ると………
「おおっ、みるみる汚れが」
「油性マジックだからアルコールがよく効くんだ」
「織斑君家庭的ー!」
「主夫属性持ってたんだ」
「なんという優良物件なの!?」
と、一夏君の主夫力をお披露目し一夏君の株を上げることとなった。
このあともラクガキがあったり。はてや花瓶まで置かれることとなったが。その花瓶はそのまま一組のインテリアになった。
後はよくある告白詐欺。
一夏の場合。
「付き合ってください!」
「いいぞ。何を手伝えばいい?」
相手を選べとしか言いようがない。
悠の場合
「ずっと前から好きでした」
「ごめん無理」
「ちょっとあんた!その振り方は酷いんじゃないの?」
「せっかく勇気出して告白したのよ!?」
「僕の本当の姿を見せても言えるの……………」
蒸気を発した後中から出てきたのはオオトカゲのような巨大な体躯に大きな赤い目、挙げ句の果てには体表が黒い棘で覆われて居た化け物だった
と言う動画を見せたら女子達はガチ恐怖してどっか行った
(最近のAIこんなの作れるんだ………)
更に極めつけ。
『織斑一夏。他校の生徒とラブホテルへ!』
『水澤悠がNMB48渡辺み◯きとお泊まりデートと他の読モの悪口!?暴行殺人!?」
なんてデマが校内に出ても。
『あーこれデマだよデマ。それにしてもお粗末なもんねぇ。』
「こっちは?」
『おぼっちゃま含めて身長差がありすぎてるよ』
とまぁ元詐欺師の三崎さんに鑑定してもらって直ぐにバレ、そのネタを新聞部に提供。
校内でも信頼のおける新聞部の新聞で目出しにされた。
タイトルは「ディープフェイクを使ったのにも関わらずお粗末なフェイク画像。サ◯ゼの方が難しい」。因みにこの煽り文は僕と黛さんで考えました(笑)
更にあの手この手で嫌がらせが来たものの、のらりくらりと躱していった。
これも精神的に図太いクラスメイトが味方であるという精神的余裕。
嫌がらせも一夏君が発揮する気づきすらしない鈍感力。
更に僕と楯無さんが作った対嫌がらせ攻略マニュアルなるもののお陰で嫌がらせも周囲の笑いの種に変えて見せた。
アマゾン(と括り付けられた一夏君)含めて元から人が良く、後からやられた嫌がらせも皆が守ってくれたり、学食の際に何か仕込まれる事があまりなくなったのだが………
主犯と思われる女性至上主義の会も堪ったものではなく、更に方法を過激にならざるおえなかった。
ーーー◇ーーー
「本当にやるの?」
「当たり前でしょ!IS学園の厄災を排除するのが此処の生徒の勤めよ!」
「その通りよ。てかこれマジで臭い」
息巻く3人の女子の目線の先には男子生徒が入ったことによって外に建設された男子専用公衆便所だった。
なのだが入って行ったのは女子生徒なのだがどうせ男に惚れた女は同族嫌悪で潰すのがよりタチが悪かった
「水澤悠と誤魔化しても無駄よ!」
大便所にてその生徒はゴソゴソと何かを取り出しそれを装着すると遊び始めた
「あまぞんっ!!」
『NEW・OMEGA』
とまぁベルト遊びをすると言うなんかキモい行動をしている。
「男子トイレに入って男が使うベルトで遊ぶなんて言語道断!」
「行くわよ!」
三人が揃って仮面やら変装用マスクを被る。手に汚水の入ったバケツを持ち、足音を立てずに男子トイレの前に。
誰も居ないか確認。そしてゆっくりと扉のしまっているトイレに近づいていく。
「フフフフフ」
「ゼハハハ」
これから起こる惨状を想像して声が漏れるのを唇を閉じて防ごうとしたが漏れている。
生徒?が入っているであろう個室の前に立つと。バケツを持つ手に力を込め。
「「「そーーれぇぇ!!」」」
上から思いっきりバケツの中の汚水をぶちまけた。
「うわぁぁぁぁぁ!!!!」
中から汚水を被った生徒が叫び声をあげたら。慌てふためいてることから彼の服が汚ならしい水と悪臭に襲われていることは容易に想像が出来た。
「ハハハッ!ざまあみなさい!!」
「調子に乗ってるからこうなるのよ!」
「さっさと此処から出ていきなぁ!!」
ゲラゲラ笑いながら中にいる生……徒?を罵倒する三人。変装マスクのせいでなおのこと不気味な風貌。
「行くわよ!」
「これに懲りたら大人しくするのね!」
「キャハハハハハ」
今までの鬱憤を晴らす大満足な結果に三人組は悠々とトイレを出ようとした。
「ううっ……なんでぇ……なんで私がこんな目にぃ……寮でやろうとすると音がデカいせいで近所迷惑だからCSMネオアマゾンズドライバーで遊んでいただけなのにぃ〜……!!」
「え?嘘?」
「これガチで水澤悠じゃない?」
「に、逃げるわよ!」
『あら楽しそうね?私も混ぜてくれる?』
「!!?」
そこに居るはずのない声に口から心臓が飛びかけた。
トイレの入り口には扇子を持った水色髪の二年生。更識楯無生徒会長………じゃない!
緑色の身体に黒色の手足を持ち、吊り目の赤い複眼が特徴的なアマゾンオメガの姿だった!
「せ……扇子持ってるけど見た目アマゾンオメガだ!なんで!?」
『うーん……僕もぉ楯無さんのモノマネしたくなるのよねぇ。ところでみんな顔隠して男子トイレに潜入? キャー!ませてるわねー!」
【大胆】とかかれた扇子を開きながらクネクネするオメガ会長
余りにも陽気な雰囲気で絶対本人がしないだろって言う動きをするオメガ会長の前に三人は呆気に取られるなか。赤い複眼が発光した
『で、同じ女子生徒に何してたの?貴方達。』
その時三人は首筋にナイフを当てられたかのような肌寒さを覚えた。
それもそのはず。楯無の顔は今まで見たことがないぐらい冷ややかで、感情をなくしたかのような気迫に3人は射抜かれた
「そ、掃除を………」
『掃除?それにしては随分とおざなりね。ここまで臭いが来てるし。やるならちゃんとした方がいいわよ』
「え、えーと。えーと………」
『あと男子トイレに入る女子生徒にバケツをぶち撒けるなんて、悠君もそう思わない?」
「全くですわ!!」
ガチャ。スライド式の鍵が開く音は彼女たちにとって死神の足音に等しかった。
思わず「ヒッ!?」と上ずった声を出した女子は音のしたほうに振り向いた。
個室の中の悠の声がお嬢様でアイドルの声なのが一番の謎………って言ったらそうだけど
汚水が滴るドアから出てきたのはニューオメガ。
それ事態はおかしくはない。中に入っていたのはわかっていたから。
問題は個室から出てきたニューオメガ自身がなにも起こってないかのように平然として、傘をさしながら座っていると言う事だった
「「「!?!?!?!!」」」
「いやぁ驚いたでしょ水澤悠かと思ったら女子生徒と見せかけた僕で、楯無さんかと思ったら僕だった。それにしても楯無さんよく
『後輩の頼みを叶えるのが生徒会長の役目よ。』
オメガとニューオメガという2人のアマゾンが会話し合ってる状況に皆がパニックになって居た
「それにしても情けないねぇ。いくら僕が
「っ!」
「あ、この一部始終は全部カメラで抑えてあるから。決定的証拠ゲットだぜ!!」
「そ、そんな横暴が」
「ハハハハ。おまいうで草」
「五月蝿い!」
『うおW効いてて草ww爆笑爆笑』
心から愉快そうに笑うニューオメガとオメガ会長の前に段々と怒りがこみ上げてきた女子の一人は手に持ったバケツをぶつけてやろうと力を込めた。
「なんだ、騒がしいぞ」
「あ、織斑先生」
「え!?」
学園の閻魔様降臨。
「……………水澤悠、お前何があった?」
「ううっ……この女子達にゲロ水をぶっかけられたんですぅ」
『私も化け物を見るような目で見られたんですぅ』
特に変わった様子もなく織斑先生は覆面3人に目を向ける。
「おい、そのヘンテコなものを脱げ」
「そ、そんな」
「脱げ」
「は、はい………」
有無を言わさないとは正にこのこと。睨まれた三人は震えながらも覆面を脱いだ。
「二年生か」
「………」
「こうもあからさまだと、流石に見てみぬ振りも出来ないな。先ずはここの掃除、その後に生徒指導室に来い」
「はい………」
この世の終わりだとばかりに絶望と悲壮に満ちた表情を浮かべる三人組。
先ほどの横行闊歩振りはすっかり影を潜め震えていた。
「ざまぁないっすね!!あ、織斑先生後は任せました!」
「分かった任せろ。」
2人でるんるんで帰ってる所を女子達は睨みつけて居たのだが、織斑先生に目線を逸らすなと怒られた
織斑先生に後を任せ、僕と楯無さんは学生寮に戻ることにした。
喋ることなく、黙って学生寮の中に入り。そのまま一夏の部屋にお邪魔した。
「お帰りなさい楯無さん。あれ、悠も?ってことは」
「………やったぞ一夏君っっ!!」
「お、おおおっ!」
上げた手に反射的に出した手でハイタッチした。凄まじいぐらい快活な音が響き、そのあと手のひらに鋭い痛みが走った。
「いってぇ……あ、大丈夫?」
「ま、まぁな。てか楯無さんいつまでそれつけてるんですか」
『あら?外した方が良い?』
「悠が2人いるみたいで怖いです」
アマゾンオメガが頭を外すと中から楯無さんが出てきた。
「暑かったーしかもこのスーツ胸元が圧迫されるしコスプレに向かないわねぇ」
僕と一夏君は何か察したのか黙り込んだ。
「うん?2人ともどうしたの?」
「「別に」」
「あらそう?」
因みにこのアマゾンオメガのスーツは楯無さんがメ◯カリから買ってきた物であり、使い所が無さすぎて壊そうと思ってたけど今後使いそうだから残すことにした。
「しかしまさか織斑先生が出てくるとは思わなかったよな」
「あら?あれって悠君の差し金じゃないの?」
「違いますよ。いつ来るか分からないのに先生を呼べませんし。いやー偶然ってほんと怖いですね」
「千冬姉に捕まったのか………相手が相手だけど、ご愁傷さま」
今頃あの臭い
さっき撮った写真を出してみるとニヤケが止まらなかった。
「イキイキしてるわね悠君」
「僕……今まで戦いに快感を覚えてきたんですけど、嫌な奴をこんな風に罠に嵌めるのマジで楽しかった!あぁ〜〜〜〜気持ち良かったぁ!!」
「悠お前怖すぎるその顔やめてまじで」
うわ危ねぇだいぶエグい表情してたのか、少しは自重するか
「それじゃあ僕は帰りますんで」
「気をつけてね」
「その顔笑顔戻しとけよ?」
え?本当に?だとしたら早めに直さなくては……
ーー♢ーー
いやぁ寝る前大変だったなぁ、僕の部屋の前でシャルロットさんが待ち伏せして居て最近食べてないだろうし差し入れ作ってきてくれたから全部食べたらそのまま爆睡しちゃって今これなんよな
ピーンポーン…………
「誰だ? はぁい。」
ガチャリと開けると僕は雰囲気を切り替えて出迎える事にした。
「ただいま悠さん!!」
「おかえり綾音。」
そこに居たのは先ほど入院して居た制服姿の綾音だった。
唯一変わった点があるとするならば待機形態の杖がホルスターに入ってなかったことくらいだった。
すると僕はふと思い出し、部屋へUターンして行った
「渡すものがあるんだ」
「何ですか?」
「じゃーん!退院祝いのプレゼントとマリーゴールド!」
「まぁ!私の為に用意してくれたんですか!?ありがとうございます!!」
綾音は目を輝かせながら受け取り、それを自分の机に置いといた後、僕達は校舎の廊下を歩いていた
「退院したなら僕が迎えに行くのに何で教えなかったの?」
「教える時間が無かったんです、と言うか悠さん最近お見舞い来なかったじゃないですか」
「それはごめん。ちょっと忙しかったんだ」
僕と一夏君がいじめのターゲットになってる事は伏せておこう
「それに体調はどう?また覚醒したりしないよね?」
「流石にしませんよー。」
すると綾音が振袖を捲り左上腕を見せる。腕に装着していたのは黒色のアマゾンズレジスターであり、見た目を気にしてるのか僕のより小さくなっていた。
「これつけてもらったんで大丈夫です!」
「そっか良かった〜〜………………」
「は、悠さん?」
「あぁ何でもない」
僕は何とでもない感情になり綾音を心配させてしまった。
綾音の移植されたアマゾン細胞が僕の事は黙っておこう、そしてそのまま接し続けよう。
「それにしても病院食が学食と同じで助かったんですよ」
「マジで?」
「病院食として出された肉じゃがかすごく美味しかったんですよ、だから今度作ってあげましょうか?」
彼女は重すぎる運命を背負わせてしまった。自分の祖父の会社が産み出したアマゾンのせいでこうなってしまったからだ。
彼女の当たり障りのない笑顔に心から笑ってくれる
僕はそれに応えるとしよう。そして一夏君達と一緒にまた過ごそう。
「え、本当に?それなら楽しみ…………」
ガコンっ!!
何だ?
反射的に上を見ると、網目状のフェンスが徐々に大きくなって………
「ッ!!!」
僕は反射的にアマゾンズドライバーを装着しアクセラーグリップを捻ろうとした
「アマゾ………」
「悠さんっ!!!!」
「ってえ?」
ドンっと身体を押されて空中に投げ出される。
『OMEGA EVOLU - E - EVOLUTION!』
「グハァッ!!」
耳をつんざくようなガシャン!という音がなった。
僕は投げ出されたから二回転ぐらい回って転び、身体に多少のダメージが入る
「いってぇ……………………あ、綾音!!何処だ!?」
土煙が晴れた途端僕は全てを瞬時に察しパニックになってしまう。
側に綾音が居ないことに。
「あ……あ……………綾音ぇぇぇぇぇぇ!!!!」
校舎内に1人の悲鳴が響き渡っていた。
オリキャラは酷い目にあってなんぼよね
嘘ですすいませんでした。