えいえいオーライザー
「それでは来週の大多数戦に向けての作戦会議を行います!!」
「「「「「はーい」」」」」
虚さん結構ノリ良いんですね。僕の隣の仁さんもなんかノリいいの笑う
「作戦の案はこうだ!」
「せーの」
「「全員◯す!!」」
ホワイトボードに堂々と書かれた字を見て一夏君含めた生徒会メンバー全員がぶっ倒れる
「なんですかそれ!」
「まぁまぁ冗談はさておき、主に一夏君の零落白夜で斬り倒して僕と仁さんは撹乱、のほほんさんと虚さんはその補助に回ってください」
「悠君にしてはありきたりね」
「これ結構考えたんですよ!?」
「哀れだな」
そらぁね。
この多人数でノーマル状態でやってもジリ貧で死ぬのは確定だし。
「まあ言うは易し行うは難しなのは目に見えてるわね」
「しかし理にはかなっています。現状の戦力を考えて最適解だと思います」
「ありがとうございます。それでは戦力を見直しますね」
机の上に置かれた小型ホログラム発生機を起動し、ミーティングがスタートした。
「まずISですが僕と一夏君は決まってるとして、布仏姉妹のお二方には打鉄に乗って貰いたいと思います」
「堅いから~?」
「まあね、一夏君を守るというのもあるけど。こっちのほうが落ちにくいから」
「異論はないわ」
「意義な~し」
箒さんが打鉄時代の時にガチバトルしてダメージが入らなかったとかあったからね。
「…………で、仁さんはどうするの?性転換でもしてISにのる?」
「うっふ〜ん♡用務員よ〜♡ って馬鹿野郎んな訳ねぇだろ」
仁さんに頭を叩きつけられた僕でした。この人絶対引き摺ってるって
「まぁ練習の時に見せてやるよ。」
「…………とまぁ仁さんは後回しでまず虚さんは一夏君の護衛と、掩護射撃。このメンバーで一番射撃技能が高いのは虚さんなので、アウトレンジからフィールド全体の調整を。余裕があれば、この前みんなに話していた例の『分解』で相手の戦意を削いでくれたらありがたいです」
「わかったわ。久しぶりだから感覚思い出しとかないと」
眼鏡を上げた虚さんの目は戦意充分でとても頼もしかった。
「悠、分解ってなんだ?」
「虚さん整備科の人だけど去年のクラス代表戦だと分解を駆使した戦い方してるらしいんです」
「なるほどねぇ」
「次はのほほんさんだな。虚さんと同じで一夏君のガードなんだけど、問題は………」
「はーい、私は射撃技能ゼロでーす」
「そうなんだよなぁ…………」
のほほんさんははっきり言って射撃能力が低すぎる。
四月あたりの頃かな………僕がラファールでの射撃訓練の時は当時あまり銃を使わなかったから数発ぐらい当たったんだけどのほほんさんはマジで段違い
とにかく彼女に遠距離武装を持たせると当たらない。
的を掠りもしない。フォームはあってるのに当たらない。
一年の段階で唯一射撃補修を受けたことでも有名だ。結局数時間の末一発当たって補修終了。
その時のほほんさんは終始笑顔だったという、鬼のメンタルである。
のほほんさんの鬼メンタルはぎり尊敬できる
「さっきも言ったけど、基本のほほんさんには一夏君のガードを頼む。同時に場を引っ掻き回して相手チームのペースを崩してもらう。当たらなくても牽制にはなるし」
「りょーかい~」
実際それが最適解だし、のほほんさんは射撃以外は優秀だ。
しかしまあ。
「どうしたらいいやら」
「追加武装としてミサイルか誘導性の高いのを装備させたらいいだろ?下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるって言うし」
「なんか良いのあるかなぁ……」
「あ、ミサイルに当てがあるよー」
「本当に!?」
「本音ちゃんそれって………」
「大丈夫ですよ~。なんとか説得してみますんで~。ミズサーがあっと驚くのを保証しますし、たかじんもそれ手伝って〜」
「………仕方ねぇな」
これ気づいたんだけどさ、仁さんのほほんさんに弄ばれてるよね。
まぁこの人ならなんとかなるか
「次は僕と仁さん。主に一夏君が取りこぼした敵を叩き潰すかある程度ヘイトを向けさせる」
「大丈夫なのか?」
「僕があんな奴の攻撃で止まる訳ないし恨みがあるからね」
「まぁな。俺の頭に植木鉢落としたやつに
「怖すぎるって」
まぁ雨霧の目的が一夏君より先に僕だった場合先に潰すつもりだ
「最後は一夏君。役割はさっき伝えたとおり、零落白夜で斬りまくる。そこで、一夏君の特化戦力強化プランを考えてきましたー」
「強化プラン?」
「うん。仮に一夏君が初っぱなから落とされたら僕達は9割り負ける。中盤で落ちたら厳しい、終盤でも落ちなかったらもの凄く嬉しい。その為の強化プラン」
「つまり零落白夜の特訓ということね?」
静観していた会長の言葉に俺は深く頷いた。
今回の数の差をひっくり返す重要な手。
それは零落白夜でどれだけ相手を戦闘不能にさせれるかということに他ならない
「さて一夏君いきなりだけど、君が思うに零落白夜の欠点はなに?」
「燃費が劣悪。シールドバリアを消費するから使えば使うほど撃墜されやすくなる」
「正解。ならどうすればいい?」
「えっと、ここぞという時に使う?」
「正解。僕は昨日一夏君の戦闘記録を見れるだけ見たんたけど。改めてみて気付いたことがある」
てか普段一緒に戦う事が多いので記憶通りでしかなかったけど
「一夏君は学園祭の襲撃事件の後ファイトスタイルを変えて格闘と剣戟を混ぜた戦い方をするよね」
「あぁ。格闘は悠の見様見真似だがな」
「ちょっと嬉しかったけど問題はそこじゃない。試合中に零落白夜を使う回数は少なくて一回か二回、多くて四回なんだ。だけど一夏君は零落白夜を使って負けた試合のほとんどがエネルギー管理のミスによるミリ残しを潰されるパターンが多い」
「あー、確かに。雪羅になってから割合が増えた気がする」
「原因はなに?」
「えーーっと………使いすぎ?」
「惜しい。正解は、零落白夜を継続して出す時間が長いことだ」
あんなSE減らしのやつを使ってたら自滅にする未来しか見えない
「一夏君は零落白夜出すの早いんだよ。短期決戦を狙ってたとしても相手を追いかけている隙にSE切れして負けるし、しまうのも遅い」
「どういうことだ?」
「零落白夜は展開してるだけならただの光るブレード。当ててシールドを素通りし、絶対防御に触れることでISに大ダメージを与える、織斑先生が暮桜で発動したワンオフ・アビリティーと同じだ。シャルロットさんのシャルル君時代で聞いたはず」
「うん」
「はっきり言って一夏君は零落白夜を無駄遣いしちゃってる」
「なっ!………理由を聞かせてくれ」
姉と同じ能力を無駄遣いしたと言われ一夏君は一瞬沸点が上がったが。直ぐに落ち着いて続きを待った。
「先ずはこれを見てほしい」
生徒会に備え付けられた液晶テレビをつけ、DVDを再生した。
「これ第二回モンド・クロッソの織斑先生の暮桜の試合だ。瞬きしたら縫う。」
「お、おう……!」
暮桜に迫る機体、カナダのメテオティファニーが二丁拳銃を構えて突撃する
の瞬間、織斑千冬の暮桜がメテオティファニーを斬り。試合が終わった。
「え?」
「織斑先生は一つの試合を除いて。全部一太刀、もしくは二太刀の速攻で試合を終わらせてるのが分かるよね?」
「………もう一回見せてくれ」
巻き戻して再生する。
先程と同じく織斑先生の勝利で終わる。
「もう一回」
巻き戻して再生。
「もう一回」
巻き戻して再生。
「もう一回」
巻き戻して再生。
五回見たところで一夏君は画面から目を離せないでいた。
その目は驚愕に満ちていた。
「なんか気付いた?」
「えと、気付いたっていうか。………千冬姉、いつ……零落白夜を発動したんだ?いや、そもそも発動してるんだよな?」
一夏君が出した理想の解答に顔がほころびた。
「織斑先生は間違いなく零落白夜を発動してる。さていつ発動してるでしょう」
「………雪片が当たる瞬間?」
「大正解、対して一夏君は」
「相手に突っ込む時に零落白夜を発動してる。そしてその間もシールドは消費してる」
「そうだよそれ!織斑先生は雪片を当てる瞬間に零落白夜を発動していて一夏君は突っ込む際に発動してるし非効率だよ!」
僕の説明に一夏は考え始めたが、すぐはっとした
「あ!お前そう言えばオータムと戦った時に当たる瞬間に雪片二型生成して零落白夜当ててたな!」
「そうだよ!それそれ!!後この動画も見てほしい」
これは僕が撮影したインフィニット・ストラトス/ヴァーサス・スカイのプレイ動画だ。と言うのも実況って訳でなくただ、単なる遊びである
「ゲームに暮桜なんていたかしら?」
「特殊コマンドを打ち込んだら隠しキャラで暮桜出てきちゃったんだよね」
「嘘だろ!?」
「えぇ……」
皆が驚くのも分からなくもない。と言うのもインフィニット・ストラトス/ヴァーサス・スカイは初代モンド・クロッソのデータをベースにしており、優勝者の織斑千冬の暮桜は強過ぎたのでデータは存在しない筈だからだ!
「まぁ見ててくださいよ。一夏君の強化プランにあたって僕なりの戦術考えたから」
主に近接系のISとのバトルなのだが、それがどう言う事かわからなかった
「っておい悠!相手攻撃モーション入ったって!」
「早く避けて〜」
「映像にツッコミ入れてどうするのよ!」
しかし次の瞬間悠が動かしている暮桜は攻撃がギリギリ当たる瞬間に回避して零落白夜を当てた!
「ダメージ0!?」
「ミズサーゲームうまー」
「どうやったのか説明して頂戴」
「はい、一夏君は一学期のクラス代表決定戦にて二組代表の鈴さんの双天牙月を一夏君めがけて投げ飛ばした瞬間、一夏君はギリギリ当たる瞬間を回避しました。」
「それがどうしたんだ?」
「ギリギリまで引きつける事で回避の予備動作を最小限に止めたんです。」
もしこれが再び出来たら一夏君は完全に強くなったと言っても過言ではない。
「一夏君、ゲームでやった事と試合でやった暮桜の動きを完全にマスターしてくれ。楯無さんが指導してくれるから」
「ええ、任せて頂戴。期限までにバッチリ仕込んどくから」
持ち前の扇子には『委細承知』。
ひとつ分けてくれよ
「一夏の指導は会長に任せるとして、悠、お前は俺が指導してやるよ」
「仁さん………!よし!大まかな役割は決まったところで本格的な戦術プランを発表します」
「というわけです。基本はこの感じで攻めて行こうと思います」
「………」
「どうした一夏?」
「いや、概要は少し聞いてたけど。改めて聞くとエグいなって」
「え?これでもかなり抑えた方なんだけど」
「これで?」
対多人数用に戦術プランを練ったので大まかに説明したところ早速一夏君がゲソっとしていた。
「当たり前だろ、悠と一夏をヒーローに見立てて俺は思いっきり暴れさせて貰うぜ」
「僕は模倣生成を駆使した自由に戦うよ。」
「た、鷹山さんの最初の全員◯す!!とあまり変わんないような」
「僕も人間砲丸投げとかドレスとか色々エグいことしたかったけどやめといた(笑)」
「ミズサー容赦なーい」
当然。目指すべきは完膚なきまでの勝利だ。
加減なんかしてたら数であっという間に喰われる。
「一夏としては、この作戦に嫌悪感あると思うけど」
「ないと言ったら嘘だけど………いや、大丈夫だ。四の五の言ってられない。俺もまだこの学園にいたい。それに、それ以上にあいつらは許せねえ」
了承してくれたとはいえ、やはり懸念が残ってるようだ。
そうならないために作戦を幾重にも組み込むのだ。
「二人は知ってると思うけど掲示板で伝えられた打鉄ベースの新型ISの件は引き伸ばされたわ」
「打鉄の代わりに採用しようとしたけど無理だったかぁ。」
新型ISと言うのは打鉄をベースに新しく新造されたIS《黒鉄》であり、コンセプトが誰でも扱える暮桜って感じらしい。
最初デザイン見た時うわばりくそかっこいいじゃんってなったけど相手の戦力を減らす為にわざとロールアウトを延期させたからである。
一夏「でもそう簡単にISの延期なんてできるのか?」
「私がやったからな!!」
するとドアを開くと現れたのは赤みのある黒髪に赤の髪留めで止めた感じでなんだか暑苦しそうな女子生徒。
「誰ですか貴方!」
「私は打鉄系列IS企業【
「でもどうして……」
「自分の会社が作った新型を差別主義者に使われたくねぇからな」
「なるほど………」
「それに綾音は元気か?」
「知り合いですか?」
「知り合いもなにも綾音の母さん陸宗のところだし従姉妹だよ」
「えええっ!?!?」
ここで意外すぎる事が判明した。嘘だろまじて
「あ、綾音とは認識あるんですよね!?でも学園祭の時なんで会わなかったんですか!!」
「忙しかったのと水澤と一緒にいるの目撃したから話しかけられなかった」
すると僕は綾音と学園祭を回ったのを見られたと分かり、狼狽始める
「おい大丈夫かよ悠!」
「後付けにしては無理があるって〜〜………」
即座に綾音に連絡すると僕が知らない間に会っているようでした。お見舞いも行ったらしい。
綾音がら言わなかったのは多分僕が知らないからだ。うん。
「それじゃ私はこの辺で失礼する!サラダバー!」
そう言い残して陸宗さんは生徒会室から出て行った。なんだこの人足速くねぇか!?
「あかん目眩してきた」
「死ぬなよ!?」
「ま、まぁ。作戦会議は終了よね」
「だな。早速連携訓練をするぞ」
「でも一般アリーナで連携訓練していいのか?あそこ一般開放だから、相手に手の内を明かしちゃうんじゃないか?」
「ほんとだ。」
しかし僕にだけ楯無さんは耳打ちをし、僕は即座に納得がいった。
「フフーン。フフフフフー」
一夏君の言うとおり、敵に練習を見られたらどういう戦法か予想される恐れがある。
そんな最もな意見に楯無さんは不敵、というより不気味に笑った。
「な、なんですか楯無さん。そんなよくわからない笑い方して」
「一夏君の考え、ましてや奴さんの考えなど私にはまるっとするっとお見通しよ!」
「驚くぞ一夏君!正直言うと、これはズルい」
「ズルい?」
一夏君は頭にクエスチョンマークを出しまくって首を傾げた。
ーー♢ーー
「どうして駄目なんですか!」
「どうしてと言われましても。規則ですので」
「これじゃ私たちの連携訓練が出来ないじゃないですか!!」
放課後の練習機受付所で雨霧沙苗が受付嬢に噛み付いていた。
「無理を通しているのは重々承知しています!でも私たちはこの戦いに勝たなければ行けないのです!一回だけでもいいです!来週まで12機のIS合同の訓練をさせてください!!」
「ですから、それは一週間後の大多数ISバトル戦限定のみの特例措置なのですから」
「クッ!」
正論を前にしては流石の雨霧も引かざるを得ない。
無理筋なのは流石の雨霧もわかっていた。
自分たち以外の
だが一度も連携訓練をせずに望めば連携の無さを突かれてもしかしたら………
(もしかして奴はこれを狙ってた!?いやだけど数は圧倒的に有利、最悪連係出来なくても実力差で押せる。経験の平均はこっちのほうが上なんだから!)
この女は間違っていた。相手はあの人より強いアマゾンを狩ってきた歴戦の猛者達である
仕方ないと諦め、雨霧は空いている練習機を聞こうとする。
そう思った矢先、受付嬢の人が固定電話を取った。
「あ、ちょっとごめんなさい。はいもしもし。はい来てます、今対応中で………わかりました。そう伝えときます。…………雨霧さん」
「はい?」
「たった今連絡が来て、来週の異種ISバトルの前日のみ。12機の練習機で合同練習をしても良いという知らせが」
「本当ですか!?」
その知らせはほぼ不可能と考えていた雨霧と女性至上主義の会にとって正に寝耳へ水の果報だった。
(勝った!こっちが負ける可能性はゼロだけど、更に勝率は上がった!)
生徒会チームも練習機を二機確保できなければ連携訓練など出来ない。
あの宣言が出てからこっちも空いている練習機はほとんど抑えた。後手とはいえ、二機揃って空いてる席などない。
これは完全にこちらのアドバンテージ。
この勝負で女性至上主義の会の勝利は揺るがない。
雨霧は勝利を確信したのであった。
ーーー◇ーーー
雨霧が満面の笑顔をしてることなど露知らず。
楯無さんに案内されている僕達は非常灯のみが照らす薄暗い廊下を歩いていた。
「なぁ悠、ここどこだ?」
「異次元につながる通路…………じゃないけど。」
「違うんかい」
「初めてきたからね。」
「ここはIS学園の地下特別区画よ」
「え。そんなとこに俺たち入ってきて良いんですか?」
「一人では駄目よ。私が居るなら話は別(本当にヤバいとこは更に地下にあるだろうし)」
此処より更に地下になんかあるんだろうなぁ。
いや神のみぞ知るって言うしあまり触れないでおこう。うん。
「ゴマ開け!」
楯無さんの声門認証で何ともない壁が自動ドアとなって開いた。
「微妙なアレンジですね」
「俺だったらゴル◯◯オンハンマー!発動承認!!って言うけど」
「いやまずこのドアに驚くべきじゃないか?」
「フフン。固定観念に囚われた頭の固い人ほど結構効くもんなのよん♪ 山田先生!明かりをお願いしまーす」
「はーい」
山田先生居るの?
なんかこういうとこに居るの場違い、ていうか関われるポジションに居るのかあの人。元代表候補生だから行けるか(無茶すぎる)
大分失礼なこと考えていると暗い部屋に明かりが灯った。
「うおっ、眩しい」
「あまり眩しくないだろ」
眩しさに目をつむって開いた目の前に広がったのは。だだっ広い真っ白な空間だった。
広さは学園で一番狭い第三アリーナよりも小さいが、ISが充分飛ばせるだけの空間は確保されていた。
あ、ガラス窓に山田先生が手を振ってる。同じ緑仲間だし手を振り返そ。
「なっ、なんなんですかここ!」
「これが会長の言っていた、幻のアリーナですか?」
「そうよ。ここで私たちは連携訓練。ならびに各強化トレーニングを致します!」
「イエーイ!」
「いえ~い!」
楯無さんの号令にいの一番に音頭をあげる僕とのほほんさんに置いてかれて一夏君は波に乗れず流されてしまった。
「ここは特殊な場所でね。ここでISを起動してもISコアの反応が外部に漏れないのよ」
「つまり、アリーナで動かしてるあいつらにもここでやってることはバレないというわけだ」
「それって」
「アリーナ時間外になったとしても練習出来るってこと」
「え、そんなことして怒られませんか?特に織斑先生とか」
「一夏君あれ。」
「うん?」
一夏君が僕の指差したほうを見てみると、山田先生の後ろで腕組みをしてる織斑先生がこっちを見下ろしている。
「織斑先生も裏向きはこっち側ってこと。ここの責任者は織斑先生らしいし」
「そうなんだ」
しかしこうして見ると。織斑先生と山田先生は学園にとって結構重要な立場に居るってことになるよな。
だってIS反応を遮断するような施設なんて。ぶっちゃけ聞いたことすらないし。
「それに教員用の打鉄を虚ちゃんと本音ちゃんには使ってもらうから」
「教員用?」
「一夏君、この戦い僕らの勝ちでいいよマジで」
「何でだ?」
「練習機と違ってわざわざ初期化しなくて良いのよ」
本来練習機は生徒が乗り終わった後に自動的に初期化される。
対して僕達にあてがわれるこの打鉄は初期化する必要はなし。
つまり奴らが乗る練習機がレベル1なのに対し、こっちの打鉄はある程度レベリングが付けられたISで勝負出来る。
「正直言ってずるいっすね」
「決闘はズルしてなんぼよね?」
「楯無さん某レシートの人みたいなこと言ってる」
「生徒会は何でもできるのよ」
「付いてきて良かったぜぐへへへへへ」
楯無さんと悠がすごく怖い顔をしてた。悠ってこんなのだったっけ?
「でも一夏君の性格を考えて、正直苦行じゃないかなって。それだけは悪いと思ってるよ」
「いや、乗り掛かった船だ。最後まで付き合うぜ悠。」
「ありがとうね一夏君。」
「フフッ。男の友情ね。」
しかし僕は忘れていた。仁さんのこと。
「お前ら無視すんなー雨霧側に着くぞー」
「無理でしょ」
「俺も対策考えてきてんだよ。ほら」
仁さんが持ってきたのは台車に乗せられた打鉄だ。
「何でそれ持ってるんですか!!」
「確か練習機は抑えられてるはず!」
「あぁこれ?整備科の奴らに修理中の打鉄を俺のアマゾンズドライバーのメンテナンス依頼で面白いもの見せてくれたからお礼で貸してもらった。」
整備科の人達にとって変身ベルトはロマン。それをメンテンスして貰うだなんて嬉しいに決まってる。
早速仁さんは取り掛かり打鉄にISスキャナーとポケットから自分の身体情報が入ったUSBメモリを接続しホログラムに身体情報とISのデータが表示される
「野座間はアマゾンが生まれた当初、国際営業戦略はアマゾン細胞をナノマシンとし、その再生能力を駆使して長時間戦闘を可能にしようと研究していたんだ。」
「でも僕と一夏君が動かせるからって仁さんも動かせるわけ無いじゃ無いですか現実見てくださいよ」
「さっきからお前口悪いな。また悠らしくないって感想で言われんぞ?」
悠、撃沈
「まぁISを動かせる要因は篠ノ之束が組み込んだ
「悠が?」
「悠は男だけど一夏と違いアマゾンだ、正確的には男性型アマゾンだがな。性別とか言うの無いと思う。」
何だろう。ダイレクトにお前は人じゃ無いよーって言われてる気がする
「そこでそのプログラムにアマゾン細胞を適応させる。これで俺がISを動かせる訳だ。」
「仁さんハイスペックすぎません?」
「因みにこの事は内緒だし『どうやって動かしたんだ!?』って聞かれてもわかんないで通す」
「随分と徹底してますね」
「まぁな。兎に角大多数IS戦に向けて始めるか。悠、俺は厳しいぞ」
もうアマゾンズドライバーを装着していてやる気満々だった。
「さっ!始めるわよ!時間は限られてるんだから!!」
楯無さんがミステリアス・レイディを纏い、僕達も専用機を呼び出し、布仏姉妹が打鉄を装着する。
こっから僕達の秘密の特訓が始まった。
ーーー◇ーーー
時が経ち一週間後。
あれから時間を見つけては地下で特訓し。練習機がアリーナで取れた場合はそこで動かし。
練習機が取れない時は専用機組VS男三人(仁さんIS無し)というぶっちゃけこっちのほうが難易度高いんじゃね?と思えるような激戦を繰り広げたりした。
途中で僕が連絡先を交換したことにより、面白がって学園が誇る上級生専用機コンビ『イージス』の二人も応援に来てくれたりした。(因みにその時は大負けしました)
相手メンバーの戦力を調べたり。そこから戦略パターンを更に練り上げ。準備を徹底した。
5対12という圧倒的な物量差に不安を感じることなく。僕達生徒会チーム5人は楯無さんに見送られてピットに向かっていた。
「よし、あれをするか!」
「あれって?」
「なんか……ほら、円陣組むとか……」
一夏君なりに考えてくれたんだろうからか、僕の緊張が解れた。
「あぁー確かに。それじゃやろっか」
「そうですね。」
「おーー!」
体格差もありながらも僕達は円陣を組み、顔を揃える。
「よし行くぞ………………IS学園生徒会!!!」
「「「「ファイヤーーーーー!!!!!」」」」
一夏君の気合い入れから始まり、皆の気持ちが一体化した瞬間だった。
が、その後ろに綾音が聞いていました!
「あ、綾音!!」
意外にも彼女の顔色的に待っていたというより偶然出くわしたように見えた。
「あ、あやねる居たんだー」
「本音言い方!」
「先行ってるぞ?」
「あまり遅れんなよ?」
「うん。」
廊下で一夏君達が先に行き、必然的に僕と綾音だけになる
「なーんだ!心配しなくて安心しました。」
「綾音大丈夫?何かされてない?」
「大丈夫ですよ。皆さんと一緒に行動してましたから」
「よかった。」
「非常食って言われた時は鈴さんがボコボコにしてましたね」
「ひどいけど酷くない…………えこれどんな感情?」
全然大丈夫じゃない……
当たり障りない話をかわす。
相変わらずに話してくれてありがとうね。
「綾音…ごめんね。」
「もうっ、悠さんって私に対して謝ってばっかですよ?もっとプラスに行きましょうよ」
「いや流石に……」
「それに顔に出てますよ?申し訳ないなって」
え?顔に出てた?指摘されちゃったな。あまり出さないようにしてたのに
「でも自分が悪いってあまり認められないですからね」
「よく分かってるなぁ。綾音って何なの?」
「悠さんに命を救われ、悠さんのことが好きになった人ですよ〜」
綾音の今までの儚そうな雰囲気が変わって何だか生き生きしていた。
一度覚醒したからなのか血が通ってるようで安心した。
「僕は君を巻き込んだあいつらが許せない。」
「はい。」
「でも僕は最初綾音とはいつも通りに接そうと考えてた。なのにあいつらはまた綾音の命を奪おうとした」
「はい。」
「綾音の待ってますからの返事、今は答えられない。」
「まぁ」
驚きがあったものの何かもう分かっていたかのような表情をしていた。
「あぁいやその別に綾音が嫌いって訳じゃ」
「流石に分かってますよ。今のままじゃまた狙われるかもしれないという配慮ですよね?」
怖い怖い怖い怖いこの人マジで怖いんだけど
「それと映像もあるんですよ」
「映像?」
綾音がスマホから映像が流れた。一夏君ヒロインズ達が一人ずつ応援メッセージを言い、最後は撮影者の綾音が締めるって言うものだった。
「だから勝ってください。悠さんの思い出を消す訳にはいきません。」
「あっ……綾音ぇ!!」
行く前だってのに泣き出してしまった、心療内科に今度行ってみようかなと思う。
「もし悠さんが学園から去っても私も後を追いますんで」
「え?」
「悠さん目的なの忘れちゃったんですか?。あなたのいない場所に私は価値を見出だせません」
「言うねぇ。」
鈴さんの言う通りすぎる。僕と同じぐらい天条綾音はメンタルが化け物らしい。
「負けられない理由を作ってくれてありがとうね。」
「こちらこそです」
「じゃ、僕行くね。」
「ご武運を」
その言葉を最後に僕と綾音は別れた。
この決戦でどうなるか分からないがこれだけは言える。
勝つよ。絶対