インフィニット・アマゾンズ   作:らんくらニキ

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第八十七話 大多数IS戦・後編

『古谷機 リミットダウン』

 

これで5機目。

 

再起不能状態で首元に大きな打撲痕ができた古谷は失神していた。

白目で口を半開きにし、ピクピクと痙攣している。

そんな彼女を見て心が一気に軽くなった。

怖い思いをした綾音の万分の一の痛みを感じれただろうか。

 

まぁどうでも良いけど

 

「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ…………アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒゴッ!!!ゴホッ!ゴホッオエェェェー!!!」

「悠お前まじか。」

「あっ」

 

仁さんにバッチリ見られてしまい僕は人の事が言えなくなってしまった。

 

「一線超えたとはいえ流石にやりすぎたら駄目だぞ?」

「すいません……」

 

説教中のところに雨霧が乗る打鉄と狭間田(はざまだ)(しおり)が乗るラファール

が突撃してきた。

 

「仁さんはあのラファール仕留めといてください」

「お前やっぱりおかしいぞ?」

「説教は後にしてください」

 

二手に分かれて僕は雨霧とやり合う事にした。

横から葵を振り回すのでこっちはアマゾンブレイドと双天牙月(連結モード)で対処する

 

「7機倒したけどどんな気持ちですかー?」

「あなた、何をしたの!?こんな連携!二、三回練習しただけで出来るものじゃないわよ!?」

「そんなもん。企画する前に何回もシミュレーションしたからに決まってるだろ!」

 

嘘だけど、バチクソにズルしまくったよ

 

双天牙月を投げ飛ばして怯ませたところで【穿千(うがち)】を模倣生成して高出力レーザーをマシンガンの速度で速射し続ける

 

本来なら蜂の巣で終わっていたが、雨霧は葵て全て切り伏せていた

 

「ほぇー結構粘ったね。あと因みに生徒会は結成当初から貴方達が何かするんじゃねないかな?ってマークしてたらしいぞ。それに限らず生徒会でチーム戦を想定しないわけないじゃん?ここ一週間でやったことなんて一夏君の零落白夜の精度上げぐらいさ」

 

嘘だよ。

 

「しかしそっちは結束もなにもあったもんじゃないよな?昨日の練習は身になりましたかー?」

「黙りなさいゴミの分際で!!まだこっちは7機もいる!12対5という絶対的数字の勝負!こちらが負ける道理なんてないのよ!」

 

7対5でもいまだに怒り続けられる雨霧だったがそんなもんは関係ない。

 

……12対5だったらな。

 

 

 

 

ーーー◇ーーー

 

 

 

 一週間前。

 

「「4対12のISバトルーー!?」」

「そんなでかい声ださないでください!」

 

IS学園史上最大のインパクトを残した演説の一日前。つまりフェンス落下事件と雨霧達が警告をしたあとに話し合った僕のプランにその場にいる全員が絶句、もとい驚愕をあらわにした。

 

そこから要点だけを纏めて説明したが、やはり反対意見は多かった。

 

「悠君がIS学園を抜けるというのは。学園側としても政府側としても痛手だし、2人は代表候補生になったばかりだから現状此処が一番あなたたち男性IS操縦者の身の安全を守れてるのよ。」

「トラブル続きだけどね~」

「本音、思っても言わない」

「楯無さんの言ってることはごもっともですがこれだけの条件を提示しなければ学園全体に生徒会がどれだけ本気なのかというのを理解させれません」

「だけどね………」

「策はあるんです。と言っても卑怯マシマシというか……」

 

ここでいう4人は一夏君を抜いた布仏姉妹と僕と仁さんである、

と言うのも一夏君の性格的にこんな卑怯な戦術、絶対否定するかもしれないからだ。

 

一夏君が切り札だがもし応じてくれなかった場合、僕がしようとしていたのだが………

 

「悠、その賭け俺も乗らせてくれ」

「一夏くん!?」

「はぇー……一夏がそう言うなんて珍しいな」

 

すると僕はシガレットを口に咥えてCV東〇宏樹のように話し始めた。

 

「一夏君、変わっちまったなぁ。どれぐらい変わったかっていうと清楚系巨乳幼馴染が間男の(放送規制)に(放送規制)されて間男の好みのギャルビッチに変わるぐらいだなぁ」

「おいそれアウトじゃねぇか!!」

 

彼氏持ちの虚さんはなんか狼狽始めたのはさておき。

 

「でも一夏君を外したのも理由があるのよね?」

「はい、今回の決闘は数は女性至上主義の会が有利で正攻法では勝てません!!」

「そりゃあねぇ。」

「そこで楯無さんのところに潜んでいた3人とアプローチとってきました」

「え」

 

楯無さんはどうやら更織の者を潜り込ませている事を話しておりその3人僕は直接コンタクトを取ってきた。

 

「ど、どうやったの?」

「変装して聞いてきました。」

 

スマホで見せた格好は黒い外套に帽子とだいぶ不審者な格好である。

 

「それで女性至上主義の会に属してるリストに更織の名前を聞きに行って1人発見したんで芋蔓式いもずるしきで3人とコンタクトしてスパイしてもらいました。」

「さ…流石ね」

 

そう、僕は短時間で女性至上主義の会にバレないように裏で暗躍しまくった。

 

「楯無さんの家の力を借りて内通者として使って八百長試合を確定させます。」

仁「悠お前ガチか」

 

大多数ISバトルの最大にして最悪の秘策。それが『スパイによる戦場の前提崩壊』だ。

 

「僕はここにきて色んな事を学びました。綺麗事の様な正攻法では何も守れません。そこで考えた作戦がこれです。」

「えぇっ……」

 

潔く言った事であののほほんさんすら目を見開いていた。

 

「楯無さんにそこんところ任せても良いですか」

「勿論よ悠君の頼みだもの。」

「ありがとうございます。」

 

すると仁さんが会話に割り込んだ。

 

「………成る程な、つまりお前が一夏を外した理由が一夏に汚れ仕事を背負わせたくなかったからか」

「はい。一夏君にはこんな卑怯なことは嫌いですからね」

「悠お前………」

 

一夏君は僕の肩に手を置いた。流石に怒られるかと思い身構えたが、全然違った。

 

「ありがとうな悠、俺のために考えてくれたんだろ?」

「うん。」

「それでも俺は悠の作戦に乗るさ!IS学園でお前と一緒に強くなるって約束したからな。悠が身体を張ったんだ。俺も協力する!」

「一夏君……!」

 

まさかの一夏君が男気を発揮してこの作戦に参加してくれた事により楯無さんは頭を抱え込んだ。

 

「でもどうしてそこまでするんだ?」

「決まってるでしょ。女性至上主義の会を叩き潰す為だよ。」

 

とまぁ本題はそうだけど実際は裏もある。

 

「僕達は雨霧さんの掌の上で足掻いていた。そして一度敗北した。あいつらは人の命なんてなんとも思ってもない。そんなのに慈悲をかけるなんて馬鹿馬鹿しい!だから今度は僕達があいつらを掌の上で転がすのさ」

「悠、お前」

 

一夏から見た悠の目は仁を思わせる様な目つきと威圧に圧倒された。

 

普段なら優しくも時々厳しい悠。だがその悠が結構真面目に叩き潰す為なら裏工作すら躊躇わない人物だと思い知らされる。

一夏は彼女達を最も怒らせてはいけない人を怒らせてしまったと思い、初めて恐怖を感じたのだった。

 

 

ーー♢ーー

 

 

最終的に一夏君は納得してくれた。

無駄に説得させるようなことなどせず。最後に一夏と会長の部屋に言ってお願いしてもらった。

一夏君は気持ちいいぐらい真っ直ぐな男だ。だから罪悪感はあった、正直で誠実なこの男に、卑怯で最低な片棒を担がせたことに。

 

結果。この試合は4+3VS9という構図になった。

 

更織の人達は学年ごとに手を合わせていた。

対暗部用暗部出身で明治からイタリアから日本に渡ってきたパープライ家出身で3年生の結城・コスモ・パープライ先輩。

 

僕が最初に倒した人だ。

最初に実力者の一角を落として精神的衝撃を与えるのが作戦の序章。

 

二年生はと言うと………

 

「ミサイルどかーん!」

「崩した!一夏くん!」

「二つでぇぇぇっ!!」

 

のほほんさんが炙り出し、虚さんが武器をバラしたノーガードの胴体に雪片弐型と雪羅の零落白夜二刀流をくらったほぼ満単だった二年生の打鉄が墜ちた。

 

支原(はせはら)機 リミットダウン』

 

ように見せかけてたった今落ちてくれた支原涼子さん。

的確に相手の逃げ道にたまたま居るようにボジショニングしてくれたため更にやり易くなった。

 

残る一年はボロボロ(のふりして)生存中。

 

残り一年生5人、二年生1人。

 

「あれ?あれれれれれ?6機目落ちたよ?(スパイ抜きでも)同数ならとっくに負けてるけどなんか言いたいことある?」

「黙れ卑怯者!なにをした!」

「さぁね。ぼくわかんない。悔しかったら証拠出せよ()()

 

一度言ってみたいセリフを言ってやった事により雨霧の顔が引き攣る

 

「そういえば雨霧さんの友達の狭間田さんどうしてんだろうね?」

「………栞に何かしたら殺すから!!」

 

雨霧にとって狭間田はキャノンボール・ファストの時のアマゾンパンデミックの際に友人が喰われた同士の仲であり、IS学園からアマゾンを追い出そうとする同志でもある

 

「まぁね。雨霧さんはメインディッシュだから。それじゃ」

 

僕はFK-3のスモッグ弾とライフル弾を撃ち込んで距離をとり、そのまま離れたのであった。

 

 

 

ーー♢ーー

 

 

 

「ハァッ!!!」

「チィッ!!」

 

狭間田のラファールと俺ことアルファの打鉄がぶつかり合っていた。

 

「だいたいあんたアマゾンの癖になんでIS動かしてんのよ!」

「そんなのズルしたに決まってるだろ。一応言っとくけど俺はマジで適正無いからな?」

 

狭間田は俺の言ってる事が納得いかないからか更にヒートアップし【ガルム】と呼ばれるアサルトライフルを撃ち続ける

肩のシールドで塞ぎ切ったお陰でこっちが狭間田の弾薬は尽きた。

 

「一つ聞きたい事がある。」

「何よ!」

「俺と轡木さんが花壇の水やりの最中に頭上から植木鉢が落とされたんだけど何か知らないか?」

「………っ!!」

 

顔色が変わった、どうやらドンピシャらしいな。

そりゃそうだアマゾンである俺を殺すために悠や一夏とは一線を越えた

嫌がらせなのだがもし轡木さんに当たったら学園長である奥さんが動くかもしれないからだ。

 

「お前だな?」

「………」

「もしそれが轡木さんに当たったらお前どうするつもりだったんだ?」

「………るさい」

「いくら女尊男卑社会でも女性であるIS学園学長が訴えてくるかもしれないんだぞ?なんでそんな自分が不利になるような……」

「五月蝿い五月蝿い!!男を傷つけて何が悪いのよ!大体あんたアマゾンを1匹残らず殺すとかクラスごとに言ってたくせになんで水澤悠を後回しにするのよ!あんな怪物がいるせいで皆が怯えてる!目的を聞いた時はIS学園の救世主と思っていたわ!」

 

あんなやつに救世主だと思われてたのマジで不名誉だし不愉快なんだが

 

「まぁ周りを見てみろよ。誰もお前を助けてくれないけどここで俺に勝てるって言う自信ある?」

「あるに………」

「あ?」

「決まってるじゃ無いの!!」

 

すると狭間田の右腕にガトリングとチェーンソーの特性を持つ複合兵装【ミトラィユーズ・トロソヌーズ】を呼び出し、俺を蜂の巣にする。

 

どうやら歴史的に滅茶苦茶古い物らしく、ISバトル黎明期の頃は今ではありえない搭乗者ごと半殺しにするというシールドバリアーや絶対防御を貫通する武器ばかりが作られた、その中には織斑千冬先生が扱う零落白夜も入っているそうだ。

 

「死ね死ね死ねぇ!!!」

「ぐっ……がはぁっ!!お前……そんな物騒……グハァッ!!」

 

ガトリング砲の複数の銃身を回転させる構造により、単銃身の機関砲をはるかに凌ぐ圧倒的な連射速度と、それに伴う高い持続火力により俺のSEが減り続ける

 

しかしこの武器の最大のメリットはオーバーヒートしたらチェーンソーで攻撃できるという勝利の流れがあっち側に向いてしまう

 

「あんた、人を殺さないんだって?」

「……あぁ。」

「鷹山さんがアマゾンを狩るのは、人を守るためだと言ってたわね!なら、あなたは人……いや、生徒すら殺せない……試合で私を殺せないだろぉ!!」

 

狭間田は俺の右肩関節からチェーンソーを押し当て、刃が回転すると同時に俺の身体から鮮血が舞い散る

 

「ぐあああああああ!!!!」

「あっはははは!!愉快!このままじゃ用務員活動も危ぶまれるわね!」

「お前………何か勘違いしてるな………ふふふっ……はははっ」

「あんたも笑うしか無いわね!!」

 

絶対防御すら貫通する回転する斬撃で傷口が抉られ続けるが俺は死なない

 

「俺はアマゾンという脅威を狩ってるだけ。つまりお前は脅威ダァァァッ!!!!」

『VIOLENT SLASH』

 

隙をついてミトラィユーズ・トロソヌーズごと右腕を切り飛ばした。

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

右腕断面から血飛沫が舞い、狭間田は女子が出していいのかわからないくらい声を上げて半狂乱に陥る

 

「言ったろ……お前は脅威なんだよ。これが………鷹山さんだぁ!!!」

 

俺は狭間田の飛んだ右腕を再びくっつけさせたあと、俺はこう呟く

 

「あと……お前の植木鉢を落とす一連の行動、榊原先生が……ぐっ……見てて写真撮ったらしいから裁判起こすってよ。」

「あっ……ああ……」

「あぁ……そうか、もう聞こえてねぇか。」

 

ラファールの電源を切り、上から落とした。

 

『狭間田機 リミットダウン』

 

こっちの傷もやばく、俺は七羽さんお手製の軟膏薬を傷口にべったりと塗った。搭乗者保護機能である程度抑えられてるから軟膏薬との相性は抜群だった。

 

 

ーー♢ーー

 

 

『狭間田機 リミットダウン』

「嘘……栞がやられた……?」

 

雨霧は腕を下ろして戦いの最中であるのにも関わらず呆然とした。

鷹山仁が確か相手にしていたと思い出し、あいつに狭間田に何かされたんじゃないかと恐怖した。

 

「私が………恐れた?………私が?」

 

見ると手が震えていた。狭間田の装備してる第二世代型武装【ミトラィユーズ・トロソヌーズ】という切り札を失い大ピンチになっていた。

 

上級生の実力者は残り二年生の1人。後はISを十数回乗った一年生だけ。

対する相手はワンオフ・アビリティー持ちの男と縦横無尽に戦場をかける男。そして、完全にノーマークだった布仏姉妹と用務員さん。

 

勝てるのかと自己嫌悪に陥る

 

「雨霧!何を止まってるの!斬られるぞ!」

「はっ!」

 

生き残った二年生が虚の相手をし、シールドの一部が剥がれて飛んだ。

目線の先にはやりすぎたのか教員が右上腕部が真っ赤に染まった狭間田を運んで行ったと同時にアルファがミトラィユーズ・トロソヌーズのガトリング弾で雨霧の妨害をする

 

「(栞がやられたのよ!ここで私が止まったら………)いや、止まるわけにはいかないのよ!!」

 

啖呵を切った雨霧はライフルを取り出して二年生に絡み付いてる虚先輩を狙って撃った。弾丸はシールドに当たっただけでダメージは与えれなかったが。引き離すことに成功した。

 

憎悪と拒否を瞳に宿して雨霧は吠えた。

 

「全員後退!密集してフォーメーションを整えるのよ!」

 

命令通り強引にアリーナの西方向に終結した六人。

 

「あれ、吹き返した?」

「どうする悠」

「こっちも集まって作戦会議するよ」

 

距離を離しすぎず、そして近すぎない距離を維持する。

 

「一夏君シールドどんぐらい?」

「丁度四割だ」

 

40%か……

繰り出す零落白夜が一発必中とは必ずしも言えず。たまに掠り弾に当たることもあって減ったものだが。

これは重畳。単純計算で12%につき1機×5機落としてくれたのはデカい

一機落とすのに息も絶え絶えになっていた時に比べれば、他三人のサポートを加味しても大躍進だ。

 

密集した5人は即興で作戦を考えているのだろう。

あちらが動き出す前にこちらもプランを選ばなければ。

 

「虚さん、のほほんさん!あれしますよ!」

「了解!」

「わかったー!」

 

のほほんさんの背中にある大型コンテナからミサイルが射出されるが実際は煙幕ミサイルであり、あたふたしてる雨霧達がなんか滑稽に見えてきた

 

オメガの掌から虚が持ってるのと同じグレネードランチャーを模倣生成して奴らに向けて撃ち込む。

 

のほほんさんも両手にグレネードランチャーを一丁ずつたずさえ、ノーコントロールで辺り一面に向けて乱射。

更に再装填された煙幕ミサイルが四方八方に散り。フィールドの大半が濃い灰色に覆われ、アリーナのシールドにぶつかって上昇することなくその場に滞留した。

 

「は、ハイパーセンサーが」

「赤外線!」

「駄目です!」

「サーモは!?」

「目の前オレンジだらけ!」

「なによそれ!?」

 

混乱してる混乱してる。

通信は聞こえないし、こっちもレーダー潰されてるけど手に取るように分かる。それだけの代物だ。

 

これ実はFK-3とSD-3のスモーク弾を改造してたくさん作った煙幕ミサイルなのだ!

 

それとこっちはISスキャナーによる共有映像でこっちは丸見えである

 

「あとは一夏君のシールドはどうしたら……」

「なら俺のシールドを使え。」

「って仁さん!」

 

右肩関節から赤い軟膏を塗りまくったアルファがやってきた

 

「俺ちょうどシールド80%あるから半分分けてやるよ」

「いやまだ取っといてください。のほほんさんは?」

「63%〜」

「なら一夏君に大半ぐらい譲渡しといて」

「らじゃー」

「何する気だ?」

「えぐい作戦する」

「??」

 

アルファは疑問に思い虚さんに顔を合わせるが納得するしかありませんとジェスチャーで伝えられて諦めた。

 

オメガ「人間爆弾のほほんさん作戦!」

一夏「大分えぐいなそれ」

のほほんさん「お姉ちゃん博士、お許しください」

「ええ、行きなさい。ってアウトアウト!」

 

こんな雑談混じりの作戦会議の最中、雨霧達はと言うと視界不良のなか絶えず鳴り響く激発音と衝突音、火花は確実に相手の精神を磨耗させていた。

アリーナの端に集まったことが仇となった。

なら弾丸を突っ切って煙幕を抜け出せばいい。

 

だがそれは出来ない。

 

何故なら煙を抜け出せばそこに一夏君の白式が待っているかもしれない。

撃破数の大半を零落白夜で落とされてるという事実は確実に彼女らの脳裏にありありと写し出されている。

動かないことが最善なのか、動くことが最善なのか。女性チームはそれが分からず。打鉄の防御力を盾にしてアリーナの端で縮こまっている。

 

もうそろそろかな?

 

「終わったよ〜みずさー」

「よし!行くよ!」

 

煙に紛れて、のほほんさんから一夏にコア・パイパスでエネルギーを譲渡していた。

一夏君と僕と仁さんが落ちる。男が負けるという構図は試合に勝ったとしても当初の目標のイメージに関わる。

 

量産機故に調整に時間がかかったが、そこは更識の整備担当。VTシステム暴走事件の際にシャルロットさんから一夏君にバイパスを行ったデータを参考に1日でこなしてくれた。

 

「いつでもいけるぜ~い」

「りょーかい。レーザー照射!」

 

先ほどのほほんさんのバススロットから借り受けた探知用レーザーユニットを照射する。

ISスキャナーにより即座にターゲットロックオンする

 

「ひっ!なに!?」

「レーザー?でもダメージはない」

「じゃあなんのため」

「こういうことで~す」

 

ボフッと煙から出てきたのは満面の笑みを浮かべるのほほんさんこと布仏本音。

至近距離で接近する際ハイパーセンサーが関知したが。それは震源近く地震速報並みに役に立たなかった

 

普段開かないのほほんさんの糸目が開いた。

三日月のような瞳は煙の中でもキラキラと光って見えた。

 

「おれをなめるなよなぐも〜!!(室◯)」

 

のほほんさんの打鉄のアンロックシールドと腰回りの装甲が裏返しになった。

そこには可愛らしい爆弾のマークのついた代物がミッチリと敷き詰めらていた。

 

「か、回避!」

 

もうそれは限界に膨らませた緊張に針を刺したようなものだった。

二年生が叫ぶ前にフォーメーションなんか知らないとばかりに四方八方に動いた。

二年生も少しでも離れようと動こうとした。

 

「いぃっ!?」

 

だが移動しようとした二年生は背後で涙目になっている一年生に背中からぶつけられ体制が崩れた。

 

「ご、ごめんなさい!」

「お、お前ぇぇーー!!?」

 

まあスパイの一人なんですけどね。

流石裏家業の人。ナイス演技。

 

「ぼかーーーん!!」

 

のほほんさんの身体を張った人間爆弾ならぬIS爆弾、点火。

煙を吹き飛ばし、アリーナに紅蓮の華が咲いた。

 

『布仏本音機 リミットダウン』

『ミリシア機 リミットダウン』

『レザノフ機 リミットダウン』

 

やったぜ!!

あ、因みにナタリア・レザノフさんという一年生の人、ご協力いただきありがとうございます。

レザノフさんが協力してくれたのは更織の所に彼氏さんがいるのに女尊男卑役をしてくれてたので彼氏さんとの遊園地のチケット2枚僕が支払って仕送りました⭐︎

楯無さんってロシアとの繋がりあったんだー初耳〜

 

「う、嘘、唯一の一年が!」

「行くか!」

「いや待て一夏、俺がやる」

 

零落白夜を発動しようと乗り気の一夏君だったがアルファに止められる

 

「た、たかじん!あれやろ〜!」

「………本気でやるのかよ」

 

動かなくなったのほほんさんの背中の大型コンテナ。それをアルファの背中に移植するとそのコンテナはバンッ!とパージされ左右対称の大型ミサイルパッケージが露見する

 

はぁ……言うしかないのか対高速機動IS用迎撃パッケージ【打鉄・パンツァーフィスト】!!!!」

 

その姿は飛ぶ弾薬庫であり、ゴツゴツとした重量感に残った4人は恐怖する

 

「派手に吹き飛べぇぇ!!」

 

ズドドドドドドドド!!!と無数の追尾ミサイルが雨霧以外の3人に着弾しまくり一気にリミットダウンした

 

『菅野機 リミットダウン』

『スミノルノ機 リミットダウン』

『カテリーナ機 リミットダウン』

 

仁さん結構ノリノリでやってくれてるの笑うんだけど。

 

「嘘………一気に3人ともやるなんて………!」

「残り一機。言ったでしょ?メインディッシュは残すって」

「………」

 

こっちはほぼ五体満足のアクセラオメガと白式・雪羅。そして70%の虚さんの打鉄・鉄風とアルファの打鉄

 

戦力差は歴然。雨霧から見たらこれほど無理ゲーでクソゲーなことはないだろう。

 

連携練度の差。味方にはスパイが潜り込み。そして数の有利に慢心した結果がこのザマだ。

ホームかと思ったらアウェーだった戦場。そんなことも知らずに雨霧は意気揚々にこの戦場に赴いたのだ。

 

「なぁ雨霧。確かに僕はアマゾンと言う名前の怪物だ。本来の僕は翠色の棘が生えたオオトカゲのような怪物。でもこの人間の姿とドライバーで変身して誤魔化してんだよ。だけど一夏君や生徒会の人達やクラスメイトは僕を受け入れてくれるんだよ。」

 

すると一夏君も身を乗り出す

 

「悠から聞いたんだけどさ、雨霧さんってアマゾンに友人を喰われたんだろ?」

「…………」

「だけど同じアマゾンだからって悠に八つ当たりすんな!!」

 

あまり怒らない性格の一夏君だけど今まで溜め込んでた感情が爆発し激怒した。

 

「一夏君チェンジで」

「ああ。」

「こんな誰も得しない争いを僕は終わらせる。」

 

アマゾンズドライバーにある左ハンドルのアクセラーグリップを捻るとアームカッターが肥大化する

 

『VIOLENT PUNISH』

「ふざけるなあああああああ!!」

 

雨霧はヤケクソで僕に【葵】を振り翳し、二、三回ぐらい避けた後、葵の刀身を切断し、ミラージュ・デ・デザートよろしくのように虚さんにチェンジし残った武装も分解する

 

雪片弐型を振りかぶる一夏君に対して武装をバラされた雨霧がオーバー気味に避けたところを瞬時加速とバイオレントストライクの強化蹴りを腹にぶちこんで地面に落とした。

 

「勝ったな。」

「うん。」

 

一夏君と何故か考えてた事が一致しており僕は内心ウッキウキだった。

こっから福音かリリーシャ・シーカライヒみたいにびっくりびっくりBINBIN!な第二次形態移行(セカンド・シフト)しないかぎり雨霧に逆転の目はない。

かわいそうなぐらいない。かわいそうなんて僕の中の僕もそう思わないけど

 

僕はドライバーからアマゾンサイズを引き抜き、雨霧に迫る。

アマゾンサイズは死神の鎌というより草刈り用の鎌であり、一点集中の貫通力を誇る斬るというか刺すのに使う。

 

「そんな顔しないでよ。躊躇っちゃうじゃん」

 

今まで殺すのに躊躇ってたのにこいつに関しては殺して良いやという感情があった。そりゃそうだ。僕に濃硫酸を仕込んだスープジャーを僕に渡し、一夏君や僕に嫌がらせを行い、挙げ句の果てには綾音を巻き込み綾音を自らアマゾンの餌になりたいと懇願してる哀れな女と侮辱した女尊男卑の思想を持った女性至上主義の会のリーダー。

 

もうここまで役満ロイヤルストレートフラッシュが揃っちゃってると仁さんには悪いけどやるしか無いよね( ◜ᴗ◝)

 

瞬時加速してそのスピードで叩き刺すつもりだった。

 

 

「(!……何か不味い!)悠!!」

「仁さん?」

 

 

 

 

 

バギャァァァァン!! 

ズドオオオオオンッッ!!!! 

 

何かが割れた音と何かが墜落した音と衝撃がアリーナを揺らしに揺らした。

 

危ねぇ仁さんの呼びかけなかったらペシャンコになってたかも

しかも文字通り間の悪いことに僕と雨霧の間に綺麗に落ちてくれた。

 

「な、なに!?なになに!?」

 

隕石でも落ちたのか?いやそんなわけ無い!

遮断シールドをガラスに投げた石のように突き抜けてきた代物は不透明な土煙に紛れて詳細が見えない。

 

『ALERT!ALERT!』

「警告!?」

『前方にIS出現、搭乗者反応、無し。』

「ISだって?」

 

僕はこれどこかで見た気がするんだけどなんかモヤモヤしていた。

 

「悠大丈夫か!?」

「一夏君!あの中にISがいる!!」

「なんだって!?」

「こっちも反応が出たわ。これってもしかして………」 

「ああ、そうかもな。」

 

側に降りてきた一夏君と虚さんとアルファこと仁さん

 

丁度土煙が晴れると。

その中にいたのは黒色一色の物体。いや、この場合はISOだった。

 

黒色のISは畳んでいた手足を折り紙を解くように開いていく。

 

「おいおいマジかよ……」

 

そのISは両腕は明らかに異形と思えるぐらい太ましく。両腕一個ずつ装着されている巨大ブレード。手のひらには銃口と思われるものが一門。

胴体はアンバランスとも言えるぐらい細身で女性的な体つき、だがそう呼ぶには武骨すぎるシルエットと、人が入ってるのかと疑いたくなるぐらい細すぎる腰部分と球状の頭部には一本のブレードアンテナ。中央のモノアイが忙しなく不気味に動き、こっちを見て光った。

 

「こ、こいつ僕達の事を見てる……!」

「なんだと!?」

「あの時のやつらしいな……」

 

クラス対抗戦の時に出てきた無人機だと一夏君と仁さんは思っていた事が確信に変わって一致し、身構えていたが、向こうにいる雨霧が突然笑い声をあげた。

 

「アハハハハ!来てくれた!助けが来てくれた!」

「なんだ?ついにとち狂ったか?」

「そりゃあ仁さんあんなにやったらこうなりますよ」

 

雨霧の奇声に反応するように無人機ISが雨霧に振り向いた。

 

「見たか!世界はいつでも女性の味方なの!!搾取される側は大人しく搾取されればいい!怪物は愚かに死んでいーーー」

 

『命令受諾。排除行動に移行』

 

無人機ISの砲口が雨霧をロックした。

 

「ーーーけ?」

 

砲口からビームが連射された。

 

「ごぽっばはっ!?」

 

撃たれることを微塵にも思ってなかった雨霧は断末魔を上げながらビームの雨に埋もれ、アリーナの端に弾き飛ばれていった。

 

『雨霧機 リミットダウン』 

 

アルファ「どうやら雨霧の味方というわけではないらしい」

 

『試合終了。勝者!生徒会チーム!』

 

プログラム通りに組まれた電子音声が空気を読まずに試合終了のアナウンスを知らせる

普通なら勝利を喜ぶか笑うところなんだろうけど。目の前の存在故にシリアスは崩せないようだ。

 

オメガ「そして僕達の味方でもないらしい」

 

雨霧を始末した無人機ISはこちらに大型ブレードの一振を向け、戦意十分とモノアイを輝かせた。

 

そして異様なことに。こんな非常事態にも関わらず観客席の緊急シャッターが降りていない。

 

『未確認ISの識別信号受諾。名称『ゴーレムⅡ』』

 

ゴーレムⅡ………その名前は以前のゴーレムⅠを思い出させた

 

「おいおい………俺はアマゾン退治を専門にしてるわけでゴーレム退治は専門外だぞ。」

「「「それ今言っちゃうんですか?!」」」

『ウォォォォォォォン!!』

 

アルファの軽口に対してツッコミを入れる3人と雄叫びで答える未確認ISことゴーレムⅡ。

 

本来終わる予定のはずだった大多数IS戦が想定外のラウンド2が始まろうとしていた。

 

 

 




今回途中で結構グロいシーンが出てきたと思います。
鷹山仁のゴーレム戦はこれで二回目です。果たしてどうやって攻略するのでしょうか。
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