インフィニット・アマゾンズ   作:らんくらニキ

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第八十七話 大多数IS戦・中編

『古谷機 リミットダウン』

 

これで5機目。

 

再起不能状態で首元に大きな打撲痕ができた古谷は失神していた。

白目で口を半開きにし、ピクピクと痙攣している。

そんな彼女を見て心が一気に軽くなった。

怖い思いをした綾音の万分の一の痛みを感じれただろうか。

 

まぁどうでも良いけど

 

「ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ…………アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒゴッ!!!ゴホッ!ゴホッオエェェェー!!!」

「悠お前まじか。」

「あっ」

 

仁さんにバッチリ見られてしまい僕は人の事が言えなくなってしまった。

 

「一線超えたとはいえ流石にやりすぎたら駄目だぞ?」

「すいません……」

 

説教中のところに雨霧が乗る打鉄と狭間田(はざまだ)(しおり)が乗るラファール

が突撃してきた。

 

「仁さんはあのラファール仕留めといてください」

「お前やっぱりおかしいぞ?」

「説教は後にしてください」

 

二手に分かれて僕は雨霧とやり合う事にした。

横から葵を振り回すのでこっちはアマゾンブレイドと双天牙月(連結モード)で対処する

 

「7機倒したけどどんな気持ちですかー?」

「あなた、何をしたの!?こんな連携!二、三回練習しただけで出来るものじゃないわよ!?」

「そんなもん。企画する前に何回もシミュレーションしたからに決まってるだろ!」

 

嘘だけど、バチクソにズルしまくったよ

 

双天牙月を投げ飛ばして怯ませたところで【穿千(うがち)】を模倣生成して高出力レーザーをマシンガンの速度で速射し続ける

 

本来なら蜂の巣で終わっていたが、雨霧は葵て全て切り伏せていた

 

「ほぇー結構粘ったね。あと因みに生徒会は結成当初から貴方達が何かするんじゃねないかな?ってマークしてたらしいぞ。それに限らず生徒会でチーム戦を想定しないわけないじゃん?ここ一週間でやったことなんて一夏君の零落白夜の精度上げぐらいさ」

 

嘘だよ。

 

「しかしそっちは結束もなにもあったもんじゃないよな?昨日の練習は身になりましたかー?」

「黙りなさいゴミの分際で!!まだこっちは7機もいる!12対5という絶対的数字の勝負!こちらが負ける道理なんてないのよ!」

 

7対5でもいまだに怒り続けられる雨霧だったがそんなもんは関係ない。

 

……12対5だったらな。

 

 

 

 

ーーー◇ーーー

 

 

 

 一週間前。

 

「「4対12のISバトルーー!?」」

「そんなでかい声ださないでください!」

 

IS学園史上最大のインパクトを残した演説の一日前。つまりフェンス落下事件と雨霧達が警告をしたあとに話し合った僕のプランにその場にいる全員が絶句、もとい驚愕をあらわにした。

 

そこから要点だけを纏めて説明したが、やはり反対意見は多かった。

 

「悠君がIS学園を抜けるというのは。学園側としても政府側としても痛手だし、2人は代表候補生になったばかりだから現状此処が一番あなたたち男性IS操縦者の身の安全を守れてるのよ。」

「トラブル続きだけどね~」

「本音、思っても言わない」

「楯無さんの言ってることはごもっともですがこれだけの条件を提示しなければ学園全体に生徒会がどれだけ本気なのかというのを理解させれません」

「だけどね………」

「策はあるんです。と言っても卑怯マシマシというか……」

 

ここでいう4人は一夏君を抜いた布仏姉妹と僕と仁さんである、

と言うのも一夏君の性格的にこんな卑怯な戦術、絶対否定するかもしれないからだ。

 

一夏君が切り札だがもし応じてくれなかった場合、僕がしようとしていたのだが………

 

「悠、その賭け俺も乗らせてくれ」

「一夏くん!?」

「はぇー……一夏がそう言うなんて珍しいな」

 

すると僕はシガレットを口に咥えてCV東〇宏樹のように話し始めた。

 

「一夏君、変わっちまったなぁ。どれぐらい変わったかっていうと清楚系巨乳幼馴染が間男の(放送規制)に(放送規制)されて間男の好みのギャルビッチに変わるぐらいだなぁ」

「おいそれアウトじゃねぇか!!」

 

彼氏持ちの虚さんはなんか狼狽始めたのはさておき。

 

「でも一夏君を外したのも理由があるのよね?」

「はい、今回の決闘は数は女性至上主義の会が有利で正攻法では勝てません!!」

「そりゃあねぇ。」

「そこで楯無さんのところに潜んでいた3人とアプローチとってきました」

「え」

 

楯無さんはどうやら更織の者を潜り込ませている事を話しておりその3人僕は直接コンタクトを取ってきた。

 

「ど、どうやったの?」

「変装して聞いてきました。」

 

スマホで見せた格好は黒い外套に帽子とだいぶ不審者な格好である。

 

「それで女性至上主義の会に属してるリストに更織の名前を聞きに行って1人発見したんで芋蔓式いもずるしきで3人とコンタクトしてスパイしてもらいました。」

「さ…流石ね」

 

そう、僕は短時間で女性至上主義の会にバレないように裏で暗躍しまくった。

 

「楯無さんの家の力を借りて内通者として使って八百長試合を確定させます。」

仁「悠お前ガチか」

 

大多数ISバトルの最大にして最悪の秘策。それが『スパイによる戦場の前提崩壊』だ。

 

「僕はここにきて色んな事を学びました。綺麗事の様な正攻法では何も守れません。そこで考えた作戦がこれです。」

「えぇっ……」

 

潔く言った事であののほほんさんすら目を見開いていた。

 

「楯無さんにそこんところ任せても良いですか」

「勿論よ悠君の頼みだもの。」

「ありがとうございます。」

 

すると仁さんが会話に割り込んだ。

 

「………成る程な、つまりお前が一夏を外した理由が一夏に汚れ仕事を背負わせたくなかったからか」

「はい。一夏君にはこんな卑怯なことは嫌いですからね」

「悠お前………」

 

一夏君は僕の肩に手を置いた。流石に怒られるかと思い身構えたが、全然違った。

 

「ありがとうな悠、俺のために考えてくれたんだろ?」

「うん。」

「それでも俺は悠の作戦に乗るさ!IS学園でお前と一緒に強くなるって約束したからな。悠が身体を張ったんだ。俺も協力する!」

「一夏君……!」

 

まさかの一夏君が男気を発揮してこの作戦に参加してくれた事により楯無さんは頭を抱え込んだ。

 

「でもどうしてそこまでするんだ?」

「決まってるでしょ。女性至上主義の会を叩き潰す為だよ。」

 

とまぁ本題はそうだけど実際は裏もある。

 

「僕達は雨霧さんの掌の上で足掻いていた。そして一度敗北した。あいつらは人の命なんてなんとも思ってもない。そんなのに慈悲をかけるなんて馬鹿馬鹿しい!だから今度は僕達があいつらを掌の上で転がすのさ」

「悠、お前」

 

一夏から見た悠の目は仁を思わせる様な目つきと威圧に圧倒された。

 

普段なら優しくも時々厳しい悠。だがその悠が結構真面目に叩き潰す為なら裏工作すら躊躇わない人物だと思い知らされる。

一夏は彼女達を最も怒らせてはいけない人を怒らせてしまったと思い、初めて恐怖を感じたのだった。

 

追記、作戦を決めた後仁は自身のパートナーである(いずみ)七羽(ななは)に連絡をとって退職するかもしれないと言ったらガミガミ言われたらしい

それで一夏と楯無は仁がヒモニートと呼ばれた理由がわかったらしい

 

 

ーー♢ーー

 

 

最終的に一夏君は納得してくれた。

無駄に説得させるようなことなどせず。最後に一夏と会長の部屋に言ってお願いしてもらった。

一夏君は気持ちいいぐらい真っ直ぐな男だ。だから罪悪感はあった、正直で誠実なこの男に、卑怯で最低な片棒を担がせたことに。

 

結果。この試合は4+3VS9という構図になった。

 

更織の人達は学年ごとに手を合わせていた。

対暗部用暗部出身で明治からイタリアから日本に渡ってきたパープライ家出身で3年生の結城・コスモ・パープライ先輩。

 

僕が最初に倒した人だ。

最初に実力者の一角を落として精神的衝撃を与えるのが作戦の序章。

 

二年生はと言うと………

 

「ミサイルどかーん!」

「崩した!一夏くん!」

「二つでぇぇぇっ!!」

 

のほほんさんが炙り出し、虚さんが武器をバラしたノーガードの胴体に雪片弐型と雪羅の零落白夜二刀流をくらったほぼ満単だった二年生の打鉄が墜ちた。

 

支原(はせはら)機 リミットダウン』

 

ように見せかけてたった今落ちてくれた支原涼子さん。

的確に相手の逃げ道にたまたま居るようにボジショニングしてくれたため更にやり易くなった。

 

残る一年はボロボロ(のふりして)生存中。

 

残り一年生5人、二年生1人。

 

「あれ?あれれれれれ?6機目落ちたよ?(スパイ抜きでも)同数ならとっくに負けてるけどなんか言いたいことある?」

「黙れ卑怯者!なにをした!」

「さぁね。ぼくわかんない。悔しかったら証拠出せよ()()

 

一度言ってみたいセリフを言ってやった事により雨霧の顔が引き攣る

 

「そういえば雨霧さんの友達の狭間田さんどうしてんだろうね?」

「………栞に何かしたら殺すから!!」

 

雨霧にとって狭間田はキャノンボール・ファストの時のアマゾンパンデミックの際に友人が喰われた同士の仲であり、IS学園からアマゾンを追い出そうとする同志でもある

 

「まぁね。雨霧さんはメインディッシュだから。それじゃ」

 

僕はFK-3のスモッグ弾とライフル弾を撃ち込んで距離をとり、そのまま離れたのであった。

 

 

 

ーー♢ーー

 

 

 

「ハァッ!!!」

「チィッ!!」

 

狭間田のラファールと俺ことアルファの打鉄がぶつかり合っていた。

 

「だいたいあんたアマゾンの癖になんでIS動かしてんのよ!」

「そんなのズルしたに決まってるだろ。一応言っとくけど俺はマジで適正無いからな?」

 

狭間田は俺の言ってる事が納得いかないからか更にヒートアップし【ガルム】と呼ばれるアサルトライフルを撃ち続ける

肩のシールドで塞ぎ切ったお陰でこっちが狭間田の弾薬は尽きた。

 

「一つ聞きたい事がある。」

「何よ!」

「俺と轡木さんが花壇の水やりの最中に頭上から植木鉢が落とされたんだけど何か知らないか?」

「………っ!!」

 

顔色が変わった、どうやらドンピシャらしいな。

そりゃそうだアマゾンである俺を殺すために悠や一夏とは一線を越えた

嫌がらせなのだがもし轡木さんに当たったら学園長である奥さんが動くかもしれないからだ。

 

「お前だな?」

「………」

「もしそれが轡木さんに当たったらお前どうするつもりだったんだ?」

「………るさい」

「いくら女尊男卑社会でも女性であるIS学園学長が訴えてくるかもしれないんだぞ?なんでそんな自分が不利になるような……」

「五月蝿い五月蝿い!!男を傷つけて何が悪いのよ!大体あんたアマゾンを1匹残らず殺すとかクラスごとに言ってたくせになんで水澤悠を後回しにするのよ!あんな怪物がいるせいで皆が怯えてる!目的を聞いた時はIS学園の救世主と思っていたわ!」

 

あんなやつに救世主だと思われてたのマジで不名誉だし不愉快なんだが

 

「まぁ周りを見てみろよ。誰もお前を助けてくれないけどここで俺に勝てるって言う自信ある?」

「あるに………」

「あ?」

「決まってるじゃ無いの!!」

 

すると狭間田の右腕にガトリングとチェーンソーの特性を持つ複合兵装【ミトラィユーズ・トロソヌーズ】を呼び出し、俺を蜂の巣にする。

 

どうやら歴史的に滅茶苦茶古い物らしく、ISバトル黎明期の頃は今ではありえない搭乗者ごと半殺しにするというシールドバリアーや絶対防御を貫通する武器ばかりが作られた、その中には織斑千冬先生が扱う零落白夜も入っているそうだ。

 

「死ね死ね死ねぇ!!!」

「ぐっ……がはぁっ!!お前……そんな物騒……グハァッ!!」

 

ガトリング砲の複数の銃身を回転させる構造により、単銃身の機関砲をはるかに凌ぐ圧倒的な連射速度と、それに伴う高い持続火力により俺のSEが減り続ける

 

しかしこの武器の最大のメリットはオーバーヒートしたらチェーンソーで攻撃できるという勝利の流れがあっち側に向いてしまう

 

「あんた、人を殺さないんだって?」

「……あぁ。」

「鷹山さんがアマゾンを狩るのは、人を守るためだと言ってたわね!なら、あなたは人……いや、生徒すら殺せない……試合で私を殺せないだろぉ!!」

 

狭間田は俺の右肩関節からチェーンソーを押し当て、刃が回転すると同時に俺の身体から鮮血が舞い散る

 

「ぐあああああああ!!!!」

「あっはははは!!愉快!このままじゃ用務員活動も危ぶまれるわね!」

「お前………何か勘違いしてるな………ふふふっ……はははっ」

「あんたも笑うしか無いわね!!」

 

絶対防御すら貫通する回転する斬撃で傷口が抉られ続けるが俺は死なない

 

「俺はアマゾンという脅威を狩ってるだけ。つまりお前は脅威ダァァァッ!!!!」

『VIOLENT SLASH』

 

隙をついてミトラィユーズ・トロソヌーズごと右腕を切り飛ばした。

 

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

右腕断面から血飛沫が舞い、狭間田は女子が出していいのかわからないくらい声を上げて半狂乱に陥る

 

「言ったろ……お前は脅威なんだよ。これが………鷹山さんだぁ!!!」

 

俺は狭間田の飛んだ右腕を再びくっつけさせたあと、俺はこう呟く

 

「あと……お前の植木鉢を落とす一連の行動、榊原先生が……ぐっ……見てて写真撮ったらしいから裁判起こすってよ。」

「あっ……ああ……」

「あぁ……そうか、もう聞こえてねぇか。」

 

ラファールの電源を切り、上から落とした。

 

『狭間田機 リミットダウン』

 

こっちの傷もやばく、俺は七羽さんお手製の軟膏薬を傷口にべったりと塗った。搭乗者保護機能である程度抑えられてるから軟膏薬との相性は抜群だった。

 

 

ーー♢ーー

 

 

 

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