インフィニット・アマゾンズ   作:らんくらニキ

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長いんで分けました!!


第八十八話 大多数IS戦・後編

『狭間田機 リミットダウン』

「嘘……栞がやられた……?」

 

雨霧は腕を下ろして戦いの最中であるのにも関わらず呆然とした。

鷹山仁が確か相手にしていたと思い出し、あいつに狭間田に何かされたんじゃないかと恐怖した。

 

「私が………恐れた?………私が?」

 

見ると手が震えていた。狭間田の装備してる第二世代型武装【ミトラィユーズ・トロソヌーズ】という切り札を失い大ピンチになっていた。

 

上級生の実力者は残り二年生の1人。後はISを十数回乗った一年生だけ。

対する相手はワンオフ・アビリティー持ちの男と縦横無尽に戦場をかける男。そして、完全にノーマークだった布仏姉妹と用務員さん。

 

勝てるのかと自己嫌悪に陥る

 

「雨霧!何を止まってるの!斬られるぞ!」

「はっ!」

 

生き残った二年生が虚の相手をし、シールドの一部が剥がれて飛んだ。

目線の先にはやりすぎたのか教員が右上腕部が真っ赤に染まった狭間田を運んで行ったと同時にアルファがミトラィユーズ・トロソヌーズのガトリング弾で雨霧の妨害をする

 

「(栞がやられたのよ!ここで私が止まったら………)いや、止まるわけにはいかないのよ!!」

 

啖呵を切った雨霧はライフルを取り出して二年生に絡み付いてる虚先輩を狙って撃った。弾丸はシールドに当たっただけでダメージは与えれなかったが。引き離すことに成功した。

 

憎悪と拒否を瞳に宿して雨霧は吠えた。

 

「全員後退!密集してフォーメーションを整えるのよ!」

 

命令通り強引にアリーナの西方向に終結した六人。

 

「あれ、吹き返した?」

「どうする悠」

「こっちも集まって作戦会議するよ」

 

距離を離しすぎず、そして近すぎない距離を維持する。

 

「一夏君シールドどんぐらい?」

「丁度四割だ」

 

40%か……

繰り出す零落白夜が一発必中とは必ずしも言えず。たまに掠り弾に当たることもあって減ったものだが。

これは重畳。単純計算で12%につき1機×5機落としてくれたのはデカい

一機落とすのに息も絶え絶えになっていた時に比べれば、他三人のサポートを加味しても大躍進だ。

 

密集した5人は即興で作戦を考えているのだろう。

あちらが動き出す前にこちらもプランを選ばなければ。

 

「虚さん、のほほんさん!あれしますよ!」

「了解!」

「わかったー!」

 

のほほんさんの背中にある大型コンテナからミサイルが射出されるが実際は煙幕ミサイルであり、あたふたしてる雨霧達がなんか滑稽に見えてきた

 

オメガの掌から虚が持ってるのと同じグレネードランチャーを模倣生成して奴らに向けて撃ち込む。

 

のほほんさんも両手にグレネードランチャーを一丁ずつたずさえ、ノーコントロールで辺り一面に向けて乱射。

更に再装填された煙幕ミサイルが四方八方に散り。フィールドの大半が濃い灰色に覆われ、アリーナのシールドにぶつかって上昇することなくその場に滞留した。

 

「は、ハイパーセンサーが」

「赤外線!」

「駄目です!」

「サーモは!?」

「目の前オレンジだらけ!」

「なによそれ!?」

 

混乱してる混乱してる。

通信は聞こえないし、こっちもレーダー潰されてるけど手に取るように分かる。それだけの代物だ。

 

これ実はFK-3とSD-3のスモーク弾を改造してたくさん作った煙幕ミサイルなのだ!

 

それとこっちはISスキャナーによる共有映像でこっちは丸見えである

 

「あとは一夏君のシールドはどうしたら……」

「なら俺のシールドを使え。」

「って仁さん!」

 

右肩関節から赤い軟膏を塗りまくったアルファがやってきた

 

「俺ちょうどシールド80%あるから半分分けてやるよ」

「いやまだ取っといてください。のほほんさんは?」

「63%〜」

「なら一夏君に大半ぐらい譲渡しといて」

「らじゃー」

「何する気だ?」

「えぐい作戦する」

「??」

 

アルファは疑問に思い虚さんに顔を合わせるが納得するしかありませんとジェスチャーで伝えられて諦めた。

 

オメガ「人間爆弾のほほんさん作戦!」

一夏「大分えぐいなそれ」

のほほんさん「お姉ちゃん博士、お許しください」

「ええ、行きなさい。ってアウトアウト!」

 

こんな雑談混じりの作戦会議の最中、雨霧達はと言うと視界不良のなか絶えず鳴り響く激発音と衝突音、火花は確実に相手の精神を磨耗させていた。

アリーナの端に集まったことが仇となった。

なら弾丸を突っ切って煙幕を抜け出せばいい。

 

だがそれは出来ない。

 

何故なら煙を抜け出せばそこに一夏君の白式が待っているかもしれない。

撃破数の大半を零落白夜で落とされてるという事実は確実に彼女らの脳裏にありありと写し出されている。

動かないことが最善なのか、動くことが最善なのか。女性チームはそれが分からず。打鉄の防御力を盾にしてアリーナの端で縮こまっている。

 

もうそろそろかな?

 

「終わったよ〜みずさー」

「よし!行くよ!」

 

煙に紛れて、のほほんさんから一夏にコア・パイパスでエネルギーを譲渡していた。

一夏君と僕と仁さんが落ちる。男が負けるという構図は試合に勝ったとしても当初の目標のイメージに関わる。

 

量産機故に調整に時間がかかったが、そこは更識の整備担当。VTシステム暴走事件の際にシャルロットさんから一夏君にバイパスを行ったデータを参考に1日でこなしてくれた。

 

「いつでもいけるぜ~い」

「りょーかい。レーザー照射!」

 

先ほどのほほんさんのバススロットから借り受けた探知用レーザーユニットを照射する。

ISスキャナーにより即座にターゲットロックオンする

 

「ひっ!なに!?」

「レーザー?でもダメージはない」

「じゃあなんのため」

「こういうことで~す」

 

ボフッと煙から出てきたのは満面の笑みを浮かべるのほほんさんこと布仏本音。

至近距離で接近する際ハイパーセンサーが関知したが。それは震源近く地震速報並みに役に立たなかった

 

普段開かないのほほんさんの糸目が開いた。

三日月のような瞳は煙の中でもキラキラと光って見えた。

 

「おれをなめるなよなぐも〜!!(室◯)」

 

のほほんさんの打鉄のアンロックシールドと腰回りの装甲が裏返しになった。

そこには可愛らしい爆弾のマークのついた代物がミッチリと敷き詰めらていた。

 

「か、回避!」

 

もうそれは限界に膨らませた緊張に針を刺したようなものだった。

二年生が叫ぶ前にフォーメーションなんか知らないとばかりに四方八方に動いた。

二年生も少しでも離れようと動こうとした。

 

「いぃっ!?」

 

だが移動しようとした二年生は背後で涙目になっている一年生に背中からぶつけられ体制が崩れた。

 

「ご、ごめんなさい!」

「お、お前ぇぇーー!!?」

 

まあスパイの一人なんですけどね。

流石裏家業の人。ナイス演技。

 

「ぼかーーーん!!」

 

のほほんさんの身体を張った人間爆弾ならぬIS爆弾、点火。

煙を吹き飛ばし、アリーナに紅蓮の華が咲いた。

 

『布仏本音機 リミットダウン』

『ミリシア機 リミットダウン』

『レザノフ機 リミットダウン』

 

やったぜ!!

あ、因みにナタリア・レザノフさんという一年生の人、ご協力いただきありがとうございます。

レザノフさんが協力してくれたのは更織の所に彼氏さんがいるのに女尊男卑役をしてくれてたので彼氏さんとの遊園地のチケット2枚僕が支払って仕送りました⭐︎

楯無さんってロシアとの繋がりあったんだー初耳〜

 

「う、嘘、唯一の一年が!」

「行くか!」

「いや待て一夏、俺がやる」

 

零落白夜を発動しようと乗り気の一夏君だったがアルファに止められる

 

「た、たかじん!あれやろ〜!」

「………本気でやるのかよ」

 

動かなくなったのほほんさんの背中の大型コンテナ。それをアルファの背中に移植するとそのコンテナはバンッ!とパージされ左右対称の大型ミサイルパッケージが露見する

 

はぁ……言うしかないのか対高速機動IS用迎撃パッケージ【打鉄・パンツァーフィスト】!!!!」

 

その姿は飛ぶ弾薬庫であり、ゴツゴツとした重量感に残った4人は恐怖する

 

「派手に吹き飛べぇぇ!!」

 

ズドドドドドドドド!!!と無数の追尾ミサイルが雨霧以外の3人に着弾しまくり一気にリミットダウンした

 

『菅野機 リミットダウン』

『スミノルノ機 リミットダウン』

『カテリーナ機 リミットダウン』

 

仁さん結構ノリノリでやってくれてるの笑うんだけど。

 

「嘘………一気に3人ともやるなんて………!」

「残り一機。言ったでしょ?メインディッシュは残すって」

「………」

 

こっちはほぼ五体満足のアクセラオメガと白式・雪羅。そして70%の虚さんの打鉄・鉄風とアルファの打鉄

 

戦力差は歴然。雨霧から見たらこれほど無理ゲーでクソゲーなことはないだろう。

 

連携練度の差。味方にはスパイが潜り込み。そして数の有利に慢心した結果がこのザマだ。

ホームかと思ったらアウェーだった戦場。そんなことも知らずに雨霧は意気揚々にこの戦場に赴いたのだ。

 

「なぁ雨霧。確かに僕はアマゾンと言う名前の怪物だ。本来の僕は翠色の棘が生えたオオトカゲのような怪物。でもこの人間の姿とドライバーで変身して誤魔化してんだよ。だけど一夏君や生徒会の人達やクラスメイトは僕を受け入れてくれるんだよ。」

 

すると一夏君も身を乗り出す

 

「悠から聞いたんだけどさ、雨霧さんってアマゾンに友人を喰われたんだろ?」

「…………」

「だけど同じアマゾンだからって悠に八つ当たりすんな!!」

 

あまり怒らない性格の一夏君だけど今まで溜め込んでた感情が爆発し激怒した。

 

「一夏君チェンジで」

「ああ。」

「こんな誰も得しない争いを僕は終わらせる。」

 

アマゾンズドライバーにある左ハンドルのアクセラーグリップを捻るとアームカッターが肥大化する

 

『VIOLENT PUNISH』

「ふざけるなあああああああ!!」

 

雨霧はヤケクソで僕に【葵】を振り翳し、二、三回ぐらい避けた後、葵の刀身を切断し、ミラージュ・デ・デザートよろしくのように虚さんにチェンジし残った武装も分解する

 

雪片弐型を振りかぶる一夏君に対して武装をバラされた雨霧がオーバー気味に避けたところを瞬時加速とバイオレントストライクの強化蹴りを腹にぶちこんで地面に落とした。

 

「勝ったな。」

「うん。」

 

一夏君と何故か考えてた事が一致しており僕は内心ウッキウキだった。

こっから福音かリリーシャ・シーカライヒみたいにびっくりびっくりBINBIN!な第二次形態移行(セカンド・シフト)しないかぎり雨霧に逆転の目はない。

かわいそうなぐらいない。かわいそうなんて僕の中の僕もそう思わないけど

 

僕はドライバーからアマゾンサイズを引き抜き、雨霧に迫る。

アマゾンサイズは死神の鎌というより草刈り用の鎌であり、一点集中の貫通力を誇る斬るというか刺すのに使う。

 

「そんな顔しないでよ。躊躇っちゃうじゃん」

 

今まで殺すのに躊躇ってたのにこいつに関しては殺して良いやという感情があった。そりゃそうだ。僕に濃硫酸を仕込んだスープジャーを僕に渡し、一夏君や僕に嫌がらせを行い、挙げ句の果てには綾音を巻き込み綾音を自らアマゾンの餌になりたいと懇願してる哀れな女と侮辱した女尊男卑の思想を持った女性至上主義の会のリーダー。

 

もうここまで役満ロイヤルストレートフラッシュが揃っちゃってると仁さんには悪いけどやるしか無いよね( ◜ᴗ◝)

 

瞬時加速してそのスピードで叩き刺すつもりだった。

 

 

「(!……何か不味い!)悠!!」

「仁さん?」

 

 

 

 

 

バギャァァァァン!! 

ズドオオオオオンッッ!!!! 

 

何かが割れた音と何かが墜落した音と衝撃がアリーナを揺らしに揺らした。

 

危ねぇ仁さんの呼びかけなかったらペシャンコになってたかも

しかも文字通り間の悪いことに僕と雨霧の間に綺麗に落ちてくれた。

 

「な、なに!?なになに!?」

 

隕石でも落ちたのか?いやそんなわけ無い!

遮断シールドをガラスに投げた石のように突き抜けてきた代物は不透明な土煙に紛れて詳細が見えない。

 

『ALERT!ALERT!』

「警告!?」

『前方にIS出現、搭乗者反応、無し。』

「ISだって?」

 

僕はこれどこかで見た気がするんだけどなんかモヤモヤしていた。

 

「悠大丈夫か!?」

「一夏君!あの中にISがいる!!」

「なんだって!?」

「こっちも反応が出たわ。これってもしかして………」 

「ああ、そうかもな。」

 

側に降りてきた一夏君と虚さんとアルファこと仁さん

 

丁度土煙が晴れると。

その中にいたのは黒色一色の物体。いや、この場合はISOだった。

 

黒色のISは畳んでいた手足を折り紙を解くように開いていく。

 

「おいおいマジかよ……」

 

そのISは両腕は明らかに異形と思えるぐらい太ましく。両腕一個ずつ装着されている巨大ブレード。手のひらには銃口と思われるものが一門。

胴体はアンバランスとも言えるぐらい細身で女性的な体つき、だがそう呼ぶには武骨すぎるシルエットと、人が入ってるのかと疑いたくなるぐらい細すぎる腰部分と球状の頭部には一本のブレードアンテナ。中央のモノアイが忙しなく不気味に動き、こっちを見て光った。

 

「こ、こいつ僕達の事を見てる……!」

「なんだと!?」

「あの時のやつらしいな……」

 

クラス対抗戦の時に出てきた無人機だと一夏君と仁さんは思っていた事が確信に変わって一致し、身構えていたが、向こうにいる雨霧が突然笑い声をあげた。

 

「アハハハハ!来てくれた!助けが来てくれた!」

「なんだ?ついにとち狂ったか?」

「そりゃあ仁さんあんなにやったらこうなりますよ」

 

雨霧の奇声に反応するように無人機ISが雨霧に振り向いた。

 

「見たか!世界はいつでも女性の味方なの!!搾取される側は大人しく搾取されればいい!怪物は愚かに死んでいーーー」

 

『命令受諾。排除行動に移行』

 

無人機ISの砲口が雨霧をロックした。

 

「ーーーけ?」

 

砲口からビームが連射された。

 

「ごぽっばはっ!?」

 

撃たれることを微塵にも思ってなかった雨霧は断末魔を上げながらビームの雨に埋もれ、アリーナの端に弾き飛ばれていった。

 

『雨霧機 リミットダウン』 

 

アルファ「どうやら雨霧の味方というわけではないらしい」

 

『試合終了。勝者!生徒会チーム!』

 

プログラム通りに組まれた電子音声が空気を読まずに試合終了のアナウンスを知らせる

普通なら勝利を喜ぶか笑うところなんだろうけど。目の前の存在故にシリアスは崩せないようだ。

 

オメガ「そして僕達の味方でもないらしい」

 

雨霧を始末した無人機ISはこちらに大型ブレードの一振を向け、戦意十分とモノアイを輝かせた。

 

そして異様なことに。こんな非常事態にも関わらず観客席の緊急シャッターが降りていない。

 

『未確認ISの識別信号受諾。名称『ゴーレムⅡ』』

 

ゴーレムⅡ………その名前は以前のゴーレムⅠを思い出させた

 

「おいおい………俺はアマゾン退治を専門にしてるわけでゴーレム退治は専門外だぞ。」

「「「それ今言っちゃうんですか?!」」」

『ウォォォォォォォン!!』

 

アルファの軽口に対してツッコミを入れる3人と雄叫びで答える未確認ISことゴーレムⅡ。

 

本来終わる予定のはずだった大多数IS戦が想定外のラウンド2が始まろうとしていた。

 




今回途中で結構グロいシーンが出てきたと思います。
鷹山仁のゴーレム戦はこれで二回目です。果たしてどうやって攻略するのでしょうか。
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