インフィニット・アマゾンズ   作:らんくらニキ

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最近右の鼻の穴から鼻血が出やすいのはなぁぜなぁぜ?


第八十九話 ゴーレム・セカンド/アルファ・オーバードライブ

オペレータールームに警告音が一瞬で響き渡る。

 

「セキュリティシステム、ファイアウォール共に突破されました!それと同時にシステムが再構成され、こちらのアクセスを受け付けません!」

「カウンタープログラムは」

「全て効果無しです」

「はぁーー」

 

アリーナのオペレータールームで観戦していた千冬は何だよもうまたかよ宜しく今月最大のタメ息を吐いた。

こちらが幾ら防壁を強化しようと対策を講じようと相手は積み木の城を蹴り飛ばすかのように無に返してくる。

それがわかっていても対策を講じなければならない。警備責任者としてのメンツをこれ程疎ましく思ったことはなかった。

 

気持ちを切り替えた千冬は突如現れた乱入者の姿を見て普段鋭い目を三割増しにして舌を打った。

 

今回の試合は学園の在り方を変える絶好の機会。勝負は終わったような物だが、漁夫の利を奪われたという感覚が奥歯に挟まってきた。

 

(奴にとってそんなのお構いなしか)

 

あの乱入者の出所。もとい開発者に向かって心中で吐露する。

 

「アリーナの状況は」

「シールドレベル5。観客席の生徒も避難できない状態です!通信もジャミングがかけられ、専用機持ち。並びに戦闘教員との連絡も取れません!」

「恐らく援軍を寄越さないための措置だな。まったく、こちらの手段を的確に潰してくれる」

 

アリーナ内には既にリミットダウンしてるISが13機。戦えるのが4機。

鷹山仁が居ても戦力的には申し分ないが………

 

「織斑先生。正体不明ISの解析が完了しました」

「どうだ?」

「はい。形状は大きく違いますが、前回のクラス対抗戦で出てきたISの類似系統と考えて間違いなさそうです」

「生体反応は」

「反応無しです。つまり……」

「無人機だな。」

 

だがそれが分かったところで今の自分たちに出来ることは限られている。

 

「山田先生。急いで通信の復旧を」

「了解しました」

 

だが今は出来ることをする。

決して手を止めない。

それがせめてもの抵抗だ。

 

 

 

ーーー◇ーーー

 

 

 

 

「来るぞ!」

「ていうか僕からきた!」

 

スラスターから火を吹かして巨大なブレードを斬りかかるゴーレムⅡ。

そのスピードは通常の白式・雪羅に匹敵していた。

 

「速いっ!」

 

ノックバックの勢いで距離を取るが相手の速さがそれを許さず射程距離を一定に保っている

正確無比な斬撃は確実にこちらの命を捕るような動きに見える。

無機質な殺意。表現するならアマゾンシグマを思い出させる。

 

「虚さん。のほほんさんと一緒にそこら辺に転がってる奴らを待避させてください!」

「わかったわ。本音」

「はーい、今起きまーす」

 

のほほんさんが緊急用にプログラムされた解除プログラムを使って打鉄をアンリミテッドモードに移行して動けるようにする。

虚さんとともに女性至上主義の会の面々を安全な場所まで退避させる。

 

色々規定破りな荒業だが非常時なので大丈夫。いざとなったら楯無さんがなんとかしてくれる。

 

「3対1か………来な」

 

アルファがゴーレムⅡに挑発を掛け、ゴーレムⅡは一直線にアルファを潰すように行く

 

2本のブレードをアルファはいなしていく……いやいなせてない!むしろなんかダメージ負ってるんだけど

 

「仁さん!」

 

僕はすかさずバトラーグリップを引き抜き、アマゾンウィップを生成。鞭がゴーレムⅡの首に巻き付いたと同時に僕の脚部から固定アンカーで地面を固定する

 

『VIOLENT BREAK』

「二人とも今だ!」

 

ゴーレムⅡを左右から挟むように二人が攻撃する

 

『VIOLENT SLASH』

「オラァッ!!」

「ハァッ!!」

 

接触の一秒前に零落白夜発動し、アルファのアクセラーグリップによる強化攻撃と一夏君の黄金の刃が背後から斬りにいく。

 

しかしゴーレムⅡは胴体から上だけを回転して一夏を吹き飛ばし、アルファの腹部に横一文字の切り傷を負う

 

「くそっ…‥痛てぇなこれ」

 

更に斬撃と同時に掌のビーム砲を乗せてきた。頭上数ミリを熱線がかすった。

 

「うおっと危ないっ!?斬るのと同時に撃つなんて器用だな!」

「箒さんの空裂みたい」

 

しかしゴーレムⅡは以上にフレキシブルであり首が一回転して僕の方に向いたと同時、掌からサブマニピュレーターが出てきて巻き付けたアマゾンウィップを引っ張ってそのまま僕の方へ引き寄せる。

 

(あー……武器離しとけば良かった)

「っ!まずい悠!!」

 

するとゴーレムⅡが駒のように回転しながらビームを撒き散らしてきやがった。

人間花火とか洒落にならない。

 

これ当たったらやばいと感じ、僕は即座にバックブーストし、一旦距離を取る

 

「やっぱり前のやつより人間離れしてない??」

「だろうな、おそらくだが以前一夏と鈴を襲った奴は砲撃戦特化型で遠距離タイプだが今回は違う。」

 

無人機が開発されるという事は女性が必要なくなるとかいう最悪の事態。

あり得ない話だが、あり得なくはない。どっかの人が言ってた『いずれ人間は要らなくなりAIが支配する』のと同じだ。

 

「そう言えば一夏君。織斑先生とは通信取れる?」

「駄目だ。アリーナの外とまったく連絡が取れない」

アルファ「十中八九あいつの仕業だな」

一夏「だから先ずはあいつをぶっ壊さねえといけないって訳か…」

 

しかし止まらないんだけどあの人間花火。独楽のように回転しながらこっちに来てるし。

 

「ならここは僕が!」

 

奴の動きを止めるため高電圧炸裂弾をFK-3に装填し撃ち込んだ

ゴーレムⅡのブレードに電圧を吸収された。

 

「吸収しやがった!」

「いや、まだまだやるのみ!」

 

僕はありったけの力をかき集め甲龍の龍砲、レーゲンのレールカノン、両腕に紅椿の穿千(うがち)を模倣生成し、一斉射撃を行う。

 

しかし全て吸収されるので全て無駄な行為となった。

 

ここに来て分かったのはエネルギーやビーム系の攻撃を吸収する事。つまりあの時一夏君を弾き飛ばし、仁さんにダメージを負わせたのも雪片弍型や実物兵装だからであり直接ダメージを受けてしまうからだ。

 

さっき全て無駄になったとか言ってたけどレールカノンだけはダメージが通っており、一度レールカノンだけ絞って再び撃ち込むとゴーレムⅡは避けるが着弾すると確実にダメージが通る

 

僕は即座にそのことを伝え、一夏君には荷電粒子砲を撃ってもらい囮になってもらう。仁さんには僕がダメージ与えた後の追い打ち要員

 

「(追い詰めた!)ハァァァッ!!!」

 

懐付近に近づけた!よし!そのままアマゾンブレイドで切り付けてやる!

 

『VIOLENT BREAK』

「ヴェアアアアア!!」

 

アマゾンブレイドを突き刺そうとした瞬間、ゴーレムⅡの胸部装甲が開き、明らかにキャノンっぽいものを覗かせる。

 

あ、それ明らかにヤバいやつ。

 

視界が真っ白に染まった。

 

 

 

ーーー◇ーーー

 

 

 

 

「ちょっとあれってもしかして!」

「一夏達が言ってた無人機?」

「ああ、私とセシリアもこれを見たことがある!」

「皆さん落ち着いて!慌てずにゆっくりと行動を!」

 

ゴーレムⅡの襲撃に会場は浮き足だつ観客席。

何度目の非常事態だと嘆くか叫びたくなるがそんなことは考える余裕もなく。皆が出口に駆け込んでいく。

 

「通信はジャミングがかけられてます。ど、どうすれば?」

「どうするって」

「それは………」

 

織斑先生からの指令がない以上無闇に動けない。

専用機持ちが案を絞り出すなか。ダメ押しに生徒の悲鳴………というより怒声が飛んできた。

 

「なんだよぉぉぉ!!もぉぉぉ!!やっぱり出口のシャッター閉められてるぅ!!」

「もう廃止しろよ出口のシャッター!!」

「だから言ったのよあいつらが疫病神…」

「「「お前は黙ってろぉっ!今それどころじゃねぇんだぁっっ!!」」」

 

シャッターを蹴っていた女子がこれ幸いと避難してきた女子にバイオレントストライクを決めてボコボコにした。因みにやったのは水澤悠ファンクラブ会員の3人である(詳しくは学園祭編の三十二話をご覧ください)

 

今年でトラブル件数は合計3回(1年生は4回)。

IS学園の生徒は段々と仕上がっている………気もしなくもない。

 

特にやばいのは水澤悠ファンクラブ会員の3人が女尊男卑の女子生徒達を袋叩きしており、周りのみんなはなんか受け入れちゃってる。

 

とまぁ数分したら引き剥がされたけど

 

箒「先ずは生徒の避難が最優先しよう。隔壁ならISで破壊できる」

綾音「え、いいんですか!?」

鈴「無問題。ほら行くわよ!」

 

各々がISを展開。避難口で密集している生徒に離れるように注意する。

 

「ほら、行きますわよ」

「腕怪我してても行けるんですね」

 

よく考えたらセシリアは腕の怪我、綾音はISすらないと言う

 

「は、悠さん……?!」

「え……?」

「ほら二人とも何やって……………え?」

 

綾音は悲鳴をあげ、セシリアはアリーナの光景に目を離せずにいた

他の専用機持ちもその光に目が潰れかける

 

そう、オメガとアクセラオメガはゴーレムⅡから発した光に包まれて………

 

 

 

ーーー◇ーーー

 

 

 

「うおおおおさせるかぁぁぁー!!」

「うわったぉっ!?」

 

 

光に飲み込まれた瞬間に一夏君が横からダイビングレスキュー。シールドは減ったが継続ダメージは避けれた。

 

マジで一夏君MVPすぎる

 

「た、助かった。」

「また光に飲み込まれるかと思った。」

 

あの時みたいに胸部エネルギー砲をアマゾンスピアで潰しとけばよかった。

 

「なら遠距離から月穿で……」

「ダメだ!あいつエネルギーを吸収して一気に放出する!」

「んじゃもうダメじゃねーか!」

 

いや、勝算はあるっちゃあるんだけど自信がなさすぎる

 

救助に回っている二人が狙われないのはおそらく僕か一夏君を殺害するためか、確実に潰しに来てる。

 

と言うかこれ何故有人機で行かないのか知らずにいた

そもそも無人機IS=女性を必要としないISの存在は女尊男卑主義者にとってはとても都合が悪く不利なもの。

女尊男卑主義者どもはISは女性だから扱える。女性にしかISは動かせない、だから自分たち女は偉い、ヒエラルキーの頂点は自分たちにある。というスタンスで行っている。

言ってみれば、無人でプログラムとAI、又は遠隔操作で操れるであろう無人ISは女尊男卑主義者にとって数少ない男性IS操縦者以上の驚異と言える。

 

こんな泥試合誰が納得いくんだ。僕もこっちは燃料切れ(空腹)で変身解除しそうなんだよ

 

「さっきから零落白夜を当てようとしてるけど。あいつ、零落白夜を発動してきた時の動きのキレが鋭くて胴体に当てれない」

「まじで?」

 

そう。一夏が零落白夜を展開するときゴーレムⅡはものすごいキレのある動きでよけるかブレードでいなしてくる。

まるであの時の銀の福音のように零落白夜を明らかに警戒してる動きだ。

 

「平然とブレードで受けてるからな。対光学兵器素材かアンチビームコーティングなのかも」

「やっぱり完全に対僕達仕様のISって訳か」

「ああ」

 

その証拠に、僕と一夏君はあいつにダメージを与えられていない。

それに先程の多対戦に神経をすり減らしている。対して無人機は生き物じゃないから疲労なんか感じない。

4対1はなんとかなった。けど今は仁さんダメージやばいしこっちも持たなそうだ

 

つまり……

 

 

「負け……るのか?僕達が………」

「悠……?」

「いや、もうこれ僕達の敗北かもしれないね」

「何言ってんだよ……おい!」

 

すると一夏君は衝動的に僕の胸ぐらを掴んでいた。

 

「この件は先生にまかせるしかない。そこで僕達は教師陣が来るまで足止めを…………………」

 

だが一人諦めない人がいた。仁さんだ。

 

「弱気になってんじゃねぇぞ悠……!!」

「仁さん………」

 

アルファはおぼつかない足取りで虚さんから借りてきた蜂鳥を二刀流で持ってきてた

 

「何が守りたいものを守るだ。守る人がこんな弱気になってんじゃねーぞ」

「鷹山さん………」

 

僕は何故かムカついてきた。ここまできて言われるのはもう辞めだ。

 

仁「それにな…………皆んなが見てるんだよ」

「「………あ。」」

 

観客席にいる一夏ヒロインズと綾音と目があった瞬間通信が回復したからか二人のチャットに一斉に話しかけられる

 

「一夏!悠!!お前達何故ここで弱気になっている!!」

「ほんっとうに情け無いですわ!」

「ささっとあんなISボコボコにしちゃいなさいよ!」

「もう二度と話聞かないよ?」

「嫁としての意地を見せろ!」

 

もはや罵倒ともしか言いようがないセリフだが、綾音のラストのセリフで僕の心に火がついた

 

 

「絶対勝ってください………悠さんっ!!」

「…………!!あぁ!」

 

 

 

完全復活。ここまできたらやり切るしかない!

 

「仁さん!一夏君!僕の言った通りにしてください!」

「なんだ?」

「それは……──」

「…………分かった!」

「やるしかねぇな!」

 

吸収するのをなんとかしないとこっちがやられると確信し、僕達は実行に移す

 

「初手は僕達だ!!」

 

撹乱するために縦横無尽に飛び回り、アルファのある準備を整わせる

 

ISと強制リンクしたアルファはアクセラーグリップを捻るとリミッターが解除できるのだ

 

「ハァッ!!」

 

僕はFK-3から高電圧炸裂弾を撃つ…………それをゴーレムは吸収しようとするがこれはブラフであり実際はボルテックカートリッジによる電撃特性を取得したスナイパー弾である。

 

「更にっ!!」

『VIOLENT BREAK』

 

そして重ね合わせるかの様にアマゾンスピアを投擲し、そのまま電撃弾丸に当たって加速し、ゴーレムⅡの胸部装甲が貫通し穴が空いた

 

『警告 胸部ユニット貫通』

「仁さん!!」

「あぁ!!」

 

アルファが打鉄のリミッターを解除し、アマゾンズドライバーとアクセラーグリップを段階ごとに捻る

 

『オーバードライブ』

 

一回

 

『オーバーブレイク』

 

二回

 

『オーバーストライク』

 

三回アクセラーグリップを捻ったことにより打鉄が見たことないぐらい赤熱化しておりアルファの緑色の複眼が発光する

 

『OVER LIMIT VIOLENT BREAK』

「これでもくらえええええっ!!!!!」

 

蜂鳥による二刀流でゴーレムⅡの両腕の武装を分解して通り過ぎる。では何故虚以外扱うのは不可能とも言われたあの武器を使えたのかと言うと

 

ISスキャナーから送られてくるゴーレムⅡの解析図を見てどこをどう分解できるか即座に理解したからである

 

「後は…………頼んだ……」

 

『鷹山機 リミットダウン』

 

アルファの打鉄はもう使いものにならなくなり、そのまま緊急墜落システムでなんとか生き延びた。

 

そのまま畳み掛けるかの様に一夏君が零落白夜で何もできない様に両腕を斬り落とす

 

「一夏君!!」

「任せろっ!!」

『VIOLENT PUNISH』

 

僕がゴーレムⅡの首元にアームカッターを突き刺したと同時に一夏君も雪片二型で首を当てる

 

「ゔおおおおおらああああああああ!!!」

「はああああああああああああっ!!!!」

 

そのまま力尽くで思いっきり切り抜けると、ゴーレムⅡの頭は黒ひげ危機一発の様に頭が飛び、機能停止した。

 

「はぁ………はぁ…………」

「やっと………勝てた……!!」

 

 

 

あの後仁さんを運ぶのにまた苦労した僕達だった……

 




最後の倒し方はアマゾンズseason2に出てきたバラアマゾンオマージュです。
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