インフィニット・アマゾンズ   作:らんくらニキ

94 / 94
第九十一話 亡霊ノ魔剣

 

中期クラス対抗戦当日。

 

第三アリーナで準決勝第一試合が行われていた。

 

「流石ね!」

「こっちこそ!!」

 

アマゾンオメガの状態でも近接格闘はさらに磨きがかかっておりサラ・アインズのメテオブレイクも負けずと拳で殴り続ける

 

「ならこれでも喰らいなさい!」

「何っ!?」

 

サラは僕より上へ飛翔したかに覚えたが,翼から生成される拳型の空気弾と殴るモーションに入った

その姿はさながら禪院甚壱だった

 

「させるかっ!!」

『VIOLENT BREAK』

 

すかさずアマゾンウィップを引き抜き、サラ先輩の首元に巻き付けてそのまま引っ張る

 

「ってしまっ……!!」

「おらああああっ!!」

『VIOLENT STRIKE』

 

引き寄せたと同時にドロップキックを決めるが足を掴まれた。そしてSD-3を速射する。

 

「こんなピストル弾でやられるほど柔じゃないんでね!」

「それならっ!」

 

高速切替(ラビット・スイッチ)宜しくの如くFK-3に切り替え、弾丸を受けまくってシールドを全部削った

 

『7組、サラ・アインズ リミットダウン 勝者 1組、水澤悠!』

 

勝者を知らせるアナウンスと共に会場が沸き上がった。一部残念がるエリアがあるが、勝負なのだから仕方ない。

 

「いやぁ水澤君強いねぇ。流石専用機持ちというか」

「サラさんも流石ですよ。それに専用機なんか無くても強い人は強いよ。楯無さんとか」

「あれと比べられてもね。よいっしょ」

 

仰向けに倒れたサラさんを起こした。

 

「頑張ってね、応援してる」

「ありがとう。期待に添えれるよう頑張るよ」

 

最後にマニピュレーター越しに握手して、試合が終了した。

 

 

 

 

 

 

「準決勝突破おめでとう悠君!」

「ありがとうございます!」

 

ピットに戻ると楯無さんが居た。

扇子をヒラヒラしながらふにゃっと笑う楯無さんを見ると、なんというか実家の安心感がある。

一夏君は楯無さんと会うと「何かされるのではないか」と緊張で身構えるらしい。なんか分かる気がする

 

因みに僕は絶賛栄養補給中です。

模倣生成無しの戦いも十分と磨き上げており武器なんて要らないかもって思ったけど近接だけじゃ締められるのでそう言う考えは諦めた

 

「それにしても悠君、なんか活き活きしてるわね」

「そうですか?」

「来た時よりも十分と立ち回れてるし引き寄せてからのコンボは爽快よ。」

 

アマゾンウィップで引き寄せてからの攻撃キャンセルコンボは相手の技量に依存するが決まったらマジで楽しい

 

「て言うか楯無さん,なんで初っ端から雨霧さんをぶつけなかったんですか」

「そんなこと言われてもねー。契約書書いた後に緊急でトーナメント表作ったんだししょうがないでしょ」

「だからって決勝戦まで引き伸ばさなくても良かったんじゃ………」

「あのねぇ、元はと言えば襲撃事件以降開催するのに躊躇ってた中期クラス対抗戦を君が無理やり予定に当てはめたんだからね??」

「すいませんでした」

 

マジでそうだったの忘れてた。

クラス代表が一時的に特例で変更された翌日の朝に張り出されたトーナメント表。それはまあ酷いもので。

雨霧さんは決勝戦に行くまでかち合うことはなく。しかも雨霧さんの準決勝の相手がまさかの鈴さんという。雨霧さんが決勝行く前に終わってしまうんじゃないかと少し不安になる。

 

鈴さんなんか「悪いわね。綾音と悠をいじめたあいつはあたしがぶちのめすから」と、戦意充分の様子でした。

 

まぁ鈴さんなら負けるわけないか。あの人普通に強いし。ってあれ?僕しれっと悪口言った?

 

「雨霧さんはもう二回戦突破したらしいわ。八百長かもしれないけど違和感があるのよね」

「……ですよね。」

 

今日まで僕は皆と一緒に最終調整を完了させた為自信はあったんだが……

 

「楯無さんの言う通り思いっきり動いて来ましたね」

「ええ。まさか代表候補生になって専用機を持ってくるなんてね」

 

そう。まさかのまさか。雨霧さんはこの一週間の間で日本の代表候補生になった。

雨霧さんは随分前から代表候補生の適正試験を受けていたらしく、晴れて適正が通って代表候補生になったという。それに付属する形で専用機も受領したらしい。

 

というのが公的な資料による情報だが。

更識サーチによるとブラックよりのグレーらしく。この申請には女性権利団体、つまり雨霧さんの母親が納める組織が見え隠れしてるという。

 

「暮桜タイプの正統進化ISである黒桜(くろざくら)、第三世代機よ」

「かっこいい名前してますね」

「操縦者がアレなせいでちょっと霞むけど」

 

黒桜は以前ロールアウトの延期してもらった新型IS黒鉄のワンオフ機であり,日本代表来栖曄の右腕でもある楠咲心葉が使用する白鉄より性能は上

 

黒桜の外見はまんま打鉄と白式と暮桜をそれぞれ取ったようなデザイン黒と赤のツートンカラーでデザインもかっこいい筈なんだけど心無しか()()()のせいで霞んでしまう

 

「黒桜は陸宗(みちむね)傘下が開発したからな。」

「って光琉!貴方いつそこにいたのよ」

「なら黒桜がどんな性能してるか知ってるんですよね?」

「まぁな。元日本代表の織斑先生のISを誰でも動かせると言うコンセプトの元に作られた機体だが,雪片や織斑(弟)の白式の雪片弐型のような装甲展開によるギミックは無く,エネルギーを消費して近接ブレード【鉄切】に零落白夜もどきを纏わせてシールドを一気に削る事を可能にした機体である。」

「つまりあれ?禪◯扇の焦眉之赳みたいな感じですか?」

「………まぁそんな感じだ。」

 

陸宗さん意外と解説上手いんですね。あと困惑させてすいませんでした。

 

「でも雨霧さんにそれを扱えるだけの技量があるとは思えないですけどね。一回戦も多分八百長かもしれません」

「まあね。でも次は鈴ちゃんよ。もう八百長は通じないはず。いま戦ってるけど、見に行く?」

「もう終わってる頃でしょう。鈴さんが負けるとは思えないんですけど。あ、ちょっと失礼」

 

スマホの画面を見ると綾音からだ。

 

「もしもしーどうしたの?」

『悠さん大変です……』

「え、何かあった?」

『鈴さんが……敗退しました………』

「は???え???まじ???」

『マジです!』

 

『準決勝、第2試合終了。勝者、雨霧沙苗。決勝進出です』

 

ピットのモニターのトーナメント表が動いた。

凰鈴音のネームが暗くなり、雨霧沙苗のネームが線にそって上に上がった。

 

 

 

 

 

 

「鈴さん!!」

「あ、悠。と生徒会長……と誰!?」

「綾音の従姉妹だ」

 

第4アリーナのピットに行くと、いつもの面子と。今まで見た事ないぐらい憔悴してる鈴さんの姿があった。

 

「何があったの?」

「何って負けたのよ。完膚なきまでに」

 

ぐっと唇を噛む鈴さん。拳も爪が食い込むほど握られ、鈴さんの心情が痛いほど伝わってきた。

 

「綾音から見て雨霧さんどうだったの?」

「最初の中距離戦は鈴さんの衝撃砲で優位に取れてたんですけど近距離に持ち込んだ途端。鈴さんが一方的に」

「ますます不可解ね。幾ら専用機が近距離戦仕様とはいえ、一夏くんや悠くんと対等にやりあえる鈴ちゃんがそんな……」

 

楯無さんの言うとおり。鈴さんのインファイト能力は専用機持ちの中で僕と並ぶくらいトップクラスだ。

その鈴さんが負けた事実に僕は納得が行かなかった

 

『まもなく、第一アリーナで決勝戦を開始します。出場者は準備をお願い致します』

「行ってくる」

「気を付けて」

「うん。」

 

みんなに行ってくると綾音に目配せした後僕はすぐさまビットから出た

 

「ごめんね綾音。悠との仇取れなくて」

「り、鈴さん??」

 

鈴と綾音だけになったポツリと呟いた

 

「あたしね……ここに来て一夏と喧嘩したのよ、その時に悠はあたしの話を聞いてくれたりとかしてくれたのよ。」

「はい。」

「悠は一夏とレベルが違うぐらい酷い目にあって来たのよ。そこであたし、綾音と悠に酷い目に合わせて、指示を出したアイツを叩き潰すつもりだった。けど結果は惨敗………自分が惨めで泣きそうよ」

「鈴さん…………」

 

鈴は泣きそうになっており、普段強気な彼女が流した涙を綾音はつられそうになる

 

しかし綾音はそこで泣く女ではなかった。ハンカチを取り出して鈴の涙を拭った後,鈴を抱きしめる

 

「あ、綾音……」

「鈴さんはよく頑張りました、あとは悠さんに任せるのみです。鈴さんの

行動は決して無駄にはしません。」

「……………ありがとう。落ち着いたわ」

 

抱きしめるのをやめると綾音は時計を見て焦る

 

「あ!もう始まっちゃいますし行きましょう!」

「ちょっ、待って!先に着替えさして!?」

「あ、ごめんなさい」

 

 

 

ーーー◇ーーー

 

 

 

 

「悠!!」

 

 

振り返るとまさかのシャルロットさんが息切れしながらもやって来た

 

「どうしたのいきなり」

「最後な最後で……皆と見送る事できなくてごめん」

「いいよ別に。どうせ雨霧さんは僕がけちょんけちょんにしてやるから!」

 

けちょんけちょんというフレーズを僕の口から出るなんて思ってなかったらしく、シャルロットさんは笑いを堪えた。

 

「ならいいや。絶対勝ってよ!」

「任せんしゃい。」

 

そう言い残して僕はアクセラオメガに乗り込みそのままゲートへと向かう

道中でネオアマゾンズドライバーを装着し、インジェクターをセットする

 

 

 

 

「……………アマゾンッ!!!」

『NEW・OMEGA』

 

段階的に発動する翠の電子が入り混じる爆風を踏みながらもアマゾンニューオメガに変身完了。しゃこんっとクリアバイザーが顔に降りてくる

 

ゲート解放、カタパルト起動。

瞬間的に身体にかかるGに心地よさすら感じながら戦場に馳せ参じた。

 

視界が開ける。

目の前には黒鉄に身を包み。黒いラインバイザーで顔の上半分を隠した雨霧さんの姿があった。

 

 

「鈴さんを倒すぐらい強くなったんだね。」

「…………」

「あとイメチェンか?それと結構かっこいいISに乗ってて羨ましいや」

 

まじで男心を(くすぐ)るかのような黒桜のデザインだが、雨霧の姿はだいぶ変わっていた。

と言うのも彼女の着用するISスーツは前回と違い足首から首もとをスッポリ覆う飾り気のないダイバースーツタイプだった。

 

「フフフ………」

「うん?」

「この試合、あんたは死ぬわ。私はアマゾンを殺すハンターになったのよ」

「何言ってんの??」

 

ぶっちゃけこの試合で僕はが負けても僕と一夏君はIS学園から立ち去ることはない。

言うなればこれはエクストラゲーム。この試合、そしてそのあとの結果を足掛かりに雨霧さんと亡国機業の繋がりを掴む。

 

なのに、あの不適な笑みはなんだ? 

何故こいつは鈴さんに勝てたんだ? 

 

不気味だ。こいつ、本当にあの時震えながら契約書書いてた雨霧沙苗なのか? 

 

………そんなの関係ない。ただ勝つだけだ!

 

 

 

 

ーーー◇ーーー

 

 

 

勝てる。

 

雨霧は口に出さずに呟く。

 

必ず勝てる。

 

力が欲しかった。水澤悠を完膚なきまで叩きのめす力が。

 

(これさえあれば人間はアマゾンより上だと証明できる!)

 

『システム構築。ISスーツとの同調確認。機体各部のポイント更新』

 

(今までよくも散々弄んでくれた!だから私がこの力で………アマゾンという化け物を断罪する!!)

 

『バイタル数値正常。スタンバイOK』

 

黒桜の装甲が鳴動し、黒桜の情報サーキットが塗り変わる。

 

そして黒桜と呼ばれたISに別のISが覆い被さる。

 

『模倣対象、暮桜。織斑千冬に設定。完了』

 

気分が高揚する。数分後にさっきまで命だったものになっている悠を想像し、笑みが止まらない。

これ程愉快な気分は初めてだ。

 

「覚悟しろ水澤悠………!!」

 

3、2、1。

 

「最強の力。特と味わえぇっ!!」

 

雨霧の瞳にValkyrie Trace System Start the Loadingと流れる

 

『ヴァルキリー・トレース・システム。起動』

 

 

 

ーーー◇ーーー

 

 

 

 

『試合開始』

 

「はあああぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

雄叫びを上げた雨霧はブースト。獲物である光刃でこちらに斬りかかる。

こちらはFK-3で受け止める……筈だった

 

「死ねぇぇぇ!!」

 

まさかの両断された為避けたと思いきや直前で軌道を変えて腹部を切り裂いた

 

削られるシールドの値が通常より多い。黒桜の第三世代能力であるエネルギー消費でブーストされた威力。

 だが驚いたのはシールドの減りではなく、雨霧の剣だった。

 

明らかに剣の動きが素人じゃない!!

 

長年の経験に裏打ちされた熟練者の用な剣。だがその剣筋は一夏君と箒さんよりも鋭かった。

 

編入したての頃一度だけ箒さんと一本勝負して負けたが,明らかに箒さんより上の技術だ!

 

雨霧はいつのまにか背後に回るがこっちも急速回転し、蹴りで近接ブレード【鉄切】を弾いて距離を取り,SD-3による速射を見せるも奴はそれを全て斬り落とした

 

「ならこれでも喰らってろ!!」

 

即席で高電圧炸裂弾をセットして撃ち込むも奴はそれすらも叩っ斬った

 

「しぶといわね! さっさと死になさい!」

 

雨霧の鉄切を右腕のアームカッターで受け止めたその隙にネオアマゾンズドライバーのインジェクターをさらに押し込む

 

『BLADE LOADING』

 

咄嗟にニューオメガソードを生成直前まで振り回してできるだけ時間を稼ぎ,技術よりもパワーで押し切るものの、あっちの方が剣速は上だ。

 

「そんな謎武器で私を倒せるとでも!」

「謎武器言うなぁっ!」

 

ぶっちゃけニューオメガソードの性能に頼りっきりであり、防戦一方。

おかしい、何かがおかしい。

 

分からないけど。僕はこの試合に今まで感じたことのない異質さを感じていた。

 

対戦相手と戦ってるのに対戦相手と戦ってる気がしない。

 

この感じどこかで見たことがある気がするんだよ!

 

「オラァァァッ!!」

『AMAZON BLAKE』

 

アームワイヤーで巻き付けてからそのまま高速振動で熱したニューオメガソードで斬ろうとするも左腕のアームワイヤーはおじゃんになった

 

「どうしたのよ一方的ね!でも恥じることなんてない!これは必然なのよ!!」

「何が必然だ!!こんなのに蹂躙されてたまるかっての!!」

 

雨霧の狂喜じみた声。超ハイテンションだなクソッタレ!!

 

だけど分かることもある。こいつの剣は一夏君のそれと似た、剣術に関連してること。

僕は雨霧さんがどんな戦い方をするのかはデータで見た。だが奴が剣術に精通したという記録も経験はない、どっちかというと中距離タイプだった。

なのにこれだけの近接格闘能力。

 

この一週間でここまで変われるものか?

 

てかこの動き…………知っている……!

 

忘れられない……あの時の!!

 

 

ーー♢ーー

 

 

シャルロット「い、一夏……あれって!」

「ああ、間違いない………」

 

普段鈍感な一夏でも雨霧の動きを見て何かに気付いたようだ。

それは隣のシャルロットも同じ考えに直結していた

 

「どうした一夏」

「箒、雨霧の剣を見ておかしいと思わないか?」

「それは私もわかる。奴が悠を防戦一方にさせるほどの剣を使えるとは思えない。だがあれは」

「千冬姉の剣だ」

「どういうことだ?」

「一夏の言う通りかもしれん」

 

一夏の変わりに肯定したラウラは眼帯を外していた。

眼帯に隠された金色の瞳、境界の瞳(ヴォーダン・オージェ)の疑似ハイパーセンサー・インターフェースが雨霧の動きを捕らえていた。

 

「あの太刀筋、身体の動き。モンド・グロッソに出ていた教官の動きと酷似している」

「でもそんなことが可能なのですか?幾ら何でも一週間で織斑先生の動きを真似できるなんて」

「一日も必要ない。一つだけあるだろう。熟練の動きを可能にする代物が」

「VTシステムか!?」

「VTシステム?」

 

綾音は聞いた事もないシステムだった為疑問に思った

 

「もしかして………天ノ座間に内蔵されていたアマゾン・キラー・システムと一緒ですか?」

「まぁ似た系統かもしれん。私が経験したからにはどんなものか教えてやる」

 

しくじりラウラ先生による解説をご聞きください

 

「【ヴァルキリー・トレース・システム。】通称・VTシステムと呼ばれるそれは文字通りモンド・グロッソ武門優勝者のヴァルキリーの動きを模倣、再現させるシステム。

これを使えばIS初心者でもヴァルキリーと同じ戦い方が出来るのが特徴だ。」

「成程……」

 

納得した綾音だったが、話を聞いていた傍らの箒も納得していた

 

「確かに言われてみれば雨霧の動きは千冬さんに似ているようにも見える」

「千冬さんを良く知ってる三人がそういうなら間違いないでしょうね」

「でもVTシステムなんて誰でも使えるような代物じゃないよ!?ラウラはともかく雨霧さんは普通の学生。到底負荷に耐えれるとは思えない!」

「ああ、だが奴はもう3分も動かしている。薬物投与か、或いはあの黒桜というISに何か細工があるのか」

「とにかく織斑先生に連絡を」

「ああ」

 

シャルロットの言う通りVTシステムはヴァルキリーと同等の戦力を得る変わりに致命的なデメリットがある。

それは操縦者本人にシステムによる動きを強要させること。システム発動中は本人の思考と身体の動きはシステムに支配される。

無理やり戦い方と動かし方をロードされ、実行するには精神と肉体に甚大な不可がかかる。

下手すればシステムを発動して直ぐに廃人になってしまう。

 

「っ!」

「一夏、気持ちはわかるが」

「………大丈夫だよ箒。俺は冷静だ」

 

そう言う一夏の眼差しは普段の彼から想像できないぐらい厳しく、怒りを込めたものだった。

千冬の剣は千冬自身の物。それを我が物顔で使っている雨霧に一夏は怒りを感じていた。

 

そこでセシリアはそこである結論に達した

 

「雨霧さんの目的はVTシステムを使って悠さんを殺す気ですわね」

「そんな!早く試合止めないと!」

「ですけど証拠も少ないようじゃ止めれませんわ」

「しかし!」

箒「セシリアの言う通りだ。ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンと違って機体が変質していない」

 

レーゲンがVTシステムを発動した時。レーゲンの装甲が融解し、暮桜の形に再構成された。その時は現場の異常性に気付き、直ぐに緊急避難対応がなされた。

 

だが雨霧の黒鉄は変質せずにVTシステムを発動している。

VTシステムを発動すれば装甲変質を行うかどうかは定かではないが。今の雨霧は端から見たら専用機の力で戦うだけに見える。ギャラリーの誰もが戸惑うことはあれど、VTシステムを使っているとは夢にも思わないのだ。

 

シャルロット「確かにラウラの時と違って暴走してるように見えない」

「ああ、あの時のラウラは暗闇の中で何も出来ない感覚だったらしい」

 

操縦者ではなくシステムがISと操縦者を動かす。

それがVTシステムというもの。

だが雨霧の様子から意識が消失してる様子はない。

 

「あいつが自分からVTシステムを任意で発動したってことか?そんなことが」

「もしかして、悠さんを殺す気で」

「は!?こんな公衆の面前でそんなことしたら誤魔化しようが」

「そんなもの。VTシステムが暴走したということにすれば逃れられますわ。少なくとも、法廷ではそれが武器になりえる」

 

故意ではなく不可抗力。

雨霧の母親が法廷にも顔が効くのだとしたら、その可能性は十二分にある。

雨霧の目的は、VTシステムという異常性を盾に悠を殺すこと

 

「いま教官に試合を止めてくれるよう連絡を送った。だが、果たして応じてくれるかどうか」

「流石の織斑先生は馬鹿じゃあるまいし」

「………ですね」

 

綾音はなんだか落ち着いていたが実際は気が気でなかった。

ISを持っていない綾音は悠ことニューオメガを見守る事しか出来なかった。 

もし通信なんてしたら悠の方が大会規定に違反し、失格となる。

 

確たる証拠がない。それだけの理由でまたアマゾンである水澤悠が追い詰められている。

 

それと別で綾音の従姉妹である陸宗光流は自身の企業が開発した機体に禁断のシステムを組み込ませた事に完全に激怒しており、雨霧のしてる事は会社に泥を塗りかねない事なのだ。

 

一方別室でリモートで観戦している仁も観ておりこの動きがどっかで見たことあると感じながらも悠がどう動くか考えていた。

 

「まずい!アクセラオメガの右腕のアームワイヤーが壊された!」

「これじゃだいぶ不利になる!」

 

ニューオメガは踏ん張りを見せるものの瞬時加速で近づいた黒桜の袈裟斬りをガードする事が出来ずにそのまま直接受けてしまいニューオメガソードごと叩っ斬られた

 

「ぐぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

「悠ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

そのまま地に落ちてしまうが勝利宣言が起きない。

何故ならこの試合はニューオメガの変身解除が条件だからだ。

 

黒桜(暮桜)の蹂躙はまだ始まりにすぎなかった。

 

好きなアマゾンライダーは??

  • アマゾンオメガ /ニューオメガ
  • アマゾンアルファ
  • アマゾンガンマ
  • アマゾンゼータ
  • アマゾンベータ
  • アマゾンミューズ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

個性『スーパー戦隊』 うん。……ちょっと待て?????(作者:翠吏)(原作:僕のヒーローアカデミア)

 拝啓、特撮オタクの親友へ▼俺はどうやら「僕のヒーローアカデミア」という漫画の世界へ転生してしまったようです。それだけなら何んだ?と言うでしょう。個性が『スーパー戦隊』でした。俺頑張るよ。▼ ▼※掲示板あり。基本的に控えめ。▼初投稿です。▼なので誤字脱字、キャラ崩壊等があると思いますが、温かい目で見守ってください。


総合評価:555/評価:5.88/連載:20話/更新日時:2026年05月24日(日) 11:00 小説情報

もうガジェットとマシンだけでいいんじゃない?(作者:黒月悠生)(原作:僕のヒーローアカデミア)

仮面ライダー要素って、実は混ぜるなキケンだったんだな、と思いました。


総合評価:563/評価:8.33/短編:5話/更新日時:2026年02月28日(土) 23:21 小説情報

治療狂人のヒーローアカデミア(作者:熊田ラナムカ27)(原作:僕のヒーローアカデミア)

▼ この世界は病んでいる。▼ ▼ あまりに命を粗末にし過ぎている。▼ ▼ 故に特効薬と万能薬が必用だ。▼ ▼ 存在しないなら私がなろう。▼ ▼ この世界全てを癒す存在に。▼ ▼「よって貴方を病源体だと判断します。直ちに治療致しますので、どうかその場を動かずに」▼ ▼「手洗い忘れただけで病源体扱い!?流石に酷くない!?直ぐ洗うから、ちょっとま──うあぁ!?」▼…


総合評価:978/評価:8.53/連載:7話/更新日時:2026年04月21日(火) 17:05 小説情報

魔法少女を守る魔人に憐れみなんて要らないよ(作者:足洗)(オリジナル現代/冒険・バトル)

世界の平和と人々の安寧の為に魔物と戦う“魔法少女”達は……自分達が民衆の支持を得る為のただの広告塔に過ぎないことを知らない。▼それでいい。▼魔法少女が人々に笑顔をもたらすなら、魔人は己が血を流し肉を裂き骨を砕いて彼女らを守る。▼それでいい。それだけでいい。▼※ただし魔法少女は全員漏れなく曇る。


総合評価:1795/評価:8.57/連載:7話/更新日時:2026年03月08日(日) 14:47 小説情報

ロボゲーっぽいギャルゲーに転生したが整備科になってしまった(作者:なんちゃってメカニック)(オリジナルSF/コメディ)

転生したが整備科になってしまった俺、幼馴染の主人公にクソ振り回される模様。▼頼むから、整備士俺一人なのに機体を増やさないでください。


総合評価:4804/評価:7.71/連載:76話/更新日時:2026年06月02日(火) 08:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>