死別エンドガチ拒絶転生者in鬱ゲー   作:カピバラバラ

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持つべきものはコネですよコネ、コネコネコネェ!

ちわ〜っす、どもども。

防衛軍の偉いさんぶち殺して逃亡中の私です。ユウと面倒事になるのは本末転倒なので、ちょい匂わせだけして全力で街の外れへと逃げてます。

前日に色々詩風な言い回しをしていたのは、あの、なんかああやった方がぽいかなってだけで……まぁ多分ぽかったんで良しとしましょう。

 

さてさて、隊長をぶちころがしたのは良いんですが、あくまでも今すぐ襲撃する為の足掛かりが無くなっただけなので、普通に悪魔はあの基地へと襲いかかっちゃうんですよね!!

 

本来なら第一支部、今回は第二支部。

その違いにはかなりの心配がありけり。何故かと言うとこの世界結構在野の異能者が強い弱いハッキリしてんですね〜、なんなら主人公闇堕ちルートで隊長を殺し……今の私みたいに逃げた場合、第一支部は単独で防衛しきってます。

 

ですが第二支部は?と聞かれると何とも。だって本編で出てきませんもん、ここら辺の情報。

 

 

「ぉげッ───ぎっ…あ…」

 

 

だからまぁ、守りに戻ろうかなって。

何のために?と聞かれればユウの為にです、それ以外の人間もちゃんと守って、ユウに言われた『俺が守りたい奴も守れ』って言葉を果たしておくのがファンガって奴です。ちなみにユウとは絶対鉢合わせないよう調整します。

 

だって考えてもみてください、隊長をぶち殺した理由を知らないユウと出逢えば敵対は必須!!

 

幾ら勝てるからと言って、我が御神体に刃を向ける等と何があっても許されない。

自刃してお詫び致す……!!レベルの事なので、今以上に殲滅力と機動力が必要。

 

 

「ぅぅぅううう゛ッ゛!!!!」

 

 

てな訳で、さっきから唸り声でうるさい理由も見えてきましたね!

今、私の脊椎にサイバーパンク的な奴を付けてもらってま〜す、ボールを相手のゴールにシュート!性能は耐久ステupと機械化への適応ですっ!

善は急げつって、あの後すぐ知り合いのおじいちゃんの元へ駆け込みました。

 

いやぁ〜、やっぱり設定がゲームとはいえリアルはリアル。普通はシステム的な問題で絶対受け入れてくれない異能者の改造を、受け入れてくれるはぐれ者も居た。

 

──異能者だと分かれば、即殺される様な場所で。

奇跡の出会いって奴ですね!機械化できる地区は治安ひっでぇんです、産まれつき異能持ちの子も存在したりする世界なんですが、異能者だと分かれば秒で断罪死刑。

この前『勢力』とは言いましたが、機械信仰の規模は既に国内だけでも都市レベル。これぞ現代の魔女狩りってね!!

笑えませんよ何で壁一枚超えたら中世の倫理観のカオスを味あわなきゃなんないの????

 

まぁこの方ほぼヤブなので、麻酔無しでクソ痛い。今度から君の名前はクソジジイだ!!このクソジジイ!!!痛ぇって!!?

 

 

「…よくもまぁ、いつもいつも死なないものだな」

 

「ごぁっ…か゛ら…ですよぉ゛っ…!!全然、足りてなぃんでぇ……!」

 

「喋んな喋んな、吐かれても掃除するのは俺なんだぞ?てか本当に死なれても面倒だ」

 

「ぁぃ…あ、そのほかの部位もよろしぐぅッ───!?!?」

 

「だから調子乗って喋んなって!」

 

 

地獄はこっからなんですよね……脊椎に機械をペタリと貼り付けて貰った後に取り替える部分は───胸骨、右腕、両膝から下です!

結構細かく機械化指定できてビックリしましたよ、ゲームだと一部機械化した所でステータス補正が全然足りないので、結局全身魔改造してましたし。

 

そして幼い頃から絡んでるおじいちゃんが偶然技術者で良かった良かった!!

冗談抜きで本当に良かった、今生で一番隙を晒す瞬間って今かもしれないので、何も仕組まれない信頼できる相手がいて欲しかったんです。

 

ガキンチョの時に色んな被検体になったものです……ツテが欲しくて頑張ってたのに、実験の提案をする奴は大体裏切るクズ共ばっか。

お陰様で内臓機能が割と深刻目に壊死してたりしますが、そこは置いといて。

数多の裏切りを経験し、報酬未払いを味わった私にとって……このおじいちゃんは…結構なより……どころ……。

 

 

「昔のよしみでやってやってるが…絶対他の奴らに言うなよ?絶対な」

 

「─────」

 

「ん、気絶してるか。まぁ当たり前だな、なんでさっきまでペチャクチャ喋ってたんだコイツ……」

 

「…………」

 

「は〜あ」

 

「……はぁぁぁ…」

 

「チッ、何で見ない内にガキってのはすぐデカくなるかねぇ……」

 

 

 

 


 

 

 

 

「終わったぞ、ガキ」

 

「終わりましたかガキ、ありがとうございますガキ」

 

「……」

 

「あんまりガキガキ煩いんで語尾かと勘違いしちゃいました〜」

 

「なら語尾はクソガキになるだろうがよテメェおいコラァ……!」

 

 

ふむ、ふむふむふむ?おお!!おおおおお───!?!?

見てくださいこのメタリック感溢れる右腕!それに着地するとガシャンガシャンと駆動する足!少しごつくて胸部が大きくなった体躯!!

 

コレコレ!コレですよコレェ!!

幾ら身体能力を上げても、技能を手に入れても!異能を発現しても手に入れられなかった『リアル感』!

自分が今ここに居て、今生きていて、ただ夢を見ているだけじゃないと証明してくれる金属の冷たさ!

 

 

「ぬふふふふ……!」

 

「なんだよ気持ちわりぃ」

 

「いやぁ〜!生きてるって感じですね!おやっさん!」

 

「誰がおやっさんだ、つーか普通体が機械に置き換われば『死』の方を実感するだろ。ああ……これから自分はどんどん死に向かっていく……って」

 

「何ですかしおらしい、そんなの…この素晴らしい世界に似合いませんっ!───最高のプレゼントをありがとうございます!」

 

「……プレゼント、ね」

 

 

右腕、左足、胸部胸骨。

これ以上の機械化はする気無いので、別に死に向かう〜なんて事は無いですよ。

それにも理由があります、最たる所は悪魔化に使う身体を残しておきたいってのなんですが……──リアル側面の問題がありまして。

 

この世界に転生してからの私、現実感消失症っぽいものにかかっちゃってます。所謂『現実を現実として捉えられない』病気。

当然っちゃ当然なんですが、コレが戦闘時足を引っ張る事がありました。まだ郡に所属していない際、野良雑魚悪魔と戦って────。

 

自分の右腕が折れてる事に気がつかないで、戦い続けてたんです。

 

 

「後遺症も消えたし、万全って感じです!」

 

「万全とは程遠い位置にいるけどな、万全のばの字もないぞお前」

 

「そこら辺はちゃちゃ〜っと異能で治しますってば〜、あんまり心配し過ぎても胃を痛めるだけですよん、アキナおじいちゃん?」

 

「………………」

 

 

怪我をしたのが分からない、それって結構ディスアドが大きい。全身機械化すれば尚更で、撤退ラインと攻めれるラインが全然分からなくなる。

な・の・で、ここで利き足と軸足、心臓周辺を強化&取り替えれるものにする必要があったんですね〜。

 

これなら撤退ラインを機械の損傷具合で分かるし、どれだけ無茶出来るかも数値化できる。すまんな私の右腕と足とお胸さん……この先の戦いにはついてこれないから置いてくよ……。

 

 

「───おや?」

 

「おやおやおや?なんですかなんですか、どうしたんですかそのホルマリン漬け〜〜!も・し・か・し・て、私のブツ、ですか?」

 

「…………はぁ」

 

「抜け目無いっすなぁ、アキナおじいちゃんも。若い16歳の腕と膝下なら、何処にでも売り手がつきますし〜?たまには纏まった金で一杯呑んどいて下さい!」

 

「…………そうしとくさ…」

 

 

よっしゃ!これで冒険の準備は一応整いました!

十分な抜刀に耐えれる腕と足、空気抵抗とかリアルな要素に耐える為の胸部装甲、バフだけで隊長を瞬殺出来るぐらいの『調律』、必須技能『抜刀術』と『クリティカルヒット』!

 

一人縛り無犠牲エンドには、まだ少し足りない要素がありますがほぼほぼビルド完成です!悪魔化はマナ効率の上昇ぐらいなので後回し後回し。なので供物も後回し。

ステータスは年齢とかでも頭打ちが存在しますが現在上限値、薬で伸ばしたお陰で5年後ぐらいのステータスです。

 

 

「…久しぶりに顔見せたと思ったらよ、手足取り外して機械に変えろっつー言葉を投げられた俺の気持ちにもなってくんねぇ?」

 

「仕方ないじゃないですか、防衛軍に入るのめちゃくちゃ面倒臭かったんですし、想定外の事ばっか起きるし」

 

「───防衛軍?お前、防衛軍なんて所に行ってたのか?」

 

「ええ、まぁ」

 

「……………」

 

「────はぁ」

 

「どのくらい面倒臭かった」

 

「うーん、アキナおじいちゃんと出会うまでぐらい?」

 

「……………………子供で女なんだ、もっと体を…大切に……はぁ、する訳ねぇかぁ……。あんなに目ぇキラキラさせて帰ってきたお前は初めて見たわ、防衛軍でやりたい事でも見つけたのか?」

 

「ふふふ、守りたいものが手の中に収まる距離に来たんです。あ、今の内にミステリークール系キャラに戻しときましょう!んん゛っ…」

 

「──ありがとう、アキナ。これで私が大切にしたい物を守れるよ。私は必ずこの過酷な運命に抗っ─いでぇ!?」

 

「お前はキャラ作りが安直過ぎるんだよ馬鹿、それなら素の方がまだ接しやすいわ馬鹿」

 

「2回も馬鹿って!!クソっ、これでも防衛軍の中じゃミステリアスクール美少女としての立ち位置を確立していたというのに!!」

 

「ほんじゃ周りも馬鹿だらけだ、こんな性格裏に隠し切れるんなら文句は無いけどよ、分かるだろ、コイツの根っこ」

 

「……一理ありけり…とりま行ってきます!世界を救いに!また会いましょうねアキナおじいちゃん!」

 

「……おう、行ってこい。そんで絶対帰ってこいよ。まだ改造分の金貰ってねぇんだから」

 

「はいはーい、それじゃバイバイです!さらばッ!」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「…………」

 

 

遠くなっていく背中を眺める。

常人離れしたスピードで、あっという間に消えていく背中を。

 

 

「─────」

 

 

──昔。

昔、結構昔の事、10年くらい前だったか。

俺が暮らしてる鋼都(こうと)燈架(とうか)地区で妙なガキの噂が流れてきた。

まだ未成熟の、年齢が2桁にも満たない子供があちこちの技師へ足を運んでは、何でもいいから薬を打って欲しいと願い込んでくると。

 

……当たり前だが、都合のいいモルモットとしか扱われねぇ訳だ。本当に当たり前の帰結、身寄りの無い、誰からも守られてない子供なんてのは騙されて当たり前。

それでまぁ、当たり前の様に俺の所にも来る訳だな。

 

 

『────』

 

『ホントにガキだ』

 

『ホントにガキですよ??』

 

『あの噂が本当だなんて、世も末ってワケか…。悪魔が来てる時点で何言ってんだって話だが』

 

『おー、なんか私とノリ合いそうですね!普通にタメ口で大丈夫そうです?前の所は普通に顔面バチボコにされたんで、一応聞いとこうかなと』

 

『大丈夫も何も、お前の存在自体がアウトだよ…!?何当然ですって顔してんだテメェ……』

 

『めっちゃ大丈夫そう』

 

『……タメ語ぐらい別に構わないのは変わらねぇが、飄々とされると腹立つな』

 

 

一瞬でただのガキじゃない事は分かった、薬の打ちすぎでイカれたのかとも思ったが、流石にここまで流暢な言葉遣いが出来るのなら……一端の人間として扱ってやらなきゃなんねぇ。

悪魔の出現以降、教育を受けれねぇ奴はとことん、その子孫まで受けられない程に貧富の差がある俺達にとっては……中々に珍しいガキだったせいもあってか───、

 

 

『ナノマシンってお宅にあります〜?あったら…貴方の実験体になる代わりに、体ん中入れて欲しいな〜って』

 

『ぶふっ──!??おまっ、なん……ガチで頭イカれてんのか???』

 

『別に普通ですよ、ちょいと将来に必要なもので。脊髄にインプラント入れる為に、今の内に入れれるもんは入れとこうかと』

 

『……はぁぁ…──お前を店に入れた事自体、間違いかもしんねぇな…体の中がお釈迦になる劇物をよく好き好んで入れようと…』

 

『だってそうでもないとモブの私じゃ辿り着けませんもん』

 

『モブ───?』

 

『利用価値があるのは私の頭の中だけです、それ以外は利用資源でしかないのでご安心を』

 

 

──ついつい話し込んじまう。

久しぶりに、頭が回る奴との会話をした気がする。面白いっつーのか、なんだったのか、とにもかくにも話しちまった。

その時点で、コイツに取り付かれる事は確定してたのかもな。

そして俺は、追い出す前に噂の内実を知ろうと思って……とっ捕まえてから、コイツの服の下を探った、探ってしまった。

 

 

『…………お・ま・え、なぁ…!!!』

 

 

俺の娘と同じぐらいの年のガキの体に、訳の分からない気色悪い色が表皮に浮かんでたんだ。アザ?怪我?何一つ分からねぇ、気色の悪い実験の跡。

 

するとまぁ、そりゃ、無視出来ない。出来る訳が無い。俺はバカでマヌケで、ずっと見るべきもんから目を背けてきたのに、娘を作ってたせいで無視出来なくなってたから。

何度でも俺は俺をバカだと言い続ける、脳裏に浮かぶ娘がどうした、赤の他人を今どき助けてやるには───余裕、が必要なんだ。俺に余裕なんてなかった。

 

 

『24件回って、利益になった所たったの3ですよ3、命張ってんのにみんな自分の楽しいことしか優先しないんだからも〜』

 

『…なんで生きてんだお前』

 

『それは……なんて言うか、血清で進行度リセッ──いや、なんか耐性高かったんじゃないんですかねぇ?多分』

 

『…………』

 

 

余裕なんて、無かったのに。

やっぱり人間に産まれたのが間違いだ、俺は悪魔かそこら辺の猫とかに産まれてた方がまだ良かった。

 

──血、抜いてな。軽く治しちまったんだよ。

何の得も無いのにな、ほんと、なんでだろうな。

 

それが今出来るなら、自分の娘を野犬なんかのクソにしちまわなくて済んだのに、妻を首だけの死体にせずとも済んだのに。

異能を持ってたからって……何も迷う必要なんて無かったのに。

 

なんで、なんで今更になって、なんでどうして俺は…………。

 

 

「…………──」

 

 

ホルマリン漬けにした、アイツの右腕と足を眺める。

酒代にはなりゃしねぇ、でも、いい酒の肴にはなる。

 

アイツ分かってんのか、数年娘みてぇに面倒見たガキがいつの間にかでっかくなって、綺麗になってんのに…腕と足切り落とさせて、胸開くって。

 

分かってんのか?俺がどんな思いで馬鹿みたいな量の血反吐とゲロを毎晩毎晩吐いてたお前の、後始末をしてきた理由が。

 

分かってんのか!俺がお前のことを心配してる事が!!

 

分かって──無い!!分かってない!?なんで分からない!あんな当たり前の事が、当たり前に当たり前過ぎて当たり前にもなんねぇ当たり前の事が!!

 

 

「……はぁ」

 

「いいさ、別に」

 

「笑顔で帰ってきて、笑顔で出発したんだから」

 

「もう何も、なんも心配しなくていい。どうせ生きて帰ってくる」

 

 

 

『ッ──なんだどうした!?お前…血…!クソっ、待ってろ!』

 

『……──ユ……ウ…』

 

『ああ!?今なんて……』

 

『辿り、つく。いかないと、ゆう、ゆう、わたし……まだ……』

 

『おいつくから……しなないから……』

 

『しなない、よ、まだ……まだ……あと、すこしだけ……』

 

『───────』

 

 

 

「……」

 

「覚えてねぇってのが、タチ悪ぃわ。ほんと」





《アキナおじいちゃん》

特筆するべき点は特に無い一般人だが、強いて言うならアザミを受け入れてしまった事で色々狂った一般人。
その昔、娘と妻が元気な時に機械信仰派の『異能狩り』に遭遇、異能持ちと判断されてその場で娘は八つ裂きに、妻は持ってかれて慰め物に。

技師としての腕はそこそこ、無茶振りに応えるぐらいの技量はあるけど、アザミはやりすぎなことが多いので毎度ストッパー係になってた。
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