PERSONA5 THE ROYAL PARADISE 作:ぎんすた
らぁら達は斑目とどう向き合うのか。
斑目って多分、ひびきさんの地雷を踏むキャラだと思うの自分だけだろうか?
#4 屋敷に眠る黒い噂
5/17日 火曜 晴れ 放課後
ーデパート・斑目展会場ー
らぁらside
「うわぁ…デパートだけど、画家の展覧会って小学校の社会科見学以来だなぁ…」
「ふふっ。らぁら、私も同じよ」
「ふわり、らぁら。一応言っておくが美術館ではあまりはしゃぎすぎたり、大声で喋るのは控えるように。目立つうえに他の客の迷惑になるぞ」
「かしこまっ」
「そんなに心配しなくてもわかってるわ」
かしこまっ!らぁらです!
あたしはひびきさん、ふわり、安藤さんと一緒に今、斑目さんの個展を見に美術館に来ています。
どうしてそうなったかというと、昨日帰る前…
ー回想ー
5/16日 月曜 晴れ 下校前
「あの斑目さんにパレスが!?」
昨日キーピック作りを教わった後、ひびきさんからもたらされた衝撃の情報。
それは、『サユリ』っていう絵で有名な画家『斑目一龍斎』さんにパレスがあることだった。
「ああ、彼には黒い噂があってね。念のため、イセカイナビで調べてみたらヒットしたのさ。
場所やそこをどう思っているかはまだわかっていないが」
「そんな…この前、たまたま見た情熱帝国では凄くいい人そうだったのに…!しかも黒い噂って…!」
「らぁら、テレビで映っている人物像がその人の素顔だとは決して限らない。僕の例がそうだろう」
「確かにそうですけど…」
「それに、彼にはネット上でこんな噂が流れているんだ」
ひびきさんはそう言うと一呼吸置き、怒りを滲ませた声で噂の内容を告げた。
「……才能ある弟子からの盗作、そして虐待疑惑だ…!
しかもパレスがあるということは、それが真実味を帯びている可能性がある」
「…盗作に…虐待…!?」
噂の段階だけど、自分の弟子からの作品を盗作するって、彼がそんな酷いことをしているのが正直信じられなかった。
「流石にすぐには信じられないだろうな…。
その真偽を確かめに行くためにも、明日の放課後は斑目展へ行く。
本当かどうかは、現地で絵を見ないとわからないからな」
「絵を見るだけでわかるんですか?」
「ああ、見方を知れば君にもわかるはずだ。
君は意外と本質を見抜くのが得意みたいだからな」
「え…?」
ー回想終了ー
というわけで、この斑目展には怪盗修行兼潜入捜査で来ています。
絵を見るだけでどうやって盗作って見抜くんだろう?
「斑目さんって確か、『一人の人が書いたとは思えない縦横無尽な作風』が有名ですよね」
「ああ、作品のテイストが作品ごとに異なることで有名だ。
作風が異なることが、ね」
「?」
「すぐにわかるさ。
ところで、別にいいがふわりもわざわざ来ることはなかったんだぞ」
「私も私なりに力になれたらって思って。パレスには行けなくても、らぁらの成長のヒントに繋がる助けになれならなって。
それに、他人の嘘を見抜くのはかなり自信あるのよ」
「ふわり…!」
「さぁ、見ましょ。斑目って人の作品がどんなものか。
そして見つけるの。彼が隠している『嘘』を」
OP『けっかおーらい』
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屋敷に眠る黒い噂
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ー斑目展・会場内ー
斑目展に入ると、あたし達は作品を一つずつしっかり見て回っていた。
「凄い…!こんなに沢山の凄い絵を一人で描けるなんて…」
「確かに、高クオリティの絵を一定数増産できるから、世間からしてみれば斑目は『天才』なんだろうな」
あたしは純粋に絵の凄さに惹かれたけど、ひびきさんとふわりは絵を見るたびに複雑な顔をしていた。
素直に凄さを称賛できない。そう言ってるような感じで…。
盗作疑惑があるからなのかな?
あたしは正直信じたくないけど…。
斑目さんの絵は凄いなって思う。
絵の一つ一つに色んな想いが込められてるな…って…ん?
色んな作品がある中、あたしはある一つの絵が目に入り、近づいてそれに魅入っていた。
「この作品、なんだろう…。色んな作品の中で、一際目立って見えるっていうか…『言いたくても、言えない強い怒り』が込められてる…?そんな感じがする…」
斑目さんってこういうの描くイメージ全然ないな…。
「なるほど。
やはり君にはふわりと似て、他人の本質を見抜く力が自然と養われてるみたいだな」
「うわっ!?ひびきさん…!?
びっくりさせないでくださいよ…。
そう言わてれもなんとなくです」
絵に魅入っていると、ひびきさんが突然後ろから話しかけてきた。
かなり心臓に悪い…。
「すまない。
ただ、なんとなくだとはいえ、絵に込められた想いをそこまで考察できるのは凄いよ」
「いや…単に斑目さんがこういうの描くイメージ全然ないから…」
「確かに、世間の斑目のイメージとは程遠いな。
それは置いといて、君の考察と僕の考察は一致している。
だがその考察が正しければ、一見穏やかそうな斑目がそういう激しい想いを絵に込めると思うか?」
「…!そういえば…」
あたしはここに来る前に見た斑目さんのインタビュー動画を思い出した。
確か、『重要なのはカネと俗世から離れること』とかそんなこと言ってたような…。
「それを言ってて、無心がなんとか言われてた人がああいう絵を描くのは割と矛盾してる?」
「それに、斑目は『一人の人が書いたとは思えない縦横無尽な作風』が売りと謳っているが、それもかえって可笑しいとは思わないか?」
「確かに…!」
あたし達は一つの絵を機に、作風に込められた矛盾にも気づいていく。
縦横無尽ってことは逆に…!
「つまり、斑目さんは他人の絵を盗作してるってことよ」
「ふわり…!」
そこに、ふわりも合流してきた。
ふわりはいつもの穏やかな雰囲気とは異なり、盗作に怒っているのかとても真剣な顔だった。
「ひびきさんから聞いたわ。絵を描くときは必ず作者の癖が出るって。
あじみ先生もそうなんだけど、絵柄の模倣しても本物の完全再現は難しいの」
「作者の癖…そういえば、他の絵もよく見たら作風とかバラバラすぎる…!」
あたしは他の絵を改めてよく見てみる。
やっぱり、どの絵もデジタル絵ってわけじゃないのに、絵柄やテイストが違いすぎていた。
ってことは…やっぱり…。
「斑目の盗作の噂は間違いないな。絵を見たら尚更確信を持てた」
「そんな…。
でも、ひびきさんやふわりが言ってたこと。それにあの怒りが込められた絵…。
あれが作者の見えないSOSだとしたら…」
「斑目のパレスを調べるしかないだろう。
ここを出たら、斑目のパレスの場所とキーワードを突き止める。
突き止めたら、明日以降準備が整い次第突入するぞ」
「かしこまっ」
「ふわりはパレス攻略中の間は安藤と一緒に待機していくれ。それと…随時情報収集を頼む」
「わかったわ。寧ろそれくらいはさせて」
「安藤も頼んだぞ」
「かしこまりました」
こうして、斑目さんのパレス調査が全会一致で決まり、これ以上の長居は無用と判断したあたし達は会場を去った。
ちなみに、パレス関連の会話は端っこかつ人が聞こえないところで話してたので、注意は十分払った筈…。
「これ以上…才ある者の芽が悪意ある者によって潰されてたまるか…!」
「あ、やっぱり理由はそれなんですね…」
「当たり前だ。天才は真っ当に輝けるチャンスを得られるべきだろう。
それなのに…」
「ひびきさん…」
斑目さん、ひびきさんの地雷をかなり踏んでる人だ…。
ーーーーーーーーーーーー
ー井の頭公園ー
デパートを後にした後、あたし達は井の頭公園に来ていた。
観察と考察で頭が疲れたのでちょっとした休憩と、今後の作戦を練るためである。
「ひびきさん、近くのベンチで休みませんか?」
「そうだな。ちょうどティータイムにしたいところだったし…おや?」
何処か休める場所がないかと探していると、ひびきさんが何か人影を発見した。
「…」
ひびきさんの視線の先に目を向けると、青みがかかった黒髪を左へ流し、身体は細身で背が高く、黒百合のエンブレムが施されたシャツに黒いズボンといった格好の男の人が両手の指で構図を取るポーズを作りながら立っていた。
なんか、イケメンで浮世離れしたひとだなぁ…。
ていうか、ひびきさんの目に入ったってことは、ひびきさんは彼のことを知ってるの?
「ひびきさん、あの人は?」
「彼は喜多川祐介。
斑目の弟子である、優れた画才を持つ洸星高校の美術特待生だ」
「斑目さんの弟子!?
しかも天才なんだ!」
「ああ、君が惹かれたあの絵も恐らく彼が描いたものだろう」
「ひびきさん、なんでも情報持ってるんですね…」
「当たり前だ。僕は常に天才に目を光らせてるからな」
「…」
もう、ひびきさんの情報網にはツッコまないでおこう…。
それにしても、斑目さんの弟子の祐介さん。
まさかこんなところで会えるなんて…。
これはチャンスかも…!
あたしはそう思い、正体バレのリスクも承知の上で彼に接触することを提案してみた。
「あの…ひびきさん。
彼に直接話、聞いてみませんか?」
「と、言うのは?」
「リスクは承知のうえです。けど、斑目さんの弟子って言うなら、ネットよりもより信憑性のある…しかも、正確な情報を得られるチャンスかもしれません」
「なるほどな…だが、彼が斑目を庇って嘘をつく可能性もあるぞ」
「そこは、私達の考察をぶつけるのが手だと思います。それに…」
「嘘が通用しない私もいるわよ。ひびきさん」
「考察と嘘をつけないカードをちらつかせる作戦か…。
そう言うなら行くぞ」
ということで、あたし達は祐介さんに色々尋ねてみることにした。
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「君、洸星高校の喜多川祐介くんだね」
「む…どちら様ですか?」
まずはひびきさんが切り込んで、彼に声をかける。
あたし達はその後ろからついていく形だ。
「僕はパプリカ学園の紫京院ひびき。そしてこっちは…」
「かしこまっ!同じくパプリカ学園の真中らぁらです!」
「緑風ふわりよ。よろしくね」
あたし達は祐介さんに名前を尋ねられて自己紹介を一通りした。
祐介さんは当然ながらあたし達を怪訝な目で見てきた。
「何処かで見たことあるかと思えば…プリパラで見たアイドル達か。
真中さんは姿が違うが、あの『らぁら』だろう。
紫京院さん達は何故俺を知っているんですか?」
「僕は天才に目がないだけさ。
ところで、今日君の師匠の個展を見に行ってね。彼の絵を沢山見させてもらったんだ」
「そうなんですか…!?」
「ああ、どれも素晴らしい絵だったよ」
「そう褒めていただけると、先生も光栄だと思います…!」
ん?ひびきさんが絵を褒めたところで祐介さん、少し言い淀んだ?
「確かにそうかもね。ところで…その絵は『斑目さん本人が描いた絵』じゃないだろう?」
「…!」
ひびきさんがそういう形で盗作を指摘すると、祐介さんの表情が明らかに変わった。
何か知ってるような…目が泳いでる!
ここでひびきさんとアイコンタクトを取り、あたしは前に出てあるカードを切った。
「あの…あたし、斑目展でとある絵に惹かれたんです。
『言いたくても、言えない強い怒り』
…そんな想いが込められた絵。
ひびきさんが話してたんですけど…描いたの貴方ですよね?
発表されたの割と最近だって聞いたし…」
「…!何故そのことを…!」
祐介さんの眉がどんどん吊り上がっていく。これって…図星ってやつだよね。
「あたしも信じられないし、貴方も信じられないと思うんですけど、聞いてしまったんです…。
貴方の師匠が弟子から盗作してるっていう噂。
その様子だと、本当なんですよね?」
「君が描いたと思われる絵だけじゃない。
他の絵もテイストや癖がバラバラだった。僕の目は誤魔化せないぞ」
祐介さんの様子で確信が持てたところで、2人で本題を切り出した。
今日見た絵を見た感想も含める形で。
あたし達に師匠の盗作を指摘された祐介さんは、『やれやれ…またこの話題か…』といった様子でこちらを警戒する目で見た。
そして…
「ああ、真中さんが見たであろう絵を描いたのは俺だ。
だが、先生は盗作している訳じゃない。
俺が着想を譲ってるんだ。
着想を譲ってるなら、盗作にならないだろう」
「…!」
つまり、ゴーストライター…そう来ちゃったか…。
「だが、君の師匠はあれほどの功績を残しているし、気づいたら自然と着想が湧き出てくるという話だろう。
なのにどうして君が着想を譲らなければならないんだい?」
「…!それは…!」
ひびきさんからの指摘に祐介さんは更に動揺した。
確かに、インタビューでああいうことを言ってた斑目さんに弟子が着想を譲らなければならないって話自体が可笑しい。
これじゃ、まるで奴隷…!
「…さっきも別の学校の人達だが、貴方達と同じことを聞かれたよ。
先生は今、スランプなだけなんだ」
別の学校の人達…まさか…。
いや、今は祐介さんに集中しなきゃ!
「さっき彼らに言ったことと、同じことを言わせてもらいます。
弟子が師匠を助けて何が悪いんですか!?」
そう言いながら激昂している祐介さんの様子は、少し苦しそうだった。
藻掻きながらも、迷っている。
そんな印象だった。
「先生は母が亡くなり、身寄りのない俺を育ててくれた。
その恩を返すのは当然の話だ。
盗作?絵を見ただけでそう決めつけるのはよして貰いたい!!」
「斑目さんが、祐介さんの養父…!?」
それは知らなかった事実だ。
だから、あんなに斑目さんを庇ってるんだ…!
苦しんでても、育ててくれた父親だから…!!
でも…斑目さんが間違ってることをやってるのには変わりはない。
あの絵と今の様子…。祐介さんは本当は…!
そう思っていると、さっきまでのあたし達のやり取りを見ていたふわりが一歩前へ踏み出し、「祐介さん」と静かに彼の名前を呼んだ。
「緑風さん、何度言っても俺の言うことは…」
「祐介さん。貴方の気持ち、わからなくはないわ。
貴方は育ててくれた斑目さんのことを本当に尊敬しているし、斑目さんが悪いことをやっているのを信じたくなくて、必死に庇っているんでしょう?
そして、斑目さんの期待に応えようとしている」
「…!」
「だってわかるわ。私も似たような経験があるもの」
そう言ってふわりはひびきさんの方にちらっと視線を向ける。
あ…あの時のことか…。
何のことかわかってたひびきさんは何処吹く風だった。
ひびきさん…。
「大切な人だからこそ、その人とちゃんと向き合う時は冷静に向き合わなきゃダメよ。
多分、今の貴方は斑目さんを信じようとして本当に大事なものが見えなくなってる。そんな気がするの」
「…!俺が…!?」
ふわりの指摘に祐介さんははっとする。
やっぱり、心当たりはあるんだね。
「多分、私達と同じように盗作のことを指摘してきた他校の人達も、それに気づいて言ってきた筈よ。
信じたいのなら、その人達の意見にも耳を傾けなきゃ」
「…!」
心当たりがあることが多いのか、祐介さんは反論せず押し黙った。
それを見て、さらにふわりは言う。
「祐介さん、私が言えることはここまで。
後は、あなた次第よ」
「…」
祐介さんはずっと黙ったままだ。
それを見かねたのか、ひびきさんはアイコンタクトで『これ以上話すのは無駄だ』と合図を送ってきた。
なら…。
「あの…祐介さん。あたしからも一ついいですか?」
「何だ?」
「祐介さん、貴方がそう言うならあたし達はこれ以上問いません。
けど、これだけは言わせてください。
いくら大切な人の為に嘘をついても、自分の本音に…自分自身に嘘をついちゃだめです」
「…!」
「じゃあ、あたし達はこれで失礼します」
「…喜多川祐介。もし、僕のところに来たくなったらここに連絡を入れるといい。
ふわりも言った通り、どうするかは君次第だ」
あたしは言いたかったことを言い残し、ひびきさんは自身の名刺を渡して、あたし達4人は公園を後にした。
「…」
あたし達が去った後の祐介さんは、ひびきさんの名刺を複雑そうに見ていたのだった。
ーーーーーーーーーーーーー
ーひびきのリムジン内ー
公園を去った後、あたし達はさっきのことについて話し合っていた。
「祐介さん。ああ言ってるけど、凄く苦しそうだった。
やっぱり、あの絵とあの態度は祐介さんなりの『見えないSOS』…そうとしか思えません…」
「見えないSOSか…。斑目展の時も君はそう言ってたな。
ああ言われたのに、助けるつもりか?
考察と自分勝手なエゴだけで、喜多川祐介を」
「勿論です。
無理矢理にでも助けなきゃ、このままじゃ彼が危ない…。
そんな気がするんです。
それに、彼の目を覚まさせないと…!」
「成る程な。君はそういう理由で喜多川祐介を助けると。
僕も喜多川祐介を助けることには賛成だ。
才ある者には平等にチャンスが与えられなければはならない。
恐らく盗作の被害にあった弟子はそれを斑目によって潰された。
これ以上、邪な者に才能の原石を潰されてたまるか…!!」
「ひびきさんにとって、斑目さんはそうとう頭にくる人のようね」
「ということは…」
「さっきも言った通り明日からやるぞ、斑目のパレスの調査。
君もそれでいいな。らぁら」
「はい、さっきの祐介さんを見て気持ちは固まりました!
どうすればいいのかはわからないけど…あたし達にできることをやらないと…!
それに、祐介さんが言ってた他校の人達…恐らく秀尽の生徒…
怪盗団の人達なんじゃないかって思うんです!」
「怪盗団が…斑目に目をつけている…だと!?」
「嘘…!?」
ここにきて、怪盗団が関与している可能性が浮上してきたことに、ひびきさんとふわりは驚きを隠せないでいた。
2人を見計らいつつ、あたしは話を続けた。
「だって、盗作や虐待の噂もネットで上がってる上に、祐介さんに直接接触して、あたし達と同じことを言った他校生…。
怪盗団が斑目さんの噂に気づいて動いてるとしか考えられないです!
多分、怪盗団も斑目さんを改心させるために、パレスを調査すると思います。
実際噂程度だけど、鴨志田を改心させたっていうなら…斑目さんをなんとかする方法だって知ってるはず。
祐介さんを助ける為に彼らとの接触も、絶対に狙わないと…!」
あたしはひびきさんにそう訴えた。
多分、彼を助けるには改心の手段をしってるかもしれない怪盗団との接触は絶対に必要だ。
暫く考えたのち、ひびきさんは口を開いた。
「…そうだな。君は元々怪盗団との接触が目標だったな。
喜多川祐介を助け、怪盗団との接触も叶えられるかもしれない。これ以上のチャンスはないだろう」
「じゃあ…」
「喜多川祐介を助けることを第一優先に、怪盗団との接触を図る。
斑目のパレスの調査目標はこれで決まりでいいね?」
「…!かしこまっ!」
こうして、あたし達は明日から斑目さんのパレスの調査を行うことになった。
あたし達は帰りに店で装備や、アイテム等色々買って帰路につき、あたしも家で勉強の後、とりあえずキーピックを沢山作ったのだった…。
ーーーーーーーーーーーーー
5/17日 火曜 晴れ 夜
ー真中家・らぁらの部屋ー
「お姉ちゃん。勉強終わったあと、何沢山作ってるの?」
「キーピック。明日から斑目さんのパレスを調査するからそれで沢山作ってるんだ」
「斑目さん!?なんで!?
盗作疑惑もネットの噂程度でしょ」
「今日、斑目さんの弟子に会ったんだけど事実っぽくて…その弟子さんも苦しそうに必死に師匠を庇ってるかんじだったんだ。
目を覚まさせる為にも、強引にでも彼を助ける。ひびきさんとそう決めたんだ」
「お姉ちゃんがそう言うなら、そうかもだけど…それって祐介さんの意思無視してない?」
「無視してでも助けなきゃダメだって思ったんだ。
あのままだと、彼か危ないから」
「そうなんだ…。
そう言うなら、その弟子をちゃんと助けてきてよ。お姉ちゃん」
「かしこまっ。元からそのつもりだよ」
キーピックを沢山作って、器用さがさらに磨かれた気がする…!
♪♪♪♪
RANK UP!
器用さ:1 ぎこちない→2 そこそこ
器用さがぎこちないからそこそこに上がった!
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5/18日 水曜 曇り 放課後
ーパプリカ学園・屋上ー
「よし、今日からここ、そして僕の家を僕達のアジトにするぞ。
今日から斑目のパレスの調査を開始する」
「かしこまっ!」
翌日の放課後、あたし達は斑目さんのパレス調査に向けてアジトとなった屋上に集まっていた。
学園長室だと他の生徒に聞かれる可能性が高いため、怪盗として活動する時はここをアジトにすることになった。
「まずはパレスへ行くためのキーワードですよね。
名前はヒットしてるけど、場所とどう思ってるかがわかってない、ですよね」
「ああ、まずは場所を特定するぞ。
斑目の関連記事や動画を見返そう」
まずは、パレスの場所の特定から始まった。
斑目さんの関連記事やインタビュー動画を一つずつ見返していく。
「うーん…どの記事をみても場所になりそうなのが見つからない…。
デパートもダメだったし、過去に個展が開催された別の美術館もだめだった…。
残すは…」
あたしはある動画を再生した。
それは斑目展初日のインタビュー動画である。
そこに気になる発言があったのだ。
「個展の開催場所がダメなら、もしかして…アトリエの『あばら屋』だったりする?」
『ヒットしました』
「「…!」」
あばら屋の名前をイセカイナビに告げると、見事ヒットした。
意外だけど…
「アトリエは画家にとってはまさに城だし、納得だな」
「ですね…あとはどう思ってるか。
ちなみに、あばら屋の住所って特定可能ですか?」
「そこは僕に任せろ。住所の特定くらい余裕だ。
君は『どう思っているか』の特定に集中したまえ」
「かしこまっ!」
あたしは最後のキーワードになりえそうなのをどんどん言っていった。
「まんまアトリエ!」
『候補が見つかりません』
「城!」
『候補が見つかりません』
「盗作してるんだし、工房?」
『候補が見つかりません』
「これもダメか…じゃあ、芸術家らしく…
『美術館』!!!!」
『ヒットしました』
「ビンゴ!!!ひびきさん、キーワード全部揃いました!!」
「上出来だ。こっちも住所は特定できた」
「じゃあ、これならパレスへ行けますね!」
「そうだな」
あたし達がキーワードを特定し、第一目標を達成した喜びに浸っている(主にあたし、ひびきさんは冷静)と…。
『ナビゲーションを開始します』
「「…?」」
空間が歪んだ感覚を覚えたと思ったら、次の瞬間またスマホが圏外になってた。
服は変わってないけど。
「もしかしてこれ、パレスの場所以外でキーワードを喋っても異世界に入っちゃうってことですかね…?」
「そうだろうな…メメントスが地下の外から入れたから恐らくそうだろう。
今まで、パレスの近くでナビを起動してたから把握できてなかったな」
「とりあえず、これからはパレスの近くでナビを起動するようにしますね…でないと、電子機器使えないから移動大変だし…」
あたし達はとりあえず、異世界から出て改めて作戦会議戻った。
「ハプニングはあったが、キーワードと場所を特定できた以上、これからパレスへ赴く。
らぁら、武器とワイヤーとキーピックは持ってきてるな」
「はい!この通り!」
あたしは、ひびきさんに言われたアイテムをバッグから取りだして見せた。
ちなみに剣はというと、あたしの怪盗服とセット扱いらしく異世界に行けばまた使えるようになるみたい。
「忘れものはないな。
よし、これから斑目のパレスへ向かうぞ!」
「かしこまっ!」
この後、あたし達は学校を出て安藤さんの運転でパレスのあるあばら屋へ向かい、あばら屋近くの人気のないところでナビを起動し、パレスへと入った。
ーーーーーーーーーー
ーマダラメパレス前ー
ナビを起動して異世界へ入りマダラメパレス(ひびきさん曰く)の前までやってくると、服が怪盗服になり、あたしの姿がプリパラの姿に変わった。
どうやら、入る前から警戒されてるみたい…。
「ジーニアス…」
「その様子だと、君も同じ意見のようだな…」
で…あたし達2人はマダラメパレスの見た目を見て、思わずげんなりした。
だって…
「「全部金ピカでギラギラしすぎて、センスがない…!!」」
マダラメパレスである美術館の外観は全部金の装飾に包まれていて、看板までデカデカと『斑目美術館』と金色の文字で施されていた。
ちなみに、『目』は赤で一際強調されている…。
流石のあたしも、欲望の象徴とはいえ斑目のセンスには呆れていた。
「金は確かにセレブやお金、高貴さを象徴する色だ。だが、全部同じ色にするのは違う!!
もっと色をバランスよく使って高貴さを演出すべきだ!!僕みたいに!」
「多分みれぃもダサいって指摘しそうですね…。この状況でパレスの見た目にツッコむのは場違いなのは分かってるけど…。
ギラギラしすぎだよ、このパレス!!
夜だから軽減されてるだけで、眩しすぎるし昼間だったらまともに見てられない!!
ていうか…この金ピカの見た目ってことは…」
「恐らく、頭の何割か『金への執着』なんだろう。
とにかく、あれを見続けるのは目に毒だ。
入れる場所を探して、裏から入るぞ」
「かしこま。
彼処の行列に並んでも時間食っちゃうし、堂々と侵入しましたーって言ってるようなもんですよね」
「わかってるじゃないか。よし、侵入場所を探すぞ」
あたし達は裏から入れる場所を探し、探索する。
辺りをみてみると、トラックがちょうど塀に停まってたので、そこを足場にして塀をよじ登り、美術館の庭へと入った。
敵に見つからないように庭を探索しつつ、途中『サーチオブジェクト』の存在を教えてもらい、それを壊してアイテムを入手しながら進んでいった。
庭を道なりに進み、屋根へとたどり着くと入れそうな天窓を発見した。
「ジーニアス、これ!」
「ちょうどいい侵入場所だな。
しかも…」
天窓の側にはロープが用意されており、これを使って怪盗団が侵入したことを示していた。
「怪盗団もここに来てる…!」
「しかもロープまで…これは使わせてもらおうか」
「そうですね…あ、そうだ!
あたし達のチーム名決めませんか?」
「この流れでか?」
「一緒に行動する以上チームです!
あたし達だけの名前を決めましょうよ!」
「成る程な。時間の問題だからとりあえず適当に決めるがいいな?」
「はい!」
とりあえず、侵入前にあたし達のチーム名を決めることになった。
「チーム名なんですけど、あたし達のペルソナの共通点から取るのはどうですか?」
「僕のナポレオンと君のジャンヌの共通点…
『革命』か」
「確かに!
ジャンヌはフランス革命に直接関係ないけど、直接フランス革命期以降に愛国心の象徴だって言われたし、
ナポレオンはフランス革命で有名…革命の更にかっこいい言い方は…」
「英語で『Revolution』だな。
君も流石に知ってるだろ」
「勿論!Revolutionって言い方かっこいいですよね…あ!
Revolutionをもじって『レヴォルテ』っていうのはどうですか?」
「レヴォルテ…ドイツ語で反乱の意味だな。革命にも通じてる。
よし、『レヴォルテ』でいこう」
「やった!ありがとうございます!」
「ではレヴォルテ、ミッションスタートだ」
「かしこまっ!」
チーム名も決まったところで、あたし達はパレスへの天窓から侵入を開始した。
改めて、レヴォルテ…ミッションスタート!
ED『INFINITY』
次回予告
らぁら「マダラメパレス…メメントスとは違った禍々しさがあるし、めっちゃギラギラしてて目に悪い…」
ひびき「同感だ。配色といい外観からして趣味が悪すぎる。
ろくでもない思考の持ち主だということが、パレスのデザインからひしひしと伝わってくるな…。
とにかく、ここのパレスの中を調べるぞ」
らぁら「かしこまっ!」
???『ヨロシクだホー!!』
ひびき「なっ!?語尾持ちのシャドウだと!?ぐっ!!」
らぁら「…!ジーニアス!?
次回 PERSONA5 THE ROYAL PARADISE
『潜入!マダラメパレス!』」
???「あの子は…まさか!!」
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以下あとがき(今回も長いです)
いかがでしたでしょうか。斑目編初回。
今回、展覧会を探索するチームにふわりを入れるか迷いましたが、当時の祐介とふわりって割と境遇似てないか?と思い入れることにしました。
結果的に祐介との対面シーンでふわりがしっかり活躍してくれたな…って思いました。(祐介ごめん)
らぁらの本質を見抜く云々のシーンですが、アドパラなどであまりちゃんの心情を察してるシーンなどが見受けられたので、今回の話に入れてみました。
アドパラのらぁらちゃん、割と本質を突くシーンが多い…。
ちなみにらぁらが魅入られた絵は、原作の展覧会に行くシーンで杏殿が見た絵と同じものです。
ひびきが祐介が描いたと見抜いたこと、怒り云々の考察で伝わるようにはしましたが…どうでしょうか?
祐介は原作での蓮達との言い合いのあと、気分転換に公園に来ていたっていう感じです。
気分転換に来たつもりがらぁらちゃん達が来たことによって、それどころじゃなくなりましたが…。
そして、らぁらとひびきのコンビ名が『レヴォルテ』に決定!
Revolutionからもじろうとは決めてましたが、たまたまレヴォルテの意味が反抗を意味すると知り…こちらを採用しました。
そして、次回はマダラメパレス探索回。
次回予告の語尾持ちのシャドウ…ペルソナをプレイした皆さんならお分かりですよね?アイツです。
次回もお楽しみ。
感想お待ちしております。