PERSONA5 THE ROYAL PARADISE 作:ぎんすた
お久しぶりです。
イナイレコラボでヴァンガード始めたり、モチベがだだ下がりでまた前回より期間が空いてしまいました。
ペルソナブースターの延期悲しいけど、却ってまだ予約チャンスが増えたと思ってます。
今回は怪盗団のマダラメパレス探索と同時進行で、らぁら&ひびきのコンビ『レヴォルテ』が同じくパレスに潜入します。
あと、一つだけ注意 。
活動報告でも申し上げた通り、今回の話の中でジーニアスもといひびき様が怪盗団のことを痛烈に批判してる場面がございます…。
読んでみて、こういう場面が少しでも無理、苦手と感じた方はブラウザバックをお願い致します。
それでもいいよ、という方はそれを了承の上でお読みいただけますと幸いです。
では、どうぞ
(感想大歓迎です。誹謗中傷やガイドライン違反じゃなければ大丈夫ですし、寧ろ大喜びです!!
皆さまからの感想がモチベになります…!!)
※戦闘シーンについてですが、補助スキルの存在をすっかり忘れてました。
今回は割愛とさせてください…!
次回からはしっかり使おうと思います。
らぁらside
5/18日 水 曇り 放課後
ーマダラメパレス・特別展示室ー
怪盗団が用意したであろうロープを使い、美術館に潜入したあたし達は棚から飛び降りると早速、このパレスに潜む『異常』が目に飛び込んできた。
それは…
「ここに展示されてる絵…全部動いてるし…しかも人…!?」
展示されてる絵が全員人物画&全部動いてることだった。
「近年、動く絵は珍しくない上にここはパレスだから全部そういう絵でもおかしくないが…
普通は作品の解説版があるところに作品名が書かれているわけじゃなく作者の名前、しかもフルネームと年齢等の詳しいプロフィールが書かれているのは気になるな」
「確かに…!作品名書かれてないの凄く変…!しかも、見る限り全部…!」
それに加えてジーニアスの指摘通り作品名ではなく、作者の名前…しかもフルネーム(本名)と、詳しいプロフィールが記載されてるのもその異様さを際立たせていた。
しかも…
「中野原…この人、怪チャンで名前晒されてた人です!
まさかこのパレスでその名前を見ることになるなんて…!
もしかして、彼も斑目さんに関する人だったりするんでしょうか…」
「ここが斑目の認知でできてるものだから、恐らくそうだろうな」
赤外線センサー等のセキュリティをくぐり抜け進む中、中野原…前に怪チャンで晒された人の名前も発見した。
あたしはあの名前をここで再び見ることになるとは思わず、少し驚いてしまった。
そして…さらに進んだ先で…
「…!ジーニアス!あれ…!」
「…!なるほどな…!」
あたし達はその人物の絵を見て目を剥いた。
その人物は、昨日会った斑目さんの弟子、『喜多川祐介』さんだったからだ。
祐介さんの絵を見て、あたし達はある結論に至った。
「まさか…この人達全員…」
「斑目の弟子ってことか…!」
前にパレスには主が『その人のことをどう思っているか』が認知上の存在として現れるって聞いたことあるけど、斑目さんの弟子が全員『絵』として具現化されてるってことは…!
「斑目は弟子達のことを『作品』としか見ていないようだな…!」
「そんな…!」
斑目さんは人を人として見ていない…!
しかも自分を尊敬している祐介さんのことまで…!
そんな事実を悟った瞬間、あたしの中の斑目さん…斑目の人物像が少しずつ書き換わっていき…
いつの間にか湧いていた怒りで震える拳を思わず握り締める。
「気持ちは分かるが、どうやらそれに浸ってる暇は無さそうだぞ」
「…!」
怒りに震えていると、ジーニアスに肩を叩かれ後ろを向くよう促される。
振り向くと、いつの間にか警備をしていた感じのシャドウ達に囲まれていた。
「しまった…!すみません…!」
「今は謝るな。敵の目の前だぞ。
それに、僕も認知の弟子に気を取られて油断していた。
丁度いい、久々の異世界だ。
肩慣らしにあいつらをつきあわせよう!」
「かしこまっ!」
あたし達が剣を抜いて戦闘態勢に入ると、敵のシャドウも姿を変えて戦闘態勢に入る。
久々にして、マダラメパレス初の戦闘が幕を開けた…!
OP「けっかおーらい」
ーーーーーーーーーー
潜入!マダラメパレス!
ーーーーーーーーーー
《推奨BGM『Keeper of Lust』》
ーマダラメパレス・特別展示室ー
「あの相手は氷結弱点か…。
なら、僕らの出番だな!」
ブチッ!!
「進め!『ナポレオン』!!
『マハブフ』!!」
WEAK!
戦闘が進む中、ジーニアスのナポレオンのスキルで敵の弱点を突き、敵が残り1体を残してダウンする。
1more!
「最後の一体は君の扱う祝福が弱点だ!やれ、アミ!」
「かしこまっ!」
「僕とバトンタッチできること自体貴重なんだ。しっかりやるんだぞ」
(本当はふわりとファルル以外とはやりたくないが…彼らがやっていたように、戦闘上重要な要素なら割り切るしかあるまい…!)
BATON TOUCH!!
敵をダウンさせることによって発生した自身がもう一回行動できる権利を、『バトンタッチ』でジーニアスから譲り受けたあたしは、仮面に手を添える。
バトンタッチ。
敵をダウンさせた時に発生する自身の再行動権を仲間に譲渡するスキル。
これを行うと、色々メリットが得られるんだって!
ずっと異世界では一人だったひびきさんが何故知ってるのかは置いといて…。
あたしはバトンタッチによって上がったパワーを感じつつ、仮面を燃やして相棒を召喚する。
「久々にいくよ!」
ブチッ!!
「御旗を掲げて!『ジャンヌ』!
『コウハ』!!」
WEAK!
あたしはジャンヌを召喚し、祝福属性のスキル『コウハ』で残り1体の敵をダウンさせた。
よし!全員ダウン!
HOLD UP!
「動かないで!動いたら撃つよ!」
あたし達は前にやったように、ダウンした敵達に銃を突きつける。
「ねぇ、何か出せるものはない?」
「物か金でいい、何か出してもらおうか?」
シャドウは話せるらしく、一応交渉してみる。
けど、シャドウは何も持ってないらしい。
ということは…。
「アミ…いくぞ!」
「かしこまっ」
あたし達は一回転して体勢を変えると、すぐさま武器を剣に持ち替えて総攻撃に入る。
ドカ!バキ!ドカ!バキ!
ーLa révolution exige des sacrificesー
「これでフィナーレだ」
最後に自分のメイキングドラマである『サファイア革命 純真乱舞』と同じ背景を背にジーニアスが薔薇を加えて、ライブフィニッシュ時と同じ体勢で玉座に座り、華麗に締めを飾った。
それと同時にシャドウは全滅した。
ーーーーーーーーーーーー
戦闘を終え、シャドウを全滅させるとあたし達は武器をしまって、再び敵に見つからないようにパレスの中を歩き始める。
「すみません…!油断しました…!」
「今回は久々のパレスだったのと、恐らく君と同じ理由で僕も油断したから自戒の意味も込めて言っておこう。
パレスは敵の本拠地のようなものだ。
メメントスよりもより油断せず、警戒を緩めるな。
敵もこちらを警戒している。
僕たちの服が怪盗服に変わって、ペルソナを扱えるのもそれが理由だからな」
「そういえばそうでしたね…」
「逆に敵のおかげで力を使えてるのも皮肉なものだな。
話を戻すが、さっき君が油断した理由…。
恐らく、『無意識に斑目に怒りを抱いた』。そうだろう?」
「多分そうです。
祐介さん達が絵として具現化された意味を知った瞬間…『酷い、許せない』って気持ちが湧いてきたんです。
それに加えて、あたしの中の斑目のイメージが描き換わりました」
「そうか。だが、斑目だけじゃない。人間にはいい人間だけじゃなく、表で善人のように振る舞いながら、裏では醜い本性を持つ人間も沢山いる。
斑目もその一人に過ぎない。
僕はそのような人間を散々見てきた。
君も異世界に出入りできるようになった以上、それを沢山目にすることになっていく筈だ。慣れていくしかない」
「…」
「人には様々な一面がある。それを改めて心に刻んでおくんだ」
「…かしこま」
人には様々な一面がある…か。
みれぃのようにポップなキャラを作って、いつの間にかそれがもう一つのありのままとして定着しちゃった人もいれば、ひびきさんみたいに色んな仮面を使い分けてる人もいる。
斑目は明らかに後者だ。
しかも悪い方向で。
あたしはそれを今一度考えながら、パレスを進むことにした。
「って、またレーザー…ここの展示室めっちゃ迷路ですね…」
「解除されているところが分かりやすい分まだマシだな。
赤外線用の暗視ゴーグルがここでは使えないのがかなり痛いな…。
暗視ゴーグルを使える異能者がいればかなり攻略は楽になるだろうが…」
「あたし達にはそれがないから、自力で見分けて行くしかない…ですよね…。
この前の訓練が役に立ってるのが物凄く救いです」
「な。やっててよかっただろう?
まぁ…ここまで多いとめんどくさいからいっそのこと、赤外線の解除めざしてみるか」
「そうですね…」
この後、赤外線を掻い潜って受付に辿り着き、探索に役立ちそうな館内パンフを頂いて先へ進んだ。
ーーーーーーーーーーーー
一方…
???side
「…!?」
「…『モナ』、どうしたんだ?」
「いや、少し気になることがあってな…」
俺達は斑目を改心させるべく、再び斑目のパレスへと侵入していた。
オタカラの在り処を探る為に探索を続けていると、2頭身の黒猫…(本人はニンゲンだと言っている)『モナ』が急に立ち止まった。
どうやら、何かを感じ取ったらしい。
「ここからは遠いが、ワガハイ達とは別の誰かの気配がする…!
それも2人。
しかも、どちらともワガハイがメメントスで感じたことのある気配だ。
一人は割と最近、もう一人はそれよりも前から感じたことのあるやつだ!
それも何回も…!」
「マジ!?それって俺らの他にも侵入者がいるってことかよ!?」
「しかも、その二人が敵か味方もわかんないってこと!?」
まさかの他の侵入者の存在の発覚に、俺達の間に更なる緊張が走る。
他の侵入者がいるということは…俺達の他にナビを使える奴がいるということだ。ということは…。
「モナ。
その二人は多分、俺達と“同じ”だ。
だとしたら…」
「ああ、シャドウだけじゃない。
ここにいるであろう他の二人の侵入者のことも気に留めて、これからワガハイ達は行動しなくちゃならない。
敵なら対立は避けられないかもしれないが…敵でないなら味方につけることも考えたい」
「ああ、その通りだな。
パレスを探索しつつ、姿の見えない彼らのことも同時に探るぞ」
「おう!」
「OK!」
俺達は今後の方針を確認し、探索を再開した。
他の侵入者の2人…一人は最近って言ってたな…。
そういえば、この前メメントスに行こうとした時に、『あの子』に似た風貌の中学生らしき女の子がいたような…。
しかもやたらと声が大きくて…。
ナビを起動した時に近くにいたような…!!
まさかあの女の子じゃ…!?
いや、まさか…な。
ーーーーーーーーーーーーーー
らぁらside
ーマダラメパレス・ホールー
「これって…!」
あたし達は展示室をくぐり抜け、ホールへと辿り着いた。
そこに展示されていた大きな金ピカの作品を見てあたし達は絶句した。
『無限の泉』
見た目は下から人が螺旋状に登っていってる感じで、プレートには要約すると彼らは斑目が作った作品達であり、自分の色んな着想や、イマジネーションを一生斑目に捧げなきゃいけない的なことを書いてた。
しかも、それができなきゃ生きる価値無しって…!
「あまりにも…酷すぎる…!
なんで、自分の生きる価値を他所の他人が決めなきゃいけないの…!?
幾ら自分の弟子だからって理由があっても…流石に狂ってるよ…!」
「今回ばかりは君の言う通りだな…
といっても、僕も似たようなことを嘗て言っていたから、人のことはとても言えないけどね」
そう言って、ジーニアスはげんなりしながら頭を抱える。
確かに、セレパラの時に散々酷いこと貴方に言われたけど…今はそれは置いといて…。
「ジーニアス、今はそれはいいです。
貴方よりも斑目の方がやってること、考えてることが余っ程酷いし…。
何より貴方はみれぃがトップランクになった時、お祝いに花を贈ってくれた…!
そんな貴方を、弟子を作品としか見てない人と、同じように見るなんてしたくないです」
「僕もそれは流石に御免被るな。
それに、僕は実力ある者は素直に評価する主義だ。
幾ら語尾が苦手な僕でも、努力で確かな実力を身に着けたあのステージを見せられれば、花くらいは贈らないと失礼だろう。
…!アミ、隠れるぞ」
「…!まさか!」
何かの気配を感知したジーニアスに促され、あたしは彼女と共に物陰に隠れる。
暫くすると、芸備をしているシャドウがさっきあたし達がいたところまで来ていた。
(ここから小声で会話してます)
「うわ…あのシャドウ凄く邪魔な位置にいる…。
これじゃ暫く出られませんね…」
「だったらこっちから仕掛けて、先制取って片付ければいい」
「できるんですか!?」
「敵の仮面を無理矢理引き剥がして不意をつくんだ。
しかも、こうやって隠れている状態が一番やりやすい。
より敵の不意をつけるからな」
「敵の不意…あ、そうだ。」
あたしは隠れているところから、こっそり部屋の全体を見渡しより不意をつけそうな隠れ場所に素早く移動した。
そして…敵がそこに来た瞬間…。
「ばぁっ!!」
『何だ!?』
「ちょっとその下見せて!えいっ!!」
隠れ場所から飛び出して、敵にとびかかり無理矢理シャドウの仮面を引き剥がした。
《推奨BGM『Take Over』》
仮面を引き剥がされたシャドウはその下が露わになり、戦闘体勢を取る。
ちなみにどこに隠れていたのかと言うと…。
「サーチオブジェクトの裏に隠れるのは別に普通だが…驚かさなくていいんだぞ。
ただ、飛びついて仮面を剥がせば不意打ちは成立するんだぞ…」
「すみません。不意撃ちの仕方はあじみ先生に叩き込まれてるので、つい癖で…。
でも、やり方は間違ってないですよね!」
「間違ってないが、よりにもよって伝授したのがあの黄木あじみか…!!
まぁ…今回ばかりは彼女に感謝だな。
先制を打ったら、最初は僕達で連続して回せる。
このチャンスを使って一掃するぞ!」
「かしこまっ!
弱点何ですか!?」
「銃撃と氷結、あと核熱弱点の敵がいるな。
氷結弱点の敵は僕が突くから、君はパレスに入る前に渡した『アトムマッチ』を使って弱点を突いてくれ。
物理、銃撃、そして氷結、祝福の4つの属性しかない僕達には、アイテムで弱点を突くしか選択肢がない。
外すなよ」
「かしこまっ!」
ジーニアスは仮面を構え、あたしは懐から『アトムマッチ』を取り出した。
これを使えば核熱が使えないあたしでも、核熱弱点を突くことができる。
ブチッ!!
「進め!『ナポレオン』!!『マハブフ』!!」
WEAK!
1more!
「よし、後は作戦通りにやるんだ!」
「かしこまっ!」
BATON TOUCH!!
「これでも食らえ!いっけー!」
ジーニアスが氷結弱点を突き、その流れでバトンタッチで手番を彼女と交代したあたしが核熱弱点の敵にアトムマッチを投げつける。
WEAK!
「よし!囲め!」
HOLD UP!
「さてと…」
このあと、あたし達はダウンした敵からアイテムやお金を巻き上げて、止めに総攻撃で纏めて片付けた。
ーVictory is in the air!ー
「勝利のかしこまっ!」
ーーーーーーーーーーーー
ー数分後・セーフルームー
シャドウを倒して、特別展示室を後にしたあと第一展示室近くに『《color:#ff0000》セーフルーム』っていうのを発見したので、そこで一休みしていた。
「へぇ〜パレスにこんな部屋があったんですね」
「ここはパレスの中で主の認知が薄い場所なんだ。
謂わば一先ずの安全地帯。
ここで休むこともできるし、次探索に来る時にここにショートカットすることもできる」
「そんなゲームみたいなこともできるんですね!」
「ああ、セーフを発見したら入ってすぐ抑えておけるかどうかが、パレスをより効率よく攻略できるかを左右すると言っても過言ではない。
紅茶と菓子を持ってきている。
今のうちに疲れを回復しておこう」
「ありがとうございます!
あ、あたしも駄菓子持ってきたのでそっちも食べますか?」
「スーパーとかでよく売られてる駄菓子か。
食べたことは無いが、僕の口に合うものだろうね?」
「合うと思いますよ!
よくひびきさんが差し入れしてくれるお菓子も美味しいんですけど、駄菓子も美味しいですよ!」
「ほう…?それは期待だな」
「期待に応えられると思いますよ!
ひびきさんが出してくれるお菓子に敵うかはわかんないんですけど…」
あたし達は持ち込んだお菓子を食べながら雑談をした。
その中で話題に戦闘中のあるアクションが持ち上がった。
「ほう…味は僕の好むお菓子より劣るが悪くない。
この値段でこのクオリティは、コストパフォーマンスの面からしてもいい線行ってると思うよ」
「それ駄菓子を作ってる会社の人に言ったら大喜びだと思いますよ!
ところで…さっき戦ってた時にやった『バトンタッチ』って戦法、あれどこからアイデアを得たんですか?」
そう、バトンタッチだ。
ひびきさんは1年前から一人で認知世界を出入りしていた。
バトンタッチは仲間が複数いないとできないし、一人で出入りしてるなら尚更思いつくはずがない。
そんなひびきさんが、なんでバトンタッチっていう仲間がいる前提のアクションを知っていたのか謎だった。
「メメントスにいた時、彼ら…怪盗団が戦っているところを偶然見かけてね。
弱点をつける仲間に手番を譲渡して、連続ダウンに繋げてパワーも上げられる。
非常に良い戦法だと思って真似させて貰った」
「あの…やってること斑目と一緒じゃないですか?」
「盗作じゃなくてあくまで戦法の真似だ。
それに僕は自分のもの発言していないから、普通の真似に留まるさ。
自作発言したら本当に盗作だからな」
「すみません!失礼しました!
ていうか…怪盗団見たんですか!?」
「ああ、君と出会う少し前にメメントスで彼らを見たんだ。
認知世界に生き来できるということは、つまり怪盗団もメメントスにも行ける。
怪盗団のことは4月頃、秀尽学園の鴨志田に怪盗団を名乗る者から予告状が届き、5月上旬頃にこれまで隠してきたバレー部員への体罰を自ら告白して自首した事件…。
それが怪盗団の仕業だと話題になり、その後『怪盗お願いちゃんねる』が設立されたのは君も知っているだろう」
「はい。噂程度しか知らなかったんですけど、なおが結構詳しくてそれで聞いてました。
なお、学校側の対応も酷いとか結構言ってましたね。
あたしも鴨志田と学校側が酷いのには同意見なんですけども…。
それと何の関係が?」
「秀尽の対応が酷いのは僕も同意だが、それ以上に僕は怪盗団が姿を現さなかった理由に注目して詳しく調べたんだが、その過程で僕はあの不思議な改心にパレスやイセカイナビが絡んでいることに気づいた。
怪盗団のメンバーもイセカイナビを持っているということは、メメントスにいつ現れてもおかしくない。
僕はそう思い君が初めて認知世界に迷い込む少し前に、メメントスに様子を見に行ったらビンゴ。
彼らが戦っているところを目撃したということさ」
「だから、バトンタッチも知ってたんですね!
ところで、ジーニアスから見た怪盗団ってどういう印象なんですか?」
あたしがその質問をしたところ、ジーニアスがジト目で目を反らした。
そして、呆れ返るように質問に答えた。
「一言で言うと…
バカ軍団だ。
君が複数いる感じの」
「バカ軍団!?怪盗団が!?」
思わぬ答えにあたしは拍子抜けする。
心の怪盗団の人たちって…あたしと似てるの!?
「僕は彼等の正体であろう秀尽の生徒を見たことあるが、はっきり言って怪盗として致命的なことをしているし、馬鹿すぎて正直一緒に組む気になれん…!!」
「え!?どういうことですか!?」
初っ端から同業への批判が始まったジーニアスにあたしは困惑しながらも話を聞いていく。
「人が多く、誰に話聞かれても可笑しくないところをアジトにするわ、
大声で喋るわ、挙句の果てにはボロを出してるわで…いつバレても可笑しくないと正直ヒヤヒヤした。
小5の時、学校側に隠してプリパラに通っていた君も、解禁まで隠し通していたくらい危機管理はしていただろう?」
「それを言うならあたしも結構ギリギリでしたよ?
帰ってからプリパラ行くとかは徹底してたんですけど…。
うっかりプリチケ持ってきてバレそうになったし、当時の校長先生にめっちゃ目つけられたりで、
多分怪盗団とどっこいどっこいですよ?」
正直、ジーニアスの発言にさっきからこっちもヒヤヒヤしっぱなしです…。
あたしは小学生の頃を思い出すと、怪盗団のこと言えないし…
「うっかりプリチケ持ってきてるのは確かにダメだな…。
だが、怪盗団はその危機管理が彼らは僕からしたら、全然出来てるとは言えないんだ。
その点で言えば、君と同じく彼等は怪盗としてまだ未熟だ」
「怪盗の大先輩がそれ言うと説得力あるような…。
でも、それ他で言ったら怪盗団のファンからかなり叩かれそうな気がするんですけど…」
怪盗団へ厳しい評価を下すジーニアスに、理由に若干納得しつつも冷や汗をかいている…。
ジーニアスってこういうとこストレートに言うよね…。
「覚悟の上だし、事実だから言ってるんだ。
本当ならば、彼等に怪盗とはどういうものかを知らしめてやりたいものだ。
だが…彼らの実力はまずまずと言ったところだし、ちゃんと基礎を踏んでいる奴はいるようだ。
それに…リーダーと呼ばれた男は、確実に天才の素質がある…。そう見ている」
「リーダーと呼ばれる男?」
リーダーの存在…始めて知った。
そりゃそっか、怪盗団もチームだもんね。
でも、リーダーが天才って…。
「ああ。
彼は少々…いや、かなり特殊みたいでね…。
僕達と違って、複数のペルソナを操れるようなんだ。制約はあるようだが」
「複数のペルソナを!?
なんで!?チートじゃないですか!?ズルいです!!そんなの!!」
ジーニアスから告げられた、怪盗団のリーダーのチートすぎる能力にあたしは憤慨する。
ジーニアスから前に教わった話なんだけど、ペルソナは普通ひとり一体までしか持てないんだって。
それはあたしやジーニアスも例外じゃない。
けど、その常識を覆す『ペルソナを複数扱える』っていうチート能力…。
ぐぬぬ…ズルい…!!羨ましい…!!
こっちは属性少ないのをアイテムで補ってるのに…!!
「落ち着け。
チートなのは確かだが、制約もあると言っただろう。
確かにあの能力は戦力としては一人いたらとても心強いし、役者でもある僕にある意味相応しい能力なのに、何で僕じゃなくて彼なのか!?と思うくらい、喉から手が出るほど欲しいし羨ましい能力だ。
複数のペルソナを持ち、それを彼は戦況によって切り替えていたようだが…
ペルソナを切り替える度に使える魔法は勿論、耐性や弱点も変わっていた」
「弱点が切り替わる…!?
それって別のペルソナに切り替えると立ち回りを変えなきゃいけないってことですよね!?」
「その通りだ。
複数にペルソナを切り替えれる能力は見た限り同時召喚のような真似事はできないし、ペルソナにあった立ち回り方を求められる。
普通のペルソナ使いより、複雑な立ち回りが要求されるだろう。
だが、彼は完全とは言い難いが力を使いこなしている様に見えた。
つまり、悔しいけど怪盗団のリーダーにはペルソナ使いとしての才能の素質が、誰よりも高いということだ」
「複雑だけど…使いこなせれば強い…か…」
「僕としては彼を勧誘したいが…無理矢理な勧誘は僕の主義に反するから避けたいし、何より彼の仲間が反対するだろう。
僕達は僕達なりのやり方で戦うしかないのさ。
…さて、そろそろ探索を再開しよう」
「…かしこま」
「そんなに不貞腐れてるな。
君の気持ちは少なからずわかる。
だが、今は先程言った通り僕たちのやり方を貫こう」
「そうですね…」
「…まぁ気持ちはどうあれ、引き続き油断はしないように」
怪盗団リーダーの特殊能力への嫉妬が残りつつも、あたしはジーニアスの探索再開の指示に従って、一緒にセーフルームを引き上げた。
セーフルームを出たあと、さっきより探索が少し楽になってて、展示品が1個なくなってたり、セキュリティシステムがいくつか電源が切られてる痕跡が発見されたんだけど、怪盗団がなんかやったんだろうということで、彼等に感謝しつつ、探索を続けるのだった。
(※らぁらたちがセーフルームで休んでる間、怪盗団側で宝魔戦のチュートリアルイベが発生してました)
「あれ?あそこ…展示品なくなってませんか?
あと、セキュリティの電源何個か落ちてますね…」
「怪盗団はさっきまでこの場にいたのだろう。
彼等に何があったのかは知らないが、僕たちにとっては探索が楽になって好都合だ。
恐らく、怪盗団はこの先に進んでる。遅れを取らないように進むぞ」
「かしこまっ!」
ーーーーーーーーーーー
「一時はどーなるかと思ったけどよ、宝魔だっけ?レアシャドウってやつも手に入って、却ってラッキーだったな!」
「あれは倒したら色々とお得だからな!
ところでさっきの二人組、偶然かはわからないが、気配からしてワガハイ達の後を追うように遅れて進んできてる。
いつ追いつかれてもおかしくはない」
「追いついて、もしバッタリ会ったりしたらどーすんの?」
「敵だったら戦うしかない。だが…そうじゃなければ…その時決めるしかない」
「そうだな、ワガハイ達は取り敢えずパレスの探索に集中しよう。
二人組はジョーカーの言う通り、邂逅したらどうするか決めるぞ」
「おうよ!」
「そうだね!味方だったら心強いし!」
ーーーーーーーーーーー
ー第ニ展示室ー
「やはり同時に2つの組織が侵入してる分、警戒度もそれなりにあるみたいだな。
セキュリティは怪盗団の手によって一度解除されているようだが、流石に気付いたのか僕達が来た途端にまた作動したな」
「急いでビリビリの仕掛けオフにして正解でしたね…。
でないと、閉じ込められてたままでした…」
あたしたちは現在第二展示室にて、ビリビリの仕掛けを急いでオフにしたあと敵シャドウにいち早く気づき、身を隠しながら奇襲チャンスを伺ってる最中です。
「ジーニアス、いつ仕掛けますか?」
「そこは今までの戦いから君の方が優れてることが証明されてるから、君に任せる。
全く…黄木あじみが君に仕込んだ技術に助けられるとはな…。
これに関してだけは彼女の評価を改めよう」
「かしこまっ」
あたしはジーニアスから先制を取る権利を譲られ、シャドウが後ろを向いたタイミングで飛び出し、シャドウにしがみついて仮面を剥がした。
「その画面の下、あたし達に見せて!!」
そう言って仮面を剥がすと、それを地面に捨てすぐさま離れ、シャドウの正体である戦闘形態への変化に備えて駆けつけたジーニアスと共に、こちらも戦闘態勢に入る。
シャドウが戦闘形態になったらいつも通りに倒すだけ…
そう思ってたけど…。
「嘘…!?ジーニアス!今回は引いたほうがいいです…!」
あたしは出てきたシャドウを見て絶句した。
そして、彼女に憤慨されることを承知の上で撤退を提案する。
「何!?君が取った先制なんだぞ!それを自ら放棄するとはどういうつもりだ!!
あのシャドウ達は火炎、祝福が弱点だ。僕らなら倒せるだろう?」
「あのシャドウ、あのマスコットと見た目も同じですよね?
なら、尚更です…!」
「ただ見た目がそっくりなだけだろ!!」
当然、彼女は反対した。
けど、複数いるシャドウのうち何体かが明らかに現実世界でも明らかに見たことある見た目だった。
それがあたしの知ってる『あいつ』だったら…。こっちに尚更不利…。
ジーニアスと喧嘩しているうちに、例の『あいつ』が喋りだした。
『侵入者の癖にいきなり喧嘩し始めて何なんだホー!?』
WEAK!
「ぐっ!?」
『あいつ』は現実世界でも同じ『語尾』を喋ってる。
それにジーニアスの身体が拒絶反応を起こしダメージを受けてしまった。
「ジーニアス!!」
「なっ…語尾だと…!?」
「やっぱり…!『ジャックフロスト』はこっちでも『語尾』を使ってる…!!」
語尾を扱うシャドウの正体、それは現実世界でも有名な雪だるまの悪魔をコンセプトにしたマスコット『ジャックフロスト』だった。
ジャックフロストは語尾に『〜ホー』をつけて喋ることで有名なんだ。
で…ジーニアスが昔のトラウマのせいで生理的に拒絶する程苦手なのが『ですます系以外のキャラ作りによる語尾』。
みれぃの『ぷり』やあじみ先生の語尾が代表的な例で、聞きすぎると精神崩壊を起こして倒れてしまうほど。
これは異世界でも発動するんじゃないかって正直、今まで安藤さんやふわりと一緒に危惧してたんだけど…。
ジャックフロストに遭遇しちゃったせいで、やっぱり発動しちゃった…!
あたしが彼の見た目を見て、撤退を提案した理由もこれが起因している。
共倒れになる可能性が跳ね上がるのもあるけど…何よりジーニアスが辛そうにしてるのを見てられない…!
「ここでは語尾カットフォンも使えないし、あいつの語尾聞きすぎたら、今後の探索に支障が出るし、何より貴方が倒れちゃいます!!
だから早く全滅させるか、撤退するしかないです!」
パレスの中でば電子機器は使えない。
それは語尾カットフォンや語尾カットPodsも同じで、語尾を持つシャドウに遭遇したら、語尾カットフォンの恩恵を受け取ることができず、あたし達は一発でピンチに陥ってしまう。
それがまさに今起きている状態だ。
「…そうだな…ならば…早急に決着をつけろ…!」
「言われなくてもかしこまっ!です!!」
ジーニアスの体調を考慮し、早急に決着をつけるべく仮面を燃やそうとした瞬間…。
『仕掛けてこないならこっちからいくホー!!』
WEAK!
「…!ぐああっ!!!」ジャックフロストからの更なる語尾の追撃を受け、ジーニアスはダウンし体勢を崩して倒れてしまう。
「ジーニアス!!」
あたしは彼女に急いで駆け寄るも、語尾が弱点判定されているのか、ジーニアスは現実世界よりも強く精神にダメージを受けて気絶してしまっていた。
やっぱり…こうなっちゃった…!!
あたし達は2人だけのチームだ。
一人が倒れると、もう片方が一人になって、なんとかしないと一気にピンチに追い込まれてしまう…。
つまり、今からあたしはこの状況をなんとかしなければいけない。
あたしがシャドウ軍団を倒して、ジーニアスを連れて逃げなきゃ…!
あたしはジーニアスを庇うように前に出て、迎撃の態勢をとる。
確か、ジャックフロストは火炎弱点で、残りの敵はラッキーなことに全員祝福弱点。
火炎ビンを当ててダウンさせて、他の敵も巻き込む形でジャンヌの『マハコウハ』を使って仕留めればなんとか切り抜けて、ジーニアスが復活する時間を作って逃げられる…!
ーーーーーーーーーーーー
「…あれって…らぁら!?
なんで…しかも相方らしき人のあの服…!!
なんでパレスに…!?」
「ああ…でも間違いない…!
2人組の正体があの二人だ!」
「しかもらぁらのやつ…めっちゃピンチじゃん…!
ジョーカー!!」
「わかってる!!いくぞ!!」
「ちょっ…!おい待てって!!」
ーーーーーーーーーーーーーー
「一か八か…やるしかない!
かしこまっ!」
アイテムとスキルを使って敵をダウンさせてから、全体スキルでまとめて一掃する。
自分なりになんとか作戦を立てたあたしはカバンから火炎ビンを何本か取り出し、それをジャックフロストに向かって投げつける。
WEAK!
1more!
火炎ビンが命中し、ジャックフロスト達がダウンするのを確認すると、あたしはすぐさま仮面を燃やす。
ブチッ!!
「御旗を掲げて!『ジャンヌ』!『マハコウハ』!!」
焔の中から現れた戦乙女から、眩い光のエネルギーが幾つも放たれる。
自由に軌道を描くと、エネルギーは敵に命中する。
WEAK!
祝福の全体攻撃で一気に弱点を取り、既にダメージを与えたジャックフロストは倒れ、残りの敵も体力を残したままダウンした。
よし、後はもう一度攻撃して倒せば…
そう思ってもう一度マハコウハを放つ態勢に入る。
だけど、その目論見は敵わなかった。
「…えっ!?」
突如前方に赤黒い水たまりが幾つか現れ、それが湧き出て血飛沫のように放たれる。
そこから、増援と思われしシャドウが出てきた。
「ここに来て増援…!?嘘…!?」
しかも、増援のシャドウは探索中に何回か遭遇した、祝福態勢持ちのシャドウばかり…!
氷結弱点のシャドウもいないから、ジーニアスでも弱点を取れない…!!
「ジーニアス…早く起きて…!!」
ジーニアスは語尾のダメージが思ったよりも大きいのか、まだ気絶してる…。
不味い…このままじゃ、あたしの体力か精神力のどちらかは確実に尽きる。
ジーニアスを連れて逃げるとしても、体力が何処まで持つかわかんない…。
せめて…こっちにも増援が来てくれたら…!!
「…!!」
そう考えるあたしの前に、シャドウの一体が迫ってくる。
あたしは衝撃に備え、剣を前に出して防御の態勢をとった。
その時だった。
「伏せろ!!」
「…!かしこまっ…!」
上から若い男性と思われる声が聞こえ、思わず防御したまま伏せる。
「ふんっ!!」
すると、目の前に黒いロングコートを纏い、白いドミノマスクをつけたふわふわした黒髪の男の人があたしとシャドウの間に割って入り、持っていたナイフで攻撃を弾いた。
シャドウはその衝撃で思わず距離を取り、引き下がった。
「大丈夫か?」
引き下がった隙を見て、男の人はこちらのほうに振り向き声をかけて手を差し伸べてきた。
「はい…!ありがとうございます…!」
あたしはその手を取り立ち上がって返事をし、彼にお礼を述べた。
すると男の人は「その礼は後だ」と返し、ナイフを構え直して敵へと身体を向け直した。
「どうやら間に合ったみたいだな。
オマエらが遠目でピンチになってるのを見かけて、ジョーカーとパンサーが駆け出したんだぜ。
ジョーカーの方が駆けつけるのが早かったみたいだけどな」
しかも、今度は横から少年のような声が聞こえてくる。
声の方向的に下っぽいので、下に顔を向けると…。
「猫の新種のマスコット?」
「猫じゃねぇ!!マスコットでもねえよ!!ワガハイはニンゲンだ!!」
マスコットぽい見た目をした、青い瞳が特徴的な二頭身の黒い猫がそこにいた。
本人は否定してるけど、見た目がどー見ても黒い猫…。
「ツインテールのレディ、見た感じまだまだ素人のようだが、仲間がダウンしてる中一人でよく頑張ったな。
安心しろ、ここからはワガハイ達が加勢するぜ」
「ホント!?」
助けてくれた上に、加勢もしてくれる。
ピンチに陥っていた状況が一気に逆転した。そんな気がした。
「ああ、ジョーカーとパンサーきっての頼みだからな」
「ジョーカー?パンサー?」
知らない名前にあたしが首を傾げる。
「あ!よかった…!間に合ったんだ!!」
「へ…?うわぁっ!!」
後ろから胸が露出した赤いボディスーツを身に纏って、赤い猫の仮面をつけた金髪のツーテールの女の人が走ってあたしに抱きついた。
ていうか、この声…何処かで…!
「パレスを探索してたらプリパラの姿まんまの友達が、シャドウに囲まれてピンチになってるんだもん、駆けつけないほうがおかしいでしょうが!
とにかく、無事でよかった!
ジョーカーあんがと!」
「…プリパラ…あっ!」
あたしは今は知ってる人しか知らないプリパラというワード、そして声とテンションで彼女の正体に気づいた。
「…!もしかして、杏?」
「当たり!やっぱらぁらじゃん!」
彼女の正体は『杏』だった。
仮面で顔を隠して髪型を変えていたけど、声と振る舞いは確かに本物の杏だ。
「声とそのテンションでわかるよ。
杏こそ、どうしてあたしだってわかったの?」
「そりゃ、その髪型は遠目で見てもわかりやすいからに決まってんじゃん。
そのおかげで、ここまでこれたんだよ」
「え!?髪型!?」
確かに、あたしの髪型はここだとプリパラと変わらない感じだけど、髪型だけで普通に特定されるもんなの!?
「そりゃ、女子プリで紫のバカでかいツインテで有名な奴っていったら、お前しかいねーだろ。知ってる奴だったらすぐ気づくわ」
「今度は金髪ドクロ!?」
「いや間違ってねーけど、出会って第一声がそれかよ」
「ごめんなさい…!ドクロの仮面って凄くインパクトあって分かりやすいから…」
「まぁ、いいけどよ…」
今度は後から駆けつけてきたっぽい赤いマフラーが特徴的な黒いライダースーツを身に纏って、骸骨マスクをつけた金髪の男性がバットを構えて走ってきた。
金髪の人はあたしの失礼すぎる第一声にツッコミを入れつつ、あたしがすぐさま謝ったので呆れながらも流した。
この人達、もしかして…。
「まさか…杏達が怪盗団?」
「そういうこと!
多分、お互いに聞きたいこと沢山あると思う。
でも、今はこの状況を切り抜けよ!!
あと、私のことはここでは『パンサー』って呼んで!」
「パンサー…あっ!もしかしてコードネーム!?」
「よくわかってんじゃねーか!ワガハイは『モナ』だ」
「俺は『スカル』な!」
「そして、俺がリーダーの『ジョーカー』だ。
コードネームのことを知っているということは、君にもあるだろ?
君のことはなんて呼んだらいい?」
猫がモナ、杏がパンサー、金髪の人がスカル、そして、助けてくれた黒コートの人がジョーカー。
そのジョーカーに尋ねられ、あたしは自分のコードネームを告げた。
「かしこまっ!
あたしのことは『アミ』って呼んでください!
ジーニアス曰く、フランス語で『友達』って意味なんです」
「アミ…いい名前じゃん!」
「中々いいセンスしてんな、ジーニアスってやつ!
ところでそのジーニアスって誰のことだ?」
「いや、そこでダウンしてるあいつだろ?
あの怪盗ジーニアスまんまじゃねーか!!」
「確かにプリパラネットで見たまんまだな…」
ジーニアスの名にモナが首を傾げると、スカルがあたしの後ろで倒れてるジーニアスを指差した。
ジーニアスは語尾のダメージが回復してないのか、まだ気絶したままだ。
「ジーニアスっつーことはお前の相方もしかして…」
「しーっ!今は気づいてても伏せといてもらえませんか?」
「…お、おう…」
「とにかく、今はこいつらを片付けるぞ!」
「アミ、ここからは俺の指示に従ってくれ。
情報支援はモナが行うから、しっかり聞いてくれ」
「かしこまっ!」
あたしは、気絶したままのジーニアスを安全な場所に移動させて、ジョーカー達に合流する。
怪盗団の仲間に友達が…杏がいたのはびっくりだけど…今は目の前のシャドウ達に集中しなきゃ!!
あたしは掌を握り締めた後、再び鞘から剣を引き抜いて構えを取り、意識を戦闘モードへ切り替える。
「アミ、その様子なら行けるな?」
ジョーカーが目線をこちらに向け、あたしの様子を伺う。
「はい!まだやれます!」
「フッ…ならば、行くぞ!」
「かしこまっ!!からの…かみこまっ!」
それにあたしが頷くと、ジョーカーは安心したようにフッと僅かに笑みを浮かべたかと思えば、直ぐ様真剣な顔になりこの場の全員に号令をかける。
あたしは当然かしこまって、ジョーカーとパンサーの間に並び立った。
ジーニアス…必ず、勝ちますから。
今は休んでてください。
心の中で意識のない彼女にそう言うと、ジョーカー達と共に敵に向き直る。
「さぁ…ショータイムだ!!」
このピンチ…絶対に乗り越えてみせる…!
ここからは…反撃の時間だよ!
ED『LOVE TROOPER』
次回予告
らぁら「まさか、杏が怪盗団だったなんてびっくりだよ!」
杏「私も友達が一緒のパレスに潜入してて、しかも同じペルソナ使いだったなんて思わなかった!
お互い、聞きたいこと沢山あるだろうけど、今はあいつらを倒そう!」
らぁら「かしこまっ!」
ジョーカー「行けるか?アミ」
らぁら「勿論のかしこまっ!」
ジョーカー「それが言えるなら大丈夫だな。よろしく頼む。
次回 PERSONA5 THE ROYAL PARADISE」
モナ「『邂逅!心の怪盗団とレヴォルス!』
ようやくワガハイ達の出番だぜ!」
らぁら「猫のマスコット!?」
モナ「だから猫じゃねぇ!!」
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あとがき(いつも通り長いです)
今回のED、めちゃくちゃ迷いました…!
今回EDに使った曲は話の後半に使う予定だった為、使おうか迷ったんですが…らぁらと怪盗団の初邂逅という大事な回かつ、プリパラの曲をそろそろ使いたい。そして、ピンチからの反撃開始というところで今回の話を締めてる為、プリパラでこういうシーンに相応しいEDを持ってくるならこの曲だろ!!と思って使いました。
今後、この曲は話が重要な曲面を迎えるところで使う予定なのでお楽しみに…!
さて…怪盗団とらぁらたちが遂に邂逅しました!
(ジーニアスは気絶したままですが…)
セーフルームでひびき様が怪盗団を痛烈に批判しつつ、ある程度の実力は認めてるシーンについてですが、まずこの作品を読んでくださってる読者の皆様、不快な想いをさせてしまっていたら申し訳ございません。
厳しめ系は苦手…といいつつも今後の話に絶対に必要な要素ではあるので、このシーンを入れることにしました…。
(このあと、語尾でダウンして怪盗団に助けられる羽目になりますが…)
まず、設定上今作ではメメントスに入ってる歴や怪盗歴でもひびき様の方が怪盗団より先輩です。
というか…怪盗だと完全に先輩ですね…。
メメントスに出入りしてるから怪盗団のことを直接認知してるし、戦闘も観てるからバトンタッチも使えたわけです。
ちなみに本人はバトンタッチは本当はふわりやファルル以外とやりたくないけど、戦闘上らぁらとしかできないので割り切ってやってます。
ひびき様からすると、連絡通路をアジトにするのは機密事項を誰に聞かれるかわからないリスクがあるのでよろしくないし、大声で喋る&ボロを出すのは怪盗として致命的すぎて論外なんです…。
ただ、戦闘についてはまずまずの評価を下してるかつ、ジョーカーの実力は天才として認めています。
基礎を踏んでるのはモナのことを示していて、モナについては連絡通路をアジトにする以外は怪盗の基礎をちゃんと抑えてるのでそこは認めてる感じです。
今後、怪盗団と関わって彼女の中で彼等に対する評価がどう変わるのか、そこにもご注目ください。
変わってチャンスエンカウントのシーン。
あじみ先生仕込みの神出鬼没さ、ここで応用できんじゃね?って思ったので盛大に活用させていただきました。
あじみ先生、感謝します。
『人間にはいい人間だけじゃなく、表で善人のように振る舞いながら、裏では醜い本性を持つ人間も沢山いる。』
斑目に無意識に怒りを抱いたらぁらにひびき様がこの言葉をかけるシーンですが、俳優の世界にいて色々見てきたひびき様だからこそ言える言葉じゃないかなぁって思っています。
何気に今回の話のお気に入りシーンです。
そして、ひびき様にしかない最大の弱点である『語尾』。
実は2話前編に載せた彼女のペルソナであるナポレオンのペルソナ解説に、核熱&語尾弱点とはっきり書いています。
語尾弱点のペルソナって普通はありえないですが…ひびき様のペルソナである以上、ついてきてしまった弱点とも言えます…。
異世界だと、電子機器は使えない。となると語尾カットフォンも使えなくなってしまう。その状態で語尾持ちであるジャックフロスト等のシャドウに遭遇したらどうなるか?を今回この話で書きました。
結果ひびき様は現実なら耐えているところを、異世界特有の弱点ヒット補正による現実以上のダメージを受けて気絶し、大ピンチに陥ったわけですが…。
らぁらちゃん一人で頑張るしかない、しかも敵の増援絶望的な状況となっていたところに…2人を目撃していたジョーカー達が駆けつけ、遂にらぁらちゃん達と怪盗団が出逢いを果たすことになりました…!
やっとジョーカー達登場です!
皆様大変お待たせしました…!
杏は1話で既に出ていますが、プリパラ外では初登場となります。
これから怪盗団とプリパラキャラがガンガン関わっていきますよ!!
怪盗団とこの話でついに邂逅したことにより、2人はP5Rの物語により深く直接的に関わっていくことになります。
原作通りに進むのか、それとも違う道を辿るのか、それはイレギュラーな2人の行動次第です。
次回は遂に巡り会った、らぁら&ひびきのチーム『レヴォルテ』と心の怪盗団。
共闘を経て、これから彼女達がどうなっていくのか…
まずは次回をお楽しみに。
感想お待ちしてます!