うたわれちゃったもの   作:ポチ&タマ

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うたわれが少なかったので。

【追記】
六道九喇嘛モードの条件をすっかりド忘れしていました。
1話修正済みです。


第1話 うちはウチワ

【○月○日】

 

 マツオに要望していたノートとボールペンが届いたので、日記を再開する。

 

 俺の名は、うちはウチワ。

 うちは一族に生まれた転生者だ。

 転生にあたっての経緯はどうでも良いので割愛するが、転生先はまさかの忍ばない忍者漫画で有名なNARUTOの世界だった。

 それも並行世界。かのナルトの相棒ポジである九喇嘛がTSしていたのだから間違いないだろう。

 

 さて、うちはイタチとサスケの兄として生まれたのはもはやテンプレだが、転生特典により生まれながらにして写輪眼に目覚め、愛犬のポチを喪った哀しみで万華鏡が開眼。アカデミーを卒業する頃には最終進化系の輪廻写輪眼に至るという才を開花。

 そう、転生特典の一つが輪廻写輪眼。さらには忍びの才も貰ったため、うちはマダラを越える逸材と謳われたのだ。

 当然、ダンゾウの耳にも入り、暗部に強制就職。その際に、「コイツのせいで将来イタチが里抜けする羽目になったんだよな」と思い出し、先手を打って“別神天”を使用。

 幻術に掛けられた自覚を与えず相手を洗脳するという、万華鏡写輪眼の中でも一、二を争う瞳術だ。

 野心を捨ててヒルゼンを支えろ。この命令に忠実に従い、綺麗なダンゾウと化した彼は、心を入れ替えて三代目火影を支持。

 結果、イタチが里抜けする切っ掛けとなった【うちは惨殺事件】もなくなり、弟は木の葉の上忍として活躍することになるのだった。

 

 閑話休題。

 そして、物語のターニングポイントである九尾復活。

 うちはマダラ(オビト)によって操られていた九尾だが、颯爽と現れた史上最強のつよつよ忍者により写輪眼され、精神世界で数十年の時を過ごし、強制的に「オレトオマエ、ズットモ」状態へ。

 ごり押しの友情を結んだが、九喇嘛という一匹の生命体として向き合ったためセーフである。

 そして、九喇嘛の了承を得てナルトの代わりに人柱力となった俺は、様々な過程をすっ飛ばして九喇嘛モードとなり。

 生命力が激減し死にかけている前人柱力ーーうずまきクシナに生命力を分け与え、事なきを得た。

 

 九尾復活の原因はうちはマダラにあると、九喇嘛からの証言を受け、なんやかんやで犯罪組織“暁”に行き着き、あーだこーたで壊滅。

 他の尾獣たちとも交渉し、かくかくしかじかな結果チャクラだけ融通してくれた。

 そのおかげで、トップの長門や裏で暗躍していたうちはオビト。そして、真の黒幕である黒ゼツを叩き潰すことが出来、カグヤは復活することなく幕を閉じるのだった。

 

 ーーNARUTO、完ッ!!

 

 と、勝手に完結してもいいくらい平和な日常を送っていたんだが、ある日、目が覚めると見知らぬ部屋の中。

 ロリを愛す元令和生まれの、木の葉の上忍うちはウチワ。現在、気づけば謎の施設で監禁中なのだった。

 

 なにやら近未来的な作りの部屋であるが、ここは何処なんだろうな。

 ロリたちの悲哀の声を聞き漏らさないために鍛え上げた察知能力をすり抜けて拉致った可能性は無きにしもあらず。

 なので、俺の中に居る九喇嘛殿に何かあったのか尋ねてみたのであるが、『⋯⋯オレもついさっき目が覚めたばかりだ。すまねぇ』とのこと。

 

 扉は頑丈そうな金属製のドアで施錠もしっかりされているが、俺にとってはあってないようなもの。なにせ、俺の瞳術の一つは“神威”故。

 スルリとすり抜けようとしたところ、タイミング悪く人がやって来て。

 そうして出会ったのが、可愛らしい女の子を連れた壮年の男性。

 マツオと名乗る科学者だ。

 

 

 

【○月☓日】

 

 マツオ氏の話によると、突然空間からヌルリと現れた俺は三日間意識を失っていたらしい。

 恐らく“神威”による時空間移動の影響か。本家と違って俺の“神威”は時空すら越えられるからなぁ。

 それに、俺が習得した時空間忍術は口寄せの術のみ。

 しかし、意図せず瞳術が発動するのは初めての事態である。寝ぼけてうっかり神威してしまったのか?

 

 マツオ氏から聞いた話によると、俺が跳んだ先は数百年も進んだ未来だった。

 しかも、地上は汚染物質が蔓延して住めなくなり、人々は地下シェルターでの生活を余儀なくされているとか。

 そのため、人類が再び地上に出るために作ったのが、なんと獣耳美少女!

 デコイと呼ばれる獣人たちを人工的に創るとは、大蛇丸をも越えるマッドっぷりだわ。

 倫理観は何処に行ったって話だし、デコイたちの創造が地上進出にどう役立つのか分からんが、紹介してくれた彼女ーーNo.63はとても可愛いケモロリ美少女!

 一度しか顔を見ることが出来なかったが、No.63ことムッちゃんとは念話でよくお話している。

 ムッちゃんはある素体を元に作られた特殊な個体のようで、念話を始めとした神通力が使えるのだ。

 

 

 

【○月○日】

 

 マツオ氏の要望で衣食住を提供する代わりに、俺の血液などのDNAをサンプリングすることとなった。俺の身の上話をしたら是非にとのことである。

 俺のDNAが地上進出にどう役立つのか分からんが、おいそれと元の世界へ帰れるわけでもない。

 俺の神威は転送の術のように座標を指定できないから、ぶっちゃけ元の世界に帰れる確率は恐ろしく低いのだ。

 あっちには恋人こそいないものの、家族や友人がいるからもう逢えないかと思うと寂しいが、こっちにはケモロリたちがいる。

 木の葉特務部隊ーー後方腕組み見守り隊、初代隊長として、か弱き少女たちを見守り、時に教え導くという使命がある故に。

 許せ、我が弟たちよ。

 

 む? ムッちゃんか。

 なに? 俺の弟たちが気になると?

 そうさなぁ⋯⋯では、我が末弟、サスケの話から聞かせてしんぜよう。

 

 

 

【○月△日】

 

 部屋に軟禁されている我が身だが、愛すべきケモロリたちが直ぐ側にいるとあればジッとしているはずが無く。

 監視の目が緩む正午過ぎを狙い、部屋を神威って抜け出す日々。

 もちろんアリバイ作りに抜かりはなく、自室には影分身を配置してのこと。

 俺のお隣さんはNo .350殿。後述するもう一人の男性、アイスマンからミコトと名付けられた可愛らしいケモミミ少女だ。

 ムッちゃんほどではないにせよ、ミコトも非常に言葉が達者で、なにより淑やかな女の子である。

 いつも穏やかな微笑みを浮かべていて、今日あった出来事を楽しそうに報告してくるのだ。

 最近ではアイスマンにしりとりで負け続けており、どうにかして勝ちたいと、いつになく真剣な面持ちで相談された。

 取り合えず「ら」で終わる言葉を紙にして渡しておいた。

 

 それと、仮面を付けた男性とも顔見知りになった。

 なんと、マツオ氏の話によると氷の中に閉じ込められていたようで。本人は自身の名前も覚えていないとのこと。マツオ氏たちからはアイスマンと呼ばれている。

 アイスマンもマツオ氏たちにDNAを提出しているとのことなので、同じサンプリング仲間でござるな。

 

 彼は鼻から上を隠すタイプの仮面を常日頃から付けており、何故か外せないとのこと。俺も試しに外そうとしてみたのだが、びくともしなかった。

 手応えからして、顔面の皮膚どころか骨に縫い付けてあるのかもしれない。汗疹とか出来て大変だろうなあ⋯⋯。

 

 アイスマンは非常に理知的で落ち着きのある男だ。

 世話役を任されているミコトからの信も厚く、いつの間にか接触したのかムッちゃんとも仲が良い。

 彼も部屋から出ることが許されていないため、会いに行くには俺の方からとなるが、気配を殺しながら壁をスルーして脅かすのは癖になるな。毎度のことなのに反応が面白すぎ。いや、ホラーがダメなタイプなのかも?

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