人工的天才の友人は超能力者   作:アオノクロ

3 / 12
青春してるの良いね!といった感想を貰いました。

自分としてもよう実の魅力は個性あるキャラたちの頭脳戦、とは思うのですがちょっと殺伐しすぎてる気もするのでもっと楽しい世界になればいいなーと思いながら書いてます。



あ、二本同時投稿なのでお気を付けください。


桜舞うグラビアアイドルとの邂逅

「ん、あっちにもあるな」

「あぁ、確かに」

 

 さて、入学初日から仲良くなった二人だが、もちろんしているのはいたずらだけではない。学生の本分は勉強である、建前としてはどの学校もそう掲げているはずだ。通っている高度育成高等学校もその例に漏れることはない。

 

 もちろん学生によっては部活動がメインだったり、自分の趣味や郊外活動、勉強以外のことに力をいていてもおかしくない。それが学生というものだ。

 

 人工的な天才は学力試験では手を抜いているが、本気になればどの教科も満点をとれる実力があるがゆえに勉強はしなくても大丈夫。だが、超能力者はそうでもない。勉強は中の下、運動は中の上といった超能力が使える以外は普通の学生と変わらないのだ。

 とはいえ普通に学校生活を送るのならさほど問題はない、赤点を回避する程度の実力があるのでよりより成績をめざすのなら勉強した方がいい、くらいなのだ。

 

 しかし彼らはすでにこの学校が普通の学校とは違うことに気が付いている。

 

 成績がそのまま生活や退学にかかっている、あくまで可能性だが、そう気が付いている。ならば今の間から勉強などをしてこれからに備えるべき、そう考えた彼らは、

 

「やはり監視カメラの数は異常だな」

「だな、今までみたいにいたずらの仕掛けをするなら気を付けないとな」

「………………今までにもやっていたのか? バレないよう生活していたと言っていたがもしかして結構な頻度で超能力をつかっ「さ! 監視カメラマップをさっさと作って飯でも行こうぜ‼」」

 

 いたずらを仕掛けた現場を押さえられないよう、学校中に配置された監視カメラの位置を調べていた。

 

 ちなみに途中で遮られた天才の予想は当たりである。

 

 

 

「さて、マップも完成した、が、……どう思う?」

「明らかに意図的だな」

 

 すべてを知った渡辺は、基本的に頭や腕力が必要な時には遠慮なく綾小路を頼っている。今みたいに相談するときはまず綾小路の意見を聞いておく、でないと気が付かないことが多くて見過ごすことがある。気づくためにはたくさんの情報を正確に読み取る力と、それを整理する力が必要だが綾小路の得意分野だ。

 

「これだけの数、監視カメラがあるのに死角がある。それも複数個所、都合よく人も通りにくい場所に。まるで学校側が秘密の会談に使えと言わんばかりだな」

「秘密の場所ねぇ、逆に言えばそこを張っておけば秘密が分かるかも?」

「! そうだな、どう使うかと考えていたが、見方を変えれば誰もが使う場所か」

 

 そして綾小路は惜しみなく情報と考えを伝える。そうすることで合理的な思考に偏っている自分には出せない発想を渡辺は出してくる。とはいえくだらない事が大半だが。

 

「ま、今日はこのあたりで終わりかな? そろそろ堀北にいたずらしないと寂しがってるだろ」

「やりすぎて何もしないだけで疑われるようになったからな。オレとしてはこのままでもいいんだが」

「なーに言ってんだ、警戒するからこそ! そこを超えて仕掛けるのが楽しいんやろがい」

 

 

 それでも自分では思いつかないことを思いつき、自分が手助けすることでカタチになる。隣でケラケラと笑う友人との協力は、今まですることのなかった綾小路にとって新鮮なものだった。

 

「じゃあ、スーパーにでも、ってあれ?」

「どうした?」

「あれ、あっちにいるのって確かウチのクラスじゃなかったっけ?」

 

 渡辺の指さす先には確かに一人の女子生徒がいた。カメラを持ち、自分に向けて角度を調整しているあたり、自撮りでもしているのだろうか。

 

「あれはなにをしているんだ?」

「自撮りでもしてるんじゃね? 女子はそういうの好きだし」

「なるほど」

 

 カメラと言えば写真を撮るもの、その対象は風景や他者であり自分を撮ることもあるということを学んだ綾小路うなづいた。

 そして邪魔をするのもよくないと思い、引き返そうとしたが、

 

「おーい、良かったら写真撮るの手伝おうかー?」

 

 いつの間に女子生徒に近寄っていた超能力の、同じ学校とはいえもしかしたら初対面の女子に向かって、声をかける胆力に驚いた。

 

「スーパーに行くんじゃなかったのか」

「多少遅くなってもいいだろ。ほら同じクラスの綾小路、こっちは佐倉」

「あ、あの、はじめまして、佐倉です」

「はじめまして、でいいのか? 綾小路だ」

 

 さっきまでとずいぶん様子が違うな、と綾小路は思った。遠目からだとノリノリだったのに話してみると引っ込み思案だ。もしや見間違いか、いやオレたちを騙すための演技なのかと疑いが生まれる。もしや渡辺は気が付いたことがあって声をかけたのかもしれない。

 そんな思いを外に出さず、二人の会話を観察しはじめた。

 

「佐倉は写真好きなのか、どんな写真撮ってるんだ?」

「え、えーっと花とか風景とか」

「あれ、さっき自撮りしてなかった?」

「ひゃっ!? あーっと、ほら、み、見間違いでは?」

「ありゃ見間違えたか。そうだ! 写真とか見せてもらったりしても大丈夫? ちょっと気になって」

「あ、あ、その、まだ人に見せられるもの、ではあに、ないので」

「そっかぁ、ざんねんだ」

「あ、いやその、ちょっとそのお部屋とかの写真もあるので、ごめ、ごめんなさい!」

「すいませんでした、セクハラで通報するのだけはやめてください」

「えぇ!?」

 

 明らかに何か隠して動揺しているクラスメイトに土下座をする友人。そんな様子を見て警戒するのも疲れるだけだなと思い、綾小路は心の中でため息をついた。

 少なくとも相手を害するとか秘密を探ったりはしていない。

 

「佐倉が困ってるぞ」

「いや謝らないといけない、女子がセクハラだといえば息を吸ってもセクハラ、キモいといえば立ってるだけでもキモいのだ。そうならないためにも誠心誠意を込めて謝罪しなければいけない」

「オレが知らないところでそんな法律が生まれたのか、なら」

「いや、ちょっとあの、ごごめんなさい! わたしが悪かったので頭を上げてくださいお願いします!」

 

 女子からの涙ながらのお願いをうけてようやく男子たちは頭をあげた。

 

「でも写真か、いいなぁ、俺も始めてみようかな。佐倉はそのカメラ買ったのか?」

「あ、はい、お店もあったしポイント貰えたので」

「そっかぁ」

 

 本気で思っているのかポケットから端末を取り出してカメラについて調べだす、渡辺。慣れている綾小路と違って、いまだによく分かっていない佐倉は勇気を出して声をかけた。

 

「あの、お二人は何をしていたのですか?」

「……学校探索だな、広いから見て回ってたんだがたまたま佐倉を見つけて声をかけたんだ」

「な、なるほど………………あの、お二人はよく一緒にいますけど、どういった関係で」

「友だちだ」

 

 短く、それでいて揺るがない意志を持って言い切った。そんな横顔を見て佐倉は少し、うらやましいといった感情が生まれた。

 

「………………その、よければ「そうだ!」ひっ!?」

 

 勇気を持った一歩は子どものようにキラキラした笑顔のバカが遮る。佐倉はまだ知らないが、これはくだらない事を思いついた顔だと綾小路は知っている。

 

「おれも写真を撮ってみる!」

「何を撮るんだ」

「分からん!」

「え、あの、どういう」

「佐倉、渡辺の言葉は気にしていたら身が持たない。適当に流すくらいでいいぞ」

 

 困惑した佐倉がアドバイスを受けるが、理解するにはまだ付き合いが足りない。

 そして端末を掲げながら目をつむり、唸りだす渡辺。

 

「あの、これは」

「オレにも分からん」

「ハァッ‼」

 

 気合を入れて端末の撮影ボタンを押すバカ。画面を見ると笑い出し、困惑を超えてひき始めた二人に画面を見せる。

 

「えっ」

「………………」

 

 驚く佐倉に絶句する綾小路。

 

 二人が見た画面には、大口を開けてあくびをする堀北が映っていた。

 

「………………これは?」

「堀北のあくび写真、いい出来だろ?」

 

 どや顔で説明する超能力だが、綾小路が欲しいのはそこじゃない。どうやったのか、なぜ堀北なのか、これは念写というやつじゃないのか、これがバレたらまた怒られるんじゃないか、アレコレ浮かぶも混乱した頭では正常に判断できない。

 

 これでも人ひとりではたどり着かない知識と頭脳を持つ男なのだが、なにもできない。なにせ目の前にいるのは人知を超えた存在なのだから。

 

「ふ、ふふ」

 

 そして困惑した綾小路を現実に取り戻したのは隣からの笑い声だった。

 

「あはは、何で堀北さんの、ふふ、あくび写真って、ふふふ」

 

 何が面白かったのか涙をこらえながら笑い出す佐倉。さっきまでのオドオドした様子はなく、年相応の、かわいらしい笑顔がそこにあった。

 

 顔を身わせてつられて笑う超能力者とほんの少し口角があがる天才、彼らは目を合わせて動き出す。

 

「えへへ、きゃ! え、なんですか!?」

「そのままそのまま」

「ここでいいか?」

「おう、ピースしろピース」

 

 佐倉を挟み込むように並ぶ二人、タイミングよく風が吹き、まだ残っている桜の花びらが舞い上がる。

 

 

 

 パシャリ。

 

 

 

 後日、三人がもつ端末には大口を開けて笑う超能力者に不愛想ながらピースをする天才、そしてほほを染めながら、桜と友人にかこまれた将来のグラビアアイドルの写真があった。




風が吹いたのは偶然なのか、誰かの手によるものなのか、それは誰にも分りません




堀北を撮影したのは念写です。レンズを隠しながら堀北のことを考えながらシャッターをきったので堀北が映りましたがあくびをしていたのはたまたまです。(千里眼で確認もできるけど渡辺は面白くないのでやりません)


運がよければあんな場面やこんな場面が(以下生徒会長による規制)



ちなみに佐倉は堀北の写真をこっそり撮ったんだろうなーと思ってます










本編がキレイに終わっちゃったので、入らなかったけど書きたかった部分を同時投稿しています。

後書きで納めるつもりが結構長くなったので分けました。良ければどうぞ。



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。