俺がこの残酷な世界を救いたい   作:ネネネノノ

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第1章『残酷な世界の始まり』
1話『残酷な朝』


 

――朝の7時頃。

 

一人の少年が、いつも通り目を覚ました。

 

中村颯人(なかむら はやと)、17歳。

どこにでもいる、ごく普通の男子高校生だ。

埼玉県の、田舎でも都会でもない中途半端な街で暮らしている。

 

顔を洗い、リビングへ向かう。

 

「おはよう、颯人。朝ごはんできてるわよ」

 

そう声をかけてきたのは母だった。

 

「おはよう……いただきます」

 

俺は――

今こうして、平和な日常を過ごしている。

少なくとも、その時までは、そう思っていた。

 

「昨日の被害者は69人ですって。――本当に、恐ろしいわね」

 

母がつけっぱなしにしていたテレビから、ニュースが流れてくる。

 

この世界には呪霊が存在する。

種類は様々で、人の形をしたものもいれば、原型を留めていない気味の悪いものもいる。

大きさもまちまちで、人の何倍もある巨体のものから、人と同じくらいのサイズのものまで――。

 

俺の父も、おそらく呪霊に殺された。

 

それ以来、俺たちは毎日、恐怖と隣り合わせで生きている。

 

「学校へ行くときは、気をつけなさいね」

 

「大丈夫だよ、母さん」

 

呪霊がいる世界でも、学校はある。

そして今日も、俺は学校へ行く――はずだった。

 

朝食を終え、制服に着替えようとした、その時。

 

――――ドガァァァァン!!

 

下の階から、家を揺るがすような轟音が響いた。

 

何が起きたのか分からず、俺は慌てて階段を駆け下りる。

 

「……なんだよ、これ……」

 

リビングの壁には大穴が空いていた。

そして、その向こう側――。

 

巨大な、人型の呪霊が立っていた。

 

瓦礫の下には、血まみれで倒れている母の姿。

 

「母さん!!」

 

俺は必死に駆け寄った。

 

「大丈夫か!? 今助けるから!」

 

瓦礫をどかそうとするが、びくともしない。

 

「颯人……逃げて……。呪霊が……家の中に……」

 

「そんなこと、できるわけないだろ!!」

 

必死に瓦礫を持ち上げようとするが、力が足りない。

 

その間に、呪霊がこちらを認識し、ゆっくりと近づいてくる。

 

「颯人……あなただけでも……生きて……」

 

「嫌だ!! ここで家族を見捨てるなんて、できない!!」

 

次の瞬間――

 

呪霊が母の前に立ち、

 

――グシャッ。

 

巨大な手で、母の身体を押し潰した。

 

「ああああああああぁぁぁぁ!!」

 

喉が裂けるほど叫んだ。

 

母が殺された。

あいつに。

呪霊に。

 

――許せない。

 

でも、何もできない。

俺は、弱い。

 

呪霊が、俺の目の前に立つ。

 

ああ……死ぬんだな……。

 

その時――

 

「――ソウル・ロヴゥ」

 

低く、はっきりとした声が響いた。

 

次の瞬間、目の前の呪霊が崩れ落ちた。

目立った傷はない。それでも、確かに――死んでいた。

 

「大丈夫かい? 君。危うく死ぬところだったね、ハハハ」

 

笑いながら、一人の男が近づいてくる。

 

男は母の亡骸を見下ろし、

 

「……これ、君のお母さんか。かわいそうに……」

 

俺は、まだ状況を理解できていなかった。

 

ただ一つ、確かなことがある。

 

――今日という日を、俺は一生忘れない。

 

母を失った。

守れなかった悔しさ。

悲しみ。

そして、燃え上がるような怒り。

 

胸の奥から、強い感情が溢れ出す。




主に呪術廻戦を元に作って見ました。
よろしくお願いします
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