俺がこの残酷な世界を救いたい   作:ネネネノノ

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3話『試験』

15日の朝。

俺は目を覚ます。

家が呪霊に壊された今、近くの公民館で暮らしていた。

 

母を失った日から、俺は呪術師になることを決め、努力を重ねてきた。

筋トレをし、呪力の初歩的な感覚を鍛え、今日の試験に全てをかける。

 

呪術師になれるか否か――今日の試験で、運命が決まるのだ。

 

朝7時、俺は公民館を出た。

試験開始は10時。余裕を持って会場に向かえる。

コンビニでおにぎりとお茶を買い、朝食を取りながら駅へ向かう。

 

電車に乗ると、隣から声がした。

 

「おまえ、颯人か?」

 

振り返ると、中学・高校時代の友人、松下大輝だった。

 

「だいきじゃん、久しぶり」

「おまえ、今日学校じゃないのか? まさかおまえも試験を受けるのか?」

 

今日が試験日であることを確認すると、二人は自然と話しながら会場へ向かった。

心臓の高鳴りが少し和らぐ。知っている顔がいるだけで安心できる。

 

会場に到着したのは9時50分。

ロビーには、試験者が20人ほど集まっていた。

 

「この中から何人合格するんだろう?」

俺がつぶやくと、だいきも頷く。

 

その時、後ろから声がした。

 

「ねぇ、君たち、高校生でしょ? 私もよ」

 

振り返ると、女子が立っていた。

 

「わたし、平野あかね。あかねって呼んでね」

「俺はまつしただいき、だいきで」

「俺は中村颯人、はやとで」

 

三人で自己紹介を済ませると、安心感が増した。

 

「まぁ、おたがい頑張ろうぜ」

「そうだな」

 

ちょうど10時、アナウンスが響く。

 

「皆さん静かにしてください。今から試験を開始します」

 

前のドアが開き、女性が入ってきた。

 

「皆の衆、よく来たな。早速だが今から試験を行っていく。が、その前に自己紹介をしておこう。私は一ノ瀬麗華。毎月この試験の監督をしているものだ」

 

れいかはショートカットで、かっこいい印象。完璧そうな雰囲気を纏っている。

 

「まずは、個人の才能を見ていく」

そう言って、スタッフと共に丸い玉を机の上に置いた。

 

「これは、手をかざすだけで術式が分かる呪具だ。今から1人ずつ手をかざしていけ。術式が判明しているやつはしなくても構わんぞ」

 

術式とは、呪力を使って発揮する技のこと。

呪具とは、呪力がこもった道具で、術式の効果を増幅する。

 

あかねが不安そうに声を上げる。

 

「術式?呪具?なにそれ?」

 

れいかは落ち着いた口調で答える。

 

「術式が使えない者もいる。才能の有無は重要だが、術式がなくても呪力で戦える」

 

試験者たちは、玉に手をかざし順番に術式の有無を確認されていく。

 

何人かは何も起こらなかった。

そして、俺の番。

 

手をかざすと、玉が微かに光った。

 

「ほう、お前の術式が判明した」

 

俺の心臓が跳ねる。

「なんの術式ですか?」

「発表は全員の検査後だ」

 

ほかの受験者も、術式が使える者が次々に判明する。

だいき、あかね、そして石川朔という高校1年生の少年。

術式が使えるのは、20人中わずか4人だった。

 

特別な部屋に案内され、順番に術式が発表される。

• さく:「時止空了(ときのたび)」

• 棒型の呪具「エンペラートール」を使用

• 相手の動きを止める能力

• だいき:「絶爆破強(デトロモード)」

• 呪力で爆発を放つ

• 威力は呪力次第で拡大

• あかね:「風神跳砲(デスウィンディ)」

• 風を操る

• 強化すれば切れ味のある風を放てる

 

最後は俺。

• はやと:「崩壊暴王(はかいライド)」

• 呪力で自身を強化

• 主にパワーと防御に特化

 

「それだけ?」

「ああ、これだけだ。術式を使えない者もいるが、それでも試験は合格できる」

 

俺は少し落胆したが、だいきとあかねが励ましてくれる。

 

「試験には合格できたんだ。よかったじゃないか」

 

れいかは落ち着いた声で続ける。

 

「術式がなくても、呪力で戦える。試験者は皆、多少の呪力を持っている。万が一の時はスタッフが助ける」

 

俺たちはその言葉に少し安心する。

 

「今日の試験はここまでだ。明日10時に再び集合し、詳細を伝える。合格おめでとう」

 

俺は胸に決意を新たにした。

呪術師として生きる道が、今ここに始まったのだ。

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