俺がこの残酷な世界を救いたい   作:ネネネノノ

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5話 『初めての戦い』

俺たちは今、福岡に来ていた。

任務は、福岡の田舎の方で呪霊が大量に発生しているため、それを討伐することだという。

 

田舎ということもあって、人はあまりいない。民家もまばらで、道は細く、木々が生い茂っている。呪霊が出れば、即討伐するようにとのことだった。

 

「俺たち4人で、呪霊を倒せるのかな……」

俺は小声でつぶやいた。

昨日試験に受かり、今日が初任務だ。正直、不安しかない。

 

あかねも同じように不安そうにしている。

一方、大輝とさくは、楽しそうに顔を輝かせていた。

 

「2人は余裕そうだな……うちらと違って」

「当たり前だろ?早く、術式を使ってみたいんだ」

「僕は早く上の階級にあがりたいなー」

 

しばらく歩いていると、目の前に呪霊が現れた。

大きさは人間より少し小さい程度。だが、動きは不気味で、目に狂気が宿っている。

 

「どうする?俺たち、戦い方の作戦なんて考えてないよね?」

確かに……作戦らしい作戦は何もない。

 

「僕が相手の動きを止める。その隙に倒してくれ」

さくが提案した。

 

「それなら俺に任せろ。俺の爆発で叩き潰す」

大輝も力強く言う。

 

「わたしは風でサポートするわ」

あかねも即座に答える。

 

「俺は……俺も大輝と一緒に攻める」

俺は覚悟を決めた。

 

こうして即席の作戦が決まる。

呪霊が俺たちに気づき、じりじりと近づいてくる。

 

「ときのたび」

さくが術式を放つ。

呪霊の動きがピタリと止まった。

 

「よし、今だ!」

大輝が前に飛び出し、呪力を込めた拳を放つ。

 

「デトロモード」

呪霊に直撃。呻き声を上げ、動きが鈍る。

 

「グヴー」

 

さくの時間停止が解けると、呪霊は再び動き出した。しかし、既に瀕死状態だ。

俺とあかねが最後の一撃を決める。

 

「デスウィンディ」

「はかいライド」

「ヴヮッッーーー」

 

呪霊は叫びながら消えていった。

初めての戦闘だったが、俺たちは勝てた。少しだけ自信がつく。

 

「我ながらナイス作戦だったな」

「はいはい、すごいすごい」

「さく、お前の術式ってどれくらい相手を止められるんだ?」

 

「よく分からない。ただ、呪力を使う量が多いほど相手は長く止まる。さっきのはおそらく4級の呪霊だから、少しの呪力でも結構止められた」

 

「なるほど、そりゃ便利だな」

「こういう連携ができると、本当にチームっぽく感じるね」

 

楽しい。

俺たちは戦える。初任務とは思えない連携だ。

 

 

呪霊を討伐し、さらに歩いていると、前方から人が駆けてきた。

 

「どうしたんですか?」

「あんたたちも早く逃げた方がいい。奥に強い呪霊がいる」

 

その人物は、呪霊から逃げていたようだ。

 

「安心してください。俺たち、呪術師です」

「そうかい……なら頼もしいね。頑張って倒してきてくれ」

 

俺たちは指示通り、奥へ急ぐ。

そこには、さっきよりも明らかに大きく、強そうな呪霊が立っていた。

 

「とりあえず、さっきの作戦で行くぞ」

大輝がさくに声をかけた。

 

「じゃあ行くよ、時の終(タイムロスト)」

さくが術式を放つ。

しかし、呪霊の動きを止める時間は前回より短い。

 

「なっ……」

呪霊は大輝に向かって一撃を放った。

動きが速く、避けられない。大輝が吹っ飛び、倒れる。

 

「大丈夫か?」

「……気絶してる」

やばい。状況はかなりまずい。

 

「時の終(タイムロスト)」

再度、時間を止める。

しかし長くは止まらない。

 

「風の力(ウィンディロング)」

あかねが攻撃するも、ほとんど効かない。

俺の術式は近距離型のため、この距離では手が出せない。

 

そこへ、知らない声が聞こえた。

「任務大変そうやね」

 

振り向くと、黒髪の男が立っていた。手には銃を持つ。

呪霊も警戒している。

 

男は悠然と呪霊に近づき、顔面を殴られても平然としていた。

「ざんねん」

一発の銃弾で、呪霊は消滅した。

 

「大丈夫かぃ?」

「おかげさまで、大丈夫です」

 

その男は黒髪で、整った顔立ち。

「呪術師ですよね。名前を伺ってもよろしいですか」

 

「橋本奏斗(はしもと かなと)だ。君の言う通り、呪術師、特級さ」

 

特級──

呪術師の中でもトップの存在。

その人が、今、目の前にいる。

 

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