レイガストさんは不遇ではありません!   作:黒霧春也

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1話・レイガストさんは使い方次第で強いです!

 みなさん、ワールドトリガーのレイガストはご存知だろうか?

 ボーダーの攻撃手トリガーの一つであり、使い手が極端に少ない不遇武器である。

 正隊員からの感想は、重たいし使いにくい、孤月の方が戦いやすい、スコーピオンみたいに搦手がやりにくい、など散々である。

 そんな中、ワートリの世界に転生したワ民の俺は、レイガストが孤月やスコーピオンに負けない優秀なトリガーと証明するためにボーダーに入隊した。

 

 大規模進行から約三年半。

 エンジニアの雷蔵さんに頼んで少し改造してもらったレイガスト片手に、俺は市街地Aの街中を駆けていた。

 対戦相手の荒船さんは孤月片手に追いかけてくるので、予定通り距離をとりながら攻めていく。

 

「アステロイド!」

 

 サブトリガーのアステロイドを八分割して荒船さんに放つ。

 相手はシールドを使いアステロイドを防ぎ、ニヤリと笑った。

 

「相変わらず霧雨は慎重だな!」

「マスタークラスを相手するには慎重にもなりますよ!」

「はっ! オレより格上なのに何を言っているんだ?」

 

 俺の方が少しだけポイントは高いけど、荒船さんとの差はあまりない。

 アステロイドをばら撒きながら、一軒家をジャンプで飛び越えていく。

 孤月を構えながらアステロイドを回避する荒船さんが、大きくジャンプした。

 その姿を見て、俺はシールドモードのレイガストを横に向けて地面を左へ飛ぶ。

 

「スラスター・オン!」

「旋空孤月!」

 

 危ない。

 荒船さんの旋空孤月が、俺がきている青色のジャージをギリギリを掠めた。

 内心で冷や汗を流しつつ、浮いた荒船さんへアステロイドをぶつける。

 

「チッ、お前はほんとやりずらいな!」

「そりゃどうもです! スラスター・オン!」

「ここで突っ込んでくるのかよ!」

 

 俺は片手持ちできるように改造してもらったレイガストをブレードモードにして、孤月に似たサーベルのような形を作る。

 荒船さんは、こちらの斬撃を孤月で受けるが、空中で体勢が崩れた。

 

 ここだ!

 俺は地面に仕掛けておいたアステロイドを使い、荒船さんを責め立てる。

 相手はシールドで直撃は防いだが、足に弾丸が当たり機動力が削れた。

 

「運がわりいぜ!」

「でも諦めてませんよね!」

「当たり前だろ!」

 

 ニヤリと笑う荒船さんに、俺もテンションが上がる。

 今の荒船さんはまだアタッカーだけど、これから先があるのが楽しみだな。

 俺はサーベル型のレイガストを構え直し、荒船さんが放つ斬撃を防ぎながら隙を見て反撃する。

 その結果、最後の一本が取れて6対4で荒船さんに勝ち越せた。

 

 ーー

 

 ボーダー本部の個人ランク戦会場。

 勝負が終わり、ブース外にあるロビーのソファーへ座り荒船さんと反省会をしていく。

 

「しっかしお前は他のアタッカーと違うよな」

「と、いうと?」

「上位の太刀川さんやカゲは容赦なく突っ込んでくるが、お前は引くのが上手い」

「ただ逃げ足が速いだけですよ」

 

 さっきの戦いもアステロイドを撒きながら離れていただけ。

 まともに荒船さんと打ち合えば剣の腕は互角だけど、どちらに転がるかわからない。

 俺は自販機で購入した麦茶を飲んでいると、荒船さんがニヤリと笑う。

 

「時に逃げるのは大切だろ」

「ありがとうございます」

「おう! それでだ、霧雨はチームを組まないのか?」

「俺は別にB級ソロで充分ですよ」

「そうか……」

 

 ボーダーに入隊して約二年。

 マスタークラスにはなんとか慣れたけど、一万点の壁がかなり大きい。

 それに原作ブレイクをしたくないので、俺はこのままB級ソロとしてのんびりしたい。

 苦笑いを浮かべる荒船さんに、俺は曖昧な表情で頷く。

 

「お前を欲しがるチームはたくさんありそうだけどな」

「俺よりも才能があるやつはたくさんいますよ」

「相変わらず悲観的だな……。少なくともマスターになれているお前は優秀だろ」

 

 荒船さんの言う通り上位クラスにはなれている。

 ただマスターに届いたのは入隊して一年半で、天才は半年とかで上に行けている。

 自分の凡人さに心が来ていると、ボーダー用のスマホからアラームが鳴った。

 

「荒船さんすみません。そろそろ防衛任務の時間なので離れますね!」

「了解。今度こそお前に勝ち越してやるからな」

「次の対戦を楽しみにしていますね」

 

 原作でも荒船さんはいい人だったけど、実際に話してみるとありがたすぎる人だな。

 俺は荒船さんに一礼した後、空のペットボトルをゴミ箱に捨てる。

 

 ほんと俺はなんなんだろうな?

 最初は不遇トリガーのレイガストを使って成り上がろうとした。

 ただ自分は凡人で『天才』ではないことが嫌でもわかった。

 ボーダー本部の廊下を歩きながら、俺はさっき以上の悔しさを浮かべるのだった。

 

 ーー

〈ストーリーは原作開始の約一年前スタート〉

・ひかんてきなマスタークラス・キリサメ

・名前、霧雨浩也

・ポジション・オールラウンダー

・年齢、16歳

・誕生日、6月25日

・血液型、B型

・星座、つるぎ座

・職業、高校生

・身長、171センチ

・好きな物、チョコレート、昼寝、人と話すこと

〈トリガーセット〉

・・メイン

・レイガスト、スラスター、シールド、フリー

・・サブ

・アステロイド、カメレオン、シールド、バッグワーム

〈個人ポイント〉

・レイガスト8652

・アステロイド6324

〈パラメータ〉

・トリオン6

・攻撃7

・防御・援護10

・起動7

・技術8

・射程3

・指揮6

・特殊戦術4

・・トータル51

 

 

 

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