レイガストさんは不遇ではありません!   作:黒霧春也

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2話・レイガストさんの扱いが酷いな!?

 防衛任務、それは異世界からの化け物であるネイバーの尖兵であるトリオン兵から三門市を守ること。

 14時から22時までの8時間の間、ボーダー本部の周りにある警戒区域で、ゲートが現れないかを監視する。

 今回のメンバーは俺を含めたB級ソロ三人と中央オペレーターの編成。

 俺は半壊した家の屋根に乗り、ボロボロになった街中を見る。

 

 漫画と現実は違うな……。

 ボロボロになった家や道路を見ると胸が痛くなる。

 

「ネイバーめ絶対にぶっ殺してやるわ!」

「ああ! あんなやつを野放しにしたくない!」

『お二人とも、防衛任務では先輩の霧雨さんの指示に従いなさいよ』

 

 たぶんオペレーターの声は二人に届いてないな。

 新米B級隊員のガンナーの男女二人は、ギラギラとした目で周りを睨みつけている。

 俺は頭を抱えていると、オペレーターの女性の声がイヤホン越しに響いた。

 

『霧雨さんもお疲れ様です』

「慣れているので問題ないですよ」

 

 むしろ、女性オペレーターと話す方が緊張するんだよな。

 一応知り合いのオペレーター女子さんからの優しい言葉に、俺は極めて普通に返す。

 そんな中、男子ガンナーの少年がこちらを見てため息を吐いた。

 

「天才のオレと組む奴がヘタレとは思わなかったぜ!」

「確かにワタシも嵐山さんや烏丸先輩と組みたかったわ!」

『……贅沢すぎます』

 

 オペ子さんの言う通り。

 ボーダーが誇るトップイケメンと組みたい女性正隊員はたくさんいる。

 俺は組むことになった新米B級隊員のワガママを聞いて、思わず目を回してしまう。

 

『イケメンや強いやつと組みたいはよくある話だろ』

『確かにそうですが、わたし的には霧雨さんもかっこいいですよ!』

『お世辞をありがとう』

『んー、お世辞じゃないんだけどな』

 

 なんか彼女からの好感度が高いのは気のせいか?

 原作では登場してないオペレーター女子と話しながら、俺は新米からの鋭い言葉に胸をやられる。

 

「使いにくいレイガストをメインにするとかセンスないよな」

「確かに突撃銃の方が使いやすいよね」

「だな!」

 

 C級ランク戦の環境はアタッカーよりもシューター・ガンナーの方が有利。

 理由はシールドがないので射程持ちが強く出れて、正隊員になるアタッカーはガンナーの半分くらい。

 新米の二人は突撃銃片手に笑っており、レイガスト使いの俺は肩身が狭く感じる。

 

 まあでも、レイガストも強いところはある。

 シールドモードがあるおかげで弾トリガー相手でも割と戦える。

 そう内心で言い訳していると、オペレーターからの指示が耳に届く。

 

『ゲート発生! 相手はモールモッド三匹とバンダー二匹です!』

『こちらも確認した!』

 

 かなり近いところにトリオン兵が現れたな。

 相手は戦闘型トリオン兵のモールモッドと、砲撃型バンダー。

 俺達三人は軽く頷いた後、トリオン兵が現れた場所に急行する。

 

「B級ソロ部隊、現着! これより戦闘を始める!」

 

 ガンナーが二人なら、俺は前衛をしないとな。

 アスファルトが割れて地面が見える道路に降り、腰の鞘からレイガストを引き抜く。

 新米の二人は余裕そうに突撃中を構え、モールモッドに射撃を始めた。

 

「この程度なら余裕で倒せる!」

「さっさと倒して次に行くわよ!」

『二人とも! まずはバンダーを狙ってください!』

 

 なんでアイツらはこっちに来るんだよ。

 俺はモールモッドから放たれる斬撃をレイガストで弾き、アステロイドを目に放つ。

 一匹目は仕留められたが、新米の二人が他のモールモッドに夢中でバンダーを野放しにしている。

 

「チッ! サソリのくせに硬いな!」

「アンタの火力が低いせいよ」

「テメェだって、オレと同じトリオン7じゃねーか!」

『二人とも喧嘩しないでくださいよ』

 

 これじゃあダメだな。

 バンダーが顔をこちらに向け、目に光を集めている。

 俺は倒したモールモッドを足場にして蹴り、一体目のバンダーに向けてレイガストをぶん投げた。

 

「スラスター・オン!」

 

 ぶん投げる直前にスラスターを使い、バンダーの目にレイガストを突き刺す。

 これで一体目は倒せたが、もう一体のバンダーが二人に顔を向けた。

 

 レイガスト再生成。

 腰の鞘にレイガストを作り直し、俺はすぐさま引き抜く。

 二人はモールモットを倒したことで浮かれているのか、バンダーを無視している。

 

「もう一体のモールモッドを倒すぞ!」

「アンタが指図しないで!」

『二人とも、バンダーの砲撃が来ますよ!』

「「え?」」

 

 アイツらマジで何をやっているんだよ!?

 建物の上で余裕そうにしている二人に向けて、バンダーの砲撃が放たれた。

 固まる二人の前に俺は立って、レイガストのシールドモードとシールドでバンダーの砲撃を受けきる。

 

「た、助かった……」

「アンタはヘタレじゃないの?」

「話は後! モールモットは俺が倒すからお前らはバンダーを頼む!」

「「りょ、了解!」」

 

 なんとか耐えきれた。

 俺のトリオンは6で富豪ではないが、レイガストのシールドモードはかなり固くて助かった。

 俺はホッとしながら刃をこちらに向けるモールモッドを睨みつける。

 

「お前の相手は俺だ」

 

 ドスドスと近づいてくるモールモッドへ、俺はサブのアステロイドを64分割を放つ。

 相手はブレードで弾丸を防いだりするが、一部が弱点の目に当たり動きが大きく鈍った。

 

「コイツで終わりだ」

 

 レイガストをシールドモードからブレードモードに変更。

 動きの鈍ったモールモッドへ一撃を浴びせ、そのまま弱点の目を切り裂いた。

 残ったバンダーは新米の二人がなんとか倒したので、これでトリオン兵の処理は終わった。

 

『さて、新米の二人にはお説教が必要ですね』

「ちょっ!? オレ達は頑張ってネイバーを倒したぞ」

「今回は少ししくじったけど、次は圧倒するわ!」

『霧雨さんの援護がなければ、アナタ達はベイルアウトしてましたよ』

「「うぐっ!?」」

 

 確かにオペ子の言う通りだな。

 俺は顔を背ける新米二人に戸惑いながら、オペ子のお説教を横で聞くのだった。

 その後、交代の時間まで冷たい空気が流れたのは別のお話。

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