魔人 ポチタ 作:チェンソーマン最強!!
私はデンジの夢の話を聞くのが好きだった。
いつも私に自身の夢を語ってくれた。
「食パンにジャム塗って ポチタと食って」
「女とイチャイチャしたりして」
「一緒に部屋でゲームして」
「抱かれながら眠るんだ」
デンジと居る時間も私は好きだった。
彼は寝る際、毎回私を抱いて寝てくれる。
とても、とても、暖かった。
‥‥でも唯一、デンジと一緒に居て嫌だったことが一つだけあった
ある日、デンジが眼帯をして帰ってきた
「少し余った金でジャムが買えるぜポチタ!」
そう言って私にジャムを塗ったパンを差し出してくれた。
デンジは幸せそうな表情をしてパンを食べていて嬉しくなったが‥‥‥
私の気分はそうでは無かった。
ある日、デンジが夜遅くに帰ってきた
「腹が‥‥‥痛え‥‥‥けど、今回も金余ったから、今度はバター塗れるぜポチタ‥‥」
あまりの顔色の悪さに心配の声を上げたが
「まあ‥‥‥大丈Vだぜ!心配すんなよポチタ」とピースサインをして笑ってくれたが、私は不安で仕方なかった。
彼は親が残した借金を返す為にデビルハンターをするだけでなく、自身の身体の一部を売ることでなんとか繋ぎ止めていた。
悪魔である私でも理解出来る。
でも、デンジの身体が一緒に日々を過ごすにつれて段々奪われていくのを見るのが、私は辛かった。
ある日のことだった。
朝起きるとデンジが冷たくなっていた。
どんなに吠えても、どんなに揺らしても、デンジが起きることは無かった。
理由はわかっていた。
デンジには心臓に病があった。
私には見えないところで血を吐いていて、どんどんその回数も多くなっていって‥‥
______ポチタ 俺は悪魔と闘ってるうちに死ぬかもしれねえ。
そうしたらポチタだけが心残りだ。
腹空かして死ぬかもしれねえし、他のデビルハンターに殺されるかもしれねえ
デンジは、優しかった。本当に優しかった。
自身の命の心配より、私の心配をしてくれる。
大好きだった。私は、デンジのことが大好きだった。
_______悪魔には 死んだ人の身体を乗っ取れるヤツも居るらしい
ポチタにもそれができるんなら俺の体をポチタにあげてーんだ。
普通の暮らしをして 普通に死んでほしい。
寝ている私にかからないように我慢していたのだろう。
身体を揺らすと、口から溜めていた血が流れてきた。
もう分かってる。分かってる、、、デンジが死んでることくらいは
彼は最期の最期まで私に愛情を注いでくれて、
最期まで私を愛してくれて、最期まで私を抱いてくれて_______
視界が歪みながら、デンジとの思い出を必死に頭の中で繰り返す。
どれもこれも、とても、とっても、大好きな思い出
デンジと過ごす日々が、本当に好きだった。
心の底から大好きだった。
‥‥でも、そんな日々はもう二度と戻ってこない。
「クソ親父と同じく借金返さねえで死にやがって‥‥」
目が覚めるといつものようにヤクザが私達の前に立ってきた。
けど、今回は決定的に違うことが一つある。
今、デンジの中にいるのが"私"だということ
「悪魔が人間の体を奪った場合、ソイツは"魔人"になるんだってな。
お前、デンジの飼ってた悪魔の犬なんだろ?いつもみたいに金を用意しろ。
じゃなきゃお前の死体をバラして売る。」
デンジとの思い出がより鮮明になって蘇る。
思い返すだけで胸が締め付けられるような寂しさが私を襲う。
でも、それだけじゃない。
デンジとの暮らす日々に、もし『こんな奴らが居なかったら』
デンジはもっとマシな暮らしを過ごせていただろう。
もっとマシな生活を一緒に出来ていただろう。
そう考えるだけで、頭の中が憎悪で溢れそうになる。
なんでこの人達は、十分恵まれてるのに
もっと良い暮らしを望むのだろう。
______いや、それは私も一緒か。
デンジが居ればそれで良かったのに、もっと良い生活を夢見てた。
そうか。みんな夢を見てしまうんだ。
なら、悪いことじゃない。
悪いことじゃないが‥‥‥‥‥‥
「‥‥デンジには、普通の暮らしをして、普通に死んで欲しかった。」
「‥‥‥‥?」
「‥‥デンジも、私に普通の暮らしをして、普通に死んでほしいと願ってくれた。」
「もはや、これは私だけの夢じゃない。
デンジと私の夢だ。」
「‥‥‥さっきから何を_________ッ!?」
だから私は、"力"を開放する。
かつて地獄のヒーローとまで呼ばれたあの姿に変えながら、夢の弊害となる者達へと告げる。
「"私達"の邪魔するなら 死ね」
_________To Be Continue
めちゃくちゃ好きな概念だったので書きました
結構好評なので続きは書く予定です
ですが書かない方がマシだなと判断したら公開しないつもりです
加えて描くとしても長編ではなく短い話数で終わらせたいと思います