魔法少女ナンバーワンにあこがれて   作:黒影時空

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うてなナナブンノイチ

 イミタシオとの戦いとクオンAIコンツェルンで見てきたものは即座に共有された。

 陸王の身体もマゼンタの魔法で治癒されたが完全に修復とまではいかなかった……。

 リングハンターガリュードと謎の魔法少女イミタシオ……事前にポチから聞いていたとはいえ予想外の方向に転がり、両陣営共に頭を悩ませていた。

 

 

「イミタシオ……話を聞く限りではクオンAI製じゃないようね、ヴァーツが新しくスカウトしたわけでもないと」

 

「クオちゃんズとやらはどう? 味方になると思う?」

 

「まだ断言は出来んがあのマジアベーゼの厄介ファンみたいな奴は危ないで……それで言えばやけどお前の兄貴もな」

 

「……正直信じられねえよ、でも間違いなくこれは兄ちゃんだ、生きていて良かったと思うのに変な気分なんだ」

 

 吠は自分の兄がトランスアイテムを複製したこと、魔法少女の力を使用出来るというクオちゃんズから聞いた話……それ以前に生きていたことに驚きを隠せない。

 とても兄弟の再会のような感覚ではないが、忌み嫌っていた関係にも見えない。

 

「一応お兄さんなんですよね? どうしてそんなに気付けなかったんですか?」

 

「そういえばお前らには言ってなかったか、もう10年くらいは前だったか……俺達はノーワンワールドに迷い込んだ」

 

「えっ?」

 


 

 その一方でエノルミータも新たな脅威が2つも現れたことで緊急会議、1番時間がかかったのはうてなのメンタル復帰だった。

 イミタシオの本気の殺意が込められた戦いでボロボロだったところに傷口を抉るようにガリュードの変身を見てさながら殺虫剤をかけられた害虫の如くのたうち回ったり、何もないところで突然興奮するなどもはや精神に異常をきたしてきるとしか思えない奇行を繰り返してようやく普通に話せるようになったが、頭に氷を乗せて布団にくるまりマスクを付けている。

 

「想像以上に効きすぎて何も言えなくなってくるんだが」

 

「気持ちは察するだけにどう対処すればいいか分かんないんだけど」

 

「皆さん迷惑かけましたね……さて、イミタシオやガリュードは気になる所ですがまだ我々には課題が残っています、ほらまだ未解明なものが残ってるじゃないですか」

 

「突然6人増えたといううてなちゃん以外のマジアベーゼの事だ」

 

 イミタシオはマジアベーゼの前で1番エノルミータといっていた、この名称ならば即ち2番〜7番エノルミータも存在することになるどころか、3番エノルミータは堂々とSNSで公式チャンネルまで作って宣伝しているのだから厄介である。

 そして更に厄介な所に関してだがルベルブルーメが挙手してスマホを見せる。

 

「前もって言っとくがコレはネタバレじゃなくて報連相だからな?」

 

「さすがに分かってますよ……ん? これどういうことですか!?」

 

「どういうこともねぇ……アタシはエノルミータのうちの1つに潜入してきた、そこに映ってたのがコレだ!」

 

 ルベルブルーメが影の魔法を駆使して調査し撮影したものに映っていたのは……デザインこそ異なる、変身前だからこそ分かる、柊うてなと瓜二つだった、同じ認識阻害魔法を使っているので分かるがてっきり肩書だけで別人が名乗りを上げたのかと思っていたが……意味が分からない。

 それだけじゃない、写真に映っていたのはそのうてなが魔法少女……クオちゃんズの二人をボコボコに叩きのめしていた。

 

「よく逃げられたわねネモ」

 

「アタシもこればかりはやべぇと思ってこいつらの援軍が逃げる時にどさくさ紛れでなんとかダッシュした」

 

「それは2番エノルミータだ、『憤怒』の悪と呼ばれているね」

 

「ふ……憤怒?」

 

 話に混ざってきたヴェナリータ曰く……どういうわけか突如増えた6人のマジアベーゼ達は最初のここにいる柊うてなを含めて7人であるためか、さらに性質も大きくバラバラなことも含めて法則性が出来た、即ち自分達をかの有名な『七つの大罪』に当てはめたということだ。

 ここにいる柊うてなは疑いの余地なく『色欲』ということになる、本人もこれは認めざるを得ない。

 

「えっと、色欲とさっきの憤怒以外に何があったっけ?」

 

「強欲、嫉妬、傲慢、怠惰、そして暴食だな、流れからしてそういう感情に忠実なコイツと思うんだよ」

 

「なんか失礼な言い方ですが色欲と言われると否定できないので困りますね……」

 

 シンボルとなる大罪を掲げる自分以外の『柊うてな』がどんな動きをするのか興味があるところではあるが、改めてうてなは作戦として全てのマジアベーゼを懐柔することを目指していることを話す。

 

「なるほど、ぶっ倒すより乗っ取っちまった方が得策と……なんなら総帥になったのもそんな感じだし」

 

「でも懐柔するなんて一体どうするの? しかも6人全員なんて……」

 

「全員色欲に堕とす」

 

「バケモノが大量発生するだけじゃねえか」

 

「1人でもこんなんなのにそれが7倍になったらいよいよ終わりよこの組織」

 

 しかし話している上で意外だったのはキウィが妙におとなしいことだった、前もって何をする気か作戦は聞いてあるにしても改めて柊うてなが増えているとなれば大興奮して回転しながら爆撃投下しそうなものだと思っていたが物静かに受け答えするのみ、一周回って心配になってくる。

 

「どうした? まるでアタシが同一人物ハーレム祭りとか考えてたものばかりと言いたげだな」

 

「返答に悩むから簡潔に言うけど、その通りだよ」

 

「アタシにとってのうてなちゃんはここにいるたったひとりだけなんだ」

 

「まあそこまではいいとして、問題は最初に誰からということなんですよね……魔法少女2勢力がもうすでに他所のエノルミータに攻めに行ってるのは確認しましたし、いずれはトレスマジアやブライダンも襲撃することでしょう、早いうちに1人や2人は囲っておきたい」

 

「しかも問題はエノルミータ自体は7つじゃない、8つ目のエノルミータを確認している」

 

「8つもあんのかこの組織!? ジムバッジでも作るか!?」

 

「問題はその8つ目が何よりもタチが悪いんだよ」

 

 ヴェナリータもため息を吐きながらうてなのスマホを借りて8番目の組織について見せると、テントのような組織というにはこぢんまりしたものだが影響力は凄まじい。

 情報を広げてみると、世界が融合してから台頭するようになった前総帥推進派、即ち世界征服による世直し革命を掲げるロードエノルメの後継者を名乗る存在が遂に表舞台に立ったようだ、ベーゼの前で醜態を晒した彼女は銅像も建てられて旧世代派エノルミータ達の中でカリスマ的人気を持っている。

 

「まあなんだかんだ強かったのは確かだし結果も残したからな……こいつに会うまで」

 

「ボクとしてはこの組織をいち早く消し飛ばしてやりたいところだが、あのリング中々燃費悪くてね……」

 

「だからって私達も優先できませんよ、こういう奴らこそ魔法少女の役目じゃないですか?」

 

 改めて出来ればクオちゃんズ、ブライダン、トレスマジアと出会う前にせめて1人は手中に収めておきたいが腐っても性欲で総帥に上り詰めた女、いざ敵側目線で見てみると厄介なことこの上ない。

 そんな時にこりすがスティックで『強欲』を指した。

 

「こりすちゃん的には『強欲』がいいんですか?」

 

「まぁ確かに分かりやすい部類だし、ゲームでも真っ先に出てくる奴となれば強欲だよな」

 

「強欲の悪は5番エノルミータだ、向かえるなら早急に向かってくれ」

 

「では行ってきます」

 

 段取りが済んだのでエノルミータ全員が変身して渦の中に入り強欲のマジアベーゼが待つ5番エノルミータの基地のすぐ近くまで向かう……今回はヴェナリータも留守番ではないので新しい指輪をマジアベーゼの魔力が溜まっていそうな枕に置く。

 今厄介なのは各地の偽物の指輪……栗栖タカミの創造の力に頼り切っていることだ、それは自分達以外も例外ではないとはいえ1つはオリジナルの指輪を奪っておきたい。

 ……それに黒影が介入したというのも気になる、タカミの全面的な味方をしているということは。

 

「……指輪より先に栗栖タカミの心が壊れるだろうね、昔からアイツはバカだから、人付き合いというものをまるで分かってない」

 

 渦を出た後にマジアベーゼ達のところから離れてヴェナリータは更に大きな渦を作り中に入っていく。

 

「どちらへ?」

 

「ちょっと予定変更だ、ボクのほうでも会っておきたい奴が出来た……そいつを野放しにさせる」

 

 それだけ言うとヴェナリータがたどり着いたのはどこかもわからない座標にも載ってない猛吹雪しか見えない場所。

 しかし雪の中で存在感を放ち、優雅に氷の彫刻でティータイムをしている男がいた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()のにずいぶん余裕そうだね」

 

「当然だ、俺様ももう4回目だぞ? それにしてもまさかお前の方からこっちに来るなんてな」

 

「こっちも事情が変わった、テガソードをもう長いこと見ていないとあればキミを誘うしかないだろう」

 

「テガソードのやつしくじったか……ま、しょうがねえ、俺様も黒影に本当の世直しってやつを教えてやろうと思ったところだ……しかしいいのか? お前の話は俺様のやりたいこととかけ離れているぞ」

 

「そこは帳尻合わせするさ、この仕事も慣れている……お互い仲良くしようじゃないか、同じ神様役を押し付けられた者として」

 

「どの口が言うか小悪魔が……それに俺様は神様役じゃない、熊手真白……正真正銘の神だ!」

 

 この日、ゴッドイベントとその過程を強引に無視して『熊手真白復活』が達成。

 本来1度世界が滅ぶイベントを挟まなければ達成できないが、熊手真白はもう既に封印を自分から解いて相棒を待ち侘びていた。

 そこにヴェナリータが訪れて現在に至る、疑問に思うだろう……この2人は何者なのか? 

 そもそも『創勝者(メイドウィン)』とは肩書きである、漫画には作者が存在するように物語となる世界にもそれらを管理するもの、言わば神が必要だ。

 しかしあくまで本物の神様ではなく神様の役代わり、その為面倒に思った黒影はキャラクターを強引にメイドウィンにねじ込むことも多々ある。

 もうお分かりだろう。

 

 熊手真白は『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』のメイドウィン。

 ヴェナリータは『魔法少女にあこがれて』のメイドウィンだ。

 

「ところでヴェナ、時空各地にバラまいた俺様が活躍したゴジュウジャーのビデオは見たか?」

 

「ゴミ以下の興味しかない」

 

 ちなみに、一部内容があやふやな時空版マンガやゲームなどを作成してばらまいているのも彼らメイドウィンである。

 


 

「……と、長くなっちまったが俺は今に至るわけだ……おいなんで引いてるんだよ」

 

「どうしよう……遠野さん子供ずっとそんな生き方してたなんて」

 

「いやなんか思いの外壮絶でリアクション困るわウチ……」

 

 ここでようやく吠のノーワンワールドでの真実を知り雰囲気はどんよりとしているがこれを話している吠がもう終わったこととして片付けているだけにどう答えたらいいのかも分からない。

 だがアズールと竜義はどうにも腑に落ちない顔をしていた。

 

「それってつまり……別世界への漂流よね? それこそ時空監理局の管轄じゃないかしら?」

 

「だが遠野の話によれば10年以上知らぬ存じぬをしていたことに他ならない……ここに来てからというもの、奴やあの組織への不信感は募る一方だ」

 

「俺だって調べてみたが一番上は自称テガソードよりずっと上の神、その次はこの世で最も危険な時空犯罪者ときた、どう考えてもアテになる組織じゃねえ」

 

「酷い言い草だなぁ遠野吠」

 

「うおっ!?」

 

 話していると天井にぶら下がり……いや、立っているかのように黒影がいつの間にか存在していた。

 まるで神のように全部聞いていたような振る舞いだったが、気にせず黒影は話を続ける。

 

「いやね? 俺達のこと誤解していると思って追加情報を公開しに来たんだ、まず吠の過去遭難に関しては俺達の管轄じゃないんだよねコレが、ポチから聞いたんでしょオリジナルの漫画のこと、漫画でいう第1話が始まる前の事はイジれないんだよ、俺も前々から試したんだけどね」

 

「……それだけか?」

 

「もちろんそれだけじゃない、君らに大事な部下を誤解してもらいたくなくてね、ローレン・漆黒の肩書は嘘じゃない、言うならば全部本当だ……いやね? ローレンくんは俺たちと違って純然な人間なの、つまり戸籍とかそういうのが必要なわけ、それをまあ1個1個作った別人ということにしたからさぁ……だから経歴がバラバラなわけ! そんで人間だから! 人間って遺伝子とかでややこしいところ多いじゃん? それを分身ハンマーで増やしたらそりゃもうバグの1つや2つは発生するものだから性格もおかしくなって……」

 

 まさにマシンガントークといっていい勢いの弁明、とことん自分達の事を悪く思われたくない様子なので吠すら呆れた様子になるのだが黒影は今から本題を話すから少し待てと手を出す、まだ何も言ってないのだが一体何を想定しているのだろうか? 

 ここが陸王の病室のすぐ近くということを忘れていそう。

 

「俺達はね、とても大事な組織だし重大な危機に直面している、最高完璧の主人公たる俺でもヤバい! だからこそ試行錯誤するし仲間も欲しいところ」

 

「……つまり?」

 

「簡潔に言うと時空が滅ぶかもしれん!」

 


 

 そしてマジアベーゼ達は5番エノルミータに到着したのだが……。

 

「あの……ここ一応人間の世界ですよね? ここだけ世界観間違えました?」

 

 ぽつんと経った秘密基地はまるで魔界のお城のような雰囲気に似つかわしくない不気味な場所、それが強引に人間の街並みに建てられたような異質な雰囲気を放っている。

 まあ見えないだけでナハトベースも人のこと言えないし、一般的な認識の悪の組織のアジトといえばこんなものかもしれないがご近所付き合いとかどうなってるのだろうか。

 

「よくもまぁ堂々と悪の組織ですみたいな基地建てられるなこいつ」

 

「残り7種類のエノルミータにはヴェナさんの息がかかってないのでこのようなことになってるのでしょうか……ではいきますよ」

 

 マジアベーゼ達はゆっくりと歩を進めておそるおそるインターホンに手を伸ばしていい感じの音が出たところでルベルブルーメに拳骨飛ぶ。

 

「普通に入ろうとするなよ!! 悪の組織が!!」

 

「いやだって今回は侵略じゃなくてちょっとお話するだけじゃないですか!! 菓子折りまで用意したんですよ!」

 

「懐柔するにしてもやり方あるだろ! 向こうがそんな調子で応えてくれるわけねえだろうが!」

 

『あーすみません手が離せないのでレオさん代わりに相手して』

 

『殺していいだろうか?』

 

『うーんダメ』

 

「なんかいけるっぽいぞ」

 

「どこが!? どう考えても宣戦布告と受け取られてるだろうが!!」

 

 何はともかく鍵が開いたので中に入ってみると内装はあの雰囲気であまりナハトベースと変わらない。

 そもそもどうやって生まれたのか分からない存在だが模倣にしても雑なところがあるらしい。

 扉の先で白いライオンの怪物が覗き込んでくるが、ルベルブルーメの不安とは裏腹に普通に中まで入れた。

 

「フィアンセに似ていたし殺気は感じなかったのでな」

 

「ふぃ……フィアンセ? もしかしなくてもアイツって」

 

「ああ……間違いなく強欲版のレオパルト(アイツ)だ、どうやら増殖したのはマジアベーゼだけじゃないってわけだ」

 

 レオパルトに似た雰囲気の白いライオンの怪人と一緒に歩を進めながら強欲のベーゼが居るところまで案内する。

 

「えーっとレオさんと呼ばれてましたね、こちらの私……というのも何か変な言い方ですが、その方ってどういう人なんですか?」

 

「俺様好みのいい女だぞ」

 

「あっはいそれはなんとなくわかっています」

 

 性別と種族が違うだけで中身はレオパルトとあまり変わらなさそうだが、それならこちらのマジアベーゼを愛しているはずなので多くの情報を聞き出せるはずと探りを入れるが偏見が込められてそうなので周囲はあまり参考にならないと思っていたが。

 

「あっ! そういえばフィアンセはここに来てから好きなものが増えたな! 人間の世界で言うところのオタクというやつらしい」

 

「えっ!!? やったぁ!!」

 

 同志が増えたことに素で喜ぶベーゼ、しかし世の中には同担拒否カプ違いなど細かいところで相容れない所があるため、実際に相手するとなるとハムスターを愛でるが如く慎重さを求められる。

 いざ強欲のベーゼのプライベートルームまで辿り着くと扉にも触れられず腰砕けになってしまう。

 

「どうしよう趣味合わなかったら! 私の趣味傾向が地雷だったらと思うと怖くて開けられない!」

 

「ここまで来て今更何言ってんだオタク! 同じマジアベーゼとして話しつけてこい!」

 

「ギャーッ待ってまだ心の準備が!!」

 

 ゴネているところを無理矢理押し込まれて遂に強欲のベーゼとご対面することになるが、彼女の部屋はかなり散らかっており飛ばされた際に顔面にゴミが散乱している、随分ガサツらしいが光の方を見てみると今時珍しい大きな箱型の昭和チックなテレビと自分によく似た後ろ姿。

 

「もしやアレが……?」

 

「マ〜ジカ〜ル! サ〜ンマ〜ジカ〜ル!! 魔力戦隊──サンマジカル!!」

 

 声をかけようとしたら自分の世界に入りながらオープニングテーマを熱唱している自分に瓜二つの少女、ゴミを払いよく部屋を見てみると、指輪の戦士に似ているフィギュア、かっこいいポスターに武器のような玩具の山、本棚には子供向けの特撮雑誌がびっしりと並び……マジアベーゼも自ずと察してしまう。

 

 

戦隊オタク(そっち)か────いッ!!!)

 

 


 

 一方同じ頃、日が明けてもイミタシオとファイヤキャンドルは戦いを繰り広げていたが突然終わりを迎える。

 炎の槍と大剣がぶつかり合う中突如互いが膝をつく。

 

「へっ……なんだよ、もう終わりか?」

 

「そっちこそさっさとぶっ倒れたらどうなの♡」

 

(くそっ……マジに限界が近えがここで引き下がったら不敗のファイヤキャンドル様としてプライドが許さねえ!)

 

(あっまずい……そろそろ変身切れそうだ、だがあんな理由で逃げるのも……)

 

(ぶっ通しで戦い続けたから腹が減ってきたなんてバレるわけには)

 

 戦闘続きで数時間以上、そろそろ空腹に誤魔化しが効かなくなってきたがまだ倒れるわけにはいかない。

 しかし立ち上がろうとしたところにシャイニングナイフが現れてファイヤキャンドルを担ぎ上げる。

 

「ちょっとファイヤキャンドル君! もう帰ってこないと思ったらまだ戦ってたのかい」

 

「ご飯の時間だからもう帰らないと、それじゃまたね〜」

 

「くっ……仕方ねえ! この勝負預けた! 腹が膨れたらまた覚えとけよ……聞けよ!!」

 

 

「そ……それどころじゃないの……あっやっべマジで死ぬ」

 

 イミタシオは命からがら匍匐前進で路地裏まで逃走して変身を解く、全てと敵対する謎の魔法少女イミタシオ……変身を解くと背丈がみるみる伸びていき、画面を外してかつての傷跡を上手く髪で隠し……元の長い黒髪へ。

 イミタシオの正体とは……吠のバイトの先輩、田中みち子であった。

 

「うっ……ちょっとやりすぎた、カイザーイミタシオになると予想以上に栄養が欲しくなるのか、使い所を気をつけねば」

 

「何やってんだみち子」

 

「おぉはぁ!?」

 

 後ろから吠が声をかけてきたのであまりにも情けない声を出してしまうが、ヘナヘナ腰のまま吠に担いでもらい歩く。

 

「見てたか?」

 

「いやなんというか逃げてるところでお前が倒れてたからな」

 

「頼む、金は出すから適当な飲食店に連れてってくれ……空腹で死んでしまう!」

 

「俺の分の飯代も出すならこのまま運ぶぞ」

 




『強欲』戦隊オタクの柊うてな

元作品(愛と正義の魔法少女にあこがらて)では6つのパラレルワールドから現れたうてなということになってますが、この作品の増えたうてなはまた異なる存在です。
七つの大罪に当てはめたのもパラレルワールドのうてなが現れる…というネタが広がりすぎて6人になってしまったのでそういう法則になります。

また、前作(時空序章)にも版権キャラ由来の世界の管理者をしていますがヴェナリータの言う通りキャラの場合は
基本的にはそういう立場を押し付けられただけで物語に特に影響はありません
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