魔法少女ナンバーワンにあこがれて   作:黒影時空

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悪の女総帥姉妹、誕生!

 

 どうやら吠に正体はバレてないようで安心して休んでいたみち子だったが……改めて目を覚まして吠の耳を引っ張る。

 到着した先の店は定食屋のような雰囲気はしていたものの外装がかなり古臭くていつでも崩れて跡形もなくなりそうなほど酷い有様だったからだ、嗅覚に優れた吠だからこそ判断がついた。

 

「おい……適当にも程があるだろ状況分かってるのか」

 

「飯代のツケが安く済みそうだったからな、それに俺も腹減ってんだ、あまり遠くまで行けねえよ」

 

 中に入ると内装はわりとしっかりしているが人の気配はまったくしない。

 店主らしき人物は黒いフードパーカーで顔も身体も隠して愛想が無いが吠達に気付くとこちらの方を向く、ちらりと見えた顔は傷跡があったのであまりまじまじと見るのも失礼と思い目を逸らす。

 

「あっ、お客さんでしたかすみません、注文は何にしますか?」

 

「メニューはないのか?」

 

「メニュー……? ですか? そうですねぇ……まだ決めてないんですよ、なにせお腹が空いて仕方ないので!」

 

「おいこの店やっぱりダメだ帰らせてくれ」

 

「待てよ、じゃあアンタが最近食べたやつでいい」

 

「そういうことでしたら少々お待ちください」

 

 店主はそう言うと奥の真っ暗な厨房に入っていくがみち子としては不安しかない、メニューを決めていない気分で料理を作る店なんて聞いたこともない、一応料理店らしいし料理も作ってくれるのでどこぞの注文の多い店のように自分達が餌になることはなさそうだが、味に関しては保証できないだろう。

 しかしみち子は思い知らされる、そんなものがまだ楽観的な雑魚の発想であったことを。

 鼻をつまんだ吠の反応を見てみるみる真っ青になる。

 

(私ここで死ぬんじゃないのか?)

 

「はい出来ました! さっきお昼に食べたキャンディライスです!」

 

「私ここで死ぬんじゃないのか?」

 


 

 改めてマジアベーゼ2人は『強欲』のアジトで話を聞く、レオパルト達が周りを見ると如何にも禍々しい魔法少女というよりは特撮の悪組織、額縁にある集合写真を見ると自分以外にもネロアリス、ロコムジカ、ルベルブルーメの面影のある怪人の姿もあった。

 

「改めて色欲の私……あ〜でも区別付けるの大変だな、変身前の人間体としての名前は?」

 

「……柊うてなです」

 

「柊うてなね、じゃあ私は人としては……柊なぎさで!」

 

「なんですかその貴方の趣味から30分くらい早そうな名前は……人間体という事は貴方つまり」

 

「うん、私の本名はムーンライト・マジアベーゼ50世、由緒あるデビルスパイダーの種族を継ぐものでマカイから五人揃ってここにきました」

 

 なぎさも人間そっくりな見た目をしているが怪人、その瞳はまさに獲物を狙う毒クモの如くじっくりとこちらを覗き込み今にも捕食されてしまいそうなプレッシャーを放つ。

 ……戦隊オタクな時点で予想の斜め上をいったが人外とはキャラが濃すぎて本当に自分なのか怪しいところ、そもそも何故自分にそっくりなのか、マカイとはなんなのか、ヴェナリータと同じ世界から来たのだろうか? 

 疑問は絶えないが真っ先に気になる質問を口にしていた。

 

「どうして戦隊が好きなんですか?」

 

「めちゃくちゃカッコいいから、言っておくけど私はマスクマンなあっちが好きで俳優とか全然興味ないからあっマスクマンと言っても光戦隊じゃない方ね、最初に私が来た時は爆上戦隊ブンブンジャーっていうのがやってたんだけどマッドレックスとブンレッドの一騎打ちやっててアレがもう羨ましくてさ、どうせここに来たからにはそういうヒーロー? みたいなのとやらないと張り合いがないというか」

 

「おい話を切り上げろ!! こいつ好きな話したら止まらない悪いオタクだ!」

 

「要するにかっけぇヒーローとケンカしたいんだろ? なんかちょっと前に見たことあるなそんな漫画、何とか法人とかいうの」

 

 オタクに理解のあるギャルであるレオパルトはしっかりと話を聞いてなぎさの言いたいことを代弁してめっちゃ楽しく頷いている。

 オタクとしてオープンになっただけで性根はうてなとそんなに変わらないのかもしれないが、共感性羞恥で少しキツくなってきた。

 

「そうそう! マカイからここに来た私としては侵略みたいなものだからもっともっとテレビみたいなヒーローを集めて全員と戦う! その為に戦隊への貢として変身グッズは全部買ってるしフィギュアも一通り揃えたの! 決めたからには全部私の手中に収めたい……!! そして最後にはめちゃくちゃになるまで街で戦うんだ!! たとえ地球を滅ぼして上司に怒られたとしても!!」

 

「お……おいフィアンセ、あのお方に聞かれたらそれはまずいのではないか?」

 

「私が死ぬ頃にはあの人も死んでるから平気!」

 

(……やっべえええ、どうしようこの私めちゃくちゃ危険思想だ、強欲を通り越して自分が満足するために世界が滅んでもいいって人だ……)

 

 いきなり選択を間違えたような気もしてきたが遅かれ早かれ彼女と対峙するのだから仕方ないところではある、むしろ先送りにして本格的に侵略者として動き出していたらどうなっていたかと思うとネロアリスの本能的に選んだ判断は賭けだったのかもしれない。

 それに今回は喧嘩ではない、彼女を『強欲』から『色欲』に堕とすための前段階として話をしにきたのだ。

 

「戦隊……といえば、最近戦隊がいる世界と融合させられていることはご存知ですか?」

 

「え? ここって戦隊と戦う地球でしょ」

 

「違いますよ!!? 魔法少女がいる世界です!!」

 

「あっ私プ●キュアには興味ないので」

 

「なぎさを名乗った人が1番言っちゃダメな台詞だよそれは!!」

 

 マイペースななぎさの言動に振り回されて話が何回でも逸れてしまう、真面目に答えるものでもないかもしれないがなんとも振り回されてしまいどうにも自分の話に入れない。

 というかさっきからずっと彼女ばかり話している気がする。

 

「それでえっと、指輪の戦士って知ってますか、戦隊の力を……」

 

「……ああ、アレかぁ、私さ……アレ嫌いなんだよね、レッドの姿形真似してるくせに赤色の振る舞いなんて全然ない、正義のヒーロー『忍風戦隊ハリケンジャー』、世を忍ぶ自覚も持たずエゴのために使い、いざ負けてみれば悪の組織にこびへつらう? あーいけませんいけませんいけませんいけませんいけません」

 

 

「解釈違いにも程がある!!」

 

 言葉がハモって初めてマジアベーゼ2人の意見が一致して、なぎさの方もマジアベーゼが魔法少女に対して自分と同じ思想をしていたことが即座に分かり警戒心を説いたように見える、根底にはより色欲に染まったおぞましいものがあることは気付かず。

 

「……って今負けたって言いました!? じゃあ持ってるんですね! そのハリなんとかの指輪!」

 

「ほしいならあげるけど」

 

「貰います!」

 

 どういうわけかいい感じに指輪をゲット、その上でマジアベーゼは報酬代わりに指輪の戦士、並びに『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の事を話すと目に見えて機嫌が良くなり、ようやく待ち望んでいたスーパー戦隊の姿に興奮する。

 

「イエスッ!! イエスッ!! テンション上がってきた!! 私はスーパー戦隊が来るのを毎週日曜日9時半からずっと待機してたんだ!!」

 

「よくもまぁここまで自分の精神力ぶち上げられますね」

 

「言うてトレスマジア来る時のお前も大体あんな感じだぞ」

 

「えっ!?」

 

「うっひょ〜!! ナンバーワンの戦隊とかすげえ気になる!! レオさんちょっと軽くちょっかいかけてくるので留守番はネロさんと一緒に頼みます!! ヒャッハァァァ私のものになれええええ!!」

 

「おういってらっしゃいフィアンセ! 素晴らしい戦果を期待しているぞ!!」

 

 そのまま凄い顔になったなぎさはガラスを突き破って口から蜘蛛の糸を吐き出して柱に巻き付けて飛び上がっていく、ここまでいくと本格的にモンスターみたいというか実際にモンスターなのだが勝手に飛び出してしまった。

 

「ううん……フィアンセを責めないでほしい、ようやく本物の宿敵に会えそうで浮かれているのだ、お前達は魔法少女とやらを好きなだけ見れたのかもしれないがフィアンセの理想は大きい、特に裏切られることも多くてな……」

 

「ああ〜いえいえ、そちらのレオちゃんが気を使うことでもないですし気にしてませんので、私たちも一旦おいとまさせていただきます」

 

 1度撤退して作戦を考え直すことにしたマジアベーゼ、強欲のアジトを出た後に改めてナハトベースに帰還して変身を解除。

 開幕から個性の強い自分のそっくりさんに出会ってしまい真珠は色欲堕ちを考え直したほうがいいぐらいに思っている。

 下手したらこれくらいキャラの濃い人物があと5人は存在していることになるが、うてなは帰ってすぐに冷静に分析する。

 

「性格自体はテンションの高い戦隊オタクなのが幸いしましたが怪人なのもあってヒーローにしか関心がない感じでしたね……私も少し話しただけで完全に分かり合えることは不可能と判断しましたが、そばに置いて大人しくさせるくらいなら」

 

「相手は自分にそっくりとはいえバケモノだぞ、しかもアイツはロードエノルメとは別方向で世界征服を目的としている、どうするんだあんなの」

 

「あっそうだ、アイツもトレスマジアみたいに推しが存在するわけでしょ? 漫画を元にして好きな戦隊の星壁獣を作ってあいつを懐柔させるというのは」

 

「逆効果です、なぎさちゃんは恐らく私以上に憧れの存在に対するこだわりが強い、『戦隊のレッドは常に正義感を持ち頼れるリーダーシップを持つべき』『ブルーは冷静沈着だが抜けてるところがあり、常にレッドの頼れる相棒であるべし』」

 

「カラーリングごとのこだわりがあって絶対にそこから離れるなってわけか、それにアイツは強欲だぞ? 餌を与える形で懐柔してみろ、アタシ達は骨の髄までしゃぶり尽くされて全部よこせと言い出す」

 

『強欲』柊なぎさの欲望は底知らず、トレスマジアを追い詰めて成長を期待する自分にも覚えがあるので彼女の欲求を満たす方向性で色欲に堕とすことは難しい。

 それだけではない、作戦会議の途中でインターホンが鳴る、ナハトベースにインターホンなんてあったか分からない……というか、()()()()()()()()()()()? ()

 全員に寒気が走り大急ぎで再度変身、慎重にルベルブルーメが覗き込んでみると冷や汗がだらりと垂れる。

 

「う……嘘だろ!? 入れるな!! 絶対なんとしても入れるな!!」

 

「どうしたの何が来たのよルベル!!」

 

 しかし入れるなという言葉は届かず扉が外れるように倒れて破壊され侵入してくる足音、少しずつ見えてくるシルエットで全員が入れるなと焦りを感じた理由を自ずと察していく。

 二人組のようだがなんとも恐ろしい組み合わせ、片方はやはり柊うてなに似ているが金髪でネイルやピアスを付けて一昔のギャルのような雰囲気を見せている、恐らく彼女も変身を済ませている。

 そしてその隣にいるのは……。

 

「ロード……エノルメ……!!」

 

 おかしいことでもない、自分達『色欲』が周囲を狙ったりするならそれと同じく他の陣営が自分達に攻め込んでくることも当然であり……自分達によく似た存在なら、ロードエノルメがいたところで……。

 しかし色欲エノルミータとしては絶体絶命の危機、アジトには乗り込まれて現在はヴェナリータもいない、数でいえばこちらが有利だが戦闘力は未知数。

 

「これはこれは堂々と乗り込んでくるとは……言われなくても分かります、貴方は七つの大罪でいうところの」

 

「そ、あーしは傲慢、エノルミータでいえば3番ね……ちょいと来て欲しいんだよ、マジアベーゼ……」

 

「……これは応じるしかなさそうですね」

 


 

 そして、意気揚々と飛び出していったなぎさはというと勘でレッドを見つけようとしたらそこにあったのは地獄絵図としかいいようがない光景だった。

 

「食える!! 多分食える!! 人間限界まで飢えたら毒以外は大体いける!!」

 

「やめろみち子!! こんなもん食っても栄養にもならねえ!」

 

「ああ……ダメなら私食べますよ?」

 

 店主がキャンディライスを取り上げて飯だったら大体いけそうな吠が必死にみち子を取り押さえる。

 なんとも変な光景だが、なぎさは普通に最初から客として待っていたかのように振る舞って席に座る。

 

「うーんダメでしたか? 甘みがあって味を感じられたのですが」

 

「おいお前、試しに昨日の晩飯何食ったか言ってみろ」

 

「昨日ですか? 鳥の骨……に唐辛子をまぶして齧ってましたね! 辛味というものを味わいたくて! あとえっと……キャベツという野菜をかじって」

 

「かじってばっかだなお前……」

 

「キャベツまだあるか?」

 

「ありますけど」

 

「厨房借りるぞ」

 

 それだけ言うと吠は厨房に入り冷蔵庫などを一通り確認、食べ物はある程度あるが乱雑かつ適当、味に無沈着かというほど組み合わせがぐちゃぐちゃなものを鼻をつまみながら全て捨ててまだ使えそうなキャベツに調味料を取り出してみち子に出すと一瞬のうちに平らげてしまった。

 

「ふう……やっとまともな飯を食えた! けど全然足りん!! 店を変えろ遠野!!」

 

「確かにこんなところじゃろくな飯も食えねえ、何軒かハシゴするぞ、お前らも付き合いな……金はみち子が出す!」

 

「おいなんでこいつまで私が奢る流れになっている!!」

 

「あっ大丈夫てすお金はありますので……ほら、行きますよ」

 

「んん……まあいいか」

 

「……ちょっと待て、お前『ら』?」

 

 まだ多少腹減っているみち子を連れて4人で店を出るが問題発生。

 はぐれアルバイター2人が財布を探っても小銭が多少しか入ってなかったので……まさかの店主に奢ってもらう形になりなんとも情けないことになってしまう2人。

 向かいの店にあったステーキハウスでようやくちゃんとした食事が出来たのだが。

 

「おい、コレ最初からこの店に行けば良かったんじゃないのか?」

 

「俺の嗅覚があそこがいいって言ったんだよ」

 

「二度とアテにするなその鼻」

 

 待望の肉を食い、魔法少女としての戦いで丸ごと消費された力が一気に漲ってくるような感じがする、こんないい感じの肉なんてしばらく食えないはずだしどうせあのクソマズ料理店の店主の奢りなのだ、いくらでも食べる……何より彼女が1番よく食べている。

 顔立ちは整っている方だが多少台無しになっている、それもそのはずステーキを丸ごと全部一口で食べているのだから……。

 

「お……おいしい! 焼いたお肉がこんなに味を感じられたのは初めてです!! あの、もっと食べていいですか!? 今度はえっと……」

 

 400グラムはあったお肉をあっという間に噛み砕いたかと思えばすぐに別のステーキへ、彼女だけ1人で10人前を既に平らげているが全く手が止まる様子がない。

 ごく普通の量を食べ終わった吠はその姿を興味深そうに眺めている、大食いノーワンとそこから勝った大食いナンバーワンのマジアアズールと競わせたら誰が1番かのだろうか? 

 そういえばだがいつの間にか隣にいた女の子はというとメロンジュースだけ啜って以降は全く口にしていないが吠のことをじっと見ている。

 

「貴方ってさ、戦隊のレッドなんだよね?」

 

「あ? レッド? 確かにゴジュウウルフは赤色だが……」

 

「ウルフ! ゴジュウレッドじゃないんだ!! ダイレンジャー式!? いやジュウオウジャーかな!? ゴジュウって5体の獣ってこと!? ガオレンジャーとかみたいにサメはいる!? いやどっちかというと虎? ライオンはありきたりすぎるかなぁ……」

 

「なぎさ、あまり店で騒ぐものじゃありませんよ」

 

「もちゃもちゃ食べてる奴に言われたくないんだけど、()()()()()()()()

 

「なんだ、姉妹だったのか」

 

「そういえばまだ名乗っていませんでしたね、私近頃あの定食屋『ひいらぎ』を始めさせていただきました、柊つばめといいます、この子は私の妹の柊なぎさです」

 

「ひ……柊!? 待てお前、お前の苗字は柊なのか!?」

 

 みち子は驚いた、『柊』……うてなと全く同じ苗字、普通なら彼女を知るはずのないみち子がうてなと同じ性を持つなぎさとつばめに反応して目が離せなくなる、食べていたステーキを飲み込みおそるおそる質問をする。

 

「……お前、他に妹はいるか?」

 

「ええ、年がバラバラの妹がこのコを含めて6人」

 

「……そ、その中に! 『柊うてな』という妹はいるか!?」

 

「……妙なことを聞きますねぇ、なんなら本人に聞いてみますか」

 

「おいバカ傷女ー、ちゃんと連れてきたぞ」

 

「えっなぎさちゃん!? こ、これって一体……」

 

 つばめを呼びかけるのは……先ほどマジアベーゼことうてなを呼び出した傲慢のベーゼ、変身を解除して一見するとただのギャル、ベーゼも変身解除を頼まれてうてなの姿に戻っている。

 更に店内に入ってくる3人のそっくりな人物、1人はつばめと年が近く見えるスーツ姿だが地味な風貌、その隣にゴシック人形のようにお淑やかな子供にギャルとはまた別のスカした格好で背中にはギターを背負っている。

 

「いやあのですねぇ……私会社で仕事してたんですよ、昼ももう済ませてあるんですから急に呼び出さないでください」

 

「何? 奢ってくれるわけ? バカみたいにデカい肉山盛り食っちゃって人の気も知らず……」

 

「ま……まぁほら、あまり喧嘩しないで」

 

「これかお前の妹達か」

 

「へっ、い、妹!?」

 

「ええ、上から順に怠慢そうにしてるのが柊かな……かなって名前が似合う顔でもないですが」

 

「うるさいですね殴りますよ」

 

「その次の派手な格好をしているのが柊うさぎ、SNSでは有名なネットアイドルらしいです」

 

「あんま可愛くね〜ところだけど、しゃーねぇツーショットだこっちこい」

 

「え? やだよ姉ちゃんあたしのことバズることにしか利用しないじゃん」

 

「ほぼ双子の妹が柊どれみ、ロックバンドのボーカルをしているみたいです」

 

「んで私がその下の柊なぎさ、ゴジュウジャー達スーパー戦隊にあこがれてずっと追いかけてたの、遠野吠♡んであっちがそっちが探していた柊うてなね」

 

「えっ!? あのっ、えっと……」

 

「わ、私が末っ子の柊ほむらです! その……はじめまして!」

 

「そして、改めて私が長女の柊つばめ……以上、『柊七姉妹』揃い踏みです」

 

「随分多いんだな……それにどっかで見たような……ああ、そういえばバイトしてた時に強盗が乗り込んできたな、その時の客にお前いなかったか?」

 

「あっへへ……その節はどうも」

 

 柊うてなに瓜二つの6人の女性……突然現れた6つのエノルミータ。

 物語的には実にありふれた展開だが、それゆえにとても怪しくて仕方ない。

 うてなも察する、ここにいる全員が自分と同じマジアベーゼ……邂逅、しかも全員口裏合わせたように姉妹であると振る舞っている。

 全員を色欲に堕とすどころか……このままでは完全に自分一人だけがペースを支配されてしまう。

 

 


 

「時空が滅ぶかもしれないんだ、しばらく俺の代わりにイベントを沢山発展させてほしいんだよね……うてなのお膳立ては終わった、後は遠野吠にも何かしらのイベント……おーいタカミちゃん聞いてる? 君にはもっと頑張ってもらいたいんだけど」

 

「……して、ゆるしてください……わたしもうやめますから……ねがいかなわなくていいから……」

 

「ホホ……ダメ♡君は『キラメイジャーのユニバース戦士』という役割なんだから最後まで全うしないと、忍風戦隊ハリケンジャー? あいつはいいや、噛ませ役は1人や2人いたほうがかえって面白いし、でもね、君の創造はめちゃくちゃ便利なんだよ」

 




『名前の元ネタ』
柊七姉妹は変身ヒロイン作品の主人公の名前をそのまま使っています。

強欲→ふたりはプリキュア
傲慢→美少女戦士セーラームーン
嫉妬→おジャ魔女どれみ
憤怒→魔法少女まどか☆マギカ
怠惰→株式会社マジルミエ
暴食→対世界用魔法少女つばめ

『忍風戦隊ハリケンジャーのユニバース戦士』
竜巻を起こしたりすることが出来る名無しのユニバース戦士。
本来の歴史では出る幕もなくガリュードに倒され、黒影の物語でも興味がなかったので雑に退場させられる。
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