「……各自状況判断してください、アレは一体どういうことなのか」
「どういうことも何も……アレは普通に考えても……」
「デートじゃね?」
作戦会議の後……一体何が起きたのかというと、うてなはキウィと絶賛デート中。
その様子を姉達が後方から観察している状態、なお次女かなだけは仕事があるのでその場にいない。
あの会議を終えてから急にキウィをデートに誘ったので理解にも時間がかかるが何より姉である自分達にプランの相談もないのが気がかりで仕方ないので背後からうてなの様子を温かい目で見守っている。
「万年陰キャの六女がどんなデートプランするか見物じゃね?」
「バカにしに来たのか応援しに来たのかはっきりしとけよ姉ちゃん」
「いや……それにしても普通この流れでデートとかやる?」
「まあいいんじゃないです? 今は妹の様子を見物しましょう、おうちデートとかじゃなくて良かった……私ご飯とか作る必要が……」
「やめろ!! それだけは本当にやめろ!!」
なおこの姉達がわちゃわちゃしている姿はがっつりうてなにバレているので若干ウザくなってきてきたが今はキウィと一緒に楽しむことにする。
なおデートに関してはうてなの方もノープランだったのでいざ外に出たのはいいがどこに行こうか決めていない。
「え、えーと……キウィちゃんどこか行きたいところある?」
「ホテル行こうぜ」
「
うてなとしては言われ慣れているので半笑いで済ませるのだがそうもいかないのが完全にバカ親と化した姉と一人の妹。
ちょっとで済まないかもしれない直球さに三女四女が大騒ぎしている、もうあっちのほうが気になって仕方ない。
「落ち着きなさい妹共、あの手の輩は案外プラトニックにいくかもしれないですよ」
「ホテルでどこからそんな流れが生まれるんだよあのギャルが! 絶対ウチの妹のこと前々からつまみ食いしようとしてるだろあんなの! あーしは認めてねえぞあんなの」
「いやでもギリギリ15禁で済むような流れになるかもしれないじゃんうてなはまだガキンチョだし」
「なんだよギリギリ15禁って暴力型か!? そもそも境界線どこだよ!? アレってどこからがR-15でどこ行ったらR-18なんだよどこまでが15の表現なんだよ」
「うるせえー!!」
「お願いだから観察するならするで騒がないでくれるかな!!」
遂に堪忍袋の緒が切れたうてキウはその辺の物をぶん投げて柊5姉妹を牽制した後手を引っ張って一目散に逃げ出していく。
とんできたものを全部つばめを身代わりにしてうさぎとどれみはほむらを引っ張って別方向に隠れる。
「くっ、いつになく強情な」
「せっかくバズれそうなネタ見つけたのに引き下がれるかってんだ妹よ」
「本音出ましたね……それと貴方達、今日の晩御飯覚えてなさいね……あれ? なぎさどこ行きました?」
「ぜえぜえ……ここまで走ればもう追ってこないはず」
「うてなちゃんあんな姉ちゃん共と今過ごしてるのかよ」
「まあうん……いつの間にかそういう流れになってるけどそうなの」
しばらく全力疾走して走り疲れた先には公園、ブランコに乗ってゆらりと揺れるキウィの背中を押すうてな、デートとはいってもこういうのんびり過ごすのも悪くないだろう。
この瞬間だけは悪の幹部とは思えないほどののどかさを感じる。
「んでも実際良かったわけ? こんなブラブラのんびりして、現在進行形でなんか起きてるわけだが」
「全然大丈夫だよ、あれだけの大人数の事件の連発……今ニュースを見ても被害は確認なし、ここまでやるにはどうすればいいと思う?」
「RTAってやつだな、何か起きる前に一気に仕留める?」
「そんな神がかりな事が出来るのは?」
「文字通りの神様みたいな奴だから出来ること」
「でも彼が神であることを知る人は限られている、普通の人間から見たら?」
「……あ! あーそうか、考えてみればそうだな、そんなあっさり解決したら
「そう、キャラを増やすことしかできない、その上で自分で何でも解決しようとする……となれば大袈裟に騒がなくてもただの彼の一人芝居で済んでしまいます」
「もしかしてうてなちゃん最初からわかってた?」
「全てを手に入れたい、全てに見てもらいたい……たなれば彼の行動原理は並外れた自己顕示欲、ゆえに構わないことが最適解なんです」
うてなは考えた、黒影という存在は時空の味方になろうとしているが彼に関わる理由はない、かといって適切な手段を考えず力任せにしか解決できない、自分がなんでもできると思い込んでいるし出来ること自体は凄いかもしれないがそれでやることは極めて単純なので没個性。
人の気持ちより自分の気持ちが大事な彼は決まってズレた出力をする、そしてその理由を理解できない。
だからこそ彼は正義ではないが悪にも区別されない。
彼は何者か? 答えは単純。
邪魔者だ……好きだけど邪魔、嫌なやつじゃないけど邪魔、そんな気持ちは両立できる。
堂々と黒影が振る舞っている今、彼の行動は周囲に公開されている……それを周囲がどう判断するかだ、彼の『物語』に積極的に関わりたいかどうか。
「後はそれに気付かない限り自然な流れで時空監理局は孤立します、まあ世の中アニメは6000種類くらいあるそうなので受け入れられる世界の1つや2つはあると思いますが」
「すげぇ……戦わずして完全王者じゃん」
「いやまだそこまではわかりませんよ、だってほら……ゴジュウジャーとかもいるし」
「あー」
「……だからさキウィちゃん、わたし達はわたし達の物語を目一杯楽しもうか、次は何をしたい? どこに行きたい?」
うてなは最初から黒影など意に介せずであった、このままデートを進行させて自由気ままに過ごしていく。
元からそうだ、時空を揺るがす危機とか大魔獣とか大冒険とか元から興味はない。
彼女はただ魔法少女と楽しみたいだけだ。
そして遠野吠も結論を出した、角乃が盗聴器を仕掛けていたので他のメンバーもトレスマジアも話を聞いていることを前提で吠は話を進める。
「お兄さんにはなんて伝えたの?」
「俺は……はっきりとした答えじゃねえんだが、あいつにそこまで関わる理由があるのか? って思っちまった」
世界の命運だとか、自分の命が危ないとか、時空を支配するとか……色々なことをクオンに伝えられた、彼の言うことは正しい、きっと嘘は何一つ言っていない。
その上でノリ切れないところがあったという。
「なんというか兄ちゃんにしても黒影にしても、わざわざバイトとかこれまでの生活引っ張り出してまで全面的に手を出すことか? ってのがずっと離れねえ」
「……でもだからって無視することはあたしは無理かな」
「実際俺も今更あんな奴に極力関わりたくねえとまでは言わない、聞いたぞ……指輪の戦士があいつのせいでってな」
たとえ物語といえど人は死んだら戻らない、壊れたものは直らない。
何故なら黒影ほどの存在ならそれくらい出来るはずだから、やらないということは出来ない、出来るとしても上手くいっていない。
なら自分達はどうすればいいのか? ……物語の為に最初からなかったことにされた奴らもいる、融合解除されて元に戻る気配もない。
「あっ、そういえばそいつの部下って後3人いたとか言ってたけどそっちは信用できそうな感じっこ?」
「どっちにしても同じよ、こんな事態になっているのに来ようともしないのが答えでしょ」
「マジアマゼンタ、お前はどうするんだ? 魔法少女ってやつの意見を聞きたい」
ゴジュウジャーとしては話の流れから『時空監理局は自分達には必要ない』で固めている、クオンの気持ちも分かるし黒影がいつ自分達に牙を剥いてくるかというのもあるが実感が湧いてこない、中途半端に支配されてないし黒影が物語物語うるさいからだ。
「……うーん実を言えばあたしもさ、遠野さんみたいに時空の平和というものは大事なんだけど、なんだけど……う〜ん、どうすればいいんだろう……本人に直接聞いてみる?」
「本人に?」
「あれもしかして呼んだ?」
「うおっ!!」
話の流れで当たり前のように黒影が混ざってきた、数々の激戦を繰り広げてきたはずだがまるで一仕事終えてきたかのようにゆっくりとしている、本当にこうしてみるとテガソードと同等の神とは思えない、しかしマゼンタの言う通り気になることは本人に聞くしかないのだろう。
「俺達に期待していることが多すぎる、だがお前の言葉は信用できねえことが多すぎる」
「俺に不信感を抱いてるってこと? いいよ、俺の物語だもん、俺のことをもっと知ってもらいたい」
「じゃあ兄ちゃんから聞いたが、本名がカーレッジ・フレインというのは?」
「!」
吠の一言で一瞬で空気が凍りつく、薄々言われることを察していたような感じはしていたのか汗は流しても冷静に答える、ようやく彼の真面目な顔をみたかもしれない。
「残念だが違う、その人は俺の大親友で……もう既に亡くなっている、クオンから聞いたのか」
「じゃあこの時空ってやつが4回繰り返してるのも?」
「俺は『2回目』からだ、カーレッジが1回目でそこから始まったのは確かだけど……俺は彼の力をもとに時空を作った」
「力って例の物語を作る……?」
「そうだね、カーレッジは死んでしまったけど一緒に約束したんだ、あいつが『主人公』でヒロインは『あの子』、その時旅した記憶は本当に楽しかった、けど物語は結末を迎えた……冒険が出来なくなってしまった」
「だからカーレッジは遠野を殺して、お前は結末其の物を奪って永遠にこの記憶に依存しているわけか?」
「酷い言い方をしないでくれ、弁解になるか分からないけど本当にカーレッジは頃合いを見て必要な時に蘇らせるつもりだったんだよ? それを怒らせてしまったからあんなことになってしまったのは事実だけどね」
「後から挽回出来るなら何してもいいっていうの?」
「それは……まあ邪魔だったから? で消したんだから、勝手に結末を奪うことがない、邪魔じゃなければってところじゃないのかな?」
あくまで『メイドウィン』として質問に答えていくが、これはメイドウィンなりの答えでもあるしカーレッジとしての本音でもある、知る由もないことではあるが各勢力は自ずと自分達なりの答えを導くには充分な出来事だった。
「なるほどなぁ、これで分かったわ……アンタは神様なんかやない、かといって主人公でもない……」
「じゃあ俺は何? この時空において最も必要とされる存在、この物語を作る存在だよ」
「それや、そういう『役割』に拘ってウチらにも混ざろうとしている、お前はそのカーレッジ・フレインとやらが求めている物語の残りカス、まあ簡潔に言えば幽霊や」
彼らが残した結論はメイドウィンとはカーレッジの死後に取り残された主人公という偶像、時空監理局は自分達がマンガの登場人物といったり他世界の存在だったりと何かと自分達がフィクションであることにこだわっている、それは何よりもこの男が『主人公でなくてはいけない』という強迫概念に囚われているからだ。
その理由も吠は聞いている、というか彼自身が言ったことだ。
「時空が滅ぶんだろ? 必死になって自分が作ってきたものがなくなるかもしれねえからめちゃくちゃになって自分が解決しようしてるんだ」
「いや……そりゃ必死だよ!? だって未来で俺死んでるって聞いたからさ! せっかくカーレッジが作った物語を」
「その時空を管理してるのは?」
「えっそりゃ流れからして俺って分かるでしょ?」
「しかし作ったのはカーレッジという男でもう死んでいる」
「……あっ」
ハメられたと思った、自分がカーレッジではない場合この理論は成立しない、吠達は最初からこれを狙っていた?
いや、この考え自体も結構見当外れだった。
「カーレッジが死んでも普通に時空がまた作られたってことはだ、お前が死んだところで滅ぶことには何の関係もない……だから『主人公』であることにこだわってるんだろ? 自分の存在が必要であると言い聞かせるように」
「えっ……え?」
予想外すぎる答えだ、自分が作った物だから自分がいなければ回らない、しかし吠達は自分が話した『カーレッジが死んだということ』を軸にして話している、元々フィクション説を信じてないこともあり、彼らの結論は『カーレッジが死んだ後に残された思念が現実を認められずごっこ遊びをしていた』で完全にまとまっている。
「俺がいなくなっても時空は存在してるって言いたいの?」
「むしろウチからすればアンタが余計なことをしているせいで滅ぶようにも見えるけどな」
「そ……そこまで言うのかよ、俺だって必死なんだって! 一体どうすればいいかわかんないんだよ! だったらお話を作って皆を仲間にして壮大な冒険をするしか思いつかない!」
「その話の内容がちっともノリ切れないって話しとるんやそこの狼は、内輪ネタなんて今時ウケへんぞ」
「内輪って何よ!? 時空に生まれ落ちた時点で皆内輪……あれ今俺の考えている話がつまらないって言った!?」
「言ったで一人だけ楽しんでてクソつまらんとな」
「サルファ……あまり直球で言っちゃダメだよ、えっと黒影さん、あたしとしては同じく世界平和を志すものとして悪いことじゃないと思ってるんだよ? でもちょっと……強引すぎたんだよ、だからその……えっと、なんて言ったらいいか分かんないけど」
「神様でも絶対うまくいく! ってことはないと思うから頑張る事も大事だと思うんだ!」
「……なるほど、なーるほど、実際俺がこんなに成功しているのになんの成果も得られていない以上認めるしかないみたいだね」
思い知らされた、自分はまだまだ力不足であったことを。
魔法を覚え、神を取り込み、物語を自由自在に創作して、時空という概念を作り、世界そのものの融合を覚えてもまだまだ努力が必要なことを伝えられた。
ここまでの自分では本当に足りない、もっと自分の力に深みを持たせれば時空の危機を解決できると再解釈した。
こういう時にポジティブになれるのは長所である、完全に自分を物語の主人公扱いだと思い込んでいる誤解は解けてないままだが。
「神に生まれ変わり……力を沢山得て……時に戦って、裏切られて……長いようでかれこれ100万年、どうやら俺はまだまだ頑張らないといけないみたいだ、最高の物語を作るには俺がもっと最高の神にならないとつてわけか、ありがとう! 俺もっといい物語にしてみせるよ!」
黒影は言うだけ言うと時空の渦を作成して中に入っていく、本当に何がしたいのかよくわからなかったし結局自分がやったことへの後始末はしていないので吠達としては黒影の事が分かっただけで何も変わっていない。
しかし狙いすましたかのようにポチが現れて拍手を送る。
「凄い! 何をしたのか分からないけど黒影局長が帰るって言い始めて準備してるんだ! 君たちには迷惑かけたね!」
「本当に迷惑ばかりだったわよ、それで元の世界に帰れるんでしょうね?」
「うんいける、局長がゴジュウジャーとまほあこ世界それぞれ作り直したからそっちの世界に行けば帰れることになる、もちろん自由に行き来できるからこの世界にもう1回行くことも可能だよ……念の為聞いておくけど」
「言うまでねえ、いつでも戻れるんだったらさっさと帰るぞ」
「決断早くない!? え、えーとあたし達はどうしようか?」
「こっちも正直なところ……彼が来て何かしたところで私達に進展はなかった、マゼンタも上手く説得してくれたけど……」
「ま、その時はその時や……どうせウチらはあいつにとっての登場人物ということになってるが口裏合わせとけばええねん」
「……い、一体黒影局長とどんな話をしたんだ?」
ということもあり、ゴジュウジャーもトレスマジアも意外とあっさり別れることになった。
とはいってもいつでも会えるので別れのムードという感じでもなく遊び疲れたので家に帰るぐらいの感覚、これも時空新時代ならではだ。
エノルミータもトレスマジアが元の世界に帰ったことを知れば全員帰るだろう、うてなからすれば融合先の世界はなぎさの世界だし。
「いや〜これで俺も自分の目的を果たせそうだよ、実を言えば結構黒影とは敵対しているような立場で生まれちゃったからさ、俺としては実際入ってみると時空さえ無事なら結構気にしなくなってきたんだけど」
「何か勘違いしてねえか? 俺達は別にお前の味方になったわけでもねえ、兄ちゃんにもな」
「……なんかそう言われると、局長のやってたこと完全に茶番じゃん、まあどうせプロットとか作ったことないんだろうし行き当たりばったりでイベント決めてたんだろうなぁ、まっ結末を決めてないんだから話の筋書きも決めてないか、漆黒くん俺達も帰るよ〜」
こうして何か壮大なようで一人しか楽しんでないような物語はあっさりと幕を閉じることになる。
黒影はこれから数万年にわたる物語の研究を深めていくので関わりは薄くなる、ポチとしても黒影が動かない限り物語も動かない、つまり興味ない時は世界はミニチュアのように静止すると知っていたので目的が果たされる。
混沌を求めるローレン・漆黒には悪いがこういう結果もあるだろう。
「実験してればそういうこともありますよ局長、もうしばらくしたらもう一回『魔法少女にあこがれて』世界で一本物語作ってみるのは?」
「あくまで実験だもんね! 現実じゃないんだから1回しかチャンスがないわけでもないし、作品はまだまだ沢山ある! 時空を発展させるために頑張ろー! ……って言いたいんだけどさ、ちょっと弱音も言っていいか?」
「もちろん俺は影武者だからね、主の悩みには乗らないと」
「…………結構効いたよ? 俺のやり方がはっきりとつまらないって言われたの、ありとあらゆるものを巻き込んでさ、色んなことをやって……昔はそれでなんとかしてきたんだけど、もう受け入れられないのかな?」
「俺は好きですよ黒影局長の話」
「好きでもダメなラインがあるんですよ時が経てば、実際局長の思う通りこのやり方は時代遅れになりつつあります……まぁ実際俺たちも時代に乗り遅れないように活動しているわけなので」
「時代遅れか……適応して生きるってめんどくさいんだね、やりたいことを我慢して生きているような人間は可哀想だ」
「貴方のような立場は『めんどくさい』も『かわいそう』も言っちゃダメです、貴方なりにこの空間に適応していかなくてはならない、その為に努力しろってことだし」
「……ついてきてくれる?」
「まあ一応部下なので、他の三人も話せば分かってくれるんじゃないですか? 知らんけど」
「漆黒くんも拗ねたものじゃないの、ほら帰ろうか、今度はちゃんとした『ゴジュウジャー』と『まほあこ』の話を作れるといいね」
「ああ! 今すぐにでも作り直したい気分!」
こうして監理局は離れて、元の世界に戻り、あるべきところに帰る。
こうしてまた改めて黒影の物語は再構築されて、ちゃんとした世界に合う形で身の振り方を学び作られるのだろう、実験をすれば時に失敗もある、そう学習した……。
「──なんて形で勝手にあがり込んで面倒になったらさっさと捨てる、そんなおふざけがお許されると思って? てめえはくたばれウジ虫野郎」
だがその結果に対して牙を剥いたのが別の次元では主人公ということになったパンタノペスカが許さない。
いつ時空の渦に入り込んだのか? いつ自分達の背後まで回ったのか? そんな事を考える暇もなく……。
「
「キラメイジャーの指輪!? あれってトレスマジアにあげたんじゃ!?」
「貴方達が散々やってきたことですわ、
本物のキラメイジャーの指輪を手に入れたパンタノペスカは1枚残された画用紙から完全な模写を行う、自分の中では最初で最後、ドエロい魔法少女以外に関心を向けてそれを芸術作品に仕立てるのはこれっきりだろう。
彼女は完璧な
「メイドウィン……確か『話を作る存在が常に正しくてそれに従う』という意味でしたね? だからこそこれからは誰が正しいかも分からない方がいい」
「面白いことを言うね、
「間? お前なんかにきっと明日も次もありませんわ、何故なら貴方のストーリーにはエロがない、ワクワクがない、夢がない」
「……優しさがない、これでいいですわねタカミ? 少し話は貴方に理想の主人公像を見せられたのでしょうか?」
偶像と本物の黒影が同時に指を鳴らす、きっとこれは始まりに見えるかもしれないし何かの区切りかもしれない。
しかし一つ言えることは、パンタノペスカはただ1人思った、『お前は要らない』と。
何かしてきたつもりで何もできなかった末路がこれか……。
そんな事は露知らず、そんなことがあったりあんなことがあったりしている間うてなとキウィは一日中楽しんでいた。
黒影のことは特に意識していない、普通に過ごしているだけでいい、どうせ自分には関係ないのだからそれでいい。
物語に挟まれないところで映画を見たりスイーツを食べたりでいい、さすがにホテルに行こうとしたらつばめにガチの手で止められた。
「こらこら、どこの世界にホテル行きは姉としてお姉ちゃんとして止めます〜」
「離せ存在しない姉!! 姉を名乗る不審者!!」
「うてなを婿にしたいのなら長女の私を納得させてからにしなさい!」
「あっ面白そうだからあーしも混ぜてよ」
「6人の姉妹を黙らせろ!!」
「やってやろうじゃねえかこの野郎!!」
「キウィちゃんもマジにならないで!? というかいい加減ふざけるのも大概に……」
キウィVS柊姉妹のうてな争奪戦が突如として始まりそうになった時にその時は訪れる、耳鳴りな音が脳を包むように響いて意識が薄れていき……その音が目覚まし時計であることが分かり、身体に伸し掛かる重い感覚は布団であることにすぐに気づいた。
困惑するうてなの前に窓を叩く音がしたのでまたヴェナリータの仕業かと思ったら眼鏡をかけた見たことのない魔法少女が顔にべったり張り付いていた、パンタノペスカとうてなの初遭遇がこんなのでいいのだろうか。
「ギャーッ!?」
「ああすみませんわ〜、ああ言ったものの無駄に話を広げすぎてここから話をまとめる手段が思いつかず夢オチに逃げましたの、ではこれで失礼しますわ」
パンタノペスカは言うだけ言ってそそくさと帰っていった。
これから新しく始まる時空の『魔法少女にあこがれて』の物語がここから始まるのかもしれない。
しかし問題は……。
「あらおはようございますうてな、学校遅刻しますよ?」
「なんでいるの!?」
「なんでって……その方が面白いからじゃないですかね?」
「面白いって!?」
さて、改めて頃合いが来たらまた話を作り直すとしよう。
その時までは、またこの世界やゴジュウジャーの話はお開きということで、いつかまた。
彼女達の物語は永遠に終わらないのだから、この言葉は本来に合わないのだが敢えて送ろう。
おしまい。
「終わらないで!! どっちにしても全部なんとかしてから片付けて!!」
ここまで見てくださった数少ない人には感謝です。
そして見てくれた皆さんはこう思ってるでしょう、『何がしたかったんだこの作品』と。
実を言えばこの話を書こうと思った自分もそう思ってます、扱いに困りました。
その為『この話を切り上げていつか、まほあこの話を作り直そう』という結論になりました。
どうしてこんなことになってしまったのかと言うと黒影に言わせたように自分の作風が時代遅れになってしまったと悟ったからです。
まずこの作品の元になった『愛と正義の魔法少女にあこがれて』についてなんですが、そもそもアレでゴジュウジャー入れた理由とか特にありません、たまたまその時放映していて気分で思いついていたから出しただけでした。
それ以外でもここじゃ扱えないネタが多かったのでじゃあ全カットして新しくゴジュウジャー単体とのクロスオーバーにしようと……だって元の作品ってマジアサルファが死にかけたり、ゴジュウジャー要素は5人の戦隊だけだったりで最後にファイヤキャンドルが出るくらい、トレスマジアも増えたり、それとは別でマジアマゼンタが鏖魔ディアブロスのDNAを加えられたりクオンが金雷公ジンオウガだったり、吠がトレスマジアの正体を知っていたり……。
それ以外でもほら、ダメじゃないですか。
かつては当たり前のように出来てたことでも今はダメなネタが結構あります。
それこそ野で始まるアイツもだしポチもチラシの裏ではそういうネタを使えないので設定を完全に書き換えたし、まだリメイク出来てない所だと特撮主人公と別原作の二次創作キャラの三次創作カップリングとか、関係ないキャラが仮面ライダーに変身するとか、最初から全く無関係な世界観で理由もなくクロスオーバーするとか、この場所じゃ出来ないです、他世界やそのキャラをしょっちゅう絡ませたり時空犯罪者出しまくったりすると原作を『多重クロス』に固定しないといけないし、『週刊少年ネオジャンプ』のような原作が曖昧な作品もありました。
今作にしても本気で『この小説の主人公は柊うてな』のつもりで書いていました、しかしそれと同時に『メイドウィン小説の主軸は時空監理局』でもあります。
全作が同じ世界観であり、数々の物語で共存して生きているのがウチの作品の特徴でしたが、上記のことも考えてあれこれを封じてみるとどうでしょう、妄想の中で戦隊要素が偏りすぎて黒影を呼び出してテコ入れを図ったはずなのに書いていくと時空監理局関連の設定が一気に邪魔になってきました、このシリーズの肝ですが彼らが動いても、それを受け入れられない様子になるだけでここまで扱いにくい奴らになることは完全に想定外でした。
元々『全創作が黒影の物語という存在意義で生まれている』という世界観がヤバいのでチラシの裏にして評価全規制し、元々味方キャラだった黒影一行を悪役にしたものですが、自分でもコレしか作れないとはいえ評価は目に見えていたので……。
黒影は元々作者の分身キャラとして作成し、長いもので10年以上の付き合い……たくっちスノーも実質分身みたいなものですが、このやり方には個人で済まない場所では限界があると身にしみて実感しました。
そこでこの小説は結末がないどころか落とし所も何も決まっていないので一旦パンタノペスカの手を借りてこれまでのやりたい放題を一気に封じ込んで一旦単体作品の二次創作を書いてみることにします。
設定は一部引き継いで新しく作品を作ることにしました。
シャドー・メイドウィン・黒影とたくっちスノーの時空を超えた壮大な冒険譚……やりたいようにやれないとチート性能なのに置物になるということで、一旦静かにしてもらいちゃんとプロットというものが組まれた作品に手を付けてからまた扱い方を考えることにします。
では、メイドウィン小説『ナンバーワン魔法少女にあこがれて』を見てくださりありがとうございました。
時空の世界観自体はそのままですが更に作風を一新した作品を黒影と共に努力して作成して参る所存です、その時にまたお会いしましょう。