「女王!? そりゃ一体どういう……」
「言葉の通りだ、この指輪は使えない」
ファイヤキャンドルの手から大量の指輪がこぼれ落ちる、ノーワンワールドの何処かに存在するブライダンの拠点。
テガソードを模して生まれた存在『テガジューン』に導かれノーワンと共に指輪を回収して真なる理想郷を作り出すことを使命とする彼らだが現在は大きな問題に直面していた。
陸王ショックから復帰したブーケは騒ぎを聞きつけて女王のそばまで駆け寄る。
「ファイヤキャンドルさん! 何の騒ぎですか」
「ああブーケ嬢か、この指輪見てくれよ」
「指輪……? こんなに沢山集めたなんて凄いじゃないですか」
「そうじゃねえんだ! 女王が言うには俺が集めたこれ全部ニセモノだってんだよ!」
「よく見ろ……」
テガジューンの目が光り閃光が指輪を貫くと爆発し、穴の開いた画用紙の山になってしまう、苦労して集めてきたものが文字通りただの紙クズになってしまい驚きを隠せないブーケと苛立つファイヤキャンドル。
「畜生! 俺がせっかくここまで集めたってのに!!」
「まさか指輪を偽装出来る存在が……一体何者なんですか!?」
「……覚えがある! 世界が混ざったとかどうとか聞いた、俺たちがこれまで見なかった魔法少女という奴らとその敵!」
ファイヤキャンドルは見ている、鞭を振るうだけで怪物を作り出す悪の総帥を、星のように輝き脅威となりえるあの目を。
……ブライダンにも敵対し、ゴジュウジャーとも協力していないイレギュラーがいたではないか、それを思い出すとしてやられたように歯を食いしばらせてまた星を眺める。
「マジアベーゼ……!! あいつかぁ!!」
「奴が手を回したかまでは我も判断のしようがない、だが……エノルミータは今後我々の計画にも介入してくることだろう」
「女王様は知っていたのですか? エノルミータのことを」
「奴と同等の存在が紛れている、油断するな……」
「にしてもどうすりゃいいんだ? どれが本物で何が偽物か見分けがつかねえんじゃ集めようがねえ、全部倒すってわけにもいかねぇしな」
「確かシャイニングナイフさんも指輪回収に向かっていたような……大丈夫でしょうか」
そして同じ頃、あらぬ濡れ衣をかけられているエノルミータはというとヴェナリータがキラメイジャーのユニバース戦士から託された真銀のレプリカセンタイリングを解析して何かを作っている様子、それ以外の面々は……。
「きゃっきゃっ」
「ほらミライドンブラー、お前のせいでもあるんだからちゃんとお馬さんになるんだよ」
育児に追われていた、星壁獣ミライドンブラーの力によって赤子まで若返ってしまったマジアベーゼ(柊うてな)はまだ元に戻れず育てられていた。
何故か柊うてなに戻ることも出来ず、知能も完全に赤子の頃まで退化しているのでミライドンブラーのエネルギーが戻るまで育てるしかない。
キウィはノリノリでベビーベーゼを溺愛しているがナハトベースは試行錯誤で用意した育児用品でいっぱいだ。
「しかし運が良かったじゃないか、怪物を作れるといえどまだ年齢操作なんて複雑なものを扱える段階ではなかったからね、少しでも出力が狂っていれば胎児になってたかもしれない」
「洒落にならないこと言わないでよ……というか手伝ってよ!」
「そうしたいのは山々なんだけどボクはこの指輪のことで忙しくてね、幸いにもこれを作った持ち主はもっとばらまいて撹乱させている、ブライダンやゴジュウジャーも迂闊には動けないよ」
「どうにも腑に落ちないがまあいいか、今となっては赤ん坊になったコイツの方が厄介だ」
「だぁーだぁー」
「ああ──もう可愛い! こっち向いて! 笑って! カメラ止まんねえ!!」
キウィだけがベーゼの育児を楽しんでる様子だったが、時間がかかる分うてなが行方不明になっているのと同義なのでもたもたしていられない。
柊うてなが失踪なんて周囲で噂になってみれば洒落にならない事態になるがエネルギーが回復する様子もない。
「飯はある程度食わせたがダメか……燃費悪すぎるぞ、目を離せないからここから出られないしどうすればいいんだよ!」
「だぁー」
真珠とネモの苦労もつゆ知らずベビーベーゼはキウィが用意した赤子用の玩具を楽しんだり魔法少女アニメのDVDを観たりと自由気ままだったが、ヴェナリータが持っているマジレンジャーリングを見ると手を伸ばすが取り上げるように離れる。
「やめないか玩具じゃないんだから」
「あうぅ……」
「あーもう泣かないでよめんどくさいなぁ、似たようなのいっぱいあるからちょっと取りに行ってよ」
言うだけ言ってヴェナリータは退散してしまったので真珠もネモもビキビキして肌に悪影響出そうになるがキウィは仕方ないとばかりにベーゼをおんぶ紐で背負いながらレオパルトに変身して元の世界へ向かう。
「まさか本当に取りに行く気!?」
「せめて置いてけよ!!」
「ベーゼちゃんから目ぇ離したくないんだよ!」
言うだけ言ってレオパルトも出ていってしまい残ったのは2人、こりすは爆睡中。
それとゴミの山。
「帰ってくるまでに掃除くらいはしときましょ」
「そうだな……」
そして偽物指輪問題はやはりゴジュウジャー陣営にも及んでいた。
こちらも順調に指輪を集められたかと思えば同じ物が大量に見つかったということで偽物が存在していることに気付く、しかも指輪だけではなくユニバース戦士達も山程存在することになるのだが……テガソードもそう簡単には願いを叶えさせないということか。
「しかし……まさかわしの目をもってしても見抜けんとは厄介なものじゃ」
「分かることは偽物の指輪の持ち主が倒されたら絵になることぐらいだ、見た目も性格もバラバラで共通点も見つからない」
「しかもね、あれから調べてみたんだけどこの街に『印魔真銀』なんて人間は存在していなかった、あの女でさえも偽物のユニバース戦士だったのよ」
「彼らはなんて?」
「かなり大焦りの様子だ、相変わらず期待できそうにないな」
ゴジュウジャー達が会議をしている中……今回は珍しくトレスマジアの変身前、花菱はるか、水神小夜、天川薫子は普通の客としてテガソードの里に訪れ、客が来たことに気付いた竜義は合図で指輪をしまわせる。
はるか達はしばらくここにうろついていたが、そういえば飲食店として行ったことはないと楽しむことにした。
今更という話ではあるのだが、トレスマジア並びにエノルミータには認識阻害の魔法がかけられているので正体が悟られることはない、その上でも警戒に越したことはないが魔法少女=元の姿と気付かれるようなニュースは聞いてないので問題はないだろう。
普通にオムライスを食べて話を軽く聞き、世の中が物騒になったなと感じるのだった。
しかし呑気にしていられないのがここまで予定が大きく狂いまくっているポチとローレンだった。
「に……偽物の指輪なんてあるんですか!?」
「ないよ偽物なんて!! むしろ本の通りならポンポン集めちゃってあっという間なのにこれじゃ逆にキリがないよ!? まさかこれが結末の来ない物語の力!?」
「しかしこれでリングハンター……ゴッドイベントはしばらく始まらないってことでいいんですよね?」
「『ゴジュウジャー』はそうかもしれない! でも忘れちゃいけない、今この世界は局長の気まぐれによって融合している! 『魔法少女にあこがれて』にもゴッドイベントはあるし、融合したことでどんな化学反応を起こすか……!!」
「……あっお腹すいた、叫びすぎましたね」
「俺達の予算は完全に尽きた、魔法少女タイアップ企画なんてとても回さないし何の成果も得られてないからバイト代で食いつなぐのがやっとだ」
「他の分身もこんな感じなんでしょうか……先が思いやられる、というか俺達何をすればいいんですかね?」
「偽物の指輪を一個一個集める? でも結局は作ってるのは誰か突き止めないと……」
「……そもそも監理局の権限で誰がどのユニバース戦士なのか把握できませんか?」
「それだ! ……待って、俺達今監理局のパソコンにアクセスできる?」
「八方ふさがり……せ、せめてタイアップを受けてくれる魔法少女さえいれば!!」
指輪騒ぎは悪化したら自分達も駆けつけるとして、エノルミータはまだベーゼが赤ちゃんになっていることは把握しているのでしばらく襲ってくることもない、トレスマジアとしての仕事も今はない。
時空犯罪者達もユニバース戦士の戦いに巻き込まれたりして本格的に『まほあこ』と『ゴジュウ』以外の部外者は許さないとばかりの空間になったのでしばらくの平穏を噛み締めることにした。
「なんだろうその……マジアベーゼが赤ちゃんになったのを見た時その……あの言葉なんだっけ、ケバブみたいなの」
「デジャブ?」
「ああそれ! そんなことがあったような感じがして……」
「なんやそれ……にしても最近指輪の戦士とやらめっちゃ見かけるよな、流行ってんのか?」
「流行っているというより突然変異ね……二人も薄々察しているとは思うけど私たちの世界、融合というよりどんどん向こうに侵食されてない?」
元々魔法少女は一般的に目撃される数が少ないことに対して、ユニバース戦士は一つの舞台に数が多すぎる。
無理もない、元は50作品の世界の片割れが一つの土俵で殺し合いをしているようなものだ、トレスマジアからすれば肩身が狭いどころではない。
しかし小夜が危惧しているように、ただ自分達の世界が一方的に侵食されているわけでもないことを薫子は分かっている。
「……魔法少女が変身に使うアレあるやろ、ヴァーツが全く見覚えのない魔法少女のアイテム見たというとった」
「え? 見覚えのないって別世界の魔法少女とかじゃなくて?」
「いいやほぼこっち製や、魔力の仕組みや構造からしてヴァーツが配ったものとほぼ同じや言うとった……つまりはな、複製されとんのはあっちの指輪だけやないいうことや!」
この平穏が続くのは今日までかもしれない、普段の姿でうろついているのは情報を集めるためでもある。
一旦ネットカフェに移動して複製魔法少女について調査する……。
同じ頃、赤ちゃんベーゼはというと。
「あー! あー!」
「うっし新しく指輪ゲット、ああベーゼちゃん喜んでる! 可愛い!! 天使!! アタシもうママでもいいでちゅよ!!」
もう既に語彙力は崩壊しているがボコボコにして文字通り紙切れになっているユニバース戦士を倒した分もこの笑顔で帳消しになる。
このまま帰ってもいいがベーゼが散歩してほしそうに上目遣いで眺めてくる。
「ン“ッッ!! その目ズルいだろー!! もー!!」
多分レオパルトはこの間に金の大半を使い切る勢いかもしれないが、それを妨げるように騒ぎ声がする。
せっかくのムードを邪魔されて苛つきながら声の方をすると……見るからに怪人のような存在が指輪を集めていた、それぞれ別の男と女が繋がっているような異質な見た目……ノーワンではないように見えるが雰囲気が違う。
(なるほど……この間審査員してたやつだったり、ベーゼちゃんが会ったという幹部格か、間違いない)
「うーん大収穫、これは女王様もお喜びになるよハニー」
「今日もダーリンは絶好調ね、もっと山程集めちゃいましょう!」
「お前ブライダンだろ?」
「ん?」
改めてすぐ近くまで『それ』を見る、半分は男爵のように髭を生やして銀色のナイフを構える男、もう半分は甘く綺麗? な雰囲気の女、どうやら夫婦が一つの体で共存しているようだ。
二人一組の怪人も見知らぬ世界の不思議な魔力を察知してすぐに気付いた。
「ダーリンあれ何かしら? 似合ってないミョウチクリンなカッコ!」
「うーんあれ流行ってるのかな? いや違うぞハニー、女王様が言っていたような……そう、あれエノルミータだよ!」
「白昼堂々と指輪集めとは精が出るなぁ〜怪人様ってのは」
「怪人様ではなく私はMr.シャイニングナイフ! こちらの美しいハニーはMrs.スイートケーク! 、見ての通り大忙しなのでね! そちらこそこんな時間に何の用件かな?」
「ばぶー」
「見て分かんだろ……育児だよ!」
「……えっ?」
赤ん坊ベーゼを見てシャイニングナイフ達も一瞬びっくりして赤子をじっくりと眺める。
「いやいやダメじゃないか! こんな小さい子を連れてお仕事しちゃ!」
「もちろん今回は非番だ」
「じゃあなんで指輪持ってるのその子! ダーリンがもっといいものあげるから」
「そうだよこの子はまだ指輪を持つには早い年頃だからさぁ……」
「あげたところで役に立つか分かんね〜ぞ? だってこれ偽物だからな」
「へ? ニセモノ?」
事情を説明して指輪の山について話をするとブライダン側にも連絡をつけてシャイニングナイフも事情を知って軽くショックを受ける。
指輪を狙う予定はあったが偽物でも問題ないエノルミータとしては多少は同情するところもあるが向こうの事情は知ったこっちゃない。
だがあまりにも落ち込んでいるので愚痴くらいは聞いてやることにした。
「ファイヤキャンドル君が20個、私が25個も集めてほぼ揃ったようなものだと思っていたのにこの結果とは……女王様になんと伝えればいいか」
「いらないなら貰うぞ、なんかウチのが結構欲しがってたんだよ」
「代わりに処分してくれるなら是非ともって感じで……ああちょっと待って! もしかしたら1個か2個は本物が紛れているかもしれない!」
往生際が悪く1つずつ指輪を確認していくが視力ナンバーワンの人間が見ても全く見分けがつかないのに念入りに本物かどうか確認する。
ちょくちょくベビーベーゼがちょっかいをかけてくるが赤子の戯れなので意に介せず軽く扱う。
「お〜よしよし後で遊んであげるから、えーと多分これは違うでしょ? これはなんか……本物な気がするな」
「あーっ!! ダーリン! ダーリンアレを見て!?」
「えっハニー本物あったかい!?」
「あの子立って歩き始めたわ!! ちょーきゅーと!!」
「んえええ!! ベーゼちゃんすごいねえええ!!」
「えっ指輪どころじゃないそっち見ないと!!」
「ベーゼちゃん!! あんよがじょうず!! あんよがじょうず!!!」
「あー」
赤ちゃんの前では怪人も悪の女幹部も語彙力が消える。
どういうわけかゴジュウジャーもトレスマジアも今日は見かけないのでカワイイアカチャンの姿に夢中になり激写が止まらない、目的を完全に忘れたシャイニングナイフとスイートケークはベビーベーゼを高い高いしたり完全に遊んで気がつけば夕暮れ。
シャイニングナイフの膝でスヤスヤ眠るベビーベーゼを眺めてようやく自分が本来の目的を忘れていることに気が付いた。
「いかん! 赤ちゃんを可愛がるだけでこんなに時間が奪われると思わなかった、でも本当に可愛いんだもん」
「ベイビーが生まれたら私とどっちが可愛いって言ってくれるのダーリン」
「うーん困るなぁ、ハニーの子供なら間違いなくハニーに負けないくらい可愛い子になるからなぁ」
「ああ!? それならアタシとベーゼちゃんの子供のほうが百倍はカワイイんだよ!」
「……ねえダーリン、あの世界って女同士で子供を作れるの?」
「案外いけるかもよ魔法少女なら……あっそういえば最近魔法少女増えてるみたいだけど、そっちの敵だったんじゃないか? 大丈夫なのかい」
「え? 増えてるって?」
「あっほらコレ」
シャイニングナイフが指さしたのは最近流行りのCMだ、動画サイト開けば広告で頻繁に出てくるようなありきたりな内容だ。
「今をときめく少女になりたい貴方に、まるで魔法のように生まれ変われる」
「最新のAI技術を用いたメイクで理想の自分を手に入れる、クオンAIコンツェルン」
「あ〜なんだそりゃありきたりな奴だろ、この手の胡散臭いメイク会社なんてゲームの30秒広告でいくらでも出てくるわ」
「いやそれが違うんだ、うちの部下がネットに詳しいんだけどね、聞いたところによるとね、メイクで美人になれるどころか魔法少女に変身できるとか、AI技術で魔法少女の変身グッズの複製に成功したとか……」
「!?」
「めっちゃ反応した!!」
魔法少女愛好家としての本能かさっきまで熟睡していたベビーベーゼの目がガン開き、急に起きたものでびっくりするがどうにか姿勢を直そうというところでようやくヴェナリータが迎えに来た。
「何やら興味深い話をしているようだが、ちょっと失礼……うん、さすがマジアベーゼだ、赤子になっても少しずつ魔力を蓄積させている」
ヴェナリータはシャイニングナイフの事を無視してマジレンジャーの指輪をベビーベーゼに押し当てると黒い魔力が吸い出されて指輪が変化していき、デザインが紫色の騎士のような者が映る異質な形へと変化する。
指輪の変化を確認するとミライドンブラーの口だけを袖から呼び出してベビーベーゼにビームを放ち、赤ちゃんだった彼女はたちまち元の年齢へと戻っていった。
「あれ? 私一体何して……思い出せない、25歳になってからその後何が起きて」
「ベーゼちゃん戻った!!」
「えっあれ!? これどんな状況!? ……あっ」
赤子になっていた時の事は何も覚えていないが口に咥えていたおしゃぶりで自ずと察するマジアベーゼ。
レオパルトにしてもらったことを考えると申し訳なさと恥ずかしさで死にたくなってくるが肩を借りて出ていこうとするが、そこをシャイニングナイフは譲らない。
「おっとお嬢さん、その指輪……何をしたのかはわからないが興味深い、君の持ってるものまで力付くで貰う」
「ちょうどいいね、ブライダンの幹部格……特にMr.シャイニングナイフなら試すのにうってつけだ、キミ達は今回下がっていいよ」
「それは一体……」
「
ヴェナリータは人間の物とも思えないような言語を発する、その声を聞いていると耳鳴りを感じて頭痛がして咄嗟に耳を塞ぐ。
魔力が指輪に収束して粒のように溢れ出すと、それは少しずつ人の形になっていき……紫色の大きな騎士に変化した。
「これは……指輪の戦士ではない! 何をした!」
「指輪の戦士には元になる世界がある、指輪を通して元世界にアクセスし邪悪なる戦士に接続するものに変える……後はマジアベーゼの眷属を作る魔法を合わせればこの通り複製体を作り出せるというわけさ、戦隊の敵は戦隊と潰しあっていればいい……やれ、ウルザード」
邪悪なるマジレンジャーリングから呼び出された魔導騎士ウルザードはシャイニングナイフに向けて剣を振るうが持っていたナイフでガード、先ほどまでのゆったりとした雰囲気から一変して真剣な動きに代わり眷属と戦い合う。
「ずっと1人で何してんのかと思えばあんなもの作ってたのか?」
「ボクなりに奴らに対抗する術を考えていた、実際あと少しで手遅れになりかねなかった所だよ……本当にクオンAIコンツェルンが魔法少女を作っていたなら」
「……魔法少女を、作る?」
「あっやっべ」
マジアベーゼはちょっと何言ってるか分からない状態が続いてキャパオーバーによってぶっ倒れる。
レオパルトはこのまま暴れ続けるとトレスマジアかゴジュウジャーが来そうな予感がして即座にナハトベースまでベーゼを引っ張り出し、ウルザードとシャイニングナイフの戦闘は吹き飛ばした際に自然な流れで外へと移行しそうになったが魔力が足りなかったのかウルザードの姿は透明になり、指輪に戻ってヴェナリータの手の中に消える。
「まあ最初だしこんなものか、今回レオパルトが回収したものも使えるようにしないとね」
「待て!お前は一体何者……消えた」
「社長、新しく始めた『魔法少女複製技術』……まだ表立って展開していないも関わらず大盛況です、締め切りましたが既に一万人以上が予約している状況です」
「そうか、変身アイテムの製造はなんとしても間に合わせるようにするんだ」
「はい、しかしまさか……魔法なんてものを再現しろと言った時はどうなるかと思いましたが社長、どうやってあんなものを?」
「世の中には超越した科学は魔法と大差ないという言葉もある、執念と技術……そして魔法少女に備わる愛の心さえあれば、不可能でもないさ」
「あ、愛……ですか?」
「僕がそんな事を言うのは変かな?」
「い、いえ滅相もございません!」
「そうだ、エノルミータとの戦闘テストもしておきたい……戦線に出せる複製魔法少女は何人いる?」
「いつでも派遣できるのは2人です」
「よし、ゴジュウジャーかマジアベーゼが現れたらその2人を戦闘に向かわせろ」
「え? ゴジュウジャーもですか? 社長が言うのであれば……」
「フフ……吠、新しい世界で君はどんな風に生きられるかなぁ?」
クオンAIコンツェルンの社長室、高くそびえ立つビルから見下すように1人の男は遠野吠の姿を眺めていた。
その一方で魔法少女複製ビジネスの存在を知ったキラメイジャーのユニバース戦士はというと絵を描きながら様子を伺っていた。
「うーん、確かに交渉通り物語がしっかり進んだけど……まだ足りない、あの男のメールによるとそろそろ『イミタシオ』を動かしてくれるらしいけど……ああもう、なんでパンタノペスカ様が見つからないの……ゴジュウジャーの影響? いや違う!!」
その少女はマジアベーゼを即座に描いたかと思えば彫刻刀で一気に穴を開ける、何度も何度も顔に叩きつけて彫刻刀が折れて、壁に穴が開くまで打ち込む。
「……マジアベーゼ、こいつだ……何故か分からない、どうしてあんな奴が目立っている? ありえない、そんな事があってはいけない!! この指輪があればこの世界を正しい形に作り変えられる……!」
「こんな世界は正しくない、『魔法少女にあこがれて』の
『キラメイジャーのユニバース戦士』
性別:女
指輪:魔進戦隊キラメイジャー
能力: