恋する歌姫と恋した俺   作:ゼレス

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この話からはドタバタした感じの話にできたら嬉しいです


それ俺の病院食なんですけど、勝手に食べないでください

 入院生活も大分慣れてきた。傷の痛みも消えてきて楽になりつつあるがやはり右腕は痛い。骨が飛び出てたらしいからね。お見舞いも色んな人が来てくれて飽きずにすんでいる。高校のクラスメイトや、仕事の隙間時間で来てくれるスターライトのみんな、蘭に両親など、たくさん来てくれた。

 

 この日は春斗と健司が来ていた。

 

「奏太が少しずつ元気になってくれて俺は嬉しいぞ!」

 

 春斗はほぼ毎日来てくれるのだが、なぜか毎回グラビア雑誌を持ってくる。なぜならコイツ、本屋でバイトしていてるから簡単に入手できてしまう。

 

「そうだな。初めて来たときは廃人かと思うくらい元気が無くて心配したもんな」

 

 コイツは健司。同じクラスで席が近く、いつも俺と春斗と健司の三人で遊んでいる。健司は大がつくほどのアイドルオタク。顔は結構整ってるがアイドル語りのクセが強く女の子に引かれてしまい、彼女ができない事で有名。

 

「俺が持ってきたグラビア雑誌のお陰だな!」

 

 アハハハ!と笑っているが正直この雑誌邪魔である。もってくるなら、バイク雑誌や車雑誌が嬉しいです。蘭が来る時にあると気まずいし、蘭になに言われるか分かったもんじゃない。しかし今日健司が、持ってきてくれた雑誌が今をときめくアイドル特集でスターライトのみんなが特集されている。みんなの私生活や好きなもの、マイブームなど書かれている。みんなのことは大体知っているが、蘭のページを見るのが面白くてつい何回も読んでしまう。

 

「お前、紫吹蘭ちゃんが好きなのか?美しき刃って名前の通り、クールビューティーで良いよな~。こんな子と付き合ってみてぇよ!」

 

「蘭ちゃん好きだよ。可愛いし」

 

「お前もドルオタに目覚めたか!同志よ!」

 

「バイク馬鹿だったのにやっと年頃の男の子になったか」

 

「君たちは俺をなんだとおもってんだ?てかなんで授業の時間なのに君達ここにいるのよ」

 

「え?俺達今日はサボり」

 

「たまには休息が必要だ」

 

 マジかコイツら。真面目に授業を受けろ。だから赤点取るんだぞ。

 

「学校には黙っておくよ。見舞いに来てくれたし」

 

「助かる。我が友よ」

 

 コン!コン!

 

「杉崎さ~ん、お食事の時間です」

 

 看護師さんが昼飯の病院食を持ってきた。まだ俺の右腕は動かせないため、持ってきてくれるのだ。それと食べるのに時間がかかる。

 

「ありがとうございます」

 

「今日はお友達がきているんですね!」

 

「うるさくてすみません…」

 

「いえいえ、賑やかでいいじゃないですか!」

 

「そう言って貰えると助かります」

 

 本当にコイツらはうるさい。だがこんなに賑やかなのは久々で嬉しい。しかも俺の病室は個室で広い。何故か、周りの病室に患者がいない。病院ってもっと入院してる人いるんじゃないの?

 

「またあとで食器片付けにきますね」

 

「あの、看護師さんめっちゃ美人じゃね?」

 

「可愛かったな…」

 

「すぐそういう目で見るな!」

 

 そういうことしてるから君達は彼女ができないんだぞ。

 

 コン!コン!

 

 また誰かが来た。この時間に看護師さん以外に、人が来ることあまり無いんだけど…まさか!このタイミングで蘭とか来たらマズイ!

 

「奏太!調子はどうだ?」

 

「杉崎く~ん!果物もってきたよ!」

 

「いちごが食べたいって買ったんでしょ!」

 

 まさかの、タイミングで蘭といちごちゃんとあおいちゃんが来てしまった。

 

「ん?奏太の友達が来ているのか?」

 

「あ!ホントだ!」

 

「お友達との時間を邪魔しちゃったかな?」

 

「別に問題ないけど…」

 

 横目に奴らを見る。二人ともソレイユが目の前に現れたことに驚いて声が出ていない。

 

「な…なな…なんで…ソレイユが...」

 

「これって夢か?そうか!俺達、病院に来ておかしくなったんだ!」

 

「それもそっか~あはははは!」

 

「健司!試しに俺の頬を殴ってみろ」

 

「おうよ!」  ドゴッ!

 

「この痛み、現実だわ。あはははは…

「「なんでソレイユがいるの!?!?」」

 

 恥ずかしいからその茶番やめてくれ。面倒な奴らの前にソレイユが来てしまった。

 

「初めまして!星宮いちごです!」

 

「「知ってます!」」

 

「初めまして!霧矢あおいです!」

 

「「知ってます!!」」

 

「初めまして。奏太とお付き合いしている紫吹蘭です」

 

「「知ってま…今なんて言ったの!?!?」」

 

 そんなに蘭に近寄るな。驚いてるだろ。

 

「え!?奏太とお付き合いしている紫吹蘭だが…」

 

「ちょっと待て待て!なぜお付き合い!?」

 

「こいつだよ!?バイクと車しか頭に入ってない杉崎奏太だよ!?」

 

 こうなると思った。しかも健司がいる。アイドルオタクだ。これは一悶着あるな…

 

「二人とも紹介が遅れたこと、悪いと思ってるよ」

 

「あぁ…そうだろうな…」

 

「てめぇ…なんで蘭ちゃんと付き合ってんだ…あぁ!?」

 

「もう一回大怪我するか?あぁ!?」

 

 やっぱりこうなると思ったよ…そんなに大声出さないで…

 

「とりあえず、落ち着…

 

「「落ち着けるかぁ!!」」

 

 

 デスヨネ…

 

 

「とりあえず、説明しろ…」

 

「じゃないとてめぇの昼飯は俺が食うぞ…」

 

「分かったから服を掴むな!」

 

「さっさと話せ…」

 

 こっわ。コイツら。なんでこんなに怒るのよ。

 

「あの~よかったら、アタシから説明しようか?」

 

「「お願いします!!」」

 

「杉崎くん!果物どれ食べる?」

 

「いちご!皮をむいてあげないとだよ」

 

「奏太!!蘭ちゃんの話を聞けぇ!いちごちゃんとあおいちゃんとイチャついてんじゃねぇぞ!」

 

「同志だと思ったのによ…」

 

「そんなに奏太を責めないであげてくれ」

 

「「了解しました」」

 

 切り替え早!

 

 蘭が二人に説明している。出会いの経緯、スターライトでのバイトの事など話してくれていた。

 

「こいつ…家の近くのスーパーで清掃員って嘘ついてたぞ!」

 

「春斗!昼飯くっちまえ!!!」

 

 ガツガツッ!モグモグ 

 

「あ!俺の昼飯!勝手に食うなー!!」

 

 ただでさえ、精進料理みたいなご飯で足りないのに…

 

「みんな!仲良いんだね!」

 

 いちごが健司と春斗に話しかける。

 

「え…嘘…いちごちゃんが話しかけてくれてる…」

 

「めっちゃ可愛い…」

 

「あおいもそう思うよね?」

 

「随分と穏やかじゃない会話だったけど…仲良いね!」

 

「ふぁーーー!あおいちゃんにも話しかけられた!」

 

「俺、今まで生きてきて良かった…」

 

 いちごちゃんとあおいちゃんが二人に話しかけているが、二人とも本物に声かけられて絶叫している。

 

「なぁ、奏太達はいつもこんな感じなのか?」

 

「そうかな…今日はいつにも増して荒れてるけど…」

 

「でも、賑やかな仲間でいいじゃないか」

 

「とてもいい奴らだよ」

 

 春斗がこっちに寄ってくる。怪しいな…なにか言われそう…

 

「なんで奏太もスターライトでバイトしてるの教えてくれないんだよ!女の子紹介してくれてもいいじゃないか!」

 

「だって!言ったらクラスの奴ら俺の事、血祭りにあげるだろ?」

 

「もちろん」

 

「だから言わないんだよ」

 

「クソ!」

 

 クソ!ってなんだよ。酷いな。

 

「でも、蘭ちゃんの事、幸せにすんだぞ」

 

「それはもちろんだよ」

 

「蘭ちゃん、奏太の事、よろしくお願いします。こう見えて良い奴だしさ、今は怪我してるから迷惑かけると思うけど大切な友達なんだ」

 

 たまには良いこと言うじゃん。

 

「こちらこそ、奏太をよろしくな」

 

「健司もういくぞ!そろそろ学校にいかないと補習つくぞ!」

 

「待ってくれ!あおいちゃんとアイドルについて語ってるんだ!」

 

「バイク治すんだろ?早くしないとまた怒られて工場貸してもらえないぞ~」

 

「ちくしょー!あおいちゃんまた語ろうね」

 

「健司くん!またアイドルについて話そうね!」

 

「名前呼ばれた!俺今日死ぬわ…」

 

「死なねーよ。奏太また来るからな!」

 

「ばいば~い!」

 

 嵐のような二人組が去っていった。三人に迷惑かけちゃったかな?

 

「三人とも俺の友達が迷惑かけてないか?」

 

「大丈夫だよ!」

 

「健司くんとは、またアイドルについて情報交換しないとね!」

 

「見たことない奏太の一面が見れてアタシは、良かったぞ」

 

 それなら良かった。でも飯食えなかった…

 

「これ!杉崎くんにりんご剥いたよ!」

 

「いちごちゃん、悪いね」

 

「蘭!食べさせてあげてよ」

 

 これは、はい!あ~んが来るんですかね…

 

「し、仕方ないな…///ほら、口開けろ///」

 

「あ~ん」

 

 りんごが口に運ばれてきた。う、うまい…蘭がくれたからだな。

 

「蘭がくれたから、美味しいぞ」

 

「恥ずかしいからそういうこと言うな///」

 

 冗談が言えるくらいに回復してきた。問題はまだ動かない右腕だな…

 

「奏太、拭くものあるか?」

 

「そこの引き出しにないか?」

 

「ここか?」

 

 引き出しを開けると、そこに入っていたのは、際どい水着を着て、セクシーポーズをとっているグラドルが写っている雑誌だった。

 

「おい…奏太、これはなんだ…」

 

「ん?なんそれ?あっ!春斗の奴め…って蘭さん?怒ってます?」

 

「これは中々すごいね///」

 

「お、穏やかじゃない写真ですな///」

 

 いちごちゃんとあおいちゃんにも、バレる。

 

 

「奏太…これを読んでたのか…」

 

「読んでません!」

 

「本当か…?」

 

「本当です」

 

「じゃあ…この茶髪ロングの女の人の写真に折り目がついてるのはなんだ…?」

 

「そこだけ読みました…」

 

「サイテー!」

 

「イテテテテ!」

 

  叩かないでくれ…

 

「なにか言い訳はあるか」

 

「春斗が置いてった本にこの蘭に似ている人が写っていて蘭に会いたくなってしるしをつけました…」

 

「はぁー…」

 

 蘭が奏太の耳元に顔を近づける。

 

「退院したら、エッチな格好してポーズぐらいたくさんしてやる…///」

 

「え…本当…?」

 

「それまで我慢しろ///アタシも色々、我慢しているんだ///」

 

「それって…///」

 

「奏太を思い出して一人でシちゃうんだ…///」

 

 え!?そうなの!? その話を聞いて妄想してしまう。

あ、ヤバいかも…

 

「あー!奏太!鼻血!鼻血!」

 

「ティッシュとってー!」

 

 

 鼻血がたくさん出てしまった。

 

「蘭…ありがとう…」

 

「まだ血が足りないんだから、ゆっくりしろ。アタシ達もそろそろ帰るよ」

 

「杉崎くん、また来るね!」

 

「次はなに持ってこようかな?」

 

「食いしん坊か!」

 

 いちごの発言にあおいが、突っ込みをいれる。

 

「また来てね。暇してるからさ」

 

 三人が学園に帰ってしまった。一人だとこの病室、静かで退屈なんだよな。

 

 

「とりあえず昼寝だな」

 

 

 

 春斗達が来て、蘭達が来て、とても楽しかった。早く治して学校にいきたいな。

 

 Zzz Zzz Zzz

 

 

△▼△

 

「結構寝ちったな…」

 

 スマホに通知が来ているのか、ピカピカと光っている。

 

「誰からだろ?」

 

 送り主は蘭だった。

 

「ん?んんんんん?」

 

 蘭から送られてきたメッセージには一枚の写真と一言が添えられていた。

 

 そこには紫のエッロい下着を着た蘭の写真が送られてきていた。

 

 

 『今はこれで我慢しろ』

 

 

 すぐに保存してロックをかけた。

 

 

 

「早く治そ」

 

 蘭に返信しよう。

 

 

 『蘭、似合ってるぞ』

 

 

 『早く治るように今回だけ特別だ』

 

 

 返信早いな。部屋でゆっくりしてるんだろうな。俺も今日はゆっくりして、明日を迎えよう。




お見舞いにみんなが来るお話にしました。

もうそろそろ、復活の方向に向かわせましょう。
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