事故に遭って、結構な時間と日数が過ぎ去った。右腕は完全には治らなかったが、私生活には問題無い程度には回復した。でも、バイクには乗れない。右腕の手首を捻る動きがやりにくい為、バイクのアクセルを開ける事ができない。と思っていたのだが、リハビリをちゃんと受けていたら捻る動きが出きるようになった。
「人間って不思議だな…」
「正直、医者である私も驚いてるよ…回復力が普通の人より強いのかもね…」
「先生これなら、バイク乗れます?」
「レースのような荒々しい運転はキツイかもしれないが、普通に乗る分には問題ないね」
「やったー!!」
「でも!調子のってスポーツ走行はしないでね!」
「もちろん!」
「退院も近くなってきたね」
そろそろ退院なのだ。2ヶ月近く入院していた。だが、リハビリがあるのでまだ通院は必要である。それでも学校に行けるし、蘭にも会える。
△▼△
やっと、この時が来た。退院だ。先生達にお礼をして、母親の運転する車に乗る。
「かーちゃん、迷惑かけてごめん…」
「いいんだよ。また元気な姿が見れて嬉しいよ。それと蘭ちゃんにお礼をしておきなさいよ。たくさんお見舞いきてくれたんだし」
「するよ」
「あんたも隅に置けないわね」
「なにがよ」
「昔住んでた家の近くの女の子と再会するなんて漫画みたいね」
「確かに」
「しかもあんなに美人でアイドルなんて、あんたには勿体ないわ」
「そういえば!かーちゃんアイドルだったの!?」
「え?そうよ?」
返事軽くね?もっと何かあるじゃろ
「織姫学園長と知り合いなんて驚いたよ」
「ヒメちゃんとは昔のアイドル仲間よ。ヒメちゃんはマスカレードっていう伝説的なユニットを相方のミヤちゃんと組んでたのよ」
「あの人すごいもんね。喋ってると良く分かるよ」
もしかしてうちのかーちゃんってすごかったりする?
そんな訳ないか。怒ると怖いし、暴力的だし。
「あんたね…失礼なこと考えてるでしょ」
あんたは超能力者か。人の脳内を読むんじゃない。
「んなわけないでしょ。かーちゃんはすごいアイドルだったの?」
「ヒメちゃん達に比べたら全然すごくないわよ」
「そのミヤって誰なの?」
「秘密」
なんやねんそれ。気になるやん。
「ミヤちゃんはもうアイドルやめちゃったから...」
「引退してるんだ…」
どんな人なんだろ?気になる。
かーちゃんと喋りながら車に乗っているとスターライト学園に着いた。
「ん?なんでスターライト?退院早々バイトなの?」
「ヒメちゃんに呼ばれてるのよ。あんたと来てって」
「ほぇ~」
通行許可書を警備員に見せ、敷地内に入る。久々に帰ってきたぞ!スターライト学園!!
母親が駐車場に車を停める。
「学園長室にいくわよ」
「はいよ」
母親とスターライト学園を歩く。すごく不思議な気分。
コン!コン!コン!
「杉崎奏太です!」
「待っていたわ。入ってちょうだい」
「失礼します」
「舞、待っていたわ」
「ヒメちゃん、奏太がお世話になってます」
「いいのよ。こちらこそいつも助かってるわ。それと退院おめでとうございます」
なんかこの二人が喋ってるの新鮮だな。
「今日、舞を呼んだのはこれを渡したかったのよ」
織姫学園長が出してきたのは可愛らしい青のリボンだった。
「よくこんなの取っておいたね」
「あなたから貰った大切なリボンだからよ」
「かーちゃんと学園長、大切な話するみたいだから俺、蘭のところ行ってくるよ。終わったら連絡して」
「杉崎くん、気を遣わせちゃって悪いわね」
「いえいえ、いいんすよ。大事な話みたいだし」
大人の世界はよくわからんから、ガキは出てきますよ。蘭はどこにいるのかな?探してみるか。
「あれ?杉崎?杉崎じゃない!」
「ん?あ!ユリカ様だ!元気してた?」
「それはこっちのセリフよ!身体は問題ないのかしら?」
「右腕はあまり調子良くないかな?」
「そう…とりあえず無事で良かったわ…蘭が毎日心配そうにあなたとの写真見てたから...」
「ユリカ様も迷惑かけてごめんね」
「べ、別に謝らないでよ!」
ユリカ様はツンデレだから、感謝されると毎回照れている気がする。
「でも、本当に無事で良かったです…///」
素のユリカ様だ。レアな姿だ。
「レアなユリカ様見れた」
「う、うるさいわよ!血を吸うわよ!」
「ところで、蘭はどこにいるの?」
「蘭なら教室にいたわよ。案内するわ」
「ありがとう」
ユリカ様に蘭の教室まで案内してもらう。久々だな~いつもその辺とか、この辺を清掃してたよな。
「ほら、いたわよ」
少しだけ顔を出してみるといちごと、あおいと他のクラスメイトとお喋りしている。
「へぇ~蘭って学校だとこんな感じなのか…いつもスターライトに来る時にはもう学校終わってるから新鮮だ」
「私、用事あるからいくわよ」
「ユリカ様ありがとね」
「別にいいわよ」
ユリカはどこかに消えていってしまった。流石吸血鬼の末裔。姿を消すのは、お手の物ってことね。
蘭には連絡いれないでスターライトに来ちゃったな…サプライズ登場も良いよね!
「みんな!なに喋っているの?」
「「「「「「え?」」」」」」
「え!?」
「奏太…なのか…?」
「そうだよ!退院しました!」
「な…なんで!連絡いれないんだ!」
「サプライズ!」
「本当に奏太なんだな?腕が見せてみろ…」
「ほい」
奏太の右腕には手術の跡や傷跡が生々しく残っている。
「無事に帰ってきてくれて…アタシは…嬉しいぞ…」
あ、泣き出しちゃった…
「杉崎くん、退院おめでと!」
「病院に居たから、ここにいるの懐かしく感じるね」
いちごちゃんと、あおいちゃんには本当に感謝です。いつもお見舞いでお菓子や果物くれたし。
「蘭、ただいま」
「お帰り…奏太」
「蘭、このあと予定無いなら学食に行かないか?」
「蘭行っておいでよ!」
「そうだよ!」
「行ってくる」
蘭と二人で学食に向かう。久々に蘭と手を繋いだ。
「また奏太と手を繋げて、嬉しいよ…ちゃんと帰ってきたんだな…」
「そうだよ…右腕は少し傷跡だらけでカッコ悪くなっちったけどな」
「そんなことないぞ」
やっぱり蘭の隣は落ち着くし、生きて帰ってこれた実感が沸く。
「少しアタシの部屋に来ないか?」
「いいのかい?だったらお邪魔させて貰おうかな」
学食に行く前に蘭の部屋に行くことにした。
△▼△
「この部屋に来るのも久々だな」
「そうだろ?」
「蘭…」
「奏太…」
自然と顔が近づき、キスを交わす。
「ずっとキスしたかった…」
「俺もだよ…」
また顔が近づき、キスをする。お互いできなかったからか、ブレーキが緩んでいる。
「んっ…奏太…好きだぞ…もうどこにもいくなよ…」
「ずっと、蘭の隣に居るよ…」
「こっちに来て…抱き締めてくれ…」
蘭はベットに倒れ込み、奏太を誘う。奏太はなにも言わずに横になっている蘭を抱き締める。
「落ち着くよ…ずっとこうしたかった…」
「アタシもだ…」
奏太が蘭の制服のジャケットのボタンを外し始める。そのまま、ワイシャツのボタンも外していく。外し終わり、白のキャミソールが出てきた。
「蘭…嫌だったら言ってくれ…」
「このまま続けてくれ…///」
言われた通り、続けていく。キャミソールをまくりあげる。出てきたのは、黒のブラジャーだった。
「黒も似合うね」
「お前のために用意したんだ。いつでもこういう雰囲気になってもいいようにな」
「ブラ外してもいいか?」
蘭に聞くと恥ずかしそうに顔を横に向け、小さく頷く。ブラのホックに手を掛けて外した。緩くなったブラを外して蘭の胸が露になった。
「すごく綺麗だ…」
奏太は蘭の胸を揉む。すごくフニフニしていて柔らかい。指が胸に吸い込まれていく様に感じる。
「んっ…///」
「このまま下も…
ジリリリリ!ジリリリリ!
二人してドキッと身体が跳ねた。
「な、なんだ!?」
「ア、アタシのアイカツフォンだ!」
画面を見るといちごの名前が表示されている。ていうかなぜ、アイカツフォンの着信音が黒電話の音なんだ?もっと他に可愛い音とかあっただろうに。
『もしもし、アタシだ』
『あ、蘭?いちごだよ!学食のどこにいるの?』
『今、奏太とアタシの部屋にいるところだ』
『え!?ほんと!?もしかして私、変なタイミングで電話しちゃった?』
『ま、まぁそんなところではあるな…』
確かにいちごは変なタイミングで掛けてきた。ちょうど気分もムードも高まってきてこれからって時だったのに…
『え~!ごめんよ…蘭…』
『気にするな。今からそっちにいくよ』
『まってるね』
蘭の電話が終わり、服の乱れを直す。
「いちごちゃんどうしたって?」
「学食にいるけど、どこにいるのかって電話だ」
「待ってるなら、行こうか」
「奏太、今日の続きはまた後でだ///」
「そ、そうだね…///」
蘭も乱れた服を直している。ブラを着けるのがどうしても気になってしまい、凝視してしまう。
「そ、そんなに見ないでくれ…///」
「ご、ごめん…///」
「よし!直したから行こうか」
「はいよ」
二人で部屋を出て、学食に向かう。
△▼△
学食につくと、いちごちゃんとあおいちゃんが待っていた。
「お~い蘭!こっちこっち!」
「悪い、待たせたな」
「蘭さっきは変なタイミングで電話してごめんね…」
「そんなに落ち込むこと無いぞ」
「そうだよ!気にしないで!」
それでもいちごちゃんは、気にしているようだ。
「だって…杉崎くんが、退院したから蘭は一緒に居たいと思うから…」
「いちご、気にしすぎだぞ」
「蘭、ありがとう…」
「お腹空いたからみんなで飯たべよ!」
いちご達と合流した俺達は、落ち込んでるいちごを励ましながらご飯を食べた。
「久々のスターライトの飯でした…病院食とは違うね」
「足りないって言ってたもんな」
「少し痩せたんじゃない?」
「確かに痩せたね!」
痩せたらしい。そうかな?気にしたこと無いぞ。てかそろそろかーちゃん終わったかな?スマホを確認する。
『お母さん終わったから帰ります。歩いて帰ってきて』
マジか。病み上がりだぞ。
「どうしたんだ?」
「実は母親にここまで、乗せてきてもらったんだが歩いて帰ってこいって連絡来てた」
「歩くのはキツイか?」
「大丈夫。問題ないよ」
そろそろ帰えろうかなって思っているとコツコツと、ヒールの音がこっちに向かってきた。
「杉崎くん。退院おめでとう」
「学園長!ありがとうございます」
「舞との話は終わったわ。昔話をしてたら、つい盛り上がってしまったわ」
「二人とも真剣な顔してたから、真面目な話してるのかと思ったっすよ」
「真剣な話もしたわよ。それと、ここに来たのは伝えたいことがあるの」
「はい?なんです?」
学園長が俺に伝えたいこと?クビ宣告とか?
「今日はスターライト学園に泊まっていいわよ」
「え!?」
「いいんですか!?」
隣にいた蘭も驚いて反応してしまう。また泊まれるのか!?
「今回は特別よ!退院祝いね!でも節度は守ってちょうだい」
「「はい!」」
「じゃあ!今日も蘭達とパジャマパーティーしよ!」
「それは穏やかじゃない企画ね!」
「もしかして…あの…地獄のような…」
「奏太…そんな気がするぞ…」
「星宮先輩!私も!また参加したいです!」
「あ!あかりちゃんもおいで~」
「あおい!またユリカちゃん達も誘わないと!」
「うん!私、みんなに声かけておくよ」
あれよあれよと話が進んでいく。もうこれは諦めて二人で参加するしかない。
「蘭。今回も頑張ろ…」
「そうだな…」
スターライトの夜はこれからです
主人公復活回
次回はまたみんなと騒いでもらいます