恋する歌姫と恋した俺   作:ゼレス

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蘭&Run

とある日、奏太の家にはスポーツカーが運ばれた。

 

「え、マジでこの車、俺のなの?…」

 

「あぁ、マジだ」

 

 この日、運ばれてきた車はトヨタAE86スプリンタートレノGT-V。

 

 なぜこんな価値のある車が奏太の手に入ったかと言うと遡ること数週間前の事である。奏太の父の元に電話がかかってきたのだ。奏太の父の友人が所持しているAE86を手放すことになってしまった。その話を聞いた父親が買い取ることを伝え、奏太の家に運ばれてきた。

 

「奏太くん、この車を頼んだよ。大切に乗ってあげてくれ」

 

「はい!大切に乗ります」

 

「でも気を付けてほしい事があってね、この車ドリ車だからね」

 

 ドリフト車!?ガチですか?始めて乗るマニュアル車がドリ車なの!?

 

「まぁ車好きだし、整備士志望なら大丈夫かな?」

 

「え…運転できますかね…?」

 

「まぁ大丈夫でしょ!」

 

 ガハハハハっと笑っている。86の内装を見ると、バケットシートが運転席と助手席に入っている。

 

「もうこれすでにカスタムされているじゃん…」

 

 車高も低い。本当にこれ俺の車なの!?親父の知り合いは車を置いて帰ってしまった。

 

「てか、なんで86買えたの?」

 

「お前の事故の時のお金だ。今日からこの86お前のだから、気を付けて乗るんだぞ!壊すんじゃねぇぞ!」

 

「奏太~!いい車だね~ママの事、乗せてよ!ママより蘭ちゃんの方が良いかにゃ~?」

 

「うるさい…///」

 

「とりあえず、パパと練習してきなよ」

 

「そうする」

 

 親父と運転の練習しに、街を一日中走り回った。マニュアル車の、運転にも馴れてきた。何時間でも運転できるくらいに楽しい。

 

△▼△

 

 

「学園長、車で来ていいですか?」

 

「車の免許を取得したのね!えぇ、構わないわ!でも車持っているの?」

 

「とりあえず、持ってます」

 

「凄いわね、乗ってらっしゃい」

 

「はい!」

 

 その日は、バイトをして帰った。今日はソレイユの三人は仕事で帰ってこなかった。蘭に会いたかったな。

 

△▼△

 

 学校が終わり、一度帰宅し86に乗り換える。エンジンをかけてスターライト学園に向かう。毎日運転しているからスムーズに発進も出来るようになった。

 

 

 スターライト学園について駐車場を目指すと女の子達が、こっちを見ている

 

 あれ?杉崎くんじゃない?

 

 ホントだ!車乗ってるよ!

 

 杉埼さ~ん!車、カッコいいですね!

 

 みんながこっち見ているので少し恥ずかしい。

駐車場に車を止めるとちょうどあおいちゃんがいた。

 

「え!?杉崎くん、車持ってるの!?」

 

「やぁ!あおいちゃん!」

 

「え~!すご~い!!」

 

 あおいは86を見て興奮している。

 

「蘭とはドライブデート行ったの?」

 

「最近会えてなくて、行ってないんだ」

 

「愛する女と二人でドライブ…帰り道、離れたくない二人は…そのまま…!ってキャーー!最高ね!穏やかじゃないドライブデートもアリだね!」

 

 最近思ったけど、あおいちゃんもヤバい子?

 

「ドライブデートは行きますけど…穏やかなデートがいいかな~」

 

「なんかまた門の前で奏太の話をしているぞ…ってなんだ!?車じゃないか!?」

 

 噂をすればなんとやらですね。蘭が迎えにきてくれた。蘭も車を見て驚く。

 

「実は車を買いまして…サプライズで持ってきました!」

 

「この車、ライトがないぞ?」

 

「ライトはこれだよ」

 

 奏太はライトのスイッチを回して、リトラクタブルヘッドライトを出す。二人とも見たこと無い機能のためか、声を出して驚いている。

 

「ライトが出てきた!」

 

「初めて見るね!」

 

「珍しいでしょ?」

 

 蘭とあおいちゃんと校舎の中に話ながら入っていく。

 

 

「そういえば!蘭は進路決めた?」

 

「アタシは、大学に上がりつつ、アイドルとモデルを続けるつもりだ」

 

「アタシも蘭と同じ事考えてた!」

 

「奏太はどうするんだ?」

 

「俺は自動車整備士になるよ」

 

「整備士ってカッコいいよね!そう思うよね?蘭!」

 

「確かにカッコいいよな///」

 

 蘭とあおいちゃんに褒められると照れますな~

 

「俺バイトだから更衣室いくね」

 

「頑張ってね!」

 

「アタシ達また学食で待ってるからな」

 

「あいよ~」

 

 もうみんな進路の時期か…将来を本格的に考える時が来たんだな…いつまでも子供じゃないんだよね…なにも考えずに生活してたけど、もうそんなこともできない。

そんなことばかり考えてたせいか、バイトに集中できない。いつもならそんなことあんまり気にしないのに、今日に限って気にしてしまった。

 

△▼△

 

 集中できないままバイトが終わり、学食にやってきた奏太。

 

「なんかめっちゃ疲れた…」

 

「杉崎くん元気無い?」

 

「ホントだ。何かあった?」

 

「どうしたんだ?」

 

「今日はあんまり集中できなかったな…」

 

「そういう時もあるさ。奏太、ご飯食べて休もう」

 

「そうだな」

 

 蘭とあおいちゃんといちごちゃんとご飯を食べる。三人ともすごいよな。アイドルやりながら大学に行くって言ってるんだもん。俺も三人を見習ってがんばらなきゃな!

 

△▼△

 

 今日は土曜日で学校は休みだが、バイトが朝からあったため、スターライト学園に来ていた。朝から掃き掃除や、ごみ集めをして午前中の仕事を終えた。昼休みやることもないため、車の洗車をしようと準備をしていた。

 

「杉崎くん、なにしているのかしら?」

 

「学園長、お疲れ様です。今から洗車しようかと思ったので、準備してます」

 

「天気も良いし、いいんじゃないかしら」

 

「奏太~飲み物だぞ~!」

 

「蘭ありがとうな」

 

「紫吹も洗車を手伝うのね」

 

「はい!」

 

 蘭が洗車を手伝うと言ってくれた為、濡れてもいい服装で来てくれた。ハーフパンツに白のシャツを着ている。ラフな格好だが、可愛い。いつものビシッとした蘭じゃないのも良い物だ。

 

「青春しているわね!私は仕事があるから失礼するわ」

 

「「はい!」」

 

「そういえば、この車なんて名前なんだ?」

 

「AE86スプリンタートレノって名前だよ。みんな86だったり、トレノって呼ぶよ」

 

「よろしくな!86!」

 

 蘭は86を優しく撫でる。蘭にも気に入ってもらって良かった。

 

「準備も終わったし、洗車しよっか」

 

「だな!」

 

 蘭と二人で車を洗う。水をかけて汚れを落としていく。隣で擦っている蘭を見ているとドキドキしてくる。

 

「どうかしたか?」

 

「い、いや!なんでもないよ!」

 

「?」

 

 汚れを流して、拭き取っていく。蘭が楽しそうにしていて嬉しい。

 

「86、綺麗になったな。良かったな」

 

 蘭が86に話しかけながら拭き取っている。あまりにも素敵だったので、写真を撮った。

 

「な!?恥ずかしいだろ!///」

 

「あまりにも素敵だったから、撮っちゃったよ」

 

「外で恥ずかしいこと言うなー!///」

 

 蘭に怒られながら拭き取りをして、86が綺麗になった。

 

「蘭ありがとな。手伝ってくれて」

 

「アタシも洗車してみたかったんだ」

 

「今日の夜って外出できるか?」

 

「できるが…何かあるのか?」

 

「ドライブ行こうぜ!」

 

「あぁ、いいぞ。そのかわり…奏太の家に泊まっていいか…?///」

 

「もちろん!うちでお泊まり会しよっか」

 

「外泊届けを申請してくるな!」

 

 蘭は寮へと戻っていった。俺も午後のバイトに備えて片付けをしよう。

 

 午後のバイトはほとんどゴミもなく、校舎内の窓拭きと、掃除機でホコリを取ったり、備品の搬入などいろんな仕事をした。

 

△▼△

 

 夕方になり、バイト終わり。蘭達とご飯を食べていた。

 

「今日は蘭、杉崎くんの家にお泊まりか…」

 

「悪いな、いちご」

 

「蘭とあおいと、この前のドラマの続き見たかったー!」

 

 いちごちゃんが子供みたいに駄々をこねている。

 

「ごめんな、この埋め合わせは絶対にするから」

 

「ほら、いちご!ワガママ言わないの!」

 

「アタシ達そろそろ行くからな」

 

「いちごちゃん、蘭を借りるね」

 

「うん…」

 

「いちごちゃんに今度パフェご馳走するからね」

 

「ホント!?」

 

「うん!」

 

「やった~!」

 

 一気に機嫌が直った。そんないちごちゃんも可愛いです。

 

「なにか変なこと考えなかったか…」

 

 蘭から圧力を受ける。しかも首を鷲掴まれている。

痛い…

 

「い…いえ…か…考えて…ま…せん…」

 

「ならよし…」

 

 離してくれた…危うく死ぬところだった…

 

「じゃあ、二人とも気をつけてね!」

 

「またね~」

 

「行ってくるな」

 

 いちごちゃん達と別れ、車に乗り込む。

 

「奏太、ドライブ行こ!」

 

「じゃあ、夜景見に行くか」

 

「うん!」

 

 エンジンをかけ、出発準備をする。どこに行こうか迷うな…走ってれば良いところ見つかるかな?

 

「発進するぞ」

 

「よろしくな」

 

 86を発進させ、夜景ドライブが始まった。

 

「どう?この車」

 

「スポーツカーって初めて乗ったから、楽しい!」

 

「ちょっとスピード出してみる?」

 

「少しだな」

 

 86のアクセルを踏み込む。体がグッと押し付けられる。蘭は初めての感覚で顔が少し怖がっている。

 

「こんな感じでどうかな?ちょっと怖かったかな?」

 

「す、少し怖かった…」

 

 

 喋りながら走っていると、夜景が広がっていく。

 

「綺麗だね…どこか駐車場入ろっか」

 

「だな!」

 

 近くのコインパーキングに停めて、夜景を見ることにした。

 

「すごいな…」

 

「綺麗…」

 

「蘭とこうやってドライブ出来て嬉しいな…」

 

「アタシもだ///」

 

「死にかけたのが嘘みたいだよね」

 

「よくあそこから回復できたな…」

 

「自分でも驚いてるよ」

 

 色んな事があったな…今はすっごい幸せだ。蘭の事をもっと支えたいし、幸せにしたい。やりたい事はいっぱいある。二人で何事も乗り越えていきたい。

 

「蘭…これからも俺の隣にいてくれるか…?」

 

「もちろんだ…奏太もアタシの隣にいてくれるか?

 

「当たり前だよ…」

 

 自然と二人の顔が近づいて、唇が重なった。

 

「こんな良い女が隣にいるんだ、幸せにしないと許さないからな…///」

 

「たくさん、幸せにしてやるよ」

 

 二人で笑いあう。こうやってドライブ行くのも悪くない。蘭も喜んでくれて嬉しい。またどこかに行こう。

 

「さぁ、家に帰ろっか」

 

「だな…帰りに、薬局寄ってくれないか…?///」

 

「いいけど、何かあった?」

 

「ゴ、ゴム…///」

 

「俺持ってるよ…///」

 

「じゃあ、今日はエッチするか…?///」

 

「する…///」

 

 蘭が耳元に顔を近づけてきた。

 

「いっぱい愛してね…///」

 

 早く帰ろうと心に誓った。




発熱しており、体調が回復するまで時間がかかりました

皆様もお気をつけください。

私も蘭ちゃんとドライブいきたいです…
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