前回はワチャワチャしたので最後を締め括りましょう
夏が過ぎ、秋も過ぎた。ただ今、12月の中旬。寒い。
また寒い時期が来たか…みんな進路に向けて動いている。俺達、進級組は進路が確定した為、ほぼやることがない。
正直暇を持て余してる。だが、卒業判定試験が残っているので頑張る。蘭達、大学受験組も勉強に勤しんでいる。なのでアイカツしているが、ほぼ勉強にシフトチェンジしているみたいだ。
「ささっと掃除して~ストーブで~暖まろ~」
更衣室にストーブが設置された。俺は専門学校に上がっても、このままバイトを続けることを学園長に伝えてある。その為、ストーブを買ってくれた。
「あ!杉崎さん!」
「ユウちゃん!元気?」
「元気です!最近寒いですね~」
「風邪引かないでね」
「杉崎さんもですよ~」
「こういう時は鍋が食べたくなるよね」
「わかります~」
ユウちゃんはいつも良い子で頑張り屋さんで、可愛い。あと喋っていると癒される。いつまでも喋っていたい。
「あ!そういえば!またクリスマスパーティーが開催されますよ!」
「去年も行ったね」
「去年は仕事を終わって帰ってきたら紫吹先輩の部屋からエッチな声が響いてましたね…///」
「そんなこともありましたね…///」
「今年は先輩達最後ですから!楽しみましょ!」
「そうだね!」
クリスマスプレゼントを渡さないとな…今回はなににしようかな?
△▼△
クリスマスが近くなってきた。健司と春斗と遊びにきた大型ショッピングモールの中にある、アクセサリーショップに入った。今回は指輪にしよう。結婚指輪とはいかないけど、蘭に似合うやつにしよう。
「蘭ちゃんに今年は指輪か?」
「結婚するのか?」
「まだ早いだろ。でも蘭とはいつかはそうなりたい」
「応援してるぜ」
「俺もあおいちゃんとそうなりたいな~」
「なにいってんだ?妄想か?」
「それがですね~付き合ってるんですよ」
「誰が?」
「俺が」
「健司が?」
「そう」
「誰と?」
「あおいちゃんと」
「え!?そうなの!?」
俺も初耳だ…あの健司にね…顔はイケメンだからな…
「春斗悪いな」
「うるせぇ」
これは良かった。確かに前にあおいちゃん、健司とドライブ行ったよな。あのときだな。
「よし!決めた!これにしよう!」
指輪を買った。真ん中に紫色の宝石がついていて、蘭にピッタリ!指のサイズも図ってある。完璧だ…
「二人とも決めたよ。飯食いに行こうぜ」
△▼△
クリスマス当日。バイトがあったが、終わってからみんなと合流した。
「奏太!こっちだ!」
「蘭、おつかれさん!」
「奏太もな!」
「去年のクリスマスってさ、いちごちゃんがカードを忘れたの覚えてる?」
「覚えてるよ。奏太がバイクで届けてくれたもんな」
「もう一年も前の事なんだよね…」
「アタシ達もここを卒業するんだ…」
「辛気くさい顔をしてないで!飯食おうぜ!」
「あぁ!だな!」
蘭の手を引いて、パーティー会場に入る。そういえばあおいちゃん達の姿を見てない。みんなどこだ?
「ほら!口についてるよ」
「マジ?取って~」
なんか聞き馴染みのある声がする。
「なんか目の前に良く知ってる人がいるのだが?」
「アタシも良く知ってる友人だ」
「おう!奏太!バイトおつかれさん!」
「なんで!?健司がいるの!?」
「あおいちゃんに呼ばれたからだよ」
「杉崎くん実は…ね…私達お付き合い始めたんだ…///」
「健司から聞いたよ」
「あのあおいにも彼氏か…穏やかじゃないってやつか?」
「だね!」
みんな幸せになってくれればいいかな。春斗はいないのか。寂しいやつめ。
「奏太、変なこと考えてるところ悪いな」
「あれ!?春斗いるの!?」
「いちゃ悪いかよ」
「一番何もない人だし…」
「それは言うなよ」
「私が呼んだんだ!」
いちごちゃんが後ろからヒョコっとでてきた。
「あおいが健司くんとお付き合いしてるから春斗くん一人じゃ寂しいだろうし、だから呼んだんだ」
「良かったな」
「こんなに可愛い子とクリスマス過ごせるのは嬉しい…」
「楽しんでいけよな」
「おう!」
春斗もいるとは思わなかったな。早く蘭に指輪を渡したい。どこか人気のないところに行きたいのだが、どこを見ても人混みだらけ。
「奏太!ここ机空いてるから、ここでご飯を食べよう」
「おっけ~」
席を確保する。パーティーはバイキング形式なのでお互いが食べたい物を持ってくる。
「高校最後のクリスマスだな」
「だね」
「奏太、後でプレゼント渡したいんだ」
「俺も蘭に渡したいよ」
「その前に食べてからな」
「だな!」
二人で喋りながら、楽しいクリスマスを過ごす。そこに学園長もジョニー先生とパーティーに参加してきた。
「みんな、楽しんでいるかしら?最高のクリスマスにしてちょうだい!」
「流石だな~伝説的なアイドルはエンターテイナーでもあるわけだ」
「客を盛り上げるってところはアイドルも同じだ」
「ですな~」
話し方も盛り上げ方も上手い。これがマスカレードか…お手上げです。
「プレゼント交換する?」
「いいぞ」
蘭と交換しようとした時、マイクからデカイ音声で呼ばれる。
『蘭~!杉崎くん~!』
「ん!?いちごちゃんが呼んでる」
「なんか嫌な予感がする」
『学園一のラブラブカップルにお話をききましょ!』
キャー!紫吹先輩!
杉崎く~ん!きかせてー!
「これステージに上がらなきゃダメ?」
「ダメだな…」
またこういうやつか…最近なかったから落ち着いたものだと思ってた。
『紫吹先輩!大空あかりもいますよ!』
問題児に話をさせるな。学園の風紀が乱れる。
「行きましょうか。ステージに」
「エスコートしてくれるか?」
「もちろん」
蘭の手を取り、ステージに向かう。
そこでも黄色い声がたくさん聞こえる。
「蘭と杉崎くんはいつもラブラブだよね」
「私もこういう出会いをしたいです」
「ま、まぁ確かにな///」
「蘭は杉崎くんのどこが好き?」
「え!?ここで言うのか!?」
「え?そうだよ?」
当たり前だよね?みたいな顔しないで。
「奏太の好きなところは…優しいし、かっこいいし、おもしろいし、好きなものに真っ直ぐなところ…///」
「あの美しき刃がデレデレだね!」
「こういう紫吹先輩も可愛いです!」
「は…恥ずかしい…///」
「杉崎くんに聞きます!蘭の好きなところはどこ?」
「何事にも全力で取り組むところ、可愛いところ、いつも俺の事、心配してくれて支えてくれるところかな?」
「うん!うん!確かに蘭はいつも心配してくれるよね」
「それはいちごが危なっかしいからだぞ」
蘭の言う通りだと思う。
「そうかな~?」
「「そうだよ」」
「二人とも息ピッタリですね!」
「は、恥ずかしい…///」
蘭の顔が真っ赤になっている。本当に恥ずかしいのだろうな。
「最後に!なにかお互いにメッセージを!」
「奏太、いつも支えてくれてありがとな。お前がいるからアタシも頑張れるんだ。小学生の時に助けてくれてありがとう。あの時、助けてくれたから今があるんだ。ずっと好きだぞ。愛してる」
キャー!
「次は俺か…小学生の時は名前を聞かないで消えてごめん。事故の時、心配かけてごめん。蘭が隣にいてくれるから、いつも頑張れるし、事故の時も無事に立て直せたよ。蘭が俺の事を支えてくれているから、今より蘭の事を隣で支えたいって思うよ。大好きだ。俺も愛してる。だから、これ受け取ってくれ」
蘭に向けて差し出されたのは。紫の宝石がついている綺麗なシルバーの指輪である。
「まだ、お金無くて良い指輪買えないけど、蘭に似合いそうな指輪があったから受け取ってほしい」
「お金なんて関係ない…アタシの事を思って渡してくれたんだ、一生大事にする」
いちごちゃんが向けてくれてるマイクの電源を切り、蘭の耳元に顔を近づける。
「ちゃんとした物を後で渡すから...絶対に俺の隣に居ることを後悔させません。俺と結婚しませんか?」
「ばかぁ…そんなのするに決まってるだろ…」
みんなはいきなり蘭が泣き出してなにが起こったのか理解できていないが、隣で聞いていた、いちごちゃんとあかりちゃんは顔を真っ赤にさせて、驚いている」
「ほ、星宮先輩…私…今…凄い現場に居合わせてしまいました…///」
「蘭…ぜっだいにじあわぜになっでね…」
「いちご…ありがとな…」
「なんか凄いことになっちゃったね…」
「蘭…穏やかじゃないクリスマスだね...」
「あおいもなに泣いているんだ…」
「だって…蘭が…」
ソレイユ三人が抱き合って泣いている。彼女たちの友情を感じた。
「奏太…指輪をつけてくれないか…///」
「では、お手を」
蘭の手を取り、指輪をはめてあげる。
「ピッタリだ…」
蘭が指輪をみんなに見せる。
「奏太、ありがとな!」
「いえいえ、喜んでくれて嬉しいよ」
「奏太…こっち向け…」
「ん?…!?」
色んな子達が見ている中、蘭は奏太にキスをした。
「ずっと…隣に居るから...」
「俺も蘭の隣に居るよ…」
学園長とジョニー先生も、このステージを見守っていた。
「たまには、目を瞑るわ。紫吹良かったわね…」
「学園mother…良いクリスマスですね…」
△▼△
クリスマスから年末年始と時が過ぎ去っていく。
俺達二人は、お互いの勉強のために会う時間を少なくしている。蘭は大学受験、俺は卒業判定試験と控えていた。何を隠そう俺は車以外の勉強が苦手だ。たまに蘭に勉強を教わったりして、なんとか少しずつだが勉強を理解してきた。それでも難しい。蘭は日頃から勉強をしていたため、頭が良い。
「わかんない…」
「あんたね…まだ始めて10分も立ってないわよ…」
母親も頭が良いので勉強を見てくれるが、何言ってるのかわからない。
「蘭に会いたい…」
「今の姿見せたら蘭ちゃんに嫌われるわよ」
「うぐっ…」
流石にカッコ悪いところは見せられない…蘭は今頃なにしてんのかな…
△▼△
「いちご…」
「はい…」
「なんだ…この点数は…」
蘭が持ってる解答用紙には、30点と書かれている。この解答用紙は、蘭が作った小テストのものだった。
「だって…難しいんだもん!!」
「これが解けないとアタシと同じ大学には入れないぞ」
「ガーン…」
「ほら、一つずつ見直していくぞ」
「少しだけ…休憩したいな~なんて…」
「ダメだ」
「えー!!」
「これが終わってからな」
「は~い…」
いちごも蘭に教えてもらっているが、難しくて泣きそうになっている。
「奏太も大丈夫かな…」
「じゃあ!杉崎くんに電話してみようよ!」
「ま、まぁ...少しだけな…///」
奏太の状況を聞きたいだけだからな…///少しだけな…///
『はい…奏太です…』
『大丈夫か…って…大丈夫じゃなさそうだな…』
『うん…勉強難しい…』
『はぁ…確かに難しいが卒業がかかってるんだろ?』
『うん…』
『あとで元気が出る写真送ってやるから...///』
『いいの?…』
『特別だ…』
仕方ない…奏太の元気が出るならなんでもいい…
「蘭…私も杉崎くんと話したいな…」
「少しだけだぞ」
『杉崎くん…お勉強難しいよね…』
『難しい…』
『早く終わらせてみんなでご飯食べよ…』
『頑張る…』
『蘭に変わるね…』
『奏太、あとで写真送るから』
『頑張る!』
『また後で連絡するからな』
こっちも本腰を入れて勉強をする。
△▼△
蘭から電話が掛かってきて、やる気が出た。頑張るぞー!
「あんたも…単純ね…お父さんそっくり」
「うるさい…///」
母親に教えてもらいながら勉強を再開した。
夜になり勉強を終えて、部屋でゆっくりしていると蘭からメッセージが送られてきた。
元気の出る写真だ。
そこには、黒の下着を身に付けた蘭の写真が送られてきた。
明日も頑張ります
写真を見てやる気が出たので明日も頑張るぞ…
△▼△
卒業判定試験の日がやってきた。この日のために勉強を頑張ってきた。いい点数を取って蘭に報告するんだ。
朝から国語、数学、英語、物理、自動車関係の順番でテストを終わらせていく。勉強したからか、スラスラと問題が解けていく。前までだったら問題の意味すらわからなかったが、今は余裕で問題を理解できる。これなら問題なく終えることができそうだ。
「やっと終わった~」
「奏太が珍しくスラスラ問題解いてたな」
「健司はどうだ?」
「あおいちゃんに教わったから、なんとかな解けたぞ」
「俺もなんとかな」
春斗も健司も問題なさそうだな。俺も無事に終えたので蘭にメッセージを送る。蘭達の受験日はもうすぐだ。
頑張れ、蘭!
長くなるので前後編に分けます