恋する歌姫と恋した俺   作:ゼレス

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 久々に蘭のエピソードを書きたくなりました

蘭ルートの最終回では、結婚した時の事を書いてないので書いてみようと思います。そして長くなりすぎました…
読んでいただけたら嬉しいです


アフターストーリー:いつまでも…どこまでも…

 専門学校を卒業して、整備士資格の試験も無事に突破した。そして整備士人生が始まり、数年がたった。貯金も出来てきて、そろそろ結婚について真面目に考える時期になってきた。だが蘭の仕事が全然落ち着かないのだ。CM撮影に、モデル業、もちろんアイドルとしての活動もある。家に帰ってきてもすぐに寝てしまう。そんな疲れてる蘭に結婚の話をしたら迷惑が掛かるんじゃないかと思ってしまい、中々結婚の話が出来ない。

 

 結婚指輪は、もう決めてあるから、あとは買うだけなんだけど…蘭、今日も疲れてそうだな…美味しいご飯を作って待ってよう!

 

 奏太は蘭と同棲して、料理が出来るようになったのだ。蘭が教えただけあって、奏太もかなり美味しいご飯が作れるようになった。

 

「料理の準備は出来たから蘭を待つか…」

 

 時間的にそろそろ蘭が帰ってくる。テレビでも見て待とうかな。

 

 奏太がお茶を飲みながらテレビを見てると、玄関からガチャと音がした。

 

「ただいま…」

 

 蘭だ!声に元気が無い。相当疲れているのだな。出迎えよう。

 

「おかえり!疲れてるだろ?ご飯食べるか?お風呂入るか?」

 

「奏太のご飯食べる…」

 

 こりゃいつもより疲れてるな…

 

「お茶でも飲んで待っててな」

 

 奏太にいつもご飯を作らせて申し訳ない。本当ならアタシが作って奏太に喜んで欲しいのに…ここ最近仕事が舞い込んでくる。化粧品のCMや、ドラマの撮影、モデルの撮影もだ。それと平行してアイドルとしての紫吹蘭もある。仕事は楽しいから苦痛では無いが、奏太との時間が少なくて不満だ。忙しくなる前は、お互いの予定が合えば、遊びに行ったり、欲が溜まれば1日中イチャイチャしていたのに…最近は奏太より遅く帰って、奏太より早く出ていく。こんな生活してたら奏太に愛想着かされるんじゃないかと不安だ。

 

「奏太…いつもありがとうな…」

 

「いいってことよ!蘭の方が忙しいんだから!俺がしっかりサポートしてやるからな!」

 

 ニコッと笑ってくれた奏太。コイツの笑顔を見ると疲れが吹っ飛ぶ。こんなにもアタシの為に動いてくれるなんてありがたい。

 

「おまたせ!今日は野菜中心にしてみました!」

 

「美味しそうだ!いただきます」

 

 奏太のご飯は本当にうまい。同棲してすぐの時には、料理なんて出来なくて、よく分からない物質を産み出していた。なのに今じゃ料理人顔負けぐらいのクオリティーで出している。

 

「奏太、いつもご飯ありがとう」

 

「蘭の方が忙しいんだから俺に出来ることがあるなら任せてよ」

 

 なんて良い奴なんだ…そろそろ結婚の話をしてみても良い時期なのかもな…だが、奏太も忙しそうだ…整備士になって毎日力仕事。しかも帰ってきてからも車のことについて勉強している。話を切り出すタイミングが中々見つけられない。

 

「奏太は、明日仕事は休みか?」

 

「明日と明後日と2連休だよ」

 

「ホントか!?アタシ明日から三連休なんだ!」

 

 チャンスが来たぞ!奏太に結婚の話をしてみるぞ!

 

「なぁ!奏太…

 

 ジリリリリ!ジリリリリ!

 

 蘭のスマホが鳴り出した。毎回思うが何故着信音が黒電話なのだ?

 

「わ、悪い!あおいからだ。なんだろ?」

 

「あおいちゃん!?電話に出てごらん?」

 

「すまないな」

 

『もしもし?アタシだ』

 

『ら~ん!今から蘭の家に行ってもいい…?』

 

『あ、あぁ、構わないがどうかしたのか?』

 

『健司くんが~!うわぁ~!』

 

 電話の向こうのあおいが大泣きしている。なにがあったのだ?

 

『ま、まぁ落ち着け…今から迎えに行くから。どこにいるんだ?』

 

『私の家…』

 

『すぐ行くから待ってろよ』

 

 電話を切り、スマホと財布を持って、あおいの家に向かう。

 

「蘭!あおいちゃんなんだって?」

 

「健司となにかあったみたいだそ」

 

「なんだって!?健司からは、何も聞いてないけどな…とりあえずあおいちゃん迎えに行こうか」

 

「だな」

 

 蘭を連れて、86に乗り込む。我が親友の健司よ、何しでかした。大切な彼女である、あおいちゃんを泣かせるなんて!許せん!

 

 

 蘭に、あおいちゃんの家までナビゲートしてもらい向かう。道中2人で何があったのか、話し合ったのだが、あんなラブラブカップルが喧嘩する訳がない。それにアイドルオタク同士だから尚更喧嘩することが無いように思える。

 

「奏太、着いたぞ。あおいの家だ」

 

 あおいちゃんが住んでるマンションに着いた。出てくるまで車内で待っていると、泣きながら出てきた。

 

「らん…ありがと…」

 

「とりあえずうちに来い」

 

「うん…」

 

 あおいちゃんが乗ったことを確認して走り出す。車内は誰も喋らず、無言だった。

 

 

 △▼△

 

 家に着き、あおいちゃんをリビングに案内した。

 

「あおい、何があったんだ?」

 

「健司が何か悪いことしたか?」

 

「実はね…健司くんが私の楽しみにしてたアイドル雑誌を先に読んだの~!一緒に読もうって約束したのにー!」

 

 こんな感じの喧嘩をうちの両親もしてたな…確かあの時は服の色だったな…

 

「蘭、うちって相談所か何かか?」

 

「舞さんが喧嘩した時も変な理由だったもんな…」

 

「奇遇だな…俺もそれを思い出した」

 

「杉崎くん…健司くんから何か聞いてる?」

 

「いや…連絡来てない気がするけど…」

 

 奏太がスマホを確認すると鬼のように着信が残っていた。

 

「う~んとね~凄い数の着歴があるね。健司から」

 

 奏太は履歴を確認して、健司に電話してみる。

 

『もしもし?健司か?』

 

『大変なんだよ!!あおいが…あおいが…いないんだ!!俺が我慢できなくてあおいの楽しみにしてた雑誌を読んじまったんだ…!今仕事終わって、あおいの家に来たら電気つけっぱなしだし…なぁ!あおいがどこにいるか探してくれねぇか!』

 

『ま、まぁ落ち着け…』

 

『落ち着いていられるかぁぁ!愛するあおいがいないんだぞ?どれほど重要案件かわかってんのかぁ!?お前だって蘭ちゃんいきなり消えたらこうなるだろ!?』

 

『確かにそうだけど…』

 

 あおいちゃんに目線を送ってどうしたらいいか合図を出す。ほっぺたを膨らませて顔を横に振っている。

 

『あー…お宅のお姫様かなり怒ってるみたいだよ…』

 

『奏太の家にあおいがいるのか!?今行くから!!』

 

 ブツッと電話が切れた。

 

「あいつ来るみたいだよ」

 

「健司も反省してそうだぞ?あおいも許してやったらどうだ?」

 

「だって…今日…楽しみにしてたんだもん…お仕事だって頑張ってきたのに…」

 

「奏太…これは骨が折れるな…」

 

「だな…」

 

 あおいの怒りが収まるまで、話を聞くことにした。話を聞いていると最初は健司のだらしない部分や今日の件を話してくれたが、話しているうちに健司の良いところを言い始めて惚気話になった。

 

「そういう所が健司くんの良いところなの…///」

 

「俺達…何聞かされてたんだ?」

 

「さ、さぁ?惚気話だったな…」

 

 蘭と声を小さめに話していると家のチャイムが鳴った。

 

 ピンポーン…ピピピピピピピピピピピ…

 

 アイツどんだけ連打してんだよ…チャイム壊れるだろ。

 

 奏太が、インターホンの通話ボタンを押すと画面いっぱいに健司の顔が映し出された。

 

「うぉい!ビックリするだろ!」

 

「早く開けてくれ…」

 

「今開けるよ…」

 

 奏太が玄関を開けると、ヒュンとドアから何か素早い物が飛んで入ってきた。

 

 健司なのか…?早すぎるだろ…

 

「あおい!」

 

「健司くん…」

 

「俺が悪かった…我慢できずに読んじまったんだ…」

 

「ほ、本当に反省してるの?///」

 

「本当だ…」

 

「じゃあ…///キス…///してくれたら許してあげる…///」

 

「あおい…///」

 

「健司くん…///」

 

 あー!あー!始まっちゃったよ…俺達はなにをみせられてるんだ?

 

「蘭…結局なんだったんだ?」

 

「さぁ?」

 

 目の前で2人のキスシーンを見せられている。

 

「蘭!今日は、いきなり押し掛けちゃってごめんね」

 

「仲直りできて良かったな!」

 

「うん!」

 

「奏太もごめんな」

 

「気にすんな、親友が困っているんだ。助けるに決まってるだろ」

 

 2人は、イチャイチャしながら帰っていった。

 

「なんか…疲れたな…」

 

「だな…奏太…///久々に一緒にお風呂入らないか…///」

 

「お、おう…///」

 

△▼△

 

 お風呂に入っていてこんなにドキドキしたのは、久々だ。

 

「入るぞ…///」

 

「うん…///」

 

 風呂の扉が開き、タオルを巻いた蘭が入ってくる。いつ見ても思うのだがスタイルが良く、年々美しさに磨きがかかる。

 

「蘭のスタイルっていつ見ても美しいな」

 

「モデルやってるからな!体型管理には気をつけているしな」

 

「体冷えるから早くお湯に浸かりなよ」

 

「隣失礼するぞ」

 

 蘭が湯に浸かる。何故か凄くドキドキする。

 

「蘭、初めて2人でお風呂に入った時、俺が鼻血出したの覚えてるか?」

 

「覚えてるぞ」

 

「あの時は、蘭に迫られて鼻血を出したな」

 

「そうだな…///確かこんな感じだったよな…///」

 

 そう言って蘭は、いきなりバスタオルを外した。

 

「ら、蘭さん!?いきなり何を!?///」

 

「こうやって…///迫ったよな…///」

 

 見慣れてる蘭の裸なのに、心臓が破裂しそうなくらいバックンバックンと高鳴り出す。

 

「もしかして…我慢できない感じ?///」

 

「最近忙しくて…///デキてないから...///」

 

 この後、俺達は我慢できずにその場で始まってしまった。次の日も休みだし、少しくらい夜更かししても問題ない。だが、とても疲れた。蘭とのイチャイチャタイムが終わると同時に2人して爆睡した。

 

△▼△

 

「んっ…もう朝か…?」

 

 先に目覚めたのは、蘭だった。隣を見ると気持ち良さそうに寝ている彼氏がいる。

 

「昨日も良かったぞ…///」

 

 寝ている奏太の頬にそっと、キスをする。

 

「早起きしたし、朝ご飯作ろ!そして今日…結婚の話をするんだ!頑張るぞ紫吹蘭!」

  

 朝からやる気と気合いを出す。素早く、身支度と着替えを済ませ、キッチンに立つ。鼻唄を歌いながら、朝ご飯を作る。

 

「らん…おはよ…」

 

「おはよう奏太」

 

「お腹空いた…」

 

「もうすぐ出来るからな」

 

 今日こそ、結婚についての話を持ちかけるんだ!

 

「は~い…」

 

 蘭に結婚についてどう思うか聞いてみるチャンスだ…

 

 2人して同じことを考えていた。

 

「出来たぞ~」

 

「うぃ~」

 

 蘭の作ってくれた朝ご飯だ…!やはりウマイ!俺より料理上手だ。流石です。

 

 

「奏太は、今日何か予定があるか?」

 

「ん?特にないけど…あ!どこか出掛けようか」

 

「あぁ!」

 

 蘭はとても嬉しそうにしてくれた!この前見つけたジュエリーショップの指輪を見に行かせてみよう。

 

「前に2人で行ったデカいショッピングモールに行きたいんだけど…どう?」

 

「アタシもそこがいいな」

 

 この前、いちご達と仕事帰りにショッピングモール寄った時に指輪があったな…あそこのお店に連れていく…///

 

「お昼ぐらいに行くか?」

 

「だな」

 

 チャンス到来だ…蘭にプロポーズするのも時間の問題だ…今から緊張してきた…

 

△▼△

 

 

「それにしても凄い混み具合だ」

 

「今日は土曜日だしな」

 

「変装はバッチリか?」

 

「あぁ!問題無しだ」

 

 こんな人混みの中に人気アイドルの紫吹蘭が彼氏とデートなんてバレたらパニックが起きかねない。

 

「久々のデート楽しもうな!」

 

「もちろん!」

 

 蘭と久々のデートでテンションが上がる。最初に蘭のお化粧品を見に行くことにした。

 

「どっちがいいだろうか…悩むな…」

 

 口紅を見てずっと悩んでいる。

 

「蘭だったら…こっちの色の方が似合うと思うな」

 

「そうか?じゃあ、その色にしよう!」

 

 ルンルン気分で歩いている蘭の後ろについていく。会計をするため、レジに行くと店員のお姉さんが少し驚いた顔をした。

 

「あの~…間違ってたら申し訳ないのですが…紫吹 蘭さんですか…?」

 

 ん!?バレた!?ヤバい…デート中なのに!

 

「ナ、ナンノコトデスカナ…?」

 

 焦りすぎて声裏返っちゃったよ…///

 

「ま、間違いですよね…申し訳ございません…」

 

 店員のお姉さんを見る限り、俺達と同年代ぐらいなのかな?蘭のファンなのかも…

 

「えぇ、そうです。紫吹 蘭です!もしかしてファンの方ですか?」

 

「やっぱりそうなんですね!実は…学生時代から蘭さんのファンなんです!蘭さんのステージや雑誌を見て、いっぱい勇気や元気を貰いました。今もこうやって仕事できるのも蘭さんから力を貰ったからなんです!」

 

「応援ありがとうございます!あまり大きな声では言えないのですが…その…彼氏と…デート中なので…///」

 

「やっぱりそうなんですね…!大丈夫です、マスコミなど世間には漏らしません!」

 

「ありがとうございます!これからも応援してもらえると嬉しいです!お名前なんて言うんですか?」

 

「み、三木 遥《みき はるか》って言います!」

 

「遥さん、またここのお店に来ますね」

 

 そう言って蘭は遥さんの手を握った。

 

「え…!?手…握って…///嬉しいです!いつでもお待ちしております!」

 

 そうして俺達は遥さんと別れて次の店に向かった。歩いている時、蘭は凄く嬉しそうだった。

 

「なぁ、アタシもいちごみたいに誰かの為に何かを与えられていたんだな」

 

「だな!流石は、俺の彼女である紫吹 蘭だ!」

 

「あまり大きな声で名前出すな…!///」

 

「つい…嬉しくて…///」

 

 蘭と話しながら歩いていると、お目当てのジュエリーショップが見えてきた。

 

  

 チャンスは…今だ…!指輪を見せに行くぞ…!

 

 奏太に結婚を意識させるのは今しかない…!

 

 お互いがお互いを意識させようとしていた。

 

「な、なぁ…///そこのジュエリーショップ見てみたいな~なんて…///」

 

「アタシも見てみたいんだよな~…///」

 

 何!?蘭もジュエリーショップだと…!?

 

 奏太がジュエリーショップ…!?まさかなのか…!?

 

 2人とも目的が同じなのだから行きたい店が一緒なのは当たり前である。変な緊張感がありつつ、ジュエリーショップに入る。

 

「い、いらっしゃいませ…何かあれば申し付け下さい…」

 

 店員も謎の緊張感を感じ取り、変な笑顔をしている。

 

「やっぱり宝石のついた指輪は綺麗だな」

 

「だな!これなんて凄く素敵だぞ」

 

「ダイヤモンドだもんな!おねだ…ん!?」

 

 見たこと無い値段してて目ん玉こぼれ落ちちゃうよ…流石にその指輪は買ってあげられないな…自分が情けなく感じる…

 

「流石にそれは高いだろ…」

 

 奏太のヤツ…そんな高いのがいいのか!?

 

「こっちのも見てみよか」

 

 この前見た指輪の前に蘭を誘導するぞ…!

 

「ん?どれだ?」

 

「これなんて蘭にピッタリだぞ?」

 

「わぁ…キレイだ…」

 

 蘭の顔を見ると見たこと無いぐらい驚いている。

 

 値段的にも買えるな…!やはり…この指輪だったか…!何件も探して良かった~!結婚の話をしてみるか///

 

「なぁ…蘭は結婚とか考えた事あるか…?」

 

「あ、あるぞ…///」

 

「俺もだよ…///」

 

 奏太のヤツ…考えてたのか…///嬉しい…///

 

「家で…また聞くよ///」

 

 緊張してあまり話せなかった…///だが指輪は決まった!あとは買うだけだ!スマホにメモしとこ…

 

「うん…///」

 

「次の店に行こうぜ!服見に行こ!」

 

「奏太の服をコーデしてやるぞ!」

 

「お願いします!」

 

 蘭とジュエリーショップを後にする。2人でどんな服がいいか話し合いながら歩く。そろそろ店に着くというタイミングで奏太が焦りだした。

 

「ヤッベ!さっきのショップにスマホ置いてきちゃった!取り入ってくる!」

 

「なにやっているんだ!服選んでるからな~!」

 

 奏太は走ってジュエリーショップに戻る。ショップに入ると店員が指輪を持って立っていた。

 

「すみません!お待たせしました!」

 

「杉崎様、こちらでよろしいですか?」

 

 奏太はわざとスマホをショップに置いてきた。さっき蘭と見ていた時にメモアプリを開き、メッセージを残してカウンターにいた店員に見えるようにして置いたのだ。

 

「はい!それでお願いします!」

 

「かしこまりました。お会計準備を致しますので少々お待ち下さい」

 

 これで準備は整った…///あとは蘭の様子を見てだ…!

 

 △▼△

 

「お待たせ~!」

 

「遅かったが何かあったのか?」

 

「違うよ。トイレ行ってたのと人混み凄くて中々歩けなかったんだ」

 

「無事なら問題ないな!」

 

 蘭にバレないようにしないと…

 

 その後は蘭と服を見たり、ご飯を食べたりと充実した休日となった。

 

「そろそろ帰るか?」

 

「だな~!家でゆっくりするか」

 

「はいよ!」

 

 駐車場に向かい、86に乗って帰る。帰り道に蘭に歌を歌ってもらってLIVEごっこをした。

 

△▼△

 

「風呂も入ったし、アイス食べよ」

 

「アタシのアイスも取ってくれ」

 

「へいよ~」

 

 奏太は、よくアイスを食べる。甘いものが大好物な為、冷凍庫に沢山入っているが食べ過ぎると蘭に怒られる。

 

「アイス美味しい~!」

 

「奏太って子供みたいに喜ぶよな」

 

「少年心は忘れたこと無いからな」

 

「可愛いヤツめ…///」

 

 蘭にプロポーズするのは、この後にしよう。俺のズボンのポケットに準備してある。

 

 蘭もアイスを食べ終え、となりでお笑いを見て笑っている。

 

「蘭…ちょっといいか?」

 

「どうした?」

 

 蘭はキョトンとしている。

 

「俺…最近思うことがあるんだ。今みたいにずっと蘭と笑っていたい。何かあった時に隣で支えたい。嬉しいことがあったら共有したい。悲しいことがあったら半分個して悲しみを和らげたい。そしていつまでも紫吹蘭と一緒に過ごしたい。だから結婚しませんか?」

 

「え…」

 

 部屋が静まり返った。蘭も何も言わずこっちを見ている。奏太は真剣な目で蘭を見つめる。

 

「する…するに決まってるだろ…!」

 

 蘭は大粒の涙をポロポロと溢しながら答える。

 

「遅くなってごめん」

 

「アタシも...かなたと…けっこんしたい…!」

 

 わんわんと泣き始めてしまった。

 

「左手出してくれるか?」

 

「はい…///」

 

 ポケットからさっき買った指輪を出して、蘭の左手の薬指にはめる。

 

「これ…!さっきの…!」

 

「スマホをわざとジュエリーショップに置いてきたんだ。取り行くフリして買ったんだ」

 

「…うれしいよ…///」

 

「俺達、家族になったな…///」

 

「だな…///」

 

「なぁ、明日も休みだよな…///」

 

「うん…///」

 

 2人とも何も言わずに寝室に入っていく。

 

△▼△

 

 プロポーズした次の日

 

「事務所には、いつ報告するんだ?」

 

「この後、事務所に行くからその時に」

 

「りょーかい!」

 

「そのまま、母さんと父さんのところに行きたいな…///」

 

「挨拶しないで、プロポーズしちゃったから怒られるかな?」

 

「ウチの両親は怒らないよ。その足で舞さんの所にも行こうな」

 

「かーちゃん、泣くだろうな」

 

「だな!」

 

 準備を済ませ、蘭を事務所に連れていく。事務所に着くと、偶然にもいちごとあおいがいた。

 

「蘭だ!杉崎くんも!蘭今日お休みなのにどうしたの?」

 

「いちご、あおい、おはよう!2人に聞いてほしいんだ」

 

「ん?なになに?」

 

「蘭、どうしたの?」

 

「実はな…この度、婚約いたしました!」

 

「「えー!?」」

 

「嘘…ホントなの!?」

 

「本当だ…な!奏太?」

 

「やっとプロポーズできたんだ」

 

 2人とも肩を震わせている。

 

「らん…おめでと…穏やかじゃなさすぎるね…」

 

「ら~ん!おべでどぉ~!」

 

 2人とも泣いている。大親友である紫吹蘭が結婚するのだ。いつでも3人で頑張ってきた。どんな時も3人で。

 

「2人とも泣きすぎだ…///」

 

「マネージャーさんに言った?」

 

「今会ってきて、奏太と2人で挨拶したんだ」

 

 

 めっちゃ緊張したわ~マネージャーさん男だと思ったら、可愛い女の人で驚いちゃった。てかここの事務所、スターライトが経営してるから何人か学校で見たことある人いたんだよな

 

 

「杉崎くん、おめでとう!」

 

「いちごちゃん、ありがとね。蘭のことは任せて!」

 

「健司くん、ヘタレだからプロポーズは当分先なんだろうな~」

 

「健司は、そういうヤツだからな…」

 

 健司と付き合い長いから分かるが変な所でヘタレなんだよな

 

「私だって、健司くんにアプローチしてるのに顔真っ赤にして下向いちゃうんだもん!初めてエッチした時だって、アワアワしてたんだから!」

 

「あおい…まだ昼間だぞ…///」

 

「あ、失礼しました~」

 

「私も結婚したいな~」

 

「いちごは、まず相手を探さないとだな」

 

 いちごちゃんからは、男の人の話を聞いたことないもんな。

 

「え?いるよ?」

 

「「「え?」」」

 

「あれ?言ってないっけ?」

 

「「「言ってない!!!」」」

 

 いちごは、えへへと誤魔化しながら笑顔を見せる。奏太達はプロポーズの話よりも、いちごの話の方が気になる。

 

「お相手は?」

 

「え~と、はい!」

 

 いちごのアイカツフォンに写し出されたのは、驚きの人物だった。

 

「え!?直さん!?」

 

 画面に出てきたのは、涼川直人だった。実はスターライト学園にもう1人、奏太と同じで学園内の掃除をしてくれていた人がいた。だが、バンドを組んでいる為、忙しくてあまり学園にいなかったのだ。

 

「意外だな…」

 

「お、穏やかじゃ…なさすぎる…」

 

「あおいちゃんが溶けた~!」

 

「奏太、そろそろ行かないと…」

 

「時間だな、2人とも行くね!」

 

「「お幸せにね!」」

 

△▼△

 

 

 いちごとあおいと別れて蘭の実家に行った。蘭の両親も、喜んでくれて安心した。だが問題は、ここからである。

 

「舞さんの所で最後だな…」

 

「あの暴走機関車がラスボスか…」

 

 我が実家に来ている。扉の向こうには、蘭のことが大好きな母親がいる。実家のチャイムを鳴らす。

 

「2人ともおひさ~!中に入って~!」

 

 

 ギャルか?

 

「お邪魔します」

 

「蘭ちゃん!いつもテレビで応援してるよ~!あとこの前のLIVEも行ったんだよ!」

 

「ありがとうございます!」

 

「2人とも今日はどうしたの?」

 

 母親には内緒で実家に帰ってきている。なのでなにも知らないのだ。

 

「かーちゃん、実は…」

 

 蘭の左手を取り、持ち上げて母親に指輪を見せる。

 

「この度、蘭と婚約しました」

 

「へぇ~!婚約ね~…って、えぇぇぇー!!」

 

 目ん玉飛び出るんじゃないかってくらい驚いている。

 

「舞さん、これからは杉崎 蘭になります」

 

「蘭ちゃん…ウチの子をよろしく頼むね…」

 

 母親もポロポロと涙を流しながら蘭に俺の事をお願いする。

 

「はい!任せてください!」

 

「奏太も立派になったね…」

 

「かーちゃんと親父に、ここまで育ててもらったおかげだよ」

 

「そんなこと言われたら…ママ…泣いちゃうよ~…!」

 

  母と父に感謝しかない。事故起こした時だって支えてくれた。何から何まで面倒を見てくれた。本当にありがとう。

 

「パパもそろそろ帰ってくるから、皆でご飯食べよ!」

 

「杉崎家に新メンバーが増えるからな!」

 

「不束者ですがよろしくお願いします」

 

 その後、親父が帰ってきた。親父も目ん玉飛び出るんじゃないかってぐらい驚いてた。

 

 後日、健司と春斗にも報告した。健司の話を聞いたら、あおいちゃんにめっちゃ結婚の話をされてるらしい。友達にも恵まれて俺は幸せだ。

 

△▼△

 

 

 テレビで結婚について放送されている。それを見た俺は、プロポーズした時の事を思い出した。

 

「パパ~お菓子たべたい!」

 

「クッキーがいい?それともグミがいい?」

 

「クッキーがいい!」

 

 娘とお菓子を食べながら思い出していた。

 

「華鈴ちゃん可愛いね~」

 

「最近は、元気が有りすぎて困ってるんだ…」

 

「蘭もママだね~」

 

 そして家にいちごちゃんとあおいちゃんが来ている。ウチの娘である、華鈴を見に来たらしい。華鈴は蘭に似て凄い美人だ。最近は蘭によく怒られているけど…

 

「ママにもクッキーあげる!」

 

「ありがとな!いちごとあおいにも分けてあげてな」

 

「いちごちゃんとあおいちゃんにもクッキーあげるね」

 

「「きゃ~!可愛い~!!」」

 

「これ食べずに取っておくね!」

 

 あおい、正気か?

 

「いや、食べろよ…」

 

「華鈴ちゃんがくれたんだよ!?穏やかじゃない!」

 

「クッキー美味しいから食べて」

 

「うん!食べるね!」

 

 切り替え早っ!恐ろしいな…

 

「華鈴ちゃんは、アイドルになりたいの?」

 

 いちごは、華鈴にアイドルになりたいのか気になったので聞いてみる。

 

「ママみたいにね!可愛いドレス着てね!お歌うたうの!華鈴、ママと同じドレス着たいの!」

 

 華鈴が指を指したのは、蘭が舞から託されたドレスの写真だった。

 

「いつか着れるといいな!」

 

「うん!アイドルになったらママとアイカツする!」

 

「絶対に推すからね!!」

 

 あおいが大声を出す。アイドルオタク全開の反応をした。

 

「ママも華鈴と歌いたいな!」

 

「ママといちごちゃんとあおいちゃんとアイカツする!」

 

「新生ソレイユの誕生だな!」

 

「リーダーのいちごさん?どうですか?」

  

 あおいは、いちごにマイクを向けるフリをする。

 

「面白そう!やろ!」

 

 後ろで何だかすげー話してるけど、まぁいっか…

皆いつまでも変わらないな…スターライトに戻ってきたみたいだ…懐かしいな…

 

「奏太も、こっちに来い!」

 

「あいよ~」

 

 奏太も蘭達の座っている机に移動する。なんだか学生に戻った気分だ。

 

「スターライトの学食みたいだね!」

 

「俺のバイト終わって皆でご飯食べてたよな」

 

「うん!うん!」

 

「いつも蘭とイチャイチャしてたよね!」

 

「あ、あおい!///うるさいぞ!///」

 

「パパとママはラブラブ?」

 

 そんな、言葉どこで覚えたのだ?

 

「そりゃもちろん!」

 

「か、奏太!///恥ずかしいだろ!///」

 

 こんなやり取りも学生の時はやってたっけな…

 いつまでも、どこまでも、皆で笑えますように…




 久しぶりに蘭の話を書きましたが、ちゃんとユリカルートも執筆中ですのでお待ちください。資格試験のため更新は遅くなりますのでお許しください。
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