8月、夏も本番だ。外にいるだけで体力が持っていかれる。
夏休みでバイトをしに来ているが、そろそろキツイ。倒れそう…水分取らないと…あれ…?
視界がぐるりと回って意識が無くなった。
△▼△
「は!ここは!」
やべ!バイト!てか、俺なんでベッドの上に?何があった?
「杉崎くん!無事で良かった…」
ベッド横の椅子に座っていたあおいちゃんが、俺の左手を握ってくれる。
「俺…もしかして倒れた?」
「私が中庭を通りかかったら杉崎くん倒れてるんだもん!驚いたよ~、頑張って運んだんだから!」
「ん?頑張って運んだ?あおいちゃん1人で?」
「うん!」
「力持ちなの?」
「アイカツしてるからね!」
「アイカツ関係あるか…?」
だとしてもそこそこの重さの男性を運んできたのすごいな…
「あそこの台車に乗せてだけどね」
「あ、なるほど…」
俺、台車で搬送されたのね…
「今日は早退した方がいいんじゃない?学園長に話してこようか?」
「霧矢の言う通りだわ」
いつの間にか学園長が保健室に来ていた。いつ来た?
「学園長すみません…倒れちゃって…」
「いいのよ、今日は早退して休んでちょうだい」
「少し横になってから帰ります」
「学園長、私が看病します」
「霧矢にお願いするわ」
あおいちゃんが看病してくれるの!?可愛い子に看病してもらえるなんて倒れて良かった~って少し思ってしまった。
「杉崎くん、何か飲み物買ってくるけどお茶でいいかな?」
「ありがとう…!お願いします」
熱中症で倒れてしまうとは…あおいちゃんに何かお礼しないとだな…
「お待たせ!お茶だよ!」
「ありがとう…助かったよ」
「今はゆっくり休もうね」
貰ったお茶を1口飲み、ベッドに横になる。
何だか…眠く…なってきた…このまま寝ちゃおうかな…
「あれ?杉崎くん寝ちゃった?」
可愛い寝願だ…!シャッターチャンス!写真撮っちゃお!
パシャッ!
杉崎くんの寝顔GET!
「あおい~?」
「どうしたの?」
保健室にいちごが、入ってきた。
「杉崎くん倒れたって聞いたから心配で見に来ちゃった」
「今寝たところだよ」
「最近暑いもんね…私達も気を付けないと!」
「水分補給をしっかりして、アイカツ頑張ろうね!」
「私、先にレッスン室に戻るね!頑張るぞ~!」
いちごは、やる気を見せて保健室を出ていった。
流石トップアイドルのいちごだ。私もいちごに負けないように頑張るぞ!今は、杉崎くんを看病しないとだから保健室で勉強でもしてよう。
△▼△
「あれ…?どのぐらい寝てたんだろ…?」
目が覚めて、起き上がる。結構寝てしまったな…そういえば、あおいちゃんは?
周りを見渡すと誰もいない。あおいちゃん、帰ったのかな?あとで、お礼しないとだな…
ベッドから出て、お茶を飲む。冷たいお茶が体の中を潤していくのが分かる。寝汗をかいたせいで、体がベトベトする…誰もいないからツナギの上、脱いじゃお…
上を脱ぎ、上半身を露出させる。
涼しい…サイコーだ!誰も見てないから上半身裸になっても問題ないな!
奏太が涼んでいると保健室の扉が開いた。
「杉崎く…あ!ごめん…!///」
あおいが扉を開けたが奏太の上半身を見て保健室の扉を閉めた。
あおいちゃんに見られてしまった…解放感を味わっている姿を…
保健室の外から、あおいの声が聞こえる。
『ノックしないで入ってごめんね///着替え中だったかな…?///』
ヤバい!早く服を着なくちゃ!
「ごめんね!変なもん見せて!服着たよ!」
扉を開けて、あおいが入ってくる。
「杉崎くんって結構筋肉あるんだね…///」
「一応整備科に通ってるし、バイクとかイジってるから筋肉付いちゃうんだ!あとサッカーやってたのもあるかな?」
「ちょっとだけ…腹筋触ってもいい…?///」
「いいよ」
奏太はヒョイと服を捲って腹筋を見せる。あおいは申し訳なさそうに腹筋を触る。
「では、失礼して…」
チョンチョンと触ってくる。くすぐったい。
「どう?」
「凄い…硬い…///」
言い方が少しエッチだな…///
「杉崎くんありがとうね!」
「いえいえ~てか!看病してもらったからあとでお礼させてよ」
「そんな!お礼だなんて!」
「まぁまぁそう言うこと言わずに!」
「それなら…あとで、お礼受け取るから今日はもう帰ろう?」
「うん、家に帰るよ」
その日は、あおいちゃんにお礼の挨拶だけして家に帰って休んだ。
△▼△
後日
バイトで校内を清掃していると、あおいちゃん達のクラスから声が聞こえてきた。
あれ?もう学校終わってるはずなのに…教室から声が聞こえるぞ…?
奏太は気になったので教室の中を見る。あおいの席の周りに人が集まっていた。
「流石!あおい!」
「どうかな?」
「上手だな」
何かやってるみたいだ。声をかけてみよう。
「皆なにしてるの?」
「あおいが筆で文字を書いてくれてるんだ!」
「見てみろ。凄いぞ」
いちごと蘭に話を聞いたので机の上を見ると、習字セットが広げられていた。
「めっちゃ上手じゃん!」
「習字習ってたからね!」
あおいちゃんからウインクいただきました。めっちゃ可愛い。
「俺こんなにうまく習字書けないな~」
△▼△
そのまた後日
またバイトをしているとカチカチと何かを弾く音が聞こえる。これまたあおいちゃんのクラスからだ。覗いてみると、あおいちゃんの周りに人が集まっている。
「今度はなんだい?」
「あおいが、そろばんを弾いてるの!」
「中々の弾き具合だ」
いちごや蘭やクラスの女の子達が拍手して感心している。
そのまたまた後日
今度はレッスン室からピアノの音が響いている。さては、あおいちゃんだな?
「あおいちゃんかな?」
「杉崎くん?こんなところで何してるの?」
「資料室の整理してたらピアノの音が聞こえてきたから気になって見にきた!」
「久々にピアノの弾いたけど楽しい!」
「凄い上手だね」
「ピアノも習ってたからね!」
「どんだけ習い事やってたの…」
「えへへ!沢山やってたよ!」
いちごちゃんから、あおいちゃんの習い事の話をなんとなく聞いていたがホントだったのか…
「あおいちゃんって何でも出来ちゃう感じ?」
「出来ない事だってあるよ」
「例えば?」
「秘密!」
「教えてよ!」
「アイドルに秘密はあるものだよ!」
クッ!流石売れっ子アイドル…説得力がある…!
「そうだよな~」
「秘密がある程アイドルは、輝くんだよ!」
「確かにそう言われればそうかも…」
「あ!杉崎くん来週暇?」
「暇だけど…」
「私に付き合って!」
「えぇ!?」
一体どういうことだ!?デート!?
△▼△
あおいちゃんに誘われたので出掛ける事になったのだが…まさかアイドルの特典会だったとは…
「いや~!杉崎くんのおかげで助かったよ!特典2つ貰っちゃった!」
「アイドルのファンって凄いのな…」
特典会でライブがあったのだが、コールが凄い…あおいちゃんもノリノリでコールしてて迫力があった。あんな楽しそうなあおいちゃんは、初めて見た。
「今日も盛り上がったね~!」
「楽しかったな」
「杉崎くんもアイドルに興味が出てきたね」
「この前授業してもらったからな!」
「アイドルの事なら任せて!」
「先生!またよろしくお願いします」
2人で帰路についていると前から来た女の子に話かけられた。
「え?あおい?」
「ん?ウソ!久々だね!」
あおいちゃんが見知らぬ女の子と喋っている。話を聞いてみると中学の時の同級生みたいだ。中学も何も元からスターライト学園じゃないのか?
「隣の人ってあおいの彼氏?」
「ち、違うよ!///」
「またまた~!アイドル頑張ってね!応援してるよ!いちごにもよろしく伝えて!」
「うん!またね~!」
話が終わったみたいだ。スターライト学園生以外のお友達を見ると新鮮だ。
「杉崎くんごめんね?今の子、中学の時の同級生なの!」
「中学って元からスターライトじゃないの?」
「あれ?私といちごは、スターライト学園に編入してるんだよ」
「え!?そうなの!?知らなかった…」
「私がいちごをスターライトに誘ったの!美月さんのライブをいちごと見に行って、アイドルになりたいって気持ちが我慢できなくてね…いちごも美月さんみたいになる!って2人で頑張って練習して編入試験受けたんだ」
「そんなエピソードがあったのか…」
今じゃ2人ともスーパーアイドルだ。いちごちゃんもあおいちゃんもテレビに映れば皆が喜び、笑顔になるアイドルだ。2人の努力は並大抵なものじゃないはず。
「いちごに負けないアイドルになるぞ~!」
「俺、応援してるよ!」
「応援ありがと!」
その時、俺に見せた笑顔が凄く眩しくて、綺麗で、一生忘れることの出来ない物だった。
△▼△
あおいとの思い出話が盛り上がる。高校生の時の話をするって何だか恥ずかしい。だが面白くて色んなエピソードが甦る。
「そんなこともあったな~」
「あれが初めてのデートじゃない?」
「だな」
「へぇ~あのときに私に惚れたんだ…!」
「だって…すっげぇ可愛かったんだもん…///」
「照れてる~!」
「うっせ…!///」
「可愛いね!私のダーリン!」
頬をツンツンしてくるあおい。隣のあおいを見ると服を着てないので胸が丸見えだ。しかも高校の時に比べて雰囲気も胸のサイズも大人になった。エロい…///
「あれ?奏太さん?何だか穏やかじゃない目で見てますな…」
「昨日のあおいを思い出してた…///」
「エッチ~!」
こういう所は学生時代から変わらないな…
「あおいも何か思い出話してくれよ」
「あ!付き合う前にさ、奏太が助けてくれたことあったよね!」
「あったな…懐かし~!」
そういえばそんなこともあったっけな。確かあれは、みんなで出掛けた時だった気がするぞ…
最近暑い時がありますね!熱中症に気を付けましょ!
次回もあおいちゃんと奏太に思い出を語っていただきましょう。