ギターを始めた奏太。家で1人練習していると段々と上達してきたと感じる。セイラのおかげである。
「冬休みって案外やること無いんだよな~」
家で1人ギターを弾いて練習していても、暇なものは暇である。その時、奏太のスマホから着信音が鳴る。
「誰かな?あおいちゃん!?」
着信相手は、まさかのあおいだった。女の子から電話なんて普段かかってこないので焦る奏太。
落ち着け…落ち着いて電話に出るんだ…
『もしもし?』
『あおいちゃん?どうしたの?』
『杉崎くん、暇してる?』
『暇だけど…』
『なら私とお出掛けしない?』
『え、する』
即答だった。
『やった!じゃあ準備出来たら連絡するね!』
『俺も準備しま~す』
通話を終わりにして、ガッツポーズをする。
あおいちゃんとお出掛けだ!即ち、デートだ!
▽▲▽
あおいちゃんに準備できた事を伝える。メッセージを送り、返信を待つ。
『私も準備できたよ!』
あおいちゃんとから来たメッセージを見て、胸のドキドキが加速した。
『スターライトの最寄駅に集合で!』
『おっけー!向かいます!』
あそこの駅ね!早速向かうぞ!
家を出て、向かう。楽しみすぎて自然と早歩きになってしまう。距離的に俺の方が早く着きそうだ。
イヤホンで音楽を聴きながら歩いていると、いつの間にか駅に着いていた。
あおいちゃんを待つか…やっぱり俺が先に着いてしまった…
駅のガラスに反射している自分を見て、身だしなみが整っているか確認する。
問題ないな…早く来ないかな…
スマホを見て時間を潰すが、どうしても周りをキョロキョロと見渡してしまう。遠くから青い髪を揺らしながら走ってくる女の子が見える。でも髪が長い。あおいちゃんならサイドテールにしてくる筈だ。どう見てもこちらに向かって走ってくる。
「お待たせ~!はぁ…はぁ…待った?」
「え、あおいちゃん!?」
変装時にいつもしている伊達メガネをつけているので、あおいなのは、確認できる。いつもと違う点がある。髪を下ろしているのだ。
「そうだけど?」
「髪下ろしてて、いつもと雰囲気違う!」
「どう?似合う?」
「可愛い…///」
髪下ろしてるあおいちゃん可愛すぎる…!ドキドキが止まらない!
「えへへ…!ありがと!」
ニコッとした笑顔に胸を撃たれた。
「今日はどこへ行きます?」
「よくぞ!聞いてくれました!今日はこれ!」
「ん?なにこれ?」
あおいがスマホを見せてくれたが、奏太はイマイチなんだか理解できていない。
「これはね!限定品のリップを買いに行きます!」
「あぁ!口紅か!」
「そう!」
「早速行こ!」
「うん!」
奏太とあおいは目的地に向かって歩きだした。
▽▲▽
「杉崎くんってずっと女の子の友達いなかったんだ」
「バイクと車の事しか考えてないからね」
「私が初めての異性の友人?」
「そうかも!」
やった…!杉崎くんの異性のお友達第1号だ!
「なんか嬉しいかも…///」
頬を赤く染めて照れるあおい。奏太は彼女の反応を見て自分も恥ずかしくて赤くなる。
「そ、そう言ってくれありがと…///」
「私だってこんなに仲の良い異性の友達は杉崎くんだけだよ///」
「え、それって…///」
「エヘヘ…!」
なにか特別な感じがする。あおいちゃんってもしかして…そんなわけ無いか…
「ほら!早く行くよ!」
奏太の手を引き、駆け足で目的地に向かう。
「そうだね!」
楽しい。凄く楽しい。今までは、ずっとバイクや車の事に熱中して恋愛なんて興味なかった。だけど、あおいちゃんといると胸がドキドキする。多分これが好きって気持ち何だと思う。初めて恋愛をした。
▽▲▽
「あった!あったよ!」
あおいちゃんは、お目当ての口紅を見つけて喜んでいる。ピンク色の口紅であおいちゃんがつけたら、絶対に素敵なんだろうな…なんて妄想してしまう。
「どれどれ?」
ほほぉ…絶対にあおいちゃんに似合うじゃん。
「これが欲しかったんだ~!」
「俺にプレゼントさせてよ」
「いや!私の買い物だから自分で買うよ!」
「クリスマス近いし、クリスマスプレゼントで!」
「そこまで言うなら…///」
奏太の提案でクリスマスプレゼントとして買ってもらうことになった。早速レジに向かい、お会計をする。
「あおいちゃん!メリークリスマス!」
「ありがと…///」
杉崎くんから初めてのプレゼント貰っちゃった!絶対に今、顔ニヤけてる…///
「あおいちゃん、この口紅絶対に似合うよ」
「じゃあ…///またデートしてくれる…?///」
「うん…!///」
いつもと違う髪型で、上目遣いで、デートのお誘いされたらドキドキが止まらねぇよ!
「やった!///」
小さくガッツポーズするのも可愛らしい…///
「クリスマスの日は、あおいちゃん仕事?」
「うん…ソレイユで生放送のお仕事あるよ…あ!でもちょっと待ってね!」
アイカツフォンのスケジュールを開いて確認する。
夕方までには終わるから…てことは!夕方からどこかに行ける!?
「クリスマスなんだけどさ…夕方からなら空いてるよ」
「ほんと!?」
「クリスマスデートしよっか!」
産まれて初めてクリスマスを母親以外の異性と過ごす。それもソレイユのあおいちゃん!激アツすぎる。
▽▲▽
クリスマス当日
朝からソワソワして落ち着かない。夕方からあおいちゃんとデートだ。落ち着けるわけが無い。
「かなた~ってなんでそんなソワソワしてんのよ…」
「おぉ…かーちゃん…なんでもないよ…」
「いや…なんでもなくないでしょ…分かった!デートだ!」
「なんで分かったの!?」
「えぇぇぇ!?あってんの!?」
「いや~実は…///」
「女の子の写真見せなさいよ~」
スマホのフォルダーを開き、あおいの写真を見せる。
「この子」
「めっかわ!」
めっかわ!?なんじゃその単語。
「めっちゃかわええやん…///どこで引っかけて来たのよ~!やるじゃない!」
「実はバイト先の学園の女の子なんだ…///」
「スターライトか…ん?青い髪?…もしかして!霧矢あおいちゃんじゃない!?」
「え!?かーちゃんしってんの!?」
「ドラマに出てんだろ!高校生とは思えない演技力!アイドルとしても可愛い!サイコーよ…!」
「まぁ確かにそうね…」
「付き合ってんの?」
「まだ…だけど…///」
「ふ~ん…まだ…ね…」
ニョホホホホっとキッチンへ消えていく母親。何かとすぐにバレるのは何故だ?
「そういえば!かーちゃんが元アイドルってあおいちゃん知ってたよ」
「え…えぇぇぇ!?」
いきなり大きな声だすな!びびるだろ!
「サイン欲しいって…」
「いくらでも書く!何百枚でも!!」
かーちゃんの目がキラッキラに輝いてる。凄いな…
「夕方から出かけるから、晩飯いらないよ」
「ウヘ…ウヘヘヘヘ…あおいちゃん…会いたいな…」
かーちゃんがヤバい声出してる。そのうち捕まるんじゃないか?大丈夫だろうか…とりあえず部屋に戻ろ…
▽▲▽
そろそろ約束の時間だ。集合場所であおいちゃんを待つ。クリスマスにデートなんてしたこと無いからドキドキしてしまう。
「そこのおに~さん!」
「ひゃい!」
いきなり声をかけられ、変な声が出た。
「おまたせ!」
「あおいちゃんか…って!唇の色…///」
「そう!この前プレゼントしてもらったやつ!」
「似合うよ…///」
「ありがと!」
杉崎くんに褒められた///どうしよ!凄く嬉しい!穏やかじゃない!
「あおいちゃん、デート行こっか!」
「うん!」
俺達2人は街へと歩きだした。
▽▲▽
「仕事終わりで疲れてない?」
「ううん、大丈夫だよ!」
「とりあえずご飯食べよっか」
「フッフッフッ…そう言うと思って予約してあります!」
「なんですと!?」
あおいちゃんが予約をしてくれていた。できる子だ…イケメン…///
「さぁ!ついてきて!」
あおいについていくと高そうなレストランに着いた。ドレスコードとかありそうな雰囲気だぞ。英語で店の名前が書いてあるけど読めない。
「ここ、前にドラマの撮影で使ったことあるんだ!お料理が美味しいの!それでオーナーさんが今日は特別に個室をどうぞ!って」
「アイドルと周りにバレないように配慮してくれたのか…ありがたい」
「受付しよっか」
あおいに続いて入店する。入店すると店内が豪華だった。シャンデリアに高そうな絵画。そして割ったら人生が終わりそうな壺。
「こちらです」
落ち着いた雰囲気の店内を歩く。一般の人達が座る席を横目に別室に案内される。
「うわぁ…マジか…」
「凄いでしょ?」
あきらかにフカフカそうな椅子。ピカピカの机。キラリと光るカトラリー。
「あおいちゃんって何者?」
「アイドルが大好きなアイドルです!」
あおいは、ウインクをして奏太に自分の事を告げる。
席に着くと、店員が水を運んできたり飲み物や食べ物のオーダーを聞きに来る。
「お願いします!」
「かしこまりました。少々お待ちください」
あおいちゃんがコース料理を頼んでいたが、一体いくらするんだ?
「杉崎くん、こういうお店初めて?」
「初めてで緊張してる…」
「安心して私も」
テーブルマナーを学校の授業で習っていて助かったと思った奏太。でも店内の雰囲気が凄すぎてガチガチに緊張している。
「失礼いたします」
店員がノックして、入室してくる。見たこともない豪華な料理が運ばれてきた。うまそうだ…!
「こんな高そうな料理食べたことないよ…」
「料理も来たことだし!いただこっか!」
「だね!」
あおいちゃんとお話しながら、美味しい料理をいただく。あおいちゃんのアイドル話を聞いたり、奏太が車について話したりと、ずっと話していた。
「美味しかったね!」
「満足!」
お腹いっぱい食べた。どれも美味しくてまた来たい。特にステーキがウマかった。また食べたい!
「私、杉崎くんにプレゼント貰ったから私も杉崎くんに何かプレゼントしたい!」
「ホント!?嬉しいな…///」
「街に出よ!」
「おう!」
お会計に行こうと席を立つが、奏太はここの会計がいくらするのか怖かった。
「お支払金額は、こちらになります」
ん!?たっか!2人で4万!?コース料理だったもんな…高校生の4万は高いな…
「ここは私が出すから気にしないで」
「でも…」
「こう見えて人気アイドルですから!」
「すみません…」
次は俺が何かご馳走しなきゃな…バイト頑張ろ…
奏太とあおいは、レストランを出て奏太のプレゼント探しに出る。街はクリスマスということもあり、サンタのコスプレをした人達が沢山いる。
「杉崎くん欲しいものある?」
「なんだろ?アクセサリーかな?」
「見に行こ!」
アクセサリーを探しに2人で街を歩く。奏太の横を歩くあおいは、時どき当たる奏太の手を握った。
「あおいちゃん?///」
「手、寒いでしょ?握ってた方が暖かいかなって思って…///」
「暖かいよ…///」
好きな子と手を握って歩くってこんなにも幸せなのか…///凄く嬉しいな…///
奏太と手を繋いで歩くあおいは、アクセサリーショップに入る。2人で色んなアクセサリーを見てどれにするか悩んだ。
「これとかどう?」
あおいが指差したのは、シルバーのブレスレットだった。
「それカッコいい!」
「これプレゼントするね!」
あおいは店員を呼び、購入する。すぐに支払いを済ませて奏太の左腕にはめる。
「杉崎くん似合うよ!」
「そうかな?///」
「カッコいいよ!」
「大事にする」
左腕にはめられたブレスレットを見つめる。街のライトが当たり、キランと反射する。
△▼△
「今でも大事にしてくれてありがとうね!」
「あおいがプレゼントしてくれたんだから当たり前だろ?」
「私の事も大事にしてくれる?」
「ずっと大事だよ」
その言葉を聞いたあおいは、嬉しさのあまり奏太に抱きつく。
「嬉しい…///」
「じゃあ…そろそろ付き合った時の話する?」
「しちゃおっか!」
あおいちゃんかわいいですよね!