あおいと付き合い始めて数週間。奏太は、授業を聞かずに空をずっと見ていた。
あおい…可愛いな~昨日2人で撮った写真をずっと見てしまうよ~ニヤニヤが止まらない!早くバイトの時間にならねぇかな?
「お~い!杉崎!話聞いてるか?」
担任の先生に話しかけられるが、今はそれどころじゃない。
「きいてま~す」
「テスト出るからな!」
「あ~い」
あおいに会いてぇな…
「なぁ…春斗」
「なんだ?健司」
「奏太のヤツ…おかしくねぇか?」
「だな…」
「話聞いてみようぜ」
「おう!」
△▼△
昼休み
「奏太…上の空だな」
「そんなことないぞ!」
「嘘だ」
バレたら一番めんどくさい2人組に話しかけられた。なんとかやり過ごさないと…
「ないったらないの!」
「「怪しい…」」
コイツら、カンだけは良いんだからな…頭は悪いのに…
「今日早帰りだろ?どっか行くか?」
健司が奏太を誘う。いつもなら3人で出掛けるが、奏太は誘いを断る。
「わりぃ!バイトだ!」
「なんだよ~!せっかくの早帰りなのに~」
これで逃げるしかない!許せ…!それより、トイレに行きたくなってきた。
「便所いってくるわ」
「へ~い」
春斗の腑抜けた返事を聞いて教室を出る。
「なぁ…春斗、奏太の後ろついてってみようぜ」
「尾行か?」
「あぁ」
「やってみっか!」
△▼△
「帰るわ~」
「おつかれ~」
奏太が教室を出たことを確認する。
「健司!行くぞ!」
「おうよ!」
奏太が駐車場に向かっていくのを後ろから尾行する。
「思ったけど…尾行するにも俺達のバイクの音で気付かれるじゃん…」
「制服着てるしな…」
2人で落ち込んでいると奏太のバイクのエンジン音が響く。このままだと奏太が行ってしまう。
「あ!奏太が出てくぞ!」
「チッ!今日は諦めるか…」
奏太がバイクで門から出ていくのが見えた。
「仕方ない…健司、どっか遊び行こうぜ…」
「ゲーセン行くか?」
春斗と健司は、男2人でゲーセンに向かった。
△▼△
スターライト学園では、いちごによる事情聴取が始まっていた。
「さぁ!大人しく話なさい!」
「い、いちご!?どうしたの?」
「杉崎くんとのイチャイチャ話を聞かせてよ!」
「イチャイチャって…まだしてないんだけど…」
「な~んだ!してないのか~」
な~んだとは、なんだ!私だって…奏太とイチャイチャしたいもん…///でもお互い初めてお付き合いするからどうしたらいいのか分からないんだよ…!
「なぁ、あおい。付き合ってから何か変わった事とかあるのか?」
「ん~?呼び方が変わったぐらいかな?」
「なんて呼んでるの!」
いちごさん…食い付きが凄いですな…
「か、奏太って…///」
「ってことは!杉崎くんは、あおいって呼んでるの!?」
「いちご!声でかいよ!」
「だって気になるんだもん!」
あまりにも大きな声で喋ったせいでクラスの皆がゾロゾロと近寄ってきた。
「あれ?いつの間にか皆いないか?」
蘭が焦りだした。私も勿論だが焦る。
「皆さん?近寄ってきてどうしたのかな…?」
「「「「あおい!私達にも話聞かせて!」」」」
「やっぱり?」
恥ずかしいよ!///みんな高校生って事もあるから恋愛に興味津々だ。気持ちは分かるけど…いざ聞かれる立場になると中々辛い…
その時、外からバリッ!バリッ!と奏太のバイクの音がした。この学校に通ってる子なら誰だか1発で分かってしまう。
「杉崎くんが来たわよ!話聞きに行くよ!!!」
クラスメイトがいきなりそんなこと言うもんだから、ほとんどの子が走って出ていった。
「やばい!奏太に教えないと!」
アイカツフォンを開き、電話する。
『もしもし!奏太!?』
『どうしたんだ?そんな焦って…』
『そっちにクラスのみんなが走っていったよ!私との話を聞かせてって!』
『ん?なんだ?あの土煙は?』
奏太が目を凝らして良くみると、女の子達が走ってきている。
『うわ~!!女の子の大群が押し寄せて来た!!!』
『逃げて!』
奏太は通話を終わらせて、走って逃げる。
「こら~!待て~!」
「杉崎くん!観念してお縄につきなさい!」
おい、俺を捕縛しようとしてるぞ。おかしいだろ。
「なぜ俺を捕まえようと…!」
とりあえず走って逃げるぞ!後ろなんて見てられねぇ!
敷地内を爆走する男子高校生と女子高生の大群。異様な光景である。
「みんな!なんでこのスピードについてこれるの!?」
「「「「「アイカツしてるから!」」」」」
忘れてた…彼女たちはアイドルだった…毎日ランニングしてますね…!
「クッソ~!!!!」
お願いだ…!追っかけ回すのやめて!!!
△▼△
なんとか逃げきれて、体育倉庫の裏に隠れられた。壁から少しだけ顔を出して見ると、女の子達がウロウロしている。
「はぁ…疲れた…」
ブーブーとスマホが揺れる。
「あおいから?」
『どこにいるの?』
「『体育倉庫の裏に隠れてるよ』っと…」
『そっちに行くね』
ふぅ~少し座って息を整えよう…なんだか…暗くなった?
「み、つ、け、た…」
「へ?ギャァァァァァ!!!」
奏太は、見つかってしまい、ダッシュで走り去る。
「あれは!あおい!」
「奏太!?」
「あおい!逃げるぞ!」
奏太は目の前に現れたあおいの、手を握り走る。その瞬間、曲がり角から誰かが出てきた。
「いっ!」
「アナタ達!廊下を走らな…
ドンッ!とぶつかる。
イタタ…!さっきの声…学園長?とりあえず立ち上がらないと…なんだかデカくて柔らかいな…しかも目の前が真っ暗だ…
「ア、アナタね…その手を離してちょうだい…///」
「目の前が暗くて何を触ってるのかわからないですよ!」
「でしょうね…///霧矢のスカートの中に顔が入っていれば目の前は真っ暗なのは当たり前よ…///」
「え!?///」
「奏太…///」
スカートから顔を出すと目の前にあったのは水色のパンツ。左手は学園長の胸をしっかりと握っている。
「これには…事情が…」
「それより後ろのアナタ達もなにしてるの!!」
「「「「はい…スミマセン…」」」」
「杉崎くん…学園長室に来なさい…」
「ハイ…」
△▼△
「なんでそうなったのか話してちょうだい」
「実は...」
奏太は織姫に、あおいと付き合ってることやその件で追いかけ回された事を話した。
「はぁ…なるほどね...事情は分かったわ。霧矢との関係はちゃんと真剣に考えての事よね?」
「それは勿論です」
「彼女を泣かせない、悲しい顔をさせないこと!わかったかしら?」
「絶対に幸せにしてみせます!」
「流石、男の子ね!期待してるわ」
「さてと!次は追いかけ回した彼女たちね…」
学園長…顔がマジの顔してるわ…
「アナタ達!グラウンド100周よ!」
「「「「え~!!!」」」」
「返事は?」
「「「「はい...」」」」
ゾロゾロとグラウンドにみんな歩いていった。織姫学園長って鬼だな…「美しい顔してるのに…」
「私、美しい顔してる?」
「え!?俺の心の声読んでるですか!?」
「声に出てたわよ…///年上口説いても何も出ないわよ///」
「口説く!?///」
「アナタには霧矢がいるでしょ!でも…私がアナタと同じくらいの年齢だったら…惚れてたかもしれないわ…///」
「!?!?!?///」
「冗談よ」
ジト目で睨まれた。学園長でも冗談って言うんだ…クソ真面目だから言わないと思ってた…
「ほら!扉の外で霧矢が待ってるわよ」
「し、失礼しました」
学園長室を出るとあおいが立っていた。
「おまたせ」
「怒られた?」
「俺は怒られなかったけど…女の子達は…」
「見たよ…みんな顔が死んでた」
「とりあえずバイトしてくるわ!」
「終わったら学食で!」
あおいと別れてバイトを始める。敷地内のゴミを回収をする。グラウンドに向かうと織姫学園長が鬼みたいに怒りながら100周するのを見守っている。怖いな…俺は気にせずごみ袋を集める。そのままゴミ捨て場に持っていって備品整理をした。
「終わった~!」
あおいが待ってるから学食に行く。学食に入ると顔が真っ青な女の子達がソファにもたれかかっている。しかもそこらじゅうに。
「お疲れさま!」
「あおい、お待たせ」
「今日はなに食べる?」
「チャーハン大盛り!」
「私は…パスタかな?」
「注文行こうぜ」
「うん!」
あおいと晩飯を食べる。食べていると、蘭といちごが来た。
「アイツら…学園長に絞られたみたいだな…」
「私もおっかけてたらと思うと…」
いちごがぶるぶると震えている。いちごのリボンもシュン…ってなっている。そのリボン、感情と連動してるのか?
「仕方ないよ、学園内走り回ったんだもん」
「俺も危うく怒られるところだった…」
「奏太!指ケガしてるよ!」
「あれ?ホントだ…でもそんなに血出てないし…ツバつけとけば治るよ」
「ダメ!ほら指出して!絆創膏貼るから...」
「ウッス…///」
「蘭!見て!これが愛だよ!愛活だ!」
「それ…愛活か?アイカツと愛活をかけてるだけだろ…」
「えへへ!」
いちごの変なネタ発言を聞きながら絆創膏を貼ってもらう。あおいの細く綺麗な指を見つめてしまう。
「はい!できた!」
「あおい、ありがとな」
「そろそろ帰る時間?」
「だな…明日休みだからゆっくりしたいけど門閉められちゃうから...」
「そっか…じゃあ門まで送るよ!」
「ありがと!」
あおいと学食を出て、駐車場に向かう。
「あれ?杉崎のヤツ、スマホ置いていったな。いちご届けに行くぞ!」
「アイアイサー!」
蘭といちごは、走って奏太達を追いかける。
「あれ?駐車場にいないぞ?もう門に向かって行ってるのか…いちご!門だ!」
「あいよ!」
ビシッと敬礼して蘭と共に走る。
△▼△
「奏太…今夜電話してもいい?///」
「いいぞ?明日バイトも学校も休みだから寝るまで電話するか?」
「あ、私も明日お仕事無いから遅くまで電話できる!」
「あおいの声を聞いて寝ようかな?」
「私も奏太の声を聞いて寝ることにするね!」
奏太達は門まで来た。エンジンをかけるため、バイクに乗る。エンジンをかけようとしたら後ろから大声が聞こえた。
「すぎさき~!!スマホ!!」
蘭だ。スマホ?ポケットに入れた気がするぞ?
「ホントだ!ポケットに入ってない!」
「はぁ…はぁ…忘れ物だ…」
「蘭、ありがとな」
「ところでいちご来てないか?」
「いちご?蘭と一緒にだったんじゃ?」
「さっきまで一緒に走って杉崎達を追いかけてたんだが…気がついたらいちごがいないんだ」
「え?神隠し?」
いちごちゃん、なにしてるんだか…てかブンブン、バイクの音がする。この時間ってこの辺バイク走ってないのにな…
3人で話しているとすぐ近くからバイクの音が聞こえてくる。マフラーが変わっているらしくうるさい。段々と音量がデカくてなってきた。近づいてきている。
「ん?JADEとXJか?」
JADEとXJか…まさかだけど…ね…そんな訳ないか…
「見て!ネコ!」
草むらからネコを抱えたいちごが出てきた。
「「あ!!奏太!!」」
門の目の前で男性2人に名前を呼ばれた。しかも俺と同じ制服を着ている。
「あれ?春斗と健司?」
「奏太!なにしてんだよ!」
「ここってスターライトじゃねぇか」
「なにってバ先だけど…」
「うわ!!ソレイユだ!」
健司が驚いて、ヘルメットを脱ぐ。
「奏太のお友達の春斗くんと健司くん?」
「この前病院で会ったよな」
蘭が2人を見て思い出したみたいだ。
「そう!俺、健司!アイドルファン!いちごちゃん推しで…!」
「私のファン?やった!」
「あの…握手とかって…」
「いいよ!はい!」
いちごが手を差し出す。
「嘘…!夢か…!」
健司も手を出す。いちごが健司の手を握る。
「これからも応援よろしくね!」
「この手…一生洗いません…!」
「洗わないとご飯食べられないよ?」
「洗います!」
厄介なアイドルファンだな…
「奏太、あおいちゃんのこと…呼び捨てなのか?この前の病院では、あおいちゃんって呼んでた気がするが…」
春斗が奏太に問いかける。
「え!?あ、あぁ…」
「もしかして…付き合ってたり?」
ヤバい…!バレる…!
その瞬間、あおいが春斗の質問に答えた。
「私、奏太と付き合ってるの!世間には内緒にしておいてほしいの!お願い!」
「あおいちゃんのお願いなら聞くしかねぇな…奏太あとで話聞かせろよ!」
「春斗…!ありがと!」
「健司!早く帰らねぇと荷物きちまうよ!」
「頼む!あと少しだけ…いちごちゃんと話さしてくれ…!」
「ダメだ!てめぇのマフラー届くんだから...!」
「あぁ!いちごちゃん!またね!」
「ばいば~い!」
春斗と健司は颯爽と消えていった。ふぅ~なんとかなって良かった!
「今日は、ヒヤヒヤすることが多いな…」
「でも…病院でも思ったけどいい友達だね!」
「まぁな!」
やっと1日が終わる。家に帰って、あおいと電話して寝よう。疲れた…
ダイエット始めました!そろそろあおいちゃんと奏太くんを次のステップに進ませます!