転移したら異世界だった件~~新たな神話   作:izuki

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えーー5か月ぶり?です。はい。
待ってくれている方がいたかは、分かりませんがお久しぶりです。
昨日、「蒼海の涙編」を見てきたので少しだけモチベが復活しました。
映画よかったです!
あんまり詳しいことは言えないんですけど、ゴブタが主人公しててよかった!
リムルはまたさらっとヤバいことしてたけど。
それと、久しぶりに執筆したので文章でおかしいところや誤字なんかがあったら教えて欲しいです。
それでは第十八話どうぞ。





第十八話 仕事

 町から少し離れた森の奥。

 俺が訓練場として使っているそこではゴブタを含めた六人のホブ・ゴブリンとシズさん。

 そして一人の鬼人が木刀を構え訓練をしていた。

 

 「「「「「「やあああ!」」」」」」

 

 木刀を構えて向かってくるゴブタ達を軽く躱して軽く打ち込む鬼人。

 

「ほらほら、かかってこんか!」

 

 その鬼人の名は”白老(ハクロウ)”。

 リムルが名付けをしたあの爺さんである。

 名付けをしたことで他の大鬼族(オーガ)たち同様、進化して鬼人となった。

 白老(ハクロウ)は剣術の達人であったようで大鬼族(オーガ)の里では剣術指南役だったようだ。

 そんな白老に興味半分でゴブタ達が指導を頼んだ結果が現状である。

 

「「「「「「ぎゃあああ!」」」」」」

 

 地面には倒れ込むゴブタ達、そして服にもチリ一つなく立っている白老(ハクロウ)

 まさに白老無双。

 ちなみに、リムルは少し前にシズさんに鍛えて欲しいと手合わせしたのだが、一方的にボコボコにされて帰ってきた。

 

豚頭帝(オークロード)?なんだそりゃ?」

 

 ゴブタ達がボコボコにされる様を少し離れた丘の上から眺めている俺とリムル。

 そして大鬼族(オーガ)達の頭領こと鬼人に進化した”紅丸(ベニマル)”。

 

「まあ、簡単に言うと……化け物です」

「本当に簡単だな」

「こう、もう少しなんかないのか?」

 

 俺たちは今紅丸(ベニマル)から豚頭帝(オークロード)という存在について聞いていた。

 

「数百年に一度、豚頭族の中に生まれると言われている、ユニークモンスターです」

「ユニークね」

 

 そういえばこいつ(リムル)もユニークモンスターの分類に入るんだったな。

 ランクとしてはリムルと同じか。

 

「何でも、味方の恐怖の感情すらも食う為、異常に高い統率能力を持つんだとか」

「うへぇ」

「里を襲った豚頭族どもは、仲間の死にまるで怯む事が無かった。あるいは………と思いまして」

「なるほどね……たしかに可能性はあるか」

 

 味方の恐怖の感情すらも食う……か。

 つまり、死という恐怖に怯まない無敵の軍隊が出来上がるというわけだ。

 

「まあ、可能性で言えば、非常に低い話です。」

「ふ〜ん?」

「他に、里が襲われた理由に心当たりは?」

「そうですね……関係あるかは分かりませんが、襲撃の少し前にある魔人が里にやってきて、「名をやろう」………と言ってきたんですが、あまりに胡散臭かったので、追い返しました所、悪態をつきながら帰っていきましたね」

 

 魔人、ね。

 そういえば、襲撃の際にも仮面を着けた魔人が居たと言ってたな、なにかしらの関係がありそうだ。

 そいつがなんらかしらの手引きをして、豚頭族(オーク)達を大鬼族(オーガ)の里に誘導したという可能性も考えられる。

 

「そいつから、恨みを買っているかもしれないって事か」

「仕方ありませんよ。主に見合わなけりゃこっちだってごめんだ。名を付けてもらうのも、誰でも良いってわけじゃありませんからね」

 

 ベニマルのその言葉に傍らに侍る嵐牙と雪菜も頷いていた。

 そう思ってもらえるのは嬉しいものだ。

 もっとも紅丸(ベニマル)に名付けをしたのは俺じゃないが。

「なんて名前だったかな?確か………ゲラ、ゲリ、ゲレ、ゲロ?」

「ゲルミュッドだ」

「そう、それだ」

 

 名前を思い出せずにいた紅丸(ベニマル)の代わりに木の影から現れた蒼影(ソウエイ)が答える。

 だが、ゲルミュッド……たしかその名前は……

 

「ゲルミュッド……何か、どっかで聞いた事がある名前だな」

「確か、リグルの兄に名付けした奴と同じ名前だ」

「ああ、そうだった。あちこちで名前を付けてんのか?なぜ?」

「分からん」

 

 どうやらゲルミュッドという名前の魔人が何かしら裏で糸を引いていると見ていいだろう。

 気を付けておいた方がいいだろうな。

 

「報告がございます。リムル様、シキ様」

「ああ」

蜥蜴人族(リザードマン)の一行を目撃しました」

蜥蜴人族(リザードマン)豚頭族(オーク)じゃなくて?」

「はい。湿地帯を拠点とする彼らが、こんな所まで出向くのは異常ですので、取り急ぎご報告をと」

「ふ〜ん」

「何やら、近くのゴブリン村で交渉に及んでいる様でした。ここにもいずれ来るかもしれません」

「交渉ね」

 

 シズさんに教えてもらったが、蜥蜴人族(リザードマン)が住処にしているシス湖からこの町はかなり離れた場所にある。

 それなのに、わざわざこちらの方まで来て交渉というのは確かに変な話だ。

 ……もしかしたら蜥蜴人族(リザードマン)豚頭族(オーク)の動きをすでに察知しているのかもしれない。

 

「戦力集め……」

「可能性としてはありえるかと」

「……一応警戒しておいてくれ」

 

 そう言うと蒼影(ソウエイ)は音もなく消えた。

 恐らく、偵察に戻ったのだろう。

 

「さて、紅丸(ベニマル)この後予定はないか?なければ少し付き合ってほしいんだが」

「問題ありません。それに俺もシキ様とは一度剣を交えてみたいと思っていたので」

「お、やるのか。がんばれよー」

「リムルも一緒にやるか?」

「い、いや、俺はこの後用事があるのでぇ……」

 

 作り出した木刀をベニマルに渡しながら、俺も一本を手に取る。

 軽く振って出来を確認した後、白老(ハクロウ)の訓練に加わるようにして剣を交えた。

 

 

 

 

 

 そして、紅丸(ベニマル)達が仲間に加わって数日が過ぎた。

 当初は彼らがこの町に馴染めるかどうか少し不安だったがそれは杞憂だったようだ。

 それは目の前の光景を見ればわかる。

 

「へぇ、焼き入れんの時の温度は勘なのかい?」

「んだ。火の色を見れば、大体分かるだよ」

「俺は測るなあ」

「おらも戻しの時はきちっと測るだよ」

「ああ、外が寒いと粘りが出ねぇからな」

 

 今、俺がいるのはカイジンの工房。

 そして話し込んでいるのは、俺が名付けをした大鬼族(オーガ)の一人である黒兵衛(クロベエ)

 彼は大鬼族(オーガ)の里では刀鍛冶であったらしく紅丸(ベニマル)達が使っていた刀は黒兵衛(クロベエ)が打ったものらしい。

 どうやら最初に会った時の俺の感は外れていなかったようで、それなら同じく鍛冶師のカイジンと気が合うのではないかと思い引き合わせたらすぐに意気投合した。

 今日は二人に少し頼み事があったので立ち寄ったのだが、ご覧の通り鍛造に関する話し合いに巻き込まれてしまいかれこれ二時間ほど聞いている。

 この後も少し寄るところがあるためそろそろ頼みたいんだが。

 

「あー……悪い、そろそろいいか」

「ん?ああ、すまねえ」

「少し、話し込んじまっただよ」

「いや、いいんだ。ただ今日は二人に頼みがあってきたんだ」

「頼み?」

「ああ、俺の剣を作って欲しい」

 

 俺は懐から折り畳んだ紙を取り出し、作業台の上に広げた。

 

「ほう、こりゃあ……」

「双剣だべか」

 

 俺が差し出した紙を、カイジンと黒兵衛(クロベエ)は並んで覗き込む。

 描かれているのは二振りの剣の図案。

 やや強めの湾曲を持つ片刃の剣。

 刀身はそこまで長くはなく、短剣と言っても過言ではない。

 

「よくできてんなぁ、素人が書いたようには見えんぜ」

「そりゃどうも」

「重心指定まであるだよ」

「……まさか、投げる気か?」

「俺の戦い方には必要だと思ってね」

「なるほど……おもしれえ……」

 

 カイジンは図面から俺がしたいと思っていることを見抜いたようだ。

 大分無茶苦茶な注文をしていることは分かっているんだがどうだろうか……?

 

「無理か?」

「無理とは言ってねぇ」

 

 そう言ってカイジンは鼻を鳴らし、図面を指で弾いた。

 どうやら職人魂に火が付いたようだ。

 

「おらも手伝うだ」

「おう、頼む。この図面は預かるぜシキの旦那」

「ああ、出来たら教えてくれ」

 

 俺が描いた図面を持って黒兵衛(クロベエ)と一緒に奥の部屋に入っていった。

 これから細かい部分を詰めていくんだろう。

 後は完成報告を待つだけ。

 ここでの用事は終わったので俺は工房を出て次の目的地に向かう。

 その途中で同じ場所に向っているであろうリムルたちに出会った。

 

「お、シキ。用事は終わったのか?」

「ああ……予想以上に時間がかかったけど。そっちはこれから?」

「はい、これから朱菜様のところへ向かうところです」

 

 リムルの代わりに答えたのは。

 スライム状態のリムルを抱きしめている紫髪の鬼人の女性、”紫苑(シオン)”。

 リムルに名付けをされた野性味のある大鬼族(オーガ)だ。

 彼女はリムルが目覚めてすぐにリムルの秘書を名乗り出た。

 現在は、リムルの秘書兼護衛役だ。

 

「なら、一緒に向っても?」

「ああ、いいぞ」

 

 そのまま道なりに進み、目的の建物に着いた。

 扉を開けて中に入る。

 

「ふへぇ、綺麗なもんだなぁ。」

「これが絹糸で織った反物ってやつかい」

「はい。原料に使っているヘルモスの繭には魔素がたっぷりふくまれているので、とても丈夫なのですよ」

「なるほど、防御力も期待できるってことかい」

 

 中ではガルム、ドルド、ミルドが、完成した綺麗な布を眺めているようだ。

 

「凄いな、もう絹織物が出来たのか」

「シキ様!リムル様!」

 

 俺が声をかけるとこちらに駆け寄ってくる桃色髪の鬼人の女の子。

 彼女は”朱菜(シュナ)”。

 私が名付けをした大鬼族(オーガ)であり大鬼族(オーガ)の姫。

 朱菜(シュナ)は織物が得意で、織姫とも呼ばれていたらしい。

 そのため衣類制作を担当していたガルムたちと一緒に絹織物の制作を頼んだ。

 

「いらして下さったんですね!シキ様!リムル様も!」

 

 朱菜(シュナ)が嬉しそうに俺の方へ寄ってきて手を握ってきた。

 この間からこうなんだが、少し距離が近いような気がする……気のせいかな?

 別にいやというわけでは無いのだが……それはそれとして隣のスライムは、しばく。

 

「それで、どんな具合だ?」

「はい。カイジン様が作ってくださった織り機は、とても使いやすいです」

「そうか、良かった」

「この調子で、皆の衣類の製作を頼むよ」

「はい!お任せ下さい!」

 

 楽しそうで何よりだ。

 紅丸(ベニマル)が言うには、趣味以外で織物などしていなかったそうだ。

 それに、箱入りのお嬢様だったから余計に、頼られるのが嬉しいのだろうと言っていた。

 

「では、リムル様。参りましょう。お昼が冷めてしまいます」

「あっ、紫苑(シオン)、秘書のお仕事は、ちゃんと出来ているのですか?」

「勿論です、朱菜(シュナ)様」

「シキ様もご一緒にどうでしょう?今日は私が作ったんですよ!」

 

 胸を張って自慢げに言う紫苑(シオン)

 ここまで自信満々に言うのだら、きっと料理が出来るんだろう。

 少し失礼だが、意外だ。

 

「そうだね、まだ昼食は食べていないし「シ、シキ様!」……朱菜(シュナ)?」

 

 ご一緒させてもらおうと返事を返していた俺に割り込むように朱菜(シュナ)が声を掛けてきた。

 振り向いて朱菜(シュナ)の方を見ると、その表情はなにか焦っているような感じだ。

 

「あの……もしお昼がまだでしたら、私に作らせてください」

「え、でも朱菜(シュナ)に迷惑だろうし」

「いえ!そんなことありません!」

 

 なんだろう、少し押しが強いな…………そういえば紫苑(シオン)の料理の話になってから様子がおかしいような………………………………まさか。

 いや、そんなはずは、あんなに自信ありげに言ってたんだぞ?

 いやあ、でも………………

 

「良いじゃん、シキ。朱菜(シュナ)に作ってもらえよ」

「シキ様、朱菜(シュナ)様の料理は本当に美味しいのですよ!」

「……ああ、うん……そうするよ。頼めるかな朱菜(シュナ)

「はい!おまかせください!」

「では、リムル様。私たちは参りましょう」

「じゃあ、また後でなぁ~」

 

 紫苑(シオン)に連れられてリムルは織物工房を後にする。

 

「……なあ、朱菜(シュナ)。もしかして紫苑(シオン)って」

「はい……紫苑(シオン)は、その……」

「ああ、うん大丈夫。その反応でだいたい分かった」

 

 ああ、やはりか。

 俺の感は正しかった。

 

「解毒薬と胃薬を用意しておかないと……」

「解毒剤⁉︎」

 

 胃薬はまだわかるけど、解毒剤?

 え、そんなに酷いの?

 よかったついていかなくて。

 

「では、私たちも参りましょうか」

「あ、いやちょっと待ってくれ。朱菜(シュナ)に頼みたいことがあるんだった」

 

 食堂に向かおうとする朱菜(シュナ)に俺は懐から取り出したカイジン達に渡したのとは別の図面――というか絵を見せる。

 

「こんな感じの作って欲しいんだけど――」




PS.その後、食堂に向った我々は顔を紫色に染めて倒れている犠牲者を発見した。
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