うた、俺はお前の隠し事を聞かない。ただし隠す努力はしてくれ。   作:のろとり

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 名探偵プリキュア見ました。以下感想。
序盤(青レンガだ。赤じゃないんだな)
中盤(ふむ。頭の体操になりそうな謎解きだな)
終盤(あれ、踊るの三人か。前半二人、後半四人だと思ってた)

 時系列は第29話です。
 具体的に言うと、メロロンがグリッターから飛び出した後です。


第19話 うた、少しの間俺はうたと離れる。ただしすぐに会えるから心配するな。

「分からず屋?」

 

『うん。メロロンがプリルンにそう言って出ていっちゃってね』

 

「プリルンに、ねぇ……」

 

 夏休みも終盤に差し掛かった頃。

 以前図書館で本を返した時、何か借りようとしてメロロンの料理対決の手伝いで忘れてたのを思い出した俺は、再度図書館の前まで脚を運んでいた。

 

 そしていざ入ろうとした時、ポケットに入れていたスマホが震えた。

 相手を確認するとうたであり、俺は電話に出るとメロロンがプリルンと喧嘩したと言う珍しい話を聞かされた。どうやらその事でみんなと意見を交わしており、俺の考えも知りたいようだ。

 

 まずメロロンは基本的にプリルンの言葉を殆ど肯定する。

 例えばうたから「一緒に遊ぼう」と誘っても断るが、プリルンから「メロロンもうたと遊ぶプリ」と誘われたら、仕方ないと言いながらその提案に乗るほどに。

 

 そんなメロロンが許容出来ないほどの会話があったとしたら……そうだな。以前メロロンとデートの下見に行った時に、自分が知らない間にうたにプリルンを盗られたと思って「ねえたま泥棒」と言っていたし、メロロンの中で自分の側からプリルンが離れたと感じるような出来事だと予想出来る。

 

 まぁそれだけだとメロロンがプリルンに対して分からず屋と言った部分が分からないが……あぁいや、そんな難しく考える必要は無いか。

 プリルンが自分の気持ちも分かってくれないって意味で言ったなら、感情が爆発して勢い任せに行動したのにも納得がいく。

 

「なるほど。状況はなんとなく分かった」

 

『今ので分かったんですか!?』

 

「大方、友達になろうとか仲良くなりたいって言ったんだと思うが……」

 

『合ってるタナ』

 

「やっぱり合って……え、待って。今の誰」

 

『タナカーンタナ。今は妖精の姿になってるタナ』

 

「なにそれ知らない」

 

 すみません田中さん、妖精の姿になれるとか初めて聞いたんですが。

 てっきりキラキランドには妖精と人間が住んでると思ってたけど、もしかして妖精オンリーだったりする?

 

「と、兎に角メロロンは友達になろうって言われて驚いたんだろうな」

 

 キラキランドの妖精がどうやって人間になれるのか気になる部分はあるが、それは今度田中さんに聞けば簡単に解決するだろう。

 俺は逸れそうな話題を無理矢理戻し、どうしてメロロンが出ていってしまったかをうた達へと説明する。

 

『私、普通にメロロンと友達になりたかっただけなのに……』

 

「その普通はあくまで俺達基準の話だ。プリルンが自分の世界の全てなメロロンは、唐突にうた達が入ってきたから混乱したんだろうな」

 

 よく漫画で「もう私達は友達だよ!」と言う台詞があるが、それはあくまでそう思ってる本人側の認識であり、友達になろうと宣言しなくても友達になるのは普通だと思っている結果だ。

 

 その普通を相手に押し付ければ、普通を持っていない相手からすれば驚くのは当然だ。なんせ自分にとって普通じゃない───悪い言い方をすれば、異常を押し付けようとしてきてるのだから。

 

 特にメロロンの持つ普通は、プリルンだけが友達であり全てである。

 それの良し悪しはあくまで本人が決める内容でありそこには言及しないが、その普通を外部からの接触で急に変えようとしたら、メロロンで無くとも拒絶してしまうだろう。例え本人に変わろうと言う思いがあったとしても。

 

『でも台助先輩はメロロンと仲が良いですよね?』

 

「端から見たらそうかもしれないけど、俺の場合は一定の距離を保ってるからギリギリ許されてる感じだからなぁ」

 

 ななちゃんの言葉に俺は自分とメロロンとの関係を説明する。

 メロロンとしては自分の世界に入ってこない場合はセーフなのか、俺や田中さんがメロロンに構ったり、プリルンと接しても文句を言ったりはしない。

 

 恐らくは必要以上に構ったり、プリルンが盗られたと思うような状況が起こらなければセーフなのだろう。尤も、それらは全てメロロンの主観によるので見極めが難しくはあるが。

 

『メロロンと台助は仲良しじゃないプリ?』

 

「仲は良いな」

 

『じゃあメロロンも台助はお友達プリ!』

 

「でもメロロンから見たらどうかは分からないな」

 

『プリ?』

 

 うた達の反応から察するに、今のメロロンはプリルンだけ居れば良いと言う態度を貫いているのだろう。

 

 俺とメロロンが仲が良いのは否定しないが、俺がメロロンの世界に脚を踏み入れるのを許可されるほどの距離は縮まっていない。むしろうた達と同じように距離を詰めれば、メロロンに拒絶させるのが目に見える。

 

『台助先輩。私達、メロロンと仲良くなりたいんです! どうすれば良いですか!』

 

「メロロンから一歩踏み出すのを待つ。それしか無いかな」

 

 こころちゃんは今すぐにでもメロロンと仲良くなりたいようだが、自分達から歩み寄った結果が今の通りだ。

 友達になりたい気持ちをそのものを否定するつもりはない。だが今のメロロンにその気持ちをぶつけるのは酷だろう。本当はメロロンが自分から「友達になってほしい」と言うまで待つのがベストだと思うが、あのメロロンが素直に言葉を伝えられるか聞かれれば……難しいな。

 

 動かなければ切っ掛けは生まれない。だが動けばメロロンから拒絶させる。どちらを選んでも前に進まないのなら、いっそのことこころちゃん達のような行動が正解なのだろうか。

 

「もしメロロンが仲良くなりたいって言うなら、俺はその背中をソッと押す。でもメロロンがこのままで良いって言うなら俺はなにもしない」

 

『台助はそれで良いプリ?』

 

「俺はあくまでメロロンの……本人の主張を大事にしたいからな」

 

 それでも俺の行動は変わらない。

 メロロンが前に一歩踏み出せるように道を整え、背中を軽く押す。所謂お膳立てだ。その上で本人がどうするかまでは関与しない。

 

 結局の所、どうするか決めるのは本人次第だ。そこに俺が介入してしまえば、その考えに価値は無い。何故なら他人が無理に背中を押した結果なんぞ、どうであれ本人が心の底から納得出来ないのだから。

 

「ただ」

 

『ただ?』

 

「いや、なんでもない」

 

 メロロンの考えはなんとなく分かっている。

 それを喋ろうか悩んだが、教えたら余計拗れるだろうとななちゃんの言葉に返答を濁す。

 

「ん? あれは」

 

 電話越しからの声が無くなり若干の静寂が流れる中、そういえばグリッターから出ていったメロロンは一人で何処に行ったのかと、ぼんやりと空を眺めていると、見覚えのある妖精が図書館の窓から中に入っていくのが見えた。

 

「悪いうた、少し用事が出来たから電話を切る。じゃあな」

 

『え? うん。またね!』

 

 俺は急いで電話を切って図書館の中へ入っていく。

 このままうた達と話していても話は進まない。どんな結果になろうとも、決めるのは今話してた俺でもうた達でもない。メロロンなのだから。

 

「メロ……」

 

「よ、メロロン」

 

「メロ!? どうしてここに居るメロ!?」

 

 と言うわけで本人に直接話をする。

 俺はメロロンが入った窓の位置からおおよその場所を計算し、椅子に座っているメロロンを見つけるなり、持っていた鞄を自身の横へ置いて座りながら挨拶をする。

 

 プリルンやみんなに言い過ぎたと思っていたのか、うつ向いて悲しい気持ちを表に出していたメロロンは周りを気にするほどの余裕は無かったのか、話しかけるまで俺の存在に気付かなかったようだ。

 

「図書館に用事があってな。そしたら空を飛んでるメロロンを見つけて、ここまで来たんだ」

 

「咲良うたから何か聞いたメロ?」

 

「何かってなんだ?」

 

「何も聞いてないなら良いメロ」

 

 実際は色々と聞いている。

 だがメロロンからすれば、そんなのはどうでも良いのだろう。聞いてるにせよ、聞いてないにせよ今のモヤモヤとした気持ちを誰かに相談したいのだから。

 

「……台助、一つ質問があるメロ」

 

「なんだ?」

 

「台助から見てメロロンはお友達メロ?」

 

 真剣な眼差しでそう聞いてくるメロロンに、俺はどう返事をしようか悩む。

 この質問をしてくると言う事は、メロロンの中でかなり心境が変化しているのだろう。それこそ誰かと友達になりたいと思うほどには。

 

 だからこそ悩む。

 ここで「メロロンは友達だ」と伝えるのは簡単だ。ただ自分の世界に土足に入られるメロロンがどう思うかの話とは別である。

 メロロンから一歩、此方に歩み寄ってくれたのは嬉しい成長ではあるが、俺から急に距離を詰めてはいけない。今はメロロンがゆっくりと距離を縮めようと頑張っているのだから。

 

「もし俺が友達だと言って、メロロンから違うと言われたら悲しいから秘密だ」

 

「ズルいメロ」

 

「そんなに気になるなら、メロロンから見て俺もどう思ってるか答えてくれないか? それしたら俺も教えるからさ」

 

 意地悪な質問だと自分でも思う。

 質問の答えをはぐらかした上で、メロロンの口から友達かどうか直接聞こうとしているのだから。それでもメロロンがうた達と友達になるには、自分から踏み出すのが必要だろう。それこそ今のように。

 

「メロロンは……」

 

「メロロンは?」

 

「いや、なんでもないメロ。ただの知り合いメロ」

 

「じゃあ俺もただの知り合いって事で」

 

「メロ……」

 

「どうした?」

 

「どうもしてないメロ」

 

 一瞬、悲しそうな声を出したメロロンに俺は見なかったフリをする。

 突き放しすぎただろうか。でも俺が「メロロンとは友達だ」と伝えても、今のメロロンでは「メロロンはそんな事思ってないメロ」と友達認定されないのは容易に想像出来る。

 だからメロロンが自分から言えるように……そう思ったが、対応を間違えてしまっただろうか。

 

「なぁメロロン。メロロンはうた達と友達になりたいと思うか?」

 

「急になにメロ」

 

「ただの世間話だ」

 

「メロロンは、別に……お友達なんて……」

 

「そうか。変な事を聞いて悪かったな」

 

 反応から見るにあと少しと言ったところだろうか。

 何かしら切っ掛けがあれば友達と言ってくれそうだが、その切っ掛けまでは思い付かない。むしろ一定の距離を保っている俺が切っ掛けを作ろうと無理に迫ったら、切っ掛けどころか余計に拗れるかもしれない。

 

 となると、俺では無理だ。ここは諦めよう。

 その代わりに丁度、メロロンに話がある相手が来ている。ここに来て全て人任せなのは気が引けるが、俺では無理な以上、適材適所だと割り切るとしよう。

 

「メロロン。悪いが用事を思い出した、また今度な」

 

「バイバイメロ」

 

「じゃあな」

 

 俺は手ぶらのまま立ち上がり、メロロンの側から離れる。

 そして俺とメロロンを本棚の影から見ていた人物の元へと歩を進める。

 

「や、ななちゃん」

 

「台助先輩!」

 

 さっきの会話でメロロンが気掛かりだったのだろう。

 自分一人で行くと言ったのか、それともうた達を置いてまで急いできたのか。若干ながら上がっている息と、かいている汗がメロロンを心配していると物語っている。

 

「いつから気付いてましたか?」

 

「ついさっき。ここに来たって事はメロロンに話だったり?」

 

「はい。そうです」

 

「やっぱり」

 

「……あの」

 

「ん?」

 

「台助先輩から見てメロロンはどう写ってますか?」

 

 どう、とは何を指しているのか。

 それは具体的に言われなくとも察しはついている。メロロンの性格についてだ。

 端から見ればメロロンは嫉妬深い。プリルンが誰かと仲良くしている所を見ると「ねえたまはメロロンのメロ!」と突っかかる様子から合ってはいるだろう。しかしそれはメロロンの性格の一部であって、全体ではない。

 

 確かにその部分は目立つ。それは認めよう。

 だがもっと本質を見るのであれば、嫉妬深い理由は……

 

「素直になれない。いや、素直になるのが難しい子に見えてるね」

 

「素直になるのが……」

 

「きっと今も昔も素直になれるのがプリルンだけだったから、他の誰かに向かって一歩踏み出すって機会が殆ど無かったんだと思う」

 

 素直になれないのが原因だと俺は思っている。

 もっとプリルンと話したい、だから他の誰かとの会話に割って入る。

 もっとプリルンに構ってほしい、だからあの手この手で注目を集める。

 もっとプリルンと遊びたい、だから自分だけを見てほしいと願う。

 

 メロロンはプリルンに対しての気持ちならば素直である。

 それはメロロンがプリルンの事が好きであり、例えるならばこころちゃんが推しを応援するように、それだけは決して譲れないと思っているからだろう。

 

 譲れない、つまりは盗られたくない。

 その気持ちが溢れ出してしまった結果が、うた達に対しての嫉妬なのだろう。

 

「ななちゃん、メロロンを任せても良いかな?」

 

「はい! 元々そのつもりでここに来たので」

 

 踏み出すのはメロロン自身だが、その切っ掛けを作るのは他の誰かでも可能だ。

 そしてその条件を満たしているのが、メロロンと積極的に友達になろうとしている人物。俺のようにメロロンから歩み寄るのを待つのではなく、メロロンに歩み寄って手を伸ばしてくれる人物だ。

 

 押し付けるだけではメロロンが驚くだけで進展は無いが、メロロン自身が友達を作りたい思っているなら話は別だ。

 今のメロロンに足りないのは素直な気持ち。強引にでもメロロンの世界に踏み込み、友達になりたいと本心の気持ちをぶつけている相手ならば、メロロンもきっと……心を開く、その切っ掛けとなるだろう。

 

「メロロンを頼んだよななちゃん」

 

「はい!」

 

 メロロンの気持ちを確かめた。

 メロロンが本心を吐露しやすいよう心を揺さぶった。

 メロロンにななちゃんの言葉が届きやすいよう準備もした。

 道は既に整えた。ここから先、どうなるかはメロロンとななちゃん次第となるだろう。

 

 オレはメロロンが本心を曝け出せるようにと、静かに願って図書館を後にするのであった。

 

 

 

 

 

「あ、忘れ物した」

 

 そして忘れ物に気が付いた。

 メロロンの事ですっかり頭がいっぱいになってしまい、図書館に鞄を忘れてきてしまったのを帰り道で気付いた俺は、急いで図書館へと戻る。

 すると図書館前で立っているメロロンとななちゃん、更にはうたやこころちゃん、プリルンを見つけた。

 

「よ、うた」

 

「あれ、台助くん!? どうしてここに!?」

 

「図書館に忘れ物。うた達はメロロンとななちゃんの迎えか?」

 

「え!? えっーと実は」

 

「そうなんですよ! 私達もメロロンの事が心配で!」

 

 俺がこの場に居るのが意外に思ったのか、それとも何か隠し事があるのか。歯切れが悪く、今にもポロポロとその口から溢れ出しそうな言葉をこころちゃんが遮る。

 

「みんな心配してくれて、幸せ者だなメロロン」

 

「台助……メロロン。決めたメロ」

 

 俺はアハハと誤魔化すうたに苦笑いしつつ、みんなの輪から外れているメロロンへと歩み寄る。その距離はうた達とメロロンの今までの関係を表しているように見えるが、今のメロロンの様子からして心配する必要は無さそうだ。

 

「メロロンはみんなと……みんなとお友達になりたいメロ!」

 

「そっか。素直になれて凄いなメロロンは」

 

 本当に、凄いな。

 俺はメロロンの素直な気持ちと共に、自身に渦巻く感情を小さく噛み締める。素直な気持ちをぶつけるのは大変だし、誰にだって出来る行為じゃない。もし誰でも出来るなら、今頃俺は……

 

 

「ん? あれって」

 

 ふと、俺はメロロンの背後へ視線を送る。

 そこにはいつからあったのか、図書館に似合わない卵のような真っ黒の何かが宙に浮かんでいた。少なくとも物体が宙に浮いている、それだけではなみちタウンの───この世界の物体ではないと察した。

 

 しかし何処から現れたのだろうか。

 少なくとも俺がメロロンに近付いた時は影も形も無かった。

 それに中心に描かれているマークは何処で見た事がある……よ、うな……まさか!

 

「メロ!?」

 

「メロロン!」

 

 瞬間、俺は卵型の物体───ハートキラリロックのマークが描かれた何かからメロロンを守るように、抱き抱える。

 しかしハートキラリロックからすれば、そんなのは関係無いと言わんばかりにメロロンに向けて黒いリボンを伸ばし、俺もろとも拘束する。

 

 運よく拘束から逃れた左腕でリボンを掴むが、リボンは切れる様子を見せずただただ俺の靴がすり減る音が響くだけだ。抵抗が無意味だと言わんばかりに、ハートキラリロックへと引っ張られていく。

 

「え?」

 

「台助くん!」

 

「メロロン!」

 

「ちょっ、なんですかあれ!?」

 

 そんな光景を見ていたうた達だったが、何が起こっているか分からないと言った様子で呆然と眺めており、その場から一切動けていない。

 

 それも当たり前だ。俺が動けたのはメロロンがハートキラリロックの代償をいつか払う必要があると言う警戒があったのと、偶然にもメロロンの近くに居たからだ。

 

 その前提が無いうた達からすれば突如として現れた黒い何かがメロロンに襲いかかっているのだ。

 少なくとも「それ」がハートキラリロックと思い付くほどの冷静な思考ではないだろうし、突然の出来事に頭も身体も固まってしまっているのだろう。目の前の現象にただ驚くばかりでも無理はない。実際、俺も動けはしたが混乱からまだ立ち直っていない。

 

「どういうことだ……!?」

 

 なんでこんなタイミングでハートキラリロックがメロロンを封印しようとしてる……?

 いや、待て。このタイミングだからこそ条件を満たしたのだとしたら?

 メロロンは友達を欲していて、それを表に出した。その言動がトリガーだったのなら、こうなった原因は「友達を作る未来」もしくは「素直な気持ちをぶつけたい」のどちらかが、メロロンがハートキラリロックに封印したモノであり、それが叶うようになった結果、ハートキラリロックが動きを見せたとなれば納得がいく。

 

「くっ……!」

 

 原因は大方把握した。細かい部分や、二つの条件のうちどちらが正解かは今は考えている時間は無い。

 そもそも今は大雑把に合ってれば良い、正解なんぞ時間が出来た時にゆっくりと考えれば良い。それより問題はそこではない。

 

 まず確実にメロロンは封印される。ついでに俺も封印される。

 現在進行形で抵抗しているが意味を成さない現状では、いくら頑張っても封印される未来は変えられない。つまり避けようがないのだ。メロロンには申し訳ないがここはもう割り切るしかない。

 

 それよりも次だ。

 メロロンの封印を解くには何が必要か、それは不明だ。

 プリルンの記憶が戻った時の参考にしようにも、あれは奇跡の産物だ。それを元に考えようにも……あぁ、いや。可能性はあるか。仮定に仮定を重ねた話ではあるが。

 

 本人が封印したモノを刺激する出来事を起こす。

 例えばプリルンの場合、記憶が封印された。そしてプリルンがはなみちタウンに来て一番大切な「うたの歌」で記憶が刺激されて、元に戻った。別の理由があるかもしれないが、これを事実と仮定しよう。

 間違っている可能性もあるが、例え間違っていても別の仮定を考える時間は無い。今はそれを前提とするしかない。

 

 その仮定が正解と前提で考えるなら、メロロンの封印を解くには……そう、友達だ。未来にせよ、思いにせよ、どちらにも共有しているのがメロロンが友達を作りたい事だ。

 それを外部から刺激するなら……必要なのはうた達か。オレのような遠回しじゃなくて、直接メロロンに気持ちをぶつけてきたうた達なら、メロロンにもその想いが届く筈だ。

 

 これらを全部伝えられれば良いが、もう時間が無い。俺もメロロンも後数秒と経てば一緒に封印されるだろう。

 またみんなを悲しませてしまう。それでもきっと……うたなら、うた達なら助け出してくれる。だからもう、何を伝えるかは決めた。

 

「此方は任せろ!」

 

 うたならこの一言で俺の考えを分かってくれる。

 その幼馴染みとして長年一緒に過ごした時間に対する信頼と共に、俺はメロロンと一緒にハートキラリロックへ封印されるのだった。

 

 うた、少しの間俺はうたと離れる。ただしすぐに会えるから心配するな。




 台助、メロロンと一緒に封印されるの巻。
 うたちゃん達に全て任せるとプリルンの時の焼き直し。かと言ってうた達と一緒に行動させるのは状況がゴチャゴチャするので、なら行動封じるか! と言う事で封印されてもらいました。

 1話1話に力を入れすぎて、完成が投稿数時間前(夜9時とか)になるのをどうにかしたいです。ただし力は緩めるつもりはない。

プリキュアを見たことある?

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