「織斑先生、まさかあれは...?」
信じられないといった表情で真耶は千冬に訊ねる
「ああ、信じられんが...」
千冬も驚きを隠そうとしていない
「全く、とんだバケモノだよ。アイツは」
そう言う千冬はどこか嬉しそうな顔だった
「アイツ...最適化処理すらされていないISで今まで戦っていたって言うのか...」
一夏はよく知っている
最適化処理されていないISとされているISどちらが優秀なのかは言うまでもなく、扱いやすさも遥かに最適化処理がされているISの方が上。
だというのにグラハムは最適化処理すらされていないISで今までの動きをしていたのだ。
「スゲェ...スゲェよグラハム!!」
補給を受けながら興奮した様子の一夏
その隣には
「アイツ...どれ程の実力を隠してるのよ...」
なにやら渋い表情をする鈴と
「...」
複雑な表情で一言も発しないソニアがいた
グラハムは実感していた
最適化処理がようやく終わった機体、かつてグラハム専用ユニオンフラッグカスタムと呼ばれた機体
その機体の性能を限界まで引き出す力量が今の自分にはあるということを
(以前の様に血を吐く事になるかもしれんが...)
「では行くぞ!ガンダムゥ!」
気合一閃、ソニックブレイドを構えミハエルの駆るスローネツヴァイへと肉薄するグラハム
「させるか!!」「させない!!」
それを阻もうとするヨハンとネーナ
だが
「その程度!!」
先程とは比べ物にならないレベルの速度、それでいて精密な回避運動を見せ、ミハエルへと接近する
「甘いなァ!」
「クソがッ!」
ソニックブレイドとGNバスターソードがぶつかり合う
「まともな斬り合いでェ!」
力任せにグラハムを薙ぎ払うミハエル
「勝てると思ってんのかァ!?」
体制を崩したグラハムへとバスターソードを叩きつけるミハエル
「そらそらどうした!?さっきまでの勢いはよぉ!!」
防戦に徹しているグラハムへとダメ押しとばかりにヨハンとネーナからの攻撃が迫る
だが
「フッ!」
紙一重でそれを回避していくグラハム
そして
「貰いましたわ!」
必殺の気合いを込めたセシリアからの狙撃がミハエルに迫る
だが
「甘ェ!」
バスターソードで狙撃を弾くミハエル
しかしそこには隙が生まれる
グラハムはどこまで先を読んでいるのだろうか
この時を待っていたかのように大きく踏み込み
「もらったぞ!!」
「ッチィ!」
シールドエネルギーを大幅に削る
だが、撃墜には至らず相手も体勢を立て直している
グラハムのフラッグのシールドエネルギーも残り僅かだ。
だがこの時既に勝敗は決していた
何故なら
「グラハムーッ!」
白式を展開した一夏と
「ごめん!遅れた!」
甲竜を展開した鈴と
「決着をつけるよ!」
ウルフを展開したソニアの3人がピットから出てきたからである
「ッ...!分が悪いな...トリニティ、撤退するぞ!殿は俺が務める!」
勝ち目がないと悟ったのか撤退の指示を出すヨハン
「クソッ!次は絶対に蹂躙してやるからな!!覚えとけよ!」
捨て台詞を吐くミハエル
そして3人はアリーナから脱出しようとするが
「させるか!!」
1機だけでも墜とそうと最後のシールドエネルギーで突貫をかけるグラハム
「クッ...!」
ヨハンもGNビームサーベルでソニックブレイドを受け止めるが、上に弾かれてしまう
それを空中へと飛びグラハムが掴む
「今の私は...阿修羅すら凌駕する存在だ!!」
「同じ手を!!」
対して2度目となるこの技をヨハンもみすみすと受けるほど甘くはない
だがグラハムの目的は達していた
敵の注意は完全にグラハムへと向き
グラハムの後ろに控えていた一夏が
零落白夜を発動させ
「ッおおおおおぉッ!」
ヨハンのアインを横一文字に薙ぎ払う
それでも完全には捉えきれなかったのだろう
よろけながらも逃走するアインを追撃しようとする一夏達を
「待て!」
と声で制する
「今の一夏達では荷が重い!ここはひとまず見逃せ!」
彼らも薄々わかっていたのだろう、一人を除いて追撃の意思は薄れていった
だが、
「今しかないよ!あれだけ弱らせたんだから私達が束になればきっと!」
ソニアだけは違った
普段とは明らかに違う彼女の剣幕にグラハムすら一瞬怯んでいた
「私は...行くよ!」
そう言って飛びだそうとした瞬間
一本の細い【桃色】の閃光が大地を穿った
「何!?」
その一撃には明らかな牽制の色があった
「奴らの仲間!?」
「皆気を付けろ!!」
等といった声が響く
だがその後、光線が降ってくることは無かった
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IS学園 その遙か上空
「お疲れ様、ずっと見てるの退屈だったでしょ?」
「一撃撃てただけでも満足さ。それが俺の、狙撃手の仕事だからな」
「そうだねぇ、1発撃てたから満足なのかな?」
「ま、そんなところさ」
「奴らの襲撃で彼の機体も目覚めた事だしこれからは仕事が増えると思うけど...」
「心配しなさんな、万が一の時には俺が何とかしてやるさ」
「そりゃあ頼もしい。とりあえず今日は帰投していいよ、お疲れ様」
「ロっくん」
書き溜めが...消えていく...