突然ピットから出てきた深緑色の見慣れないIS
当然不審感は途轍もない
「貴様...何者だ...?」
敵意を向けながらグラハムが問う
「おいおいなんだ?おっかねぇなぁ 。転入生だよ、聞いてないか?アイルランドからの転入生」
ISを解除し、両手を上にあげる男
確認の意味を込めて真耶に視線を送るグラハム
「あ、はい。確かに転入生は男性2人って情報でしたけど...」
顔までは知らないのだろう。真耶も転入生と断言はしない
「そうだな...アイルランド出身のニール・ディランディ、とても言えばわかってもらえるか?」
「ああ、とても素晴らしい自己紹介だな、ディランディ。遅れた覚悟はできてるだろうな?」
後ろには悪鬼の如き表情をした千冬がやってきていた
ニールも気付いていなかったのだろう、ぎょっとした表情になると
「にゅ、入国...そう!入国手続きに手間取っちまってな!」
「敬語を使え馬鹿者」
哀れ、拳から逃れることは出来なかったニール
「さて、授業の続きを行う。自己紹介はまた後程だ」
「へいへい 」
「私に同じ事を何度も言わせるつもりか?」
「は、はい」
「よろしい」
転入早々大変なというか自業自得というかな状態のニールだった
昼休み、食堂の1角に人だかりがてきていた
原因はニールとシャルル
彼らのテーブルに女子生徒が群がるように来たのだ
ちなみにそのテーブルには一夏とグラハムとソニア、そしてセシリアと箒と鈴もいた
最初は転入生の事についての話だったのだが何がこじれたのか今は
「そ!れ!で!デュノア君とレオーニさんはどういった関係なの!!」
という朝の抱擁について問い詰められていた
「さっきも言ったようにシャルと私はただの幼馴染みなだけだってば〜。一夏と箒みたいなもんだよ〜」
「ただの幼馴染みでハグまでする〜??」
「しないしない!」
「あ〜もう〜!シャル〜、どうにかして〜!」
隣にいるシャルルに助け舟を求めるも
「あれ?」
その姿は無かった
というか男4人全員がいなくなっていた
「根掘り葉掘り聞かせてもらうからね〜!」
「もう!どこいったのさー!」
屋上
「へぇ、こんな所もあるのか。良い場所知ってるじゃねえか一夏」
「だろ?ここならそう簡単に見つからない」
胸を張る一夏
「見つかったら逃げ場は無いけどね...」
「まったくもって同感だ、ここからでは飛び降りる事が出来ん」
「そ、そこなんだね...」
グラハムはどこかズレた回答をしていた
「それで一夏、話とは一体?」
「いや、俺達、特にデュノアとニールの事を知らないだろ?それで男同士で腹割って話そうかな...って」
「再び自己紹介、という訳か」
「そうそう!さすがグラハム、わかりやすく伝えてくれるぜ!」
うんうんと頷きながら言う一夏
では、と
「私はグラハム、グラハム・エーカーだ。よろしく」
「織斑一夏、よろしく!」
「シャルル・デュノアです、よろしくね」
「ニール・ディランディだ、よろしく頼むぜ」
その後4人は他愛ない世間話で盛り上がった
放課後、千冬に呼び出された一夏とグラハム
「それで、ちふ...織斑先生、何の用ですか?」
「ああ、貴様らのルームメイトの変更について伝え忘れていたからな。織斑はデュノアと、エーカーはディランディと相部屋になる。いいな?」
伝える事だけを伝えてさっさと行ってしまう千冬
「?なんかやけに今日は機嫌が悪い様な...まあいいか。行こうぜ、グラハム」
「ああ」
寮 グラハム ニールの部屋
ソニアの荷物はいつの間にか無くなっておりニールのものと思われる箱が部屋には積んであった
だが肝心のニールは部屋にはおらず、何処かに出掛けているようだった
「さて、食事の時間まではまだ余裕があるが...?」
そこでグラハムは異変に気付く
自分の机の上に端末が置かれているのだった
「これは...?」
直接手に持って眺めてみるとそれはとても薄く、そして軽い機械なのだとわかる
ニールの私物かと思い、ニールの机に置こうとすると
《んっんー、聞こえてる〜?異世界からの迷い猫クン》
「!?」
間違いない、端末からの声だった
《だいぶ驚いてるね〜、でも無理もないかな?私は篠ノ之束、今日は折り入って君に相談があるから連絡をさせてもらったよ》
篠ノ之束、ISに関わる者でその名を知らぬものなどいないと言われる人物。もちろんグラハムも例外ではない
「...一体何がしたい」
《そんなに警戒しなくても大丈夫だよ、今すぐどうこうする訳じゃないし。まあここから先はロっくんに説明してもらった方が簡単かな?》
「仰せのままに、ミス・タバネ」
いつの間にか部屋にはニールが戻ってきていた
「どういう事だ、ニール」
「どうもこうもねえさ、俺はこの世界の」
そう言うとニールはISを展開する
だがそれは午前見たものとは色は同じであれどまるで違う姿
そう、
「ソレスタルビーイングだ」
ガンダムの姿だった