スターチス   作:黒犬2匹と老犬

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エスコート

『デーツデーツ!(青葉BGM)』

 

「なんということでしょう〜学校ではお世辞にも目立っていなかったいちご氏。それがデートになると......こんなにも可愛いのかよ!完全にラブコメじゃねぇかふざけんな((」

 

 どこからか取り出したマイクを床に叩きつけた。

 

「えーっと、それじゃあお店に行きましょうか」

 

「そ、そうだね!! 紅葉さんはどこのお店に用があるの?」

 

「うーーん......どこ......だろう?」

 

「そこから!?」

 

「お母さんには高校生らしい服って言われたんだけど...世の高校生はどんな服着るのかしら?」

 

「高校生が高校生の服に悩むってどゆこっちゃねん」

 

 冷静に突っ込む青葉。

 

「うーん......そうだね。私が調べた服屋さんに行ってみる? 今どきの可愛い服あると思うよ?」

 

「ありがとういちごさん。貴方がいなかったら私、

 閉店まで入口で過ごしてたわ」

 

 救世主到来。こんないい子逃がせる訳がない。感謝を伝えるていで手を握った。

 

「い、い、いえ......どういたましまして?」

 

(ふ、ふぇ〜!?紅葉さんがわ、わ、私の手握ってるぅぅぅ!?)

 

「ちょ! 何私の前でガッツリ浮気してるんですか!?

 手を握るのも浮気なんですよ紅葉さん! 分かってます!?」

 

「それじゃいちごさん案内してくれるかしら?」

 

「あ、わかりました......」

 

「しゃっ!オーライ!」

 

 手を離すと露骨にテンションが下がった人と上がった人達。全く持ってめんどくさい......

 

「そ、それじゃあ、まずは2階から!

 エスカレーターで行きましょうか!」

 

「分かったわ」

 

 

「んしょ......いちごさん足元気を付けてね」

 

 私が先に乗った。

 

「はい〜わかりまし......うぇっ!?」

 

 言った矢先に躓いたいちごさん。

 

「危なかったわね。怪我はない?」

 

 前に転んだ所を両腕で掴んで体で受け止めた。

 

『うぇっ......紅葉さん......ふえぇ!?(胸にうずくまってる事に気づく)ぷはっ! ごめんなさい紅葉さん!』

 

「大丈夫よ。怪我はないかしら?」

 

『だ、大丈夫です......(いい匂いだったな......)』

 

「良かったわ」

 

 段々と。上の階が見えてきた。

 

「いちごさん。手握ってて上げるわ。足元気を付けてね」

 

「ひゃ、ひゃい......」

 

 今度は危なげなく、手を引いて渡れた。

 

「いちごさん......おっちょこちょいなのね」

 

『ふぁい......(度重なる紅葉エスコートに脳が溶けた)』

 

「......ぐぬぬぬ!!」

 

 ハンカチを噛み締める青葉。

 

「あの野郎私よりいい思い出しやがってぇ!!

 てかなんだよこの展開! ラブコメじゃねぇんだぞ!」

 

「紅葉さんここです!」

 

 二階からはいちごさんに導かれ。

 

「見るからにオシャレなお店ね」

 

「ですです! 入りましょ〜」

 

「いらっしゃいませ〜」

 

「紅葉さんに合うのはどれかな......」

 

 服と睨み合いするいちご。

 

「紅葉〜? これとかどうかな?」

 

「げっ......」

 

 思わず声が出た。

 

「ど〜お?I♡Love♡You♡Tシャツ!

 可愛かろぉこれを着ながら私に愛を囁いてみないか?

 ......っておおい! こっち見ろや!?」

 

 あんなもの付き合うだけ無駄だ。

 

「紅葉ちゃんこれ......どうかな?」

 

「ん? うーん......派手すぎじゃないかしら?」

 

「そ、そんなことないよ! すごい似合ってるよ!」

 

「ほんと?」

 

 首を縦に振るいちご。

 

(青葉に視線を向ける)

 

「うーん......本気で選んでただけあって

 いいチョイスしやがる......」

 

「ご試着できますよ〜?」

 

「......それじゃ、してみるわ」

 

「ふっふっふー......いくら紅葉に本気になろうとも

 紅葉の試着を生で見れるのはこの!私だけなのだ!!」

 

「あなた出ていきなさいよ......」

 

「嫌だもーん。私は紅葉の生着替えを見るために幽霊になったと言っても過言では無い!!」

 

「過言よバカね!」

 

 お店にいる以上、小さい声でしか話せない。なのに口から出るのはおバカみたいな事ばかり......

 

「いちごさんどうかしら?」

 

 試着室のカーテンを開けた。

 

「うおお! イケる! 行けてますよ!!」

 

「下も履いてみたけど......やっぱ派手じゃないかしら?」

 

「似合ってますよ! うんうん!!」

 

「お客様、良くお似合いですよ!」

 

「そうですか......ならこれ買います」

 

「お買上げありがとうございます!」

 

「それじゃいちごさん少し待ってて、服着替えるから」

 

「はい!」

 

「あ、いちごさん。ごめんだけど、他の服たち戻してもらっていいかしら?」

 

「あ!もちろんです!」

 

「あ......落としちゃった」

 

「あ! 拾いますよ!!」

 

「おいしょ......」

 

 服を拾って前かがみになったいちご。

 

「......!?!?」

 

「ごめんなさいね。いちごさん」

 

 同じく前かがみになった紅葉。

 

「胸が......大きい......二つ」

 

「いちごさん......?大丈夫?」

 顔を真っ赤にして腰を曲げたまま。

 

「ふぇっ!?あ、し、失礼しましたぁぁぁぁ」

 

 大声を上げてカーテンを閉めたいちご。

 

「不思議な子ね?おいしょ......」

 

「ねぇねぇ紅葉? この服......着ないかい?」

 

「ん?どんなふ......」

 

「どおよこれ! 胸元が空いてるセクシーな服!!」

 

「こ、こんなの着れるわけないじゃない!?」

 

「えー? 私は来て欲しいんだけどなぁ?」

 

「あ、あなたねぇ......」

 

 つぶらな瞳でこちらを見てくる。

 

「うっ......そんな顔したって......」

 

 青葉の。無言の圧力。

 

「......」

 

「ありがとうございました〜」

 

「紅葉ちゃん?」

 

「ん?」

 

「最後服追加で買ってたけど、どんなの買ったの?」

 

「あぁ.....少し気になるのがね......」

 

「へぇ〜そうなんだ〜どんなの?」

 

「えーーっと......まぁ......ダメージジーンズみたいなものよ」

 

「そんなのがあるんだ〜?」

 

 会計から拳を天まで掲げてガッツポーズの青葉。

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