NIGHTMARE MONSTERS -種を超えた絆- 作:NIGHTMARE⭐︎
夕方17時。普段は街を出歩く人が多くいるのに、今はほとんど歩行者を見かけない。それは、多くの人がコンタクトセンターにて行われているシティオーナーと挑戦者のバトルを観戦しているからだった。
「わぁ…すごい人数…」
フィールドの端に立つクラフが口走った。もちろん横にはないとめあとガンドルが立っている。この街ではシティオーナーのバトルを見られるのはずいぶん久しぶりらしい。ないとめあの心に緊張が募る。ホットンシティのコンタクトセンターとはずいぶん違い、屋根がなく全方向が観客席で囲われている。地面はまるで砂浜のように白い砂が敷き詰められていた。
やがてフィールドの反対側にエミウシティのシティオーナーであるハンゾウが姿を見せた。3つのホームを持っている。変わらない青色の和服に身を包み、鋭い眼光が3人をとらえた。
「おお、時間ぴったりだな」
ハンゾウがフィールドを横切ってないとめあの前に歩いてきた。
(どんなモンスターを使うんだろ…)
ないとめあはハンゾウを見つめ返した。観客はバトルの開始を待ち侘びているように応援の言葉や掛け声を投げかけている。ハンゾウは周囲を取り巻く観客席をぐるりと見渡した。
「さて…港町エミウシティの1オーナーとして負けるわけにはいかんなぁ!」
ハンゾウの目がないとめあを見つめた。
「港町の力、大海原の生命力を目の当たりにするといい!渦潮に巻き込まれないよう充分注意することだな!」
試合開始!
ハンゾウがホームを三つのうちの一つを構えた。ないとめあたちはそれぞれの相棒を繰り出した。ハンゾウはホームを開き、魚型のモンスターを繰り出した。
「なんだあのモンスター!?」
ガンドルが驚く。
「マンボラーだね…!体を取り巻いてるホイールを回転させて攻撃する!」
マンボラーはまるでタイヤのように体を回し、そこについたヒレをブンブン振り回す。ないとめあとガンドルが同時に自身のモンスターに指示を与えた。
「ルカノン!風で隙を作って!」
「頭で粉砕してやれ!」
ルカノンが風を取り込み、イクチオが走り出した。ハンゾウは大声で叫んだりせず、一言だけ指示を出した。
「避けろ」
瞬間、ルカノンが風圧弾を放つ。マンボラーはハンゾウの指示の通りにふわりと横に浮遊し、風圧弾を交わした。
「あっ…!?」
マンボラーは続けて自身に突撃してくるイクチオに向けて高速で水を放った。イクチオは頭部で受けたためダメージは薄いらしいが、水圧でガンドルの元まで押し返された。イクチオが不機嫌な声で唸る。
「どうした?あと2体いるぞい?」
ハンゾウが楽しむように言った。
「これはやばいぜ…動きが先読みされてる…」
ガンドルがたじろいだ。ないとめあは続けてルカノンに指示を出した。
「回避が困難なように出来るだけ近くで風圧して!」
ルカノンは即座にマンボラーに接近する。マンボラーが不意を突かれたような表情をする。
「好都合。」
ハンゾウが一言つぶやくと、マンボラーが即座に短く水を発射した。それはルカノンに直撃し、ルカノンは吹き飛ばされた。
「ルカノン…!」
「確かに接近すれば攻撃は当てやすくなるな。だがそれはこちらも同じだぞ」
ハンゾウが興味深そうに言った。クラフは葛藤していた。
(なんであんな実力者と戦闘してるんだよ、俺…)
ニリーノは未だクラフの横をパタパタと飛んでいる。その目は、まるで「行かないの?」と言うようだ。
ないとめあは本気の焦りを見せていた。
「やばい…負ける」
モンスター解説
【マンボラー】
体長1.0m
体重25kg
好物:魚
捕獲難度:B
タイヤのようなものが体に巻き付いた海のモンスター。タイヤについたヒレを回転させて移動し、スポンジ状の特殊な器官に溜めた水を勢いよく発射することができる。