NIGHTMARE MONSTERS -種を超えた絆- 作:NIGHTMARE⭐︎
プラゴスタウンのコンタクトセンター。エントランスホールの窓辺に置かれたベンチ。
「試合開始3時まであと30分くらいか…緊張してきた」
クラフがベンチに深く座ってつぶやいた。となりのガンドルが元気づけるように肩を叩く。
「なんとかなるって!多分草使いだろ!」
「だといいけどねえ…」
さらにその隣で言うないとめあ。珍しく不安になっている。
「そろそろ行く?」
「そうすっか!」
不意のないとめあの提案に頷き立ち上がる2人。エントランスホールの端にある扉から、中央にあるバトルフィールドへ続く控え室がある。
「控え室も木製なんだね…」
木で包まれたような控え室の椅子に座るないとめあ。ここまでで全く対戦相手のシティオーナーであるはずのツツバキに会っていないのが最も怖い点だ。どういう人物なのか予想がつかない。
「試合を開始します。挑戦者の方はバトルフィールドへご入場ください」
アナウンスが響いた。
「時間だね。行くよ!」
覚悟を決め、勢いよくバトルフィールドへ続く扉を開くないとめあ。
バトルフィールドは、やはり階段状の観客席に囲まれていた。フィールドもやはり木製で、少し滑りやすそうだ。天井からは電球が大量に吊るされている。少し薄暗い。
そして、フィールドの真ん中に黒いマントを着た人影が少しも動かずに立っていた。
「あれが…」
ないとめあは少しずつ人影に向かって歩いていく。後ろを向いていて顔が見えない。フィールドは体育館のようなコーティングがされていて、意外と滑ることはなかった。
「どうも!ぶっ飛ばす!」
ガンドルがやばすぎる挨拶をしたが、人影はその声に応じる気配は見せない。ただ無言で直立している。
「ちょっと?」
ないとめあはだんだん不審になってきた。なんで無視するの。
やがてマントを纏った人物に触れるほどに近づいたないとめあ。
「ちょっと!?聞こえてます!?」
ないとめあは人影の周りをくるりと回ってその顔を覗き込んだ…そこにあったのは、木を削って作られた人間の顔だった。
「きゃぁっ!?」
驚いて飛び上がるないとめあ。ガンドルとクラフがすぐに駆け寄った。フィールドに立っていたのは、木彫りで作られた人形だったらしい。
「それは私の作品だ。タイトルは『無謀なる挑戦』。お気に召したかな?」
相手側の控室の扉辺りから声がした。ないとめあが振り向くと、そこには長身な男が立っていた。深緑色の髪、デニムの上着…あの男だ。
「なんであんたが!?」
驚くクラフ。男は低く笑った。
「それは私こそがこの町のシティオーナー、ツツバキだからゆえ!」
観客席から歓声が上がった。ツツバキは長い足で『無謀なる挑戦』を雑にどかし、ホームをカッコつけたポーズで構えた。
「行くぞ、無謀なる挑戦者たちよ!」