NIGHTMARE MONSTERS -種を超えた絆-   作:NIGHTMARE⭐︎

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3 風

ないとめあは砂漠でルカノンと遭遇した。

ルカノンはドーナツ型の頭部を風の吹く方へ向けて風を取り込んでいるらしい。

「綺麗…」

ないとめあはゆっくりとルカノンへ近づいていく。

瞬間、ルカノンの目線が鋭くないとめあに向けられる。やはり警戒心が強いらしい。

「怖くないよ…」

ないとめあは優しく声をかけながら少しずつ距離を縮めていく。ルカノンが口を大きく開くと、その裏側から風が大量に取り入れられ、フォォオオオと音を立てた。ないとめあは咄嗟に頭を下げて身を守った。ほぼ同時にルカノンの口から風圧弾が放たれ、ないとめあの髪をかすめていった。

(あっぶな…!)

ないとめあはそれでも優しい無害オーラを途切れさせないようにしながらルカノンに近づいていく。ルカノンはふわりと浮遊しながら少しないとめあから距離を取る。

(意外と行けそうじゃない?)

ないとめあはポーチから捕獲装置ホームを取り出した。カプセル型のそれは野球ボールほどの重さと大きさで持ちやすい。指でボタンを押すと、パカっと真ん中から開く。そして開いた内部をルカノンに向けて少しずつ距離を詰める。

ルカノンの口がもう一度空気を取り込んだ。

(来る!)

ないとめあは今しかないと思い、一気に走って距離を縮める。ルカノンがないとめあの足元に正確に風圧弾を撃ち込み、地面の砂が抉れて足を取られる。

「うわぁ!」

ないとめあは風圧弾でできたくぼみに足を引っ掛けて盛大に顔から転ぶ。すぐに少し照れた表情で起き上がる。ルカノンにとってこれは予想外だったらしい。本性を表して襲ってくると考えていたのだろう。

「えへへ…敵意がないってわかってくれたかな…?」

ないとめあがルカノンに近づきながら優しい声で言った。ルカノンは再度口を大きく開く。

「私諦めないよ…!」

ルカノンの風圧弾がないとめあに直撃した。

「あ”ぅッ!!」

強烈な重力を一箇所にまとめて叩きつけられたような感覚だった。痛いというよりも重い。ないとめあは砂漠の砂に投げ出された。ルカノンはその場で見定めるような警戒しているような表情で見つめている。

「…君の攻撃も…全身で体感した…。」

ないとめあが無理やり体を起こした。

「でもそれもいい経験だと思うんだ!」

ないとめあは立ち上がり、ルカノンに近づく。ルカノンは驚いたような表情をしている。もう逃げも攻撃もしようとしない。ないとめあにはそれが警戒と意外性が混ざったような感情に見えた。

「大事にするから…」

ないとめあがルカノンのすぐ目の前に立ってホームの内部を見せた。

「私の仲間になってくれる…?」

ルカノンは抵抗を見せず、パチリと瞬きをした。

「…仲間にするからね?」

ルカノンはそれでも動かない。待っているようだ。ないとめあはルカノンに、ホームの内側の部屋のような部分をそっと触れさせた。

その瞬間、ホームの中にルカノンがしゅるりと吸い込まれ、ホームがカチリと閉じてないとめあの手に収まった。

外側についているライトが、黄色く点灯している。まだ警戒が抜け切ってはいないが、特別敵意があるわけでもない色だ。

ないとめあはニコッと笑った。

「ルカノンゲット!」




モンスター解説
【ルカノン】
体長1.5m
体重45kg
好物:風
捕獲難度A+
左右非対称なオレンジ色のモンスター。複数の触手で風の吹く方向を風見鶏のように正確に感知する。ドーナツ状の口に風が通り抜けることを「食事」とするらしい。本来は警戒心がかなり強く、普通の人間は近づいただけで風圧でバラバラにされる可能性すらある。ないとめあの純粋さを感じ取ったのかも知れない。
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