NIGHTMARE MONSTERS -種を超えた絆- 作:NIGHTMARE⭐︎
ないとめあとクラフは、いじめっ子のガンドルとモンスターバトルをすることとなった。
「なんか秘策があったり…?」
クラフが心配そうに尋ねる。ないとめあは安心させるようにニコッと笑って見せた。バトル開始まで残り20分程度しかない。
(うまくいけば…イクチオを完封できるはず…!)
「でも…ガンドルが戦いを【モンスターバトル】にしてくれたのはありがたいかも…モンスター同士のバトルだから、俺たちが殴られる心配はないからね…」
「ニリーノの心配もしてあげてよ!」
ないとめあが少しむすっとしながら言う。同時にニリーノもクラフを激しく突っつき始めた。
「いでででで…!わかってるよ!言うまでもないと思っただけ…。それより、そろそろコンタクトセンターに行ったほうがいいんじゃない?」
「そうだね!そろそろ向かおっか…」
2人は白銀のドーム状の建物へ向かっていった。
コンタクトセンター、人間とモンスターの関係性を深めるための施設。モンスターバトルのためのフィールドはもちろん、クラフと出会ったふれあい室もある。そしてバトルフィールドには、上からバトルを見下ろせる観客席が設けられているらしい。
2人はバトル開始の5分前になんとかフィールドに滑り込んだ。
「わあ…こんな感じなんだね…」
バトルフィールドの地面は、土が敷かれて完全な平面だった。地面には二本の線が引かれている。おそらくバトル開始時の立ち位置を示したものだろう。観客席は2階から繋がっており、安全にバトルを観戦できるようだ。
「緊張してきたかも…」
ないとめあとクラフは、フィールドのすぐ横にあるバトル準備室で最後の確認をしていた。ないとめあはホームを開いて、ルカノンを出す。
「ルカノン…いける?」
ないとめあが普段は出さない少し不安げな声で尋ねる。それでもルカノンは「まかせろ」、とでも言うようにフォオオオオっと息を吐き出した。一方クラフのニリーノは落ち着きなくビュンビュン飛び回っていた。
それからすぐに、正午を知らせる鐘が鳴り響いた。それはつまり、バトル開始の意味だ。
2人が準備室から出ると、フィールドの反対側にイクチオとガンドルが立っていた。
「ビビって逃げちまったかと思ったぜ」
「そんなわけないじゃん!」
自身ありげに挑発するないとめあと、横で緊張に潰されかけているクラフ。ないとめあの後ろでは、ルカノンが深呼吸のような音を立てながら決戦の時を待っていた。
「こっちはニリーノとルカノンの二体で行く!そっちも二体出してきていいんだよ!」
ないとめあが叫ぶと、ガンドルは大きな声で笑った。
「イクチオだけで十分だよ!こいつは縄張り争いで天下をとってたんだ!それじゃあ始めるぞ!」
ルカノンとニリーノが試合開始位置の上に浮くと、ガンドルが叫んだ。
「バトル開始!!」
ガンドルが手で何か指示を出すと、イクチオが頭を向けて一気に走り出した。
「やばい!走ってくる!」
「想定内、想定内!ルカノン避けて!」
ルカノンが触手でニリーノを抱き寄せて、イクチオの突進してくる方向からふわりと逸れる。
ガンドルがずっと手話のような動きでイクチオを操っているように見える。イクチオがググッと身を縮めると、いきなり足を広げて大ジャンプをした。
「狙撃だあ!」
ないとめあが叫ぶと、ルカノンは口の裏側から空気を取り込み、風圧弾にしてイクチオに発射した。イクチオは空中で回避する術を持たないため、突き出した頭に風圧弾が直撃する。
「おお!」
クラフがすっかり観客のような反応をしている。
「あんたも指示出してよ!」
ないとめあが言うと同時に、イクチオが難なく起き上がった。
「え…!? ルカノンの風を頭に直撃したのにノーダメージ!?」
呆気に取られるないとめあ。フィールドの奥側ではガンドルが自慢げに笑っていた。
「ははははは!イクチオの頭の硬さを思い知ったか!」
ルカノンはふわりと空中に高く浮かび上がった。焦りが見える。クラフがなにか葛藤しているような表情をしている。
「さあトドメだ!」
ガンドルが叫び、パンチのような動きをすると、イクチオが素早く駆け出す。クラフが「今しかない」と小さく呟き、渾身の声で叫んだ。
「ニリーノ!!後ろからだ!!!!」
ルカノンの触手に抱かれていたニリーノが素早く飛び出し、ルカノンに向かって突撃するイクチオの背後へ回る。
「いけえええ!」
ニリーノがイクチオの背中を渾身の力で突いた。イクチオは苦しげな鳴き声を漏らし、大きな隙が生まれる…。
「今だ!」
ないとめあの掛け声と共に、ルカノンが風圧弾を発射した。風圧弾はイクチオの腹に命中し、イクチオは大きく吹き飛ばされてフィールドに倒れ込んだ。