無限世界への飛翔   作:ミコト

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乖離

帰還した俺達は、鉄屑の谷で出会ったあの化け物について、神官らに多くの質問を受けた。

他の神官たちが隊を組んで調査したが奴は姿を消していたらしい。

他の神官たちは戦闘跡を見て引いたらしいが。

最後にはオレノ大司祭自ら赴き調査をしたことで鉄屑の谷は通常の状態に戻ったことが確認された。

オレノ大司祭様も、

「命がけの任務となりましたね。よく生き延びました」

と仰った。

いや…殆ど俺の魔術が原因なんだけど。

 

サティアもダルノスも怪我することなく撤退できたようで、今は神殿で身体を休めている。俺も疲れているんだが、神官らがなかなか離してくれなかった。

 

「オレノ大司祭様、私はもう一度鉄屑の谷に調査しに行きたく思います。まだ調べていない場所に何か隠されている可能性もございますゆえ」

 

「…わかりました。その化け物と対峙し、撤退することが出来る貴方ならば問題はないでしょう。

しかし。無茶はしないように。貴方には大任を任せたのですからこの事だけに傾注することのないようにしなさい。…いいですね?」

 

「了解致しました。それでは、これにて失礼いたします」

 

そう言い、俺は神殿を後にした。

 

 

 

 

「あ…やっと出てきた。おかえりなさい」

 

「サティア……もしかしてずっとここで待っていたのか?」

 

「貴方が心配だったから。もう帰っても大丈夫なのよね?」

 

「あぁ。大司祭様にもう一度調べさせてくれるように頼んだ。一緒に行ってくれるか?」

 

「えぇ。……私も知りたい事があるから」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「いいえ。何でもないわ」

 

そういえばあの化け物はサティアの妹…?なんだっけか。どうすれば元に戻せるのやら……

 

 

 

 

そうして俺たち2人はもう一度鉄屑の谷へと向かった。

 

「やっぱりいないか」

 

あの化け物と戦った跡地の周辺を探索しても何も出てくることはなかった。

しかし、

 

「ここなら大丈夫かな。」

 

ここ一帯は跡地の為未だ坑夫が来ることもなく、大司祭様が確認したため神殿の者たちも来ることはない。ゆえに、

 

「どうかしたの?」

 

「うん、サティア。君に聞きたい事があるんだ」

 

「何?」

 

「君のお姉さん。いや、妹さんだっけ?ここで戦ったあいつのことさ」

 

「何を!?」

 

原作の通り進めてはだめだ。そうなればサティアは死ぬ。ダルノスもカヤ姉さんも…俺も。

その為にはサティアとの協力関係が一番大切だ。そして知識。この2つが無ければあの結末へと一直線。ゆえに……

 

「君なら分かるはずだ。あの子を救う方法を。女神である君ならば」

 

これは一種掛けに近い。実際サティアの本当の名前なんて覚えていないし、あの化け物を救う方法なんてあるのか皆目見当もつかない。

だけど…皆を救う方法はこれ以外思いつかない。サティアと協力し神殿と協力し、あの化け物となってしまった姉妹を助ける。そうすればサティアは家族が助かるし、神殿はあの邪悪なウツロノウツワを浄化することが出来る。そして俺は皆が死んでしまう結末を変えることができる。

 

「…知って…いたのね」

 

「殆ど知りはしない。俺が知ってるのは、あのウツロノウツワがサティアの姉妹のなれの果てであること。それを浄化できるのは君だけであること。このまま時間が進めばウツロノウツワが人々の心を犯して大変なことになる。これぐらいだ」

 

「そこまで知っているのね。……幻滅したかしら?」

 

「はっ?幻滅?何に?」

 

えっ?この子何言ってるの??

 

「私はあなたに嘘をついていた。あなたは私を信じてくれていたのにっ!」

 

「いやいやいや!別に気にしてないからね!むしろこっちの方が心苦しいよ!」

 

こっちも知ってたからね!だから問題なし!

 

「お願い。私が言えた義理じゃないのは判ってる。だけど、あの子を助けたいの!!」

 

「だから、協力するってば!落ち着いて!!」

 

「えっ…ええ」

 

「俺はウツロノウツワを浄化したい。サティアは姉妹を助けたい、ここまではいい?」

 

「ウツロノウツワが邪悪な存在でなければ神殿は問題ない。だからサティアの妹さん?を元に戻せば万事解決!なんだよ」

 

「えぇっと。私たちは古神だから、現神であるバリハルト神は危険視すると思うけど?」

 

「まぁそこら辺は話し合いでなんとかなると思う。実際サティアは神や人に害をなす古神じゃないし。妹さん?も元に戻れば大丈夫でしょ」

 

「そうなのかしら…」

 

「まぁだめだったら3人で放浪の旅にでも出ればいい」

 

「えっ?」

 

実際どっかの国が神殺しを受け入れてたからな。多分それより楽に安住の地は見つかるだろ。

 

「一緒に…来てくれるの?なんで…私にそんな…」

 

「それは…好きだからだよ」

 

恥ずかしい!一目惚れというわけじゃないけど、誰かに好意を伝えるのってなんか恥ずかしい!!

 

「…わかったわ。一緒に協力してあの子を助けましょう」

 

サティアも照れながらも、協力しあうことを誓った。

 

 

 

 

 

原作!祝・乖離!!!

 




現在の変化:ダルノスは得体のしれない者に精神汚染をされることなく撤退した。
サティアと真の協力体制を結んだ。
完全に原作と乖離した!
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